蚕糸業組合法
法令番号: 法律第二十四號
公布年月日: 昭和6年3月30日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル蠶絲業組合法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和六年三月二十八日
內閣總理大臣 濱口雄幸
農林大臣 町田忠治
法律第二十四號
蠶絲業組合法
第一章 蠶絲業組合
第一節 總則
第一條 蠶絲業組合ハ左ノ六種トス
一 養蠶業組合
二 蠶種業組合
三 產業組合製絲組合
四 製絲業組合
五 生絲問屋業組合
六 生絲輸出業組合
第二條 蠶絲業組合ハ蠶絲業ノ改良發達及統制ヲ圖ルヲ以テ目的トス
第三條 蠶絲業組合ハ法人トス
第四條 蠶絲業組合ハ營利事業ヲ爲スコトヲ得ズ
第五條 蠶絲業組合ハ蠶絲業ニ關スル事項ニ付行政廳ニ建議スルコトヲ得
蠶絲業組合ハ行政廳ノ諮問ニ對シ答申スベシ
第六條 行政官廳ハ蠶絲業組合ニ對シ蠶絲業ニ關スル報吿書ノ提出及蠶絲業ニ關スル事項ノ調查ヲ命ズルコトヲ得
第七條 蠶絲業組合ノ名稱中ニハ其ノ種類ニ從ヒ養蠶業組合、蠶種業組合、產業組合製絲組合、製絲業組合、生絲問屋業組合又ハ生絲輸出業組合ナル文字ヲ用フベシ
蠶絲業組合ニ非ザルモノハ其ノ名稱中ニ前項ニ揭グル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第八條 蠶絲業組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ役員又ハ檢查員ヲシテ組合員ノ事務所若ハ營業所ニ臨檢シ又ハ帳簿物件ヲ檢查セシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ當該役員又ハ檢查員ハ其ノ身分ヲ證明スベキ證票ヲ携帶スベシ
第九條 蠶絲業組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ組合員ニ對シ經費ヲ分賦シ及過怠金ヲ徵收スルコトヲ得
蠶絲業組合ノ經費又ハ過怠金ヲ滯納スル者アル場合ニ於テ其ノ組合長ノ請求アルトキハ市町村ハ市町村稅ノ例ニ依リ之ヲ處分ス此ノ場合ニ於テ蠶絲業組合ハ其ノ徵收金額ノ百分ノ四ヲ市町村ニ交付スベシ
前項ニ規定スル徵收金ノ先取特權ノ順位ハ市町村其ノ他之ニ準ズベキモノノ徵收金ニ次ギ其ノ追徵還付及時效ニ付テハ市町村稅ノ例ニ依ル
第一項ニ規定スル徵收金ノ賦課徵收及滯納處分ニ關シテハ勅令ノ定ムル所ニ依リ異議ノ申立若ハ訴願ヲ爲シ又ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第十條 蠶絲業組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ使用料及手數料ヲ徵收スルコトヲ得
前項ノ使用料及手數料ノ徵收ニ關シテハ民事訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第十一條 蠶絲業組合ノ組合員ハ其ノ營業ニ關スル重要物產同業組合法ニ依ル同業組合ニ加入セズ又ハ之ヨリ脫退スルコトヲ得
第十二條 行政官廳ハ蠶絲業組合ニ對シ業務ニ關スル報吿ヲ爲サシメ、業務執行又ハ財產ノ狀況ヲ檢查シ、定款、收支豫算又ハ經費ノ分賦收入方法ノ變更ヲ命ジ其ノ他監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第十三條 行政官廳ハ蠶絲業組合ノ決議又ハ役員ノ行爲ガ法令若ハ定款ニ違反シ又ハ公益ヲ害シ若ハ害スルノ虞アリト認ムルトキハ決議ヲ取消シ、役員ヲ解任シ、組合ノ業務ヲ停止シ又ハ組合ノ解散ヲ命ズルコトヲ得
第十四條 蠶絲業組合ノ解散及分合ニ關スル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十五條 本章ニ於テ町村トアルハ町村制ヲ施行セザル地ニ在リテハ之ニ準ズベキモノトシ郡トアルハ北海道ニ在リテハ北海道廳支廳長管轄區域トス
第二節 養蠶業組合
第十六條 養蠶業組合ハ其ノ目的ヲ達スル爲左ノ事業ヲ行フ
一 蠶品種ノ統一ニ關スル施設
二 養蠶業ノ指導奬勵ニ關スル施設
三 繭ノ檢查ニ關スル施設
四 繭ノ取引方法ノ改善ニ關スル施設
五 蠶病ノ豫防ニ關スル施設
六 養蠶業ニ關スル硏究及調查
七 養蠶業ニ關スル紛議ノ調停又ハ仲裁
八 前各號ニ揭グルモノノ外養蠶業ノ改良發達及統制ヲ圖ルニ必要ナル施設
第十七條 養蠶業組合ノ地區ハ郡市ノ區域ニ依ル但シ特別ノ事由アルトキハ此ノ區域ニ依ラザルコトヲ得
前項ノ區域ニ增減アリタルトキハ其ノ區域ヲ地區トスル養蠶業組合ノ地區モ亦之ニ應ジテ增減アリタルモノトス
第十八條 養蠶業組合ハ其ノ地區內ノ養蠶實行組合ヲ以テ其ノ組合員トス
第十九條 養蠶實行組合ハ一定ノ地區內ノ養蠶者ヲ以テ之ヲ組織シ養蠶業ニ關シ組合員ノ共同ノ利益增進ヲ圖ルヲ以テ目的トス
養蠶實行組合ハ法人トス
養蠶實行組合ノ地區ハ市町村ノ區域ヲ超ユルコトヲ得ズ
第二十條 養蠶實行組合ハ其ノ名稱中ニ養蠶實行組合ナル文字ヲ用フベシ
養蠶實行組合ニ非ザルモノハ其ノ名稱中ニ前項ニ揭グル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第二十一條 養蠶實行組合ヲ設立スルニハ其ノ地區內ノ養蠶者七人以上設立者ト爲リ規約ヲ作成スルコトヲ要ス
規約ニハ左ニ揭グル事項ヲ記載シ設立者之ニ署名又ハ記名捺印スルコトヲ要ス
一 目的
二 名稱
三 地區
四 事務所ノ所在地
五 組合員ノ加入及脫退ニ關スル規定
六 事業及其ノ執行ニ關スル規定
七 役員ニ關スル規定
八 組合費其ノ他會計及資產ニ關スル規定
九 損失分擔ニ關スル規定
十 組合ガ公吿ヲ爲ス方法
十一 存立時期又ハ解散ノ事由ヲ定メタルトキハ其ノ時期又ハ事由
第二十二條 養蠶實行組合ハ其ノ設立ノ日ヨリ二週間以內ニ規約、役員ノ氏名及住所竝ニ設立ノ年月日ヲ具シ行政官廳ニ之ヲ屆出ヅベシ
