銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十三年十一月二十八日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第百三十一号
銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
銀行等による株式等の保有の制限(第三条・第四条)
第三章
銀行等保有株式取得機構
第一節
総則(第五条―第十条)
第二節
会員(第十一条・第十二条)
第三節
設立(第十三条―第十八条)
第四節
管理(第十九条―第二十八条)
第五節
総会(第二十九条―第三十三条)
第六節
業務(第三十四条―第四十条)
第七節
拠出金等(第四十一条―第四十三条)
第八節
財務及び会計(第四十四条―第五十三条)
第九節
監督(第五十四条―第五十六条)
第十節
解散(第五十七条)
第十一節
雑則(第五十八条―第六十条)
第四章
雑則(第六十一条・第六十二条)
第五章
罰則(第六十三条―第六十八条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、銀行等の業務の公共性及び銀行等をめぐる諸情勢の著しい変化にかんがみ、銀行等の業務の健全な運営を確保するため、当分の間、銀行等による株式等の保有を制限するとともに、その制限の実施に伴う銀行等による株式の処分の円滑を図り、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「銀行等」とは、次に掲げる者をいう。
一 銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行
二 長期信用銀行法(昭和二十七年法律第百八十七号)第二条に規定する長期信用銀行
三 農林中央金庫
四 全国を地区とする信用金庫連合会
第二章 銀行等による株式等の保有の制限
(銀行等による株式等の保有の制限)
第三条 銀行等及びその子会社等(子会社その他の当該銀行等と主務省令(前条第一号、第二号及び第四号に掲げる者については内閣府令、同条第三号に掲げる者については内閣府令・農林水産省令。以下この項及び次条において同じ。)で定める特殊の関係のある会社をいう。以下この項及び次項において同じ。)は、当分の間、株式(主務省令で定めるものを除く。)その他これに準ずるものとして主務省令で定めるもの(以下この項及び次項において「株式等」という。)については、主務省令で定めるところにより合算して、当該銀行等及びその子会社等に係る自己資本に相当する額として主務省令で定めるところにより計算した額(次項において「株式等保有限度額」という。)を超える額の株式等を保有してはならない。
2 銀行等及びその子会社等は、合併その他の政令で定めるやむを得ない理由がある場合には、前項の規定にかかわらず、あらかじめ主務大臣(前条第一号、第二号及び第四号に掲げる者については内閣総理大臣、同条第三号に掲げる者については農林水産大臣及び内閣総理大臣。第四項において同じ。)の承認を得て、株式等保有限度額を超える額の株式等を保有することができる。
3 外国銀行支店(銀行法第四十七条第二項に規定する外国銀行支店をいう。以下この項において同じ。)に対し前二項の規定を適用する場合における技術的読替えその他外国銀行支店に対する前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
4 主務大臣は、第二項の承認に条件を付し、及びこれを変更することができる。
5 前項の条件は、承認の趣旨に照らして、又は承認に係る事項の確実な実施を図るため必要最小限のものでなければならない。
6 第一項、第二項及び前二項の規定は、銀行持株会社(銀行法第二条第十一項に規定する銀行持株会社をいう。)及び長期信用銀行持株会社(長期信用銀行法第十六条の四第一項に規定する長期信用銀行持株会社をいう。)について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(主務省令への委任)
第四条 前条第三項から第五項までに定めるもののほか、同条第一項に規定する株式等の評価の方法その他同項、同条第二項及び第六項の規定の適用に関し必要な事項は、主務省令で定める。
第三章 銀行等保有株式取得機構
第一節 総則
(目的)
第五条 銀行等保有株式取得機構(以下「機構」という。)は、銀行等による株式等の保有の制限の実施に伴い、銀行等の保有する株式の短期間かつ大量の処分により、株式の価格の著しい変動を通じて信用秩序の維持に重大な支障が生ずることがないようにするため、銀行等の保有する株式の買取り等の業務を行うことにより、銀行等による株式の処分の円滑を図ることを目的とする。
(法人格)
第六条 機構は、法人とする。
(数)
第七条 機構は、一を限り、設立されるものとする。
(名称)
第八条 機構は、その名称中に銀行等保有株式取得機構という文字を用いなければならない。
2 機構でない者は、その名称中に銀行等保有株式取得機構という文字を用いてはならない。
(登記)
第九条 機構は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。
(民法の準用)
第十条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条及び第五十条の規定は、機構について準用する。
第二節 会員
(会員の資格)
第十一条 機構の会員の資格を有する者は、銀行等に限る。
(脱退)
第十二条 会員は、定款の定めるところにより、機構の承認を受けて脱退することができる。
2 前項の場合のほか、次の各号に掲げる会員は、当該各号に定める事由によって脱退する。
