外交官及領事官官制
法令番号: 勅令第二百八十號
公布年月日: 明治32年6月20日
法令の形式: 勅令
朕外交官及領事官官制ノ改正ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十二年六月十九日
內閣總理大臣 侯爵 山縣有朋
外務大臣 子爵 靑木周藏
勅令第二百八十號
外交官及領事官官制
第一條 外交官ハ特命全權公使、辨理公使、公使館一等書記官、公使館二等書記官、公使館三等書記官及外交官補トス
第二條 特命全權公使及辨理公使ハ勅任トシ公使館一等書記官、公使館二等書記官、公使館三等書記官及外交官補ハ奏任トス
第三條 領事官ハ總領事、領事、副領事及領事官補トス
第四條 總領事、領事、副領事及領事官補ハ奏任トス
第五條 外交官ヲ置カサル地ニ於テハ外交事務官ヲ置クコトヲ得
外交事務官ハ領事官ヲシテ之ヲ兼ネシム
第六條 領事官ヲ置カサル地ニ於テハ貿易事務官又ハ名譽領事若ハ名譽副領事ヲ置クコトヲ得
貿易事務官ハ奏任トシ名譽領事及名譽副領事ハ奏任待遇トス
第七條 公使館、領事館及貿易事務館ニ外務書記生ヲ置ク
外務書記生ハ判任トス
第八條 英吉利語、佛蘭西語及獨逸語以外ノ外國語ノ通譯ヲ要スル公使館ニ公使館一等通譯官、公使館二等通譯官ヲ置クコトヲ得
公使館一等通譯官及公使館二等通譯官ハ奏任トス
第九條 英吉利語、佛蘭西語及獨逸語以外ノ外國語ノ通譯ヲ要スル公使館、領事館及貿易事務官ニ外務通譯生ヲ置クコトヲ得
外務通譯生ハ判任トス
第十條 外交官又ハ領事官ニシテ一時外國在勤ヲ免シタル者及外務省官吏ニシテ外交官又ハ領事官ニ轉任シ未タ任所ヲ命セサル者ヲ待命トス
待命ノ外交官及領事官ハ其ノ本官ヲ奉シテ職務ニ從事セス其ノ他本令及公使館領事館費用條例ニ特別ノ規定アル事項ヲ除ク外總テ在職官吏ト異ナルコトナシ
待命ノ外交官及領事官ハ臨時外務省ノ事務ニ從事セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ在職官吏ニ關スル規定ヲ適用ス
待命ハ滿三箇年ヲ以テ期トス期滿レハ其ノ官ヲ免スルモノトス
待命ノ外交官及領事官ニハ休職ヲ命スルコトヲ得ス
前各項ノ規定ハ貿易事務官、公使館一等通譯官及公使館二等通譯官ニ之ヲ適用ス
附 則
第十一條 明治二十八年勅令第八十二號及同年勅令第八十七號ハ本令施行ノ日ヨリ廢止ス
第十二條 本令施行ノ際一等領事又ハ二等領事タル者ニシテ別ニ辭令書ヲ交付セサルモノハ領事ニ任セラレタルモノトス
朕外交官及領事官官制ノ改正ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十二年六月十九日
内閣総理大臣 侯爵 山県有朋
外務大臣 子爵 青木周蔵
勅令第二百八十号
外交官及領事官官制
第一条 外交官ハ特命全権公使、弁理公使、公使館一等書記官、公使館二等書記官、公使館三等書記官及外交官補トス
第二条 特命全権公使及弁理公使ハ勅任トシ公使館一等書記官、公使館二等書記官、公使館三等書記官及外交官補ハ奏任トス
第三条 領事官ハ総領事、領事、副領事及領事官補トス
第四条 総領事、領事、副領事及領事官補ハ奏任トス
第五条 外交官ヲ置カサル地ニ於テハ外交事務官ヲ置クコトヲ得
外交事務官ハ領事官ヲシテ之ヲ兼ネシム
第六条 領事官ヲ置カサル地ニ於テハ貿易事務官又ハ名誉領事若ハ名誉副領事ヲ置クコトヲ得
貿易事務官ハ奏任トシ名誉領事及名誉副領事ハ奏任待遇トス
第七条 公使館、領事館及貿易事務館ニ外務書記生ヲ置ク
外務書記生ハ判任トス
第八条 英吉利語、仏蘭西語及独逸語以外ノ外国語ノ通訳ヲ要スル公使館ニ公使館一等通訳官、公使館二等通訳官ヲ置クコトヲ得
公使館一等通訳官及公使館二等通訳官ハ奏任トス
第九条 英吉利語、仏蘭西語及独逸語以外ノ外国語ノ通訳ヲ要スル公使館、領事館及貿易事務官ニ外務通訳生ヲ置クコトヲ得
外務通訳生ハ判任トス
第十条 外交官又ハ領事官ニシテ一時外国在勤ヲ免シタル者及外務省官吏ニシテ外交官又ハ領事官ニ転任シ未タ任所ヲ命セサル者ヲ待命トス
待命ノ外交官及領事官ハ其ノ本官ヲ奉シテ職務ニ従事セス其ノ他本令及公使館領事館費用条例ニ特別ノ規定アル事項ヲ除ク外総テ在職官吏ト異ナルコトナシ
待命ノ外交官及領事官ハ臨時外務省ノ事務ニ従事セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ在職官吏ニ関スル規定ヲ適用ス
待命ハ満三箇年ヲ以テ期トス期満レハ其ノ官ヲ免スルモノトス
待命ノ外交官及領事官ニハ休職ヲ命スルコトヲ得ス
前各項ノ規定ハ貿易事務官、公使館一等通訳官及公使館二等通訳官ニ之ヲ適用ス
附 則
第十一条 明治二十八年勅令第八十二号及同年勅令第八十七号ハ本令施行ノ日ヨリ廃止ス
第十二条 本令施行ノ際一等領事又ハ二等領事タル者ニシテ別ニ辞令書ヲ交付セサルモノハ領事ニ任セラレタルモノトス