前項ノ規定ニ依リ屆出デタル事項ニ變更アリタルトキハ其ノ變更ノ日ヨリ二週間以內ニ之ヲ屆出ヅベシ
第二十三條 養蠶實行組合ハ其ノ設立ノ日ヨリ二週間以內ニ主タル事務所ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲スベシ
登記スベキ事項左ノ如シ
一 第二十一條第二項第一號乃至第三號、第十號及第十一號ニ揭グル事項
二 事務所
三 設立ノ年月日
四 理事ノ氏名及住所
前項ニ揭グル事項ニ變更アリタルトキハ二週間以內ニ其ノ登記ヲ爲スベシ
第二十四條 本法ニ依リ登記スベキ事項ハ其ノ登記前ニ在リテハ之ヲ以テ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第二十五條 養蠶實行組合ガ本法ニ基キテ爲ス登記ニ付テハ登錄稅ヲ課セズ
第二十六條 民法第三十八條第一項、第四十四條、第四十八條、第五十條乃至第六十六條、第六十八條乃至第七十條及第七十二條乃至第八十二條竝ニ非訟事件手續法第三十五條、第三十六條、第三十七條ノ二、第百十七條、第百十九條乃至第百二十二條、第百三十六條乃至第百三十八條、第百四十二條、第百四十三條、第百四十七條乃至第百五十條、第百五十條ノ三乃至第百五十七條及第百七十五條乃至第百七十七條ノ規定ハ養蠶實行組合ニ之ヲ準用ス
第二十七條 養蠶業組合ヲ設立セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ地區內ノ養蠶實行組合ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ創立總會ヲ開キ定款ヲ議定シ役員ヲ選任シ收支豫算及經費ノ分賦收入方法ヲ議決シ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
第三十六條第一項ノ規定ハ前項ノ創立總會ノ決議ニ之ヲ準用ス
第二十八條 養蠶業組合ハ設立ノ認可ヲ受ケタル時成立ス
第二十九條 養蠶業組合成立シタルトキハ其ノ地區內ノ組合員タル資格ヲ有スルモノハ總テ其ノ組合員トス
第三十條 養蠶業組合ノ地區內ニ於テ養蠶業ニ關スル事業ヲ行フ農會、產業組合又ハ產業組合聯合會ニシテ命令ヲ以テ規定スルモノハ行政官廳ノ認可ヲ受ケテ養蠶業組合ノ組合員ト爲ルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ養蠶業組合ノ組合員ト爲リタルモノハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ組合ヲ脫退スルコトヲ得ズ
第三十一條 主務大臣必要アリト認ムルトキハ區域ヲ指定シ養蠶實行組合ニ對シ養蠶業組合ノ設立ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル設立ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十二條 養蠶業組合ニ總會ヲ置ク
總會ハ總組合員ヲ以テ之ヲ組織ス
第三十三條 左ニ揭グル事項ハ總會ノ議決ヲ經ベシ
一 收支豫算
二 經費ノ分賦收入方法
三 命令ヲ以テ規定スル統制ニ關スル施設
四 事業報吿及收支決算
五 借入金
六 基本財產ノ造成、管理及處分
七 定款ノ變更
八 役員ノ選任及解任
九 第六十五條ノ議員ノ選任及解任
十 第六十三條第一項ノ同意
前項第一號乃至第三號、第五號、第七號及第八號ニ揭グル事項ノ決議ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第三十四條 總會ハ組合長之ヲ招集ス
組合員ハ總組合員ノ三分ノ一以上ノ同意ヲ得テ會議ノ目的タル事項及招集ノ事由ヲ記載シタル書面ヲ提出シ總會ノ招集ヲ請求スルコトヲ得
組合長正當ノ事由ナクシテ前項ノ規定ニ依ル請求アリタル後二週間以內ニ總會ヲ招集セザルトキハ請求者ハ行政官廳ノ認可ヲ受ケ之ヲ招集スルコトヲ得
前三項ノ規定ニ依リ總會ヲ招集スルコト能ハザルトキハ行政官廳ハ組合員ヲ指定シテ總會ヲ招集セシムルコトヲ得
第三十五條 總會ノ議事ハ本法ニ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外出席者ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス可否同數ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
第三十六條 第三十三條第一項第三號、第七號及第八號ニ揭グル事項ハ總會ニ於テ組合員ノ半數以上出席シ出席者ノ三分ノ二以上ヲ以テ之ヲ議決ス
定款ノ變更ガ地區ノ增減ニ關スルトキハ前項ノ規定ニ依ル議決ノ外新ニ編入セラレ又ハ削除セラルベキ區域內ノ養蠶實行組合ノ三分ノ二以上ノ同意アルコトヲ要ス
第三十七條 總會ノ議決ヲ經ベキ事項ニシテ輕微ナルモノニ付テハ定款ノ定ムル所ニ依リ書面ヲ以テ組合員ノ意見ヲ徵シ總會ノ議決ニ代フルコトヲ得
第三十八條 養蠶業組合ニ組合長一人ヲ置ク
養蠶業組合ハ前項ノ役員ノ外定款ノ定ムル所ニ依リ他ノ役員ヲ置クコトヲ得
前二項ノ役員ハ所屬ノ養蠶實行組合ノ組合員中ヨリ之ヲ選任ス但シ特別ノ事由アルトキハ其ノ他ノ者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ妨ゲズ
第三十九條 組合長ハ養蠶業組合ヲ代表シ組合ノ事務ヲ總理ス
第四十條 總會ノ議決ヲ經ベキ事項ニシテ臨時急施ヲ要シ總會ヲ招集スルノ暇ナシト認ムルモノハ組合長定款ノ定ムル所ニ依リ之ヲ專決處分スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ組合長ハ次ノ總會ニ於テ其ノ承認ヲ求ムベシ
第四十一條 養蠶實行組合ノ理事、監事又ハ淸算人左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ五圓以上二百圓以下ノ過料ニ處ス
一 本法ニ依ル屆出ヲ爲スコトヲ怠リタルトキ
二 本法ニ依ル登記ヲ爲スコトヲ怠リタルトキ
三 行政官廳又ハ總會ニ對シ不實ノ申立ヲ爲シ又ハ事實ヲ隱蔽シタルトキ
四 本法ニ依ル總會ノ招集ヲ怠リタルトキ
五 組合ノ目的ニ非ザル事業ヲ爲シタルトキ
六 本法ニ依リ事務所ニ備ヘ置クベキ書類ヲ備ヘズ、其ノ書類ニ記載スベキ事項ヲ記載セズ若ハ不正ノ記載ヲ爲シ又ハ正當ノ理由ナクシテ其ノ閱覽ヲ拒ミタルトキ
七 本法ニ違反シテ破產ノ宣吿ヲ請求セザルトキ
八 本法ニ依ル公吿ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公吿ヲ爲シタルトキ
九 淸算ノ場合ニ於テ本法ニ違反シテ辨濟ヲ爲シ又ハ組合財產ノ分配ヲ爲シタルトキ
非訟事件手續法第二百六條乃至第二百八條ノ規定ハ前項ノ過料ニ之ヲ準用ス
第三節 蠶種業組合
第四十二條 蠶種業組合ハ其ノ目的ヲ達スル爲左ノ事業ヲ行フ
一 蠶品種ノ統一ニ關スル施設
二 蠶種製造ノ指導奬勵ニ關スル施設
三 蠶種ノ檢查ニ關スル施設
四 蠶病ノ豫防ニ關スル施設
五 蠶種ニ關スル硏究及調查
六 蠶種製造業ニ關スル紛議ノ調停又ハ仲裁
七 前各號ニ揭グルモノノ外蠶種製造業ノ改良發達及統制ヲ圖ルニ必要ナル施設
第四十三條 蠶種業組合ノ地區ハ道府縣ノ區域ニ依ル但シ特別ノ事由アルトキハ此ノ區域ニ依ラザルコトヲ得
第十七條第二項ノ規定ハ前項ノ區域ニ增減アリタル場合ニ之ヲ準用ス
第四十四條 蠶種業組合ハ其ノ地區內ニ於テ蠶種ノ製造ヲ業トスル者ヲ以テ其ノ組合員トス
第四十五條 第二十七條乃至第二十九條及第三十一條乃至第四十條ノ規定ハ蠶種業組合ニ之ヲ準用ス
第四節 產業組合製絲組合及製絲業組合
第四十六條 產業組合製絲組合ハ其ノ目的ヲ達スル爲左ノ事業ヲ行フ
一 原料繭及其ノ受入方法ノ統一ニ關スル施設
二 生絲ニ關スル規格ノ統一ニ關スル施設
三 產業組合製絲ノ指導奬勵ニ關スル施設
四 生絲ノ檢查ニ關スル施設
五 產業組合製絲ニ關スル硏究及調查
六 產業組合製絲ニ關スル紛議ノ調停又ハ仲裁
七 前各號ニ揭グルモノノ外產業組合製絲ノ改良發達及統制ヲ圖ルニ必要ナル施設
第四十七條 製絲業組合ハ其ノ目的ヲ達スル爲左ノ事業ヲ行フ
一 生絲ニ關スル規格ノ統一ニ關スル施設
二 生絲業ノ指導奬勵ニ關スル施設
三 生絲ノ檢查ニ關スル施設
四 製絲業ニ從事スル者ノ福利增進ニ關スル施設
五 製絲業ニ關スル硏究及調查
六 製絲業ニ關スル紛議ノ調停又ハ仲裁
七 前各號ニ揭グルモノノ外製絲業ノ改良發達及統制ヲ圖ルニ必要ナル施設
第四十八條 產業組合製絲組合及製絲業組合ノ地區ハ道府縣ノ區域ニ依ル但シ特別ノ事由アルトキハ此ノ區域ニ依ラザルコトヲ得
第十七條第二項ノ規定ハ前項ノ區域ニ增減アリタル場合ニ之ヲ準用ス
第四十九條 產業組合製絲組合ハ其ノ地區內ニ於テ製絲ヲ爲シ又ハ製絲工場ヲ有スル產業組合及產業組合聯合會ヲ以テ其ノ組合員トス
第五十條 製絲業組合ハ命令ヲ以テ規定スル者ヲ除クノ外其ノ地區內ニ於テ生絲ノ製造ヲ業トスル者ヲ以テ其ノ組合員トス
第五十一條 第二十七條乃至第二十九條及第三十一條乃至第四十條ノ規定ハ產業組合製絲組合及製絲業組合ニ之ヲ準用ス
第五節 生絲問屋業組合及生絲輸出業組合
第五十二條 生絲問屋業組合及生絲輸出業組合ハ其ノ目的ヲ達スル爲左ノ事業ヲ行フ
一 生絲ノ取引方法ノ改善及統一ニ關スル施設
二 生絲取引ニ關スル硏究及調查
三 生絲取引ニ關スル紛議ノ調停又ハ仲裁
四 前各號ニ揭グルモノノ外生絲取引ノ改良發達及統制ニ關スル施設
第五十三條 生絲問屋業組合ノ地區ハ郡市ノ區域ニ依リ生絲輸出業組合ノ地區ハ市ノ區域ニ依ル但シ特別ノ事由アルトキハ此ノ區域ニ依ラザルコトヲ得
第十七條第二項ノ規定ハ前項ノ區域ニ增減アリタル場合ニ之ヲ準用ス
第五十四條 生絲問屋業組合ハ其ノ地區內ニ於テ生絲取引ノ仲立又ハ取次ヲ業トスル者竝ニ生絲ノ販賣ヲ爲ス產業組合及產業組合聯合會ヲ以テ其ノ組合員トス
第五十五條 生絲輸出業組合ハ其ノ地區內ニ於テ生絲ノ輸出ヲ業トスル者竝ニ生絲ノ輸出ヲ爲ス產業組合及產業組合聯合會ヲ以テ其ノ組合員トス
第五十六條 第二十七條乃至第二十九條及第三十一條乃至第四十條ノ規定ハ生絲問屋業組合及生絲輸出業組合ニ之ヲ準用ス但シ第三十三條第一項第九號中第六十五條トアルハ之ヲ第六十五條又ハ第七十六條トシ第三十三條第一項第十號中第六十三條第一項トアルハ之ヲ第六十三條第一項又ハ第七十五條第一項トス
第二章 蠶絲業組合聯合會
第五十七條 蠶絲業組合聯合會ハ左ノ七種トス
一 道府縣養蠶業組合聯合會
二 全國養蠶業組合聯合會
三 全國蠶種業組合聯合會
四 全國產業組合製絲組合聯合會
五 全國製絲業組合聯合會
六 全國生絲問屋業組合聯合會
七 全國生絲輸出業組合聯合會
第五十八條 蠶絲業組合聯合會ハ蠶絲業組合又ハ道府縣養蠶業組合聯合會ノ聯絡ヲ圖リ其ノ共同ノ目的ヲ達成スルヲ以テ目的トス
第五十九條 蠶絲業組合聯合會ハ法人トス
第六十條 蠶絲業組合聯合會ノ地區ハ道府縣養蠶業組合聯合會ニ在リテハ道府縣ノ區域ニ依リ其ノ他ノモノニ在リテハ全國ノ區域ニ依ル
第十七條第二項ノ規定ハ前項ノ道府縣ノ區域ニ增減アリタル場合ニ之ヲ準用ス
第六十一條 蠶絲業組合聯合會ノ名稱中ニハ其ノ種類ニ從ヒ道、府若ハ縣養蠶業組合聯合會、全國養蠶業組合聯合會、全國蠶種業組合聯合會、全國產業組合製絲組合聯合會、全國製絲業組合聯合會、全國生絲問屋業組合聯合會又ハ全國生絲輸出業組合聯合會ナル文字ヲ用フベシ
蠶絲業組合聯合會ニ非ザルモノハ其ノ名稱中ニ前項ニ揭グル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第六十二條 道府縣養蠶業組合聯合會ハ其ノ地區內ノ養蠶業組合ヲ以テ其ノ會員トス
全國養蠶業組合聯合會ハ道府縣養蠶業組合聯合會及道府縣ノ區域ヲ地區トスル養蠶業組合ヲ以テ其ノ會員トス
全國蠶種業組合聯合會ハ蠶種業組合ヲ以テ、全國產業組合製絲組合聯合會ハ產業組合製絲組合ヲ以テ、全國製絲業組合聯合會ハ製絲業組合ヲ以テ、全國生絲問屋業組合聯合會ハ生絲問屋業組合ヲ以テ、全國生絲輸出業組合聯合會ハ生絲輸出業組合ヲ以テ其ノ會員トス
第六十三條 蠶絲業組合聯合會ヲ設立セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ地區內ノ會員タル資格ヲ有スルモノノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ創立總會ヲ開キ會則ヲ議定シ役員ヲ選任シ收支豫算及經費ノ分賦收入方法ヲ議決シ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第三十六條第一項ノ規定ハ前項ノ創立總會ノ決議ニ之ヲ準用ス
第六十四條 蠶絲業組合聯合會成立シタルトキハ其ノ地區內ノ會員タル資格ヲ有スルモノハ總テ其ノ會員トス
第六十五條 蠶絲業組合聯合會ニ總會ヲ置ク
總會ハ會長、副會長及議員ヲ以テ之ヲ組織ス
蠶絲業組合聯合會ノ議員ハ其ノ會員タル蠶絲業組合又ハ道府縣養蠶業組合聯合會ニ於テ之ヲ選任ス
前項ニ規定スルモノノ外議員ノ選任及解任ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第六十六條 蠶絲業組合聯合會ニ左ノ役員ヲ置ク
會長 一人
副會長 一人又ハ二人
評議員 數人
前項ノ役員ハ議員中ヨリ之ヲ選任ス但シ會長及副會長ハ其ノ他ノ者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ妨ゲズ
第六十七條 會長ハ蠶絲業組合聯合會ヲ代表シ會務ヲ總理ス
副會長ハ會長ヲ補佐シ會長事故アルトキ其ノ職務ヲ代理ス
副會長ハ會則ノ定ムル所ニ依リ會長ノ職務ノ一部ヲ分掌スルコトヲ得
評議員ハ會長ノ諮問ニ應ジ竝ニ會務ノ執行及財產ノ狀況ヲ監查ス
第六十八條 第四條乃至第六條、第九條第一項、第十條、第十二條乃至第十四條、第二十八條、第三十一條、第三十三條乃至第三十五條、第三十六條第一項、第三十七條及第四十條ノ規定ハ蠶絲業組合聯合會ニ之ヲ準用ス但シ第五十七條第二號乃至第七號ノ蠶絲業組合聯合會ニ付テハ第三十三條第一項第九號中第六十五條トアルハ之ヲ第七十六條トシ第三十三條第一項第十號中第六十三條第一項トアルハ之ヲ第七十五條第一項トス
第三章 日本中央蠶絲會
第六十九條 日本中央蠶絲會ハ蠶絲業組合聯合會及蠶絲業組合ノ聯絡竝ニ蠶絲業ノ改良發達及統制ヲ圖ルヲ以テ目的トス
第七十條 日本中央蠶絲會ハ法人トス
第七十一條 日本中央蠶絲會ハ其ノ目的ヲ達スル爲左ノ事業ヲ行フ
一 蠶絲業組合聯合會及蠶絲業組合ノ聯絡及統制ニ關スル施設
二 蠶絲業ニ關スル硏究及調查
三 蠶絲類ノ販路擴張ニ關スル施設
四 蠶絲業ニ關スル紛議ノ調停又ハ仲裁
五 前各號ニ揭グルモノノ外蠶絲業ノ改良發達及統制ヲ圖ルニ必要ナル施設
第七十二條 日本中央蠶絲會ノ地區ハ全國ノ區域ニ依ル
第七十三條 日本中央蠶絲會ノ名稱ニハ日本中央蠶絲會ナル文字ヲ用フベシ
日本中央蠶絲會ニ非ザルモノハ其ノ名稱中ニ前項ニ揭グル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第七十四條 日本中央蠶絲會ハ第五十七條第二號乃至第七號ノ蠶絲業組合聯合會ヲ以テ其ノ會員トス
全國生絲問屋業組合聯合會又ハ全國生絲輸出業組合聯合會ナキ場合ニ限リ前項ニ規定スルモノノ外生絲問屋業組合又ハ生絲輸出業組合ヲ以テ其ノ會員トス
第七十五條 日本中央蠶絲會ヲ設立セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ會員タル資格ヲ有スルモノノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ創立總會ヲ開キ會則ヲ議定シ役員ヲ選任シ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第三十六條第一項ノ規定ハ前項ノ創立總會ノ決議ニ之ヲ準用ス
前二項ノ場合ニ於テ會員タル資格ヲ有スルモノノ員數ノ計算ニ付テハ前條第二項ノ規定ニ依リ會員タル資格ヲ有スル生絲問屋業組合又ハ生絲輸出業組合二以上アル場合ニ於テハ之ヲ一箇ノ生絲問屋業組合又ハ生絲輸出業組合ト看做ス
第七十六條 日本中央蠶絲會ニ總會ヲ置ク
總會ハ會長、副會長、議員及特別議員ヲ以テ之ヲ組織ス
日本中央蠶絲會ノ議員ハ其ノ會員タル蠶絲業組合聯合會又ハ蠶絲業組合ニ於テ之ヲ選任シ特別議員ハ主務大臣之ヲ命ズ
特別議員ノ員數ハ議員定數ノ五分ノ一以內トス
前二項ニ規定スルモノノ外議員ノ選任及解任竝ニ特別議員ノ命免ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第七十七條 日本中央蠶絲會ニ左ノ役員ヲ置ク
會長 一人
副會長 一人又ハ二人
評議員 數人
前項ノ役員ハ議員及特別議員中ヨリ之ヲ選任ス但シ會長及副會長ハ其ノ他ノ者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ妨ゲズ
第七十八條 日本中央蠶絲會ノ會員蠶絲業ノ統制ニ關スル施設ヲ行ハントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ日本中央蠶絲會ノ承認ヲ受クルコトヲ要ス
日本中央蠶絲會前項ノ承認ヲ爲スニハ其ノ總會ノ議決ヲ經ルコトヲ要ス
第三十六條第一項ノ規定ハ前項ノ總會ノ決議ニ之ヲ準用ス
第七十九條 第四條乃至第六條、第九條第一項、第十二條乃至第十四條、第二十八條、第三十三條乃至第三十五條、第三十六條第一項、第三十七條、第四十條、第六十四條及第六十七條ノ規定ハ日本中央蠶絲會ニ之ヲ準用ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
重要物產同業組合法ニ依リ道府縣ヲ地區トシ設置シタル蠶絲業者ノ同業組合ニシテ本法施行ノ際現ニ存スルモノハ命令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ之ヲ本法ニ依ル蠶絲業組合ト看做ス
