第一條 本法ニ於テ輸出生絲問屋ト稱スルハ輸出ノ目的ヲ以テスル生絲ノ賣買取引(取引所ノ賣買取引ヲ含マズ以下之ニ同ジ)ノ仲立又ハ取次ヲ業トスル者ヲ謂フ
主務大臣ノ指定スル地ニ於テ生絲ノ輸出ヲ業トスル者ニ對シ其ノ地ニ事務所ヲ設ケ生絲ノ販賣ヲ爲ス者ハ本法ノ適用ニ付テハ之ヲ輸出生絲問屋ト看做ス
第二條 主務大臣ノ指定スル地ニ於テ生絲ノ輸出ヲ業トスル者ヲ買主トスル生絲ノ賣買取引ハ本法ノ適用ニ付テハ之ヲ輸出ノ目的ヲ以テスル生絲ノ賣買取引ト看做ス
第三條 輸出生絲問屋タラントスル者ハ主務大臣ノ免許ヲ受クベシ
第五條 輸出生絲問屋支店其ノ他ノ事務所ヲ設置セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第六條 主務大臣ハ輸出生絲問屋ノ業務ノ狀況ニ依リ必要ト認ムルトキハ其ノ業務ヲ停止シ又ハ必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第七條 主務大臣ハ輸出生絲問屋ノ所爲ニシテ本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シ又ハ公益ヲ害シ若ハ害スルノ虞アリト認ムルトキハ其ノ業務ヲ停止シ又ハ其ノ認可若ハ免許ヲ取消スコトヲ得
第八條 輸出ノ目的ヲ以テスル生絲ノ賣買取引若ハ其ノ仲立ヲ爲ス者又ハ生絲ノ輸出ヲ爲ス者ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ其ノ賣買取引又ハ輸出ニ關スル事項ヲ輸出生絲登錄原簿ニ登錄スルコトヲ要ス
第九條 前條ノ規定ニ依リ登錄ヲ爲シタル者又ハ其ノ利害關係人ハ命令ノ定ムル所ニ依リ輸出生絲登錄原簿ノ閱覽又ハ其ノ謄本若ハ抄本ノ交付ヲ請求スルコトヲ得
第十條 主務大臣ハ輸出ノ目的ヲ以テスル生絲ノ賣買取引若ハ其ノ仲立ヲ爲ス者又ハ生絲ノ輸出ヲ爲ス者ニ對シ生絲ノ販賣ノ統制上必要ナル事項ヲ命ジ又ハ必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
第十一條 主務大臣取締上必要アリト認ムルトキハ輸出生絲問屋又ハ生絲ノ輸出ヲ業トスル者ニ對シ業務ニ關スル報吿ヲ爲サシメ又ハ當該官吏ヲシテ事務所、倉庫其ノ他ノ場所ニ臨檢シ業務ノ狀況若ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢查セシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ當該官吏ハ其ノ身分ヲ證明スベキ證票ヲ携帶スベシ
第十二條 主務大臣ノ免許ヲ受ケズシテ輸出生絲問屋ノ業務ヲ行ヒタル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第十三條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
二 第六條ノ規定ニ依ル命令又ハ第六條若ハ第七條ノ規定ニ依ル業務停止ノ處分ニ違反シタル者
第十四條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ三百圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第八條ノ規定ニ依ル登錄ヲ怠リ又ハ不正ノ登錄ヲ爲シタル者
二 第十一條ノ規定ニ依ル報吿ヲ怠リ又ハ臨檢檢查ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シ又ハ其ノ尋問ニ對シ答辯ヲ爲サズ若ハ虛僞ノ陳述ヲ爲シタル者
第十五條 第八條ノ規定ニ依ル登錄ノ事務ニ從事シ又ハ從事シタル者故ナク其ノ職務ニ關シ知得タル他人ノ業務上ノ祕密ヲ漏泄シタルトキハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第十六條 輸出ノ目的ヲ以テスル生絲ノ賣買取引若ハ其ノ仲立ヲ爲ス者又ハ生絲ノ輸出ヲ爲ス者ハ其ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第十七條 本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ依リ輸出ノ目的ヲ以テスル生絲ノ賣買取引若ハ其ノ仲立ヲ爲ス者又ハ生絲ノ輸出ヲ爲ス者ニ適用スベキ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