一 第二条第一号に掲げる者 銀行法第四条第一項の免許の取消し又は失効
二 第二条第二号に掲げる者 長期信用銀行法第四条第一項の免許の取消し又は失効
三 第二条第三号に掲げる者 解散
四 第二条第四号に掲げる者 信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第四条の免許の取消し又は失効
3 会員は、機構を脱退した場合においても、第四十一条第一項若しくは第三項に規定する拠出金又は第四十二条に規定する手数料で未納のものがあるときは、これを納付する義務を負う。
第三節 設立
(発起人)
第十三条 機構を設立するには、その会員になろうとする十以上の銀行等が発起人となることを必要とする。
(創立総会)
第十四条 発起人は、定款及び業務規程を作成した後、会員になろうとする者を募り、これらを会議の日時及び場所とともにその会議開催日の二週間前までに公告して、創立総会を開かなければならない。
2 定款及び業務規程の承認その他機構の設立に必要な事項の決定は、創立総会の議決によらなければならない。
3 創立総会では、定款及び業務規程を修正することができる。
4 第二項の創立総会の議事は、その開会までに発起人に対して会員となる旨を申し出た銀行等及び発起人の二分の一以上が出席して、その出席者の議決権の三分の二以上の多数で決する。
5 機構の成立の日を含む事業年度の業務の運営に必要な事項(予算及び資金計画を含む。)の決定は、第三十一条の規定にかかわらず、創立総会の議決によることができる。
6 第三十二条第二項本文の規定は、前項の創立総会の議事について準用する。
7 民法第六十五条及び第六十六条の規定は、創立総会の議決について準用する。
(設立の認可申請)
第十五条 発起人は、創立総会の終了後遅滞なく、次に掲げる事項を記載した認可申請書を内閣総理大臣及び財務大臣に提出して、設立の認可を申請しなければならない。
一 名称
二 事務所の所在地
三 役員の氏名及び会員の名称
2 前項の認可申請書には、定款、業務規程その他内閣府令・財務省令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない。
(設立の認可)
第十六条 内閣総理大臣及び財務大臣は、前条第一項の規定による認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 設立の手続並びに定款及び業務規程の内容が法令の規定に適合していること。
二 認可申請書、定款及び業務規程に虚偽の記載がないこと。
三 役員のうちに第二十三条各号のいずれかに該当する者がないこと。
四 業務の運営が適正に行われることが確実であると認められること。
五 当該申請に係る機構の組織がこの法律の規定に適合するものであること。
2 内閣総理大臣及び財務大臣は、前項の規定により審査した結果、その申請が同項の基準に適合していると認めるときは、設立の認可をしなければならない。
(事務の引継ぎ)
第十七条 前条第二項の設立の認可があったときは、発起人は、遅滞なく、その事務を機構の理事長となるべき者に引き継がなければならない。
(設立の時期等)
第十八条 機構は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
2 機構は、前項の設立の登記をしたときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣及び財務大臣に届け出なければならない。
第四節 管理
(定款)
第十九条 機構の定款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 目的
二 名称
三 事務所の所在地
四 会員に関する事項
五 役員に関する事項
六 運営委員会に関する事項
七 総会に関する事項
八 業務及びその執行に関する事項
九 拠出金に関する事項
十 財務及び会計に関する事項
十一 解散に関する事項
十二 定款の変更に関する事項
十三 公告の方法
2 前項第十一号に掲げる事項については、次に掲げる事由を解散事由として定めなければならない。
一 一定の期日(機構の設立の日後十年を経過する日までの日に限る。)の到来
二 平成十八年十月一日以後において、買い取った株式(これに準ずるものとして内閣府令・財務省令で定めるものを含む。第四十条を除き、以下この章において同じ。)をすべて処分したこと。
3 機構の定款の変更は、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(役員及び業務の決定)
第二十条 機構に、役員として、理事長一人、理事四人以内及び監事一人を置く。
2 機構の業務は、定款に別段の定めがあるものを除き、理事長及び理事の過半数をもって決する。
(役員の職務及び権限)
第二十一条 理事長は、機構を代表し、その業務を総理する。
2 理事は、理事長の定めるところにより、機構を代表し、理事長を補佐して機構の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。
3 監事は、機構の業務を監査する。
4 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は内閣総理大臣及び財務大臣に意見を提出することができる。
(役員の任免及び任期)
第二十二条 役員は、定款で定めるところにより、総会において選任し、又は解任する。ただし、設立当時の役員は、創立総会において選任する。
2 前項の規定による役員の選任及び解任は、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 役員の任期は、二年以内において定款で定める期間とする。