日本中央蠶絲會成立シタルトキハ其ノ成立ノ日ヨリ一年以內ニ蠶絲業同業組合中央會ハ解散ヲ爲スコトヲ要ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル蚕糸業組合法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和六年三月二十八日
内閣総理大臣 浜口雄幸
農林大臣 町田忠治
法律第二十四号
蚕糸業組合法
第一章 蚕糸業組合
第一節 総則
第一条 蚕糸業組合ハ左ノ六種トス
一 養蚕業組合
二 蚕種業組合
三 産業組合製糸組合
四 製糸業組合
五 生糸問屋業組合
六 生糸輸出業組合
第二条 蚕糸業組合ハ蚕糸業ノ改良発達及統制ヲ図ルヲ以テ目的トス
第三条 蚕糸業組合ハ法人トス
第四条 蚕糸業組合ハ営利事業ヲ為スコトヲ得ズ
第五条 蚕糸業組合ハ蚕糸業ニ関スル事項ニ付行政庁ニ建議スルコトヲ得
蚕糸業組合ハ行政庁ノ諮問ニ対シ答申スベシ
第六条 行政官庁ハ蚕糸業組合ニ対シ蚕糸業ニ関スル報告書ノ提出及蚕糸業ニ関スル事項ノ調査ヲ命ズルコトヲ得
第七条 蚕糸業組合ノ名称中ニハ其ノ種類ニ従ヒ養蚕業組合、蚕種業組合、産業組合製糸組合、製糸業組合、生糸問屋業組合又ハ生糸輸出業組合ナル文字ヲ用フベシ
蚕糸業組合ニ非ザルモノハ其ノ名称中ニ前項ニ掲グル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第八条 蚕糸業組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ役員又ハ検査員ヲシテ組合員ノ事務所若ハ営業所ニ臨検シ又ハ帳簿物件ヲ検査セシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ当該役員又ハ検査員ハ其ノ身分ヲ証明スベキ証票ヲ携帯スベシ
第九条 蚕糸業組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ組合員ニ対シ経費ヲ分賦シ及過怠金ヲ徴収スルコトヲ得
蚕糸業組合ノ経費又ハ過怠金ヲ滞納スル者アル場合ニ於テ其ノ組合長ノ請求アルトキハ市町村ハ市町村税ノ例ニ依リ之ヲ処分ス此ノ場合ニ於テ蚕糸業組合ハ其ノ徴収金額ノ百分ノ四ヲ市町村ニ交付スベシ
前項ニ規定スル徴収金ノ先取特権ノ順位ハ市町村其ノ他之ニ準ズベキモノノ徴収金ニ次ギ其ノ追徴還付及時効ニ付テハ市町村税ノ例ニ依ル
第一項ニ規定スル徴収金ノ賦課徴収及滞納処分ニ関シテハ勅令ノ定ムル所ニ依リ異議ノ申立若ハ訴願ヲ為シ又ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第十条 蚕糸業組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ使用料及手数料ヲ徴収スルコトヲ得
前項ノ使用料及手数料ノ徴収ニ関シテハ民事訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第十一条 蚕糸業組合ノ組合員ハ其ノ営業ニ関スル重要物産同業組合法ニ依ル同業組合ニ加入セズ又ハ之ヨリ脱退スルコトヲ得
第十二条 行政官庁ハ蚕糸業組合ニ対シ業務ニ関スル報告ヲ為サシメ、業務執行又ハ財産ノ状況ヲ検査シ、定款、収支予算又ハ経費ノ分賦収入方法ノ変更ヲ命ジ其ノ他監督上必要ナル命令ヲ発シ又ハ処分ヲ為スコトヲ得
第十三条 行政官庁ハ蚕糸業組合ノ決議又ハ役員ノ行為ガ法令若ハ定款ニ違反シ又ハ公益ヲ害シ若ハ害スルノ虞アリト認ムルトキハ決議ヲ取消シ、役員ヲ解任シ、組合ノ業務ヲ停止シ又ハ組合ノ解散ヲ命ズルコトヲ得
第十四条 蚕糸業組合ノ解散及分合ニ関スル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十五条 本章ニ於テ町村トアルハ町村制ヲ施行セザル地ニ在リテハ之ニ準ズベキモノトシ郡トアルハ北海道ニ在リテハ北海道庁支庁長管轄区域トス
第二節 養蚕業組合
第十六条 養蚕業組合ハ其ノ目的ヲ達スル為左ノ事業ヲ行フ
一 蚕品種ノ統一ニ関スル施設
二 養蚕業ノ指導奨励ニ関スル施設
三 繭ノ検査ニ関スル施設
四 繭ノ取引方法ノ改善ニ関スル施設
五 蚕病ノ予防ニ関スル施設
六 養蚕業ニ関スル研究及調査
七 養蚕業ニ関スル紛議ノ調停又ハ仲裁
八 前各号ニ掲グルモノノ外養蚕業ノ改良発達及統制ヲ図ルニ必要ナル施設
第十七条 養蚕業組合ノ地区ハ郡市ノ区域ニ依ル但シ特別ノ事由アルトキハ此ノ区域ニ依ラザルコトヲ得
前項ノ区域ニ増減アリタルトキハ其ノ区域ヲ地区トスル養蚕業組合ノ地区モ亦之ニ応ジテ増減アリタルモノトス
第十八条 養蚕業組合ハ其ノ地区内ノ養蚕実行組合ヲ以テ其ノ組合員トス
第十九条 養蚕実行組合ハ一定ノ地区内ノ養蚕者ヲ以テ之ヲ組織シ養蚕業ニ関シ組合員ノ共同ノ利益増進ヲ図ルヲ以テ目的トス
養蚕実行組合ハ法人トス
養蚕実行組合ノ地区ハ市町村ノ区域ヲ超ユルコトヲ得ズ
第二十条 養蚕実行組合ハ其ノ名称中ニ養蚕実行組合ナル文字ヲ用フベシ
養蚕実行組合ニ非ザルモノハ其ノ名称中ニ前項ニ掲グル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第二十一条 養蚕実行組合ヲ設立スルニハ其ノ地区内ノ養蚕者七人以上設立者ト為リ規約ヲ作成スルコトヲ要ス
規約ニハ左ニ掲グル事項ヲ記載シ設立者之ニ署名又ハ記名捺印スルコトヲ要ス
一 目的
二 名称
三 地区
四 事務所ノ所在地
五 組合員ノ加入及脱退ニ関スル規定
六 事業及其ノ執行ニ関スル規定
七 役員ニ関スル規定
八 組合費其ノ他会計及資産ニ関スル規定
九 損失分担ニ関スル規定
十 組合ガ公告ヲ為ス方法
十一 存立時期又ハ解散ノ事由ヲ定メタルトキハ其ノ時期又ハ事由
第二十二条 養蚕実行組合ハ其ノ設立ノ日ヨリ二週間以内ニ規約、役員ノ氏名及住所並ニ設立ノ年月日ヲ具シ行政官庁ニ之ヲ届出ヅベシ
前項ノ規定ニ依リ届出デタル事項ニ変更アリタルトキハ其ノ変更ノ日ヨリ二週間以内ニ之ヲ届出ヅベシ
第二十三条 養蚕実行組合ハ其ノ設立ノ日ヨリ二週間以内ニ主タル事務所ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ為スベシ
登記スベキ事項左ノ如シ
一 第二十一条第二項第一号乃至第三号、第十号及第十一号ニ掲グル事項
二 事務所
三 設立ノ年月日
四 理事ノ氏名及住所
前項ニ掲グル事項ニ変更アリタルトキハ二週間以内ニ其ノ登記ヲ為スベシ
第二十四条 本法ニ依リ登記スベキ事項ハ其ノ登記前ニ在リテハ之ヲ以テ第三者ニ対抗スルコトヲ得ズ
第二十五条 養蚕実行組合ガ本法ニ基キテ為ス登記ニ付テハ登録税ヲ課セズ
第二十六条 民法第三十八条第一項、第四十四条、第四十八条、第五十条乃至第六十六条、第六十八条乃至第七十条及第七十二条乃至第八十二条並ニ非訟事件手続法第三十五条、第三十六条、第三十七条ノ二、第百十七条、第百十九条乃至第百二十二条、第百三十六条乃至第百三十八条、第百四十二条、第百四十三条、第百四十七条乃至第百五十条、第百五十条ノ三乃至第百五十七条及第百七十五条乃至第百七十七条ノ規定ハ養蚕実行組合ニ之ヲ準用ス
第二十七条 養蚕業組合ヲ設立セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ地区内ノ養蚕実行組合ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ創立総会ヲ開キ定款ヲ議定シ役員ヲ選任シ収支予算及経費ノ分賦収入方法ヲ議決シ行政官庁ノ認可ヲ受クベシ
第三十六条第一項ノ規定ハ前項ノ創立総会ノ決議ニ之ヲ準用ス
第二十八条 養蚕業組合ハ設立ノ認可ヲ受ケタル時成立ス
第二十九条 養蚕業組合成立シタルトキハ其ノ地区内ノ組合員タル資格ヲ有スルモノハ総テ其ノ組合員トス
第三十条 養蚕業組合ノ地区内ニ於テ養蚕業ニ関スル事業ヲ行フ農会、産業組合又ハ産業組合連合会ニシテ命令ヲ以テ規定スルモノハ行政官庁ノ認可ヲ受ケテ養蚕業組合ノ組合員ト為ルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ養蚕業組合ノ組合員ト為リタルモノハ行政官庁ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ組合ヲ脱退スルコトヲ得ズ
第三十一条 主務大臣必要アリト認ムルトキハ区域ヲ指定シ養蚕実行組合ニ対シ養蚕業組合ノ設立ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル設立ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十二条 養蚕業組合ニ総会ヲ置ク
総会ハ総組合員ヲ以テ之ヲ組織ス
第三十三条 左ニ掲グル事項ハ総会ノ議決ヲ経ベシ
一 収支予算
二 経費ノ分賦収入方法
三 命令ヲ以テ規定スル統制ニ関スル施設
四 事業報告及収支決算
五 借入金
六 基本財産ノ造成、管理及処分
七 定款ノ変更
八 役員ノ選任及解任
九 第六十五条ノ議員ノ選任及解任
十 第六十三条第一項ノ同意
前項第一号乃至第三号、第五号、第七号及第八号ニ掲グル事項ノ決議ハ行政官庁ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第三十四条 総会ハ組合長之ヲ招集ス
組合員ハ総組合員ノ三分ノ一以上ノ同意ヲ得テ会議ノ目的タル事項及招集ノ事由ヲ記載シタル書面ヲ提出シ総会ノ招集ヲ請求スルコトヲ得
組合長正当ノ事由ナクシテ前項ノ規定ニ依ル請求アリタル後二週間以内ニ総会ヲ招集セザルトキハ請求者ハ行政官庁ノ認可ヲ受ケ之ヲ招集スルコトヲ得
前三項ノ規定ニ依リ総会ヲ招集スルコト能ハザルトキハ行政官庁ハ組合員ヲ指定シテ総会ヲ招集セシムルコトヲ得
第三十五条 総会ノ議事ハ本法ニ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外出席者ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス可否同数ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
第三十六条 第三十三条第一項第三号、第七号及第八号ニ掲グル事項ハ総会ニ於テ組合員ノ半数以上出席シ出席者ノ三分ノ二以上ヲ以テ之ヲ議決ス
定款ノ変更ガ地区ノ増減ニ関スルトキハ前項ノ規定ニ依ル議決ノ外新ニ編入セラレ又ハ削除セラルベキ区域内ノ養蚕実行組合ノ三分ノ二以上ノ同意アルコトヲ要ス
第三十七条 総会ノ議決ヲ経ベキ事項ニシテ軽微ナルモノニ付テハ定款ノ定ムル所ニ依リ書面ヲ以テ組合員ノ意見ヲ徴シ総会ノ議決ニ代フルコトヲ得
第三十八条 養蚕業組合ニ組合長一人ヲ置ク
養蚕業組合ハ前項ノ役員ノ外定款ノ定ムル所ニ依リ他ノ役員ヲ置クコトヲ得
前二項ノ役員ハ所属ノ養蚕実行組合ノ組合員中ヨリ之ヲ選任ス但シ特別ノ事由アルトキハ其ノ他ノ者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ妨ゲズ
第三十九条 組合長ハ養蚕業組合ヲ代表シ組合ノ事務ヲ総理ス
第四十条 総会ノ議決ヲ経ベキ事項ニシテ臨時急施ヲ要シ総会ヲ招集スルノ暇ナシト認ムルモノハ組合長定款ノ定ムル所ニ依リ之ヲ専決処分スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ組合長ハ次ノ総会ニ於テ其ノ承認ヲ求ムベシ
第四十一条 養蚕実行組合ノ理事、監事又ハ清算人左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ五円以上二百円以下ノ過料ニ処ス
一 本法ニ依ル届出ヲ為スコトヲ怠リタルトキ
二 本法ニ依ル登記ヲ為スコトヲ怠リタルトキ
三 行政官庁又ハ総会ニ対シ不実ノ申立ヲ為シ又ハ事実ヲ隠蔽シタルトキ
四 本法ニ依ル総会ノ招集ヲ怠リタルトキ
五 組合ノ目的ニ非ザル事業ヲ為シタルトキ
六 本法ニ依リ事務所ニ備ヘ置クベキ書類ヲ備ヘズ、其ノ書類ニ記載スベキ事項ヲ記載セズ若ハ不正ノ記載ヲ為シ又ハ正当ノ理由ナクシテ其ノ閲覧ヲ拒ミタルトキ
七 本法ニ違反シテ破産ノ宣告ヲ請求セザルトキ
八 本法ニ依ル公告ヲ為スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公告ヲ為シタルトキ
九 清算ノ場合ニ於テ本法ニ違反シテ弁済ヲ為シ又ハ組合財産ノ分配ヲ為シタルトキ
非訟事件手続法第二百六条乃至第二百八条ノ規定ハ前項ノ過料ニ之ヲ準用ス
第三節 蚕種業組合
第四十二条 蚕種業組合ハ其ノ目的ヲ達スル為左ノ事業ヲ行フ
一 蚕品種ノ統一ニ関スル施設
二 蚕種製造ノ指導奨励ニ関スル施設
三 蚕種ノ検査ニ関スル施設
四 蚕病ノ予防ニ関スル施設
五 蚕種ニ関スル研究及調査
六 蚕種製造業ニ関スル紛議ノ調停又ハ仲裁
七 前各号ニ掲グルモノノ外蚕種製造業ノ改良発達及統制ヲ図ルニ必要ナル施設
第四十三条 蚕種業組合ノ地区ハ道府県ノ区域ニ依ル但シ特別ノ事由アルトキハ此ノ区域ニ依ラザルコトヲ得
第十七条第二項ノ規定ハ前項ノ区域ニ増減アリタル場合ニ之ヲ準用ス
第四十四条 蚕種業組合ハ其ノ地区内ニ於テ蚕種ノ製造ヲ業トスル者ヲ以テ其ノ組合員トス
第四十五条 第二十七条乃至第二十九条及第三十一条乃至第四十条ノ規定ハ蚕種業組合ニ之ヲ準用ス
第四節 産業組合製糸組合及製糸業組合
第四十六条 産業組合製糸組合ハ其ノ目的ヲ達スル為左ノ事業ヲ行フ
一 原料繭及其ノ受入方法ノ統一ニ関スル施設
二 生糸ニ関スル規格ノ統一ニ関スル施設
三 産業組合製糸ノ指導奨励ニ関スル施設
四 生糸ノ検査ニ関スル施設
五 産業組合製糸ニ関スル研究及調査
六 産業組合製糸ニ関スル紛議ノ調停又ハ仲裁
七 前各号ニ掲グルモノノ外産業組合製糸ノ改良発達及統制ヲ図ルニ必要ナル施設
第四十七条 製糸業組合ハ其ノ目的ヲ達スル為左ノ事業ヲ行フ
一 生糸ニ関スル規格ノ統一ニ関スル施設
二 生糸業ノ指導奨励ニ関スル施設
三 生糸ノ検査ニ関スル施設
四 製糸業ニ従事スル者ノ福利増進ニ関スル施設
五 製糸業ニ関スル研究及調査
六 製糸業ニ関スル紛議ノ調停又ハ仲裁
七 前各号ニ掲グルモノノ外製糸業ノ改良発達及統制ヲ図ルニ必要ナル施設
第四十八条 産業組合製糸組合及製糸業組合ノ地区ハ道府県ノ区域ニ依ル但シ特別ノ事由アルトキハ此ノ区域ニ依ラザルコトヲ得
第十七条第二項ノ規定ハ前項ノ区域ニ増減アリタル場合ニ之ヲ準用ス
第四十九条 産業組合製糸組合ハ其ノ地区内ニ於テ製糸ヲ為シ又ハ製糸工場ヲ有スル産業組合及産業組合連合会ヲ以テ其ノ組合員トス
第五十条 製糸業組合ハ命令ヲ以テ規定スル者ヲ除クノ外其ノ地区内ニ於テ生糸ノ製造ヲ業トスル者ヲ以テ其ノ組合員トス
第五十一条 第二十七条乃至第二十九条及第三十一条乃至第四十条ノ規定ハ産業組合製糸組合及製糸業組合ニ之ヲ準用ス
第五節 生糸問屋業組合及生糸輸出業組合
第五十二条 生糸問屋業組合及生糸輸出業組合ハ其ノ目的ヲ達スル為左ノ事業ヲ行フ
一 生糸ノ取引方法ノ改善及統一ニ関スル施設
二 生糸取引ニ関スル研究及調査
三 生糸取引ニ関スル紛議ノ調停又ハ仲裁
四 前各号ニ掲グルモノノ外生糸取引ノ改良発達及統制ニ関スル施設
第五十三条 生糸問屋業組合ノ地区ハ郡市ノ区域ニ依リ生糸輸出業組合ノ地区ハ市ノ区域ニ依ル但シ特別ノ事由アルトキハ此ノ区域ニ依ラザルコトヲ得
第十七条第二項ノ規定ハ前項ノ区域ニ増減アリタル場合ニ之ヲ準用ス
第五十四条 生糸問屋業組合ハ其ノ地区内ニ於テ生糸取引ノ仲立又ハ取次ヲ業トスル者並ニ生糸ノ販売ヲ為ス産業組合及産業組合連合会ヲ以テ其ノ組合員トス
第五十五条 生糸輸出業組合ハ其ノ地区内ニ於テ生糸ノ輸出ヲ業トスル者並ニ生糸ノ輸出ヲ為ス産業組合及産業組合連合会ヲ以テ其ノ組合員トス
第五十六条 第二十七条乃至第二十九条及第三十一条乃至第四十条ノ規定ハ生糸問屋業組合及生糸輸出業組合ニ之ヲ準用ス但シ第三十三条第一項第九号中第六十五条トアルハ之ヲ第六十五条又ハ第七十六条トシ第三十三条第一項第十号中第六十三条第一項トアルハ之ヲ第六十三条第一項又ハ第七十五条第一項トス
第二章 蚕糸業組合連合会
第五十七条 蚕糸業組合連合会ハ左ノ七種トス
一 道府県養蚕業組合連合会
二 全国養蚕業組合連合会
三 全国蚕種業組合連合会
四 全国産業組合製糸組合連合会
五 全国製糸業組合連合会
六 全国生糸問屋業組合連合会
七 全国生糸輸出業組合連合会
第五十八条 蚕糸業組合連合会ハ蚕糸業組合又ハ道府県養蚕業組合連合会ノ連絡ヲ図リ其ノ共同ノ目的ヲ達成スルヲ以テ目的トス
第五十九条 蚕糸業組合連合会ハ法人トス
第六十条 蚕糸業組合連合会ノ地区ハ道府県養蚕業組合連合会ニ在リテハ道府県ノ区域ニ依リ其ノ他ノモノニ在リテハ全国ノ区域ニ依ル
第十七条第二項ノ規定ハ前項ノ道府県ノ区域ニ増減アリタル場合ニ之ヲ準用ス
第六十一条 蚕糸業組合連合会ノ名称中ニハ其ノ種類ニ従ヒ道、府若ハ県養蚕業組合連合会、全国養蚕業組合連合会、全国蚕種業組合連合会、全国産業組合製糸組合連合会、全国製糸業組合連合会、全国生糸問屋業組合連合会又ハ全国生糸輸出業組合連合会ナル文字ヲ用フベシ
蚕糸業組合連合会ニ非ザルモノハ其ノ名称中ニ前項ニ掲グル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第六十二条 道府県養蚕業組合連合会ハ其ノ地区内ノ養蚕業組合ヲ以テ其ノ会員トス
全国養蚕業組合連合会ハ道府県養蚕業組合連合会及道府県ノ区域ヲ地区トスル養蚕業組合ヲ以テ其ノ会員トス
全国蚕種業組合連合会ハ蚕種業組合ヲ以テ、全国産業組合製糸組合連合会ハ産業組合製糸組合ヲ以テ、全国製糸業組合連合会ハ製糸業組合ヲ以テ、全国生糸問屋業組合連合会ハ生糸問屋業組合ヲ以テ、全国生糸輸出業組合連合会ハ生糸輸出業組合ヲ以テ其ノ会員トス
第六十三条 蚕糸業組合連合会ヲ設立セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ地区内ノ会員タル資格ヲ有スルモノノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ創立総会ヲ開キ会則ヲ議定シ役員ヲ選任シ収支予算及経費ノ分賦収入方法ヲ議決シ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第三十六条第一項ノ規定ハ前項ノ創立総会ノ決議ニ之ヲ準用ス
第六十四条 蚕糸業組合連合会成立シタルトキハ其ノ地区内ノ会員タル資格ヲ有スルモノハ総テ其ノ会員トス
第六十五条 蚕糸業組合連合会ニ総会ヲ置ク
総会ハ会長、副会長及議員ヲ以テ之ヲ組織ス
蚕糸業組合連合会ノ議員ハ其ノ会員タル蚕糸業組合又ハ道府県養蚕業組合連合会ニ於テ之ヲ選任ス
前項ニ規定スルモノノ外議員ノ選任及解任ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第六十六条 蚕糸業組合連合会ニ左ノ役員ヲ置ク
会長 一人
副会長 一人又ハ二人
評議員 数人
前項ノ役員ハ議員中ヨリ之ヲ選任ス但シ会長及副会長ハ其ノ他ノ者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ妨ゲズ
第六十七条 会長ハ蚕糸業組合連合会ヲ代表シ会務ヲ総理ス
副会長ハ会長ヲ補佐シ会長事故アルトキ其ノ職務ヲ代理ス
副会長ハ会則ノ定ムル所ニ依リ会長ノ職務ノ一部ヲ分掌スルコトヲ得
評議員ハ会長ノ諮問ニ応ジ並ニ会務ノ執行及財産ノ状況ヲ監査ス
第六十八条 第四条乃至第六条、第九条第一項、第十条、第十二条乃至第十四条、第二十八条、第三十一条、第三十三条乃至第三十五条、第三十六条第一項、第三十七条及第四十条ノ規定ハ蚕糸業組合連合会ニ之ヲ準用ス但シ第五十七条第二号乃至第七号ノ蚕糸業組合連合会ニ付テハ第三十三条第一項第九号中第六十五条トアルハ之ヲ第七十六条トシ第三十三条第一項第十号中第六十三条第一項トアルハ之ヲ第七十五条第一項トス
第三章 日本中央蚕糸会
第六十九条 日本中央蚕糸会ハ蚕糸業組合連合会及蚕糸業組合ノ連絡並ニ蚕糸業ノ改良発達及統制ヲ図ルヲ以テ目的トス
第七十条 日本中央蚕糸会ハ法人トス
第七十一条 日本中央蚕糸会ハ其ノ目的ヲ達スル為左ノ事業ヲ行フ
一 蚕糸業組合連合会及蚕糸業組合ノ連絡及統制ニ関スル施設
二 蚕糸業ニ関スル研究及調査
三 蚕糸類ノ販路拡張ニ関スル施設
四 蚕糸業ニ関スル紛議ノ調停又ハ仲裁
五 前各号ニ掲グルモノノ外蚕糸業ノ改良発達及統制ヲ図ルニ必要ナル施設
第七十二条 日本中央蚕糸会ノ地区ハ全国ノ区域ニ依ル
第七十三条 日本中央蚕糸会ノ名称ニハ日本中央蚕糸会ナル文字ヲ用フベシ
日本中央蚕糸会ニ非ザルモノハ其ノ名称中ニ前項ニ掲グル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第七十四条 日本中央蚕糸会ハ第五十七条第二号乃至第七号ノ蚕糸業組合連合会ヲ以テ其ノ会員トス
全国生糸問屋業組合連合会又ハ全国生糸輸出業組合連合会ナキ場合ニ限リ前項ニ規定スルモノノ外生糸問屋業組合又ハ生糸輸出業組合ヲ以テ其ノ会員トス
第七十五条 日本中央蚕糸会ヲ設立セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ会員タル資格ヲ有スルモノノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ創立総会ヲ開キ会則ヲ議定シ役員ヲ選任シ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第三十六条第一項ノ規定ハ前項ノ創立総会ノ決議ニ之ヲ準用ス
前二項ノ場合ニ於テ会員タル資格ヲ有スルモノノ員数ノ計算ニ付テハ前条第二項ノ規定ニ依リ会員タル資格ヲ有スル生糸問屋業組合又ハ生糸輸出業組合二以上アル場合ニ於テハ之ヲ一箇ノ生糸問屋業組合又ハ生糸輸出業組合ト看做ス
第七十六条 日本中央蚕糸会ニ総会ヲ置ク
総会ハ会長、副会長、議員及特別議員ヲ以テ之ヲ組織ス
日本中央蚕糸会ノ議員ハ其ノ会員タル蚕糸業組合連合会又ハ蚕糸業組合ニ於テ之ヲ選任シ特別議員ハ主務大臣之ヲ命ズ
特別議員ノ員数ハ議員定数ノ五分ノ一以内トス
前二項ニ規定スルモノノ外議員ノ選任及解任並ニ特別議員ノ命免ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第七十七条 日本中央蚕糸会ニ左ノ役員ヲ置ク
会長 一人
副会長 一人又ハ二人
評議員 数人
前項ノ役員ハ議員及特別議員中ヨリ之ヲ選任ス但シ会長及副会長ハ其ノ他ノ者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ妨ゲズ
第七十八条 日本中央蚕糸会ノ会員蚕糸業ノ統制ニ関スル施設ヲ行ハントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ日本中央蚕糸会ノ承認ヲ受クルコトヲ要ス
日本中央蚕糸会前項ノ承認ヲ為スニハ其ノ総会ノ議決ヲ経ルコトヲ要ス
第三十六条第一項ノ規定ハ前項ノ総会ノ決議ニ之ヲ準用ス
第七十九条 第四条乃至第六条、第九条第一項、第十二条乃至第十四条、第二十八条、第三十三条乃至第三十五条、第三十六条第一項、第三十七条、第四十条、第六十四条及第六十七条ノ規定ハ日本中央蚕糸会ニ之ヲ準用ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
重要物産同業組合法ニ依リ道府県ヲ地区トシ設置シタル蚕糸業者ノ同業組合ニシテ本法施行ノ際現ニ存スルモノハ命令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ之ヲ本法ニ依ル蚕糸業組合ト看做ス
日本中央蚕糸会成立シタルトキハ其ノ成立ノ日ヨリ一年以内ニ蚕糸業同業組合中央会ハ解散ヲ為スコトヲ要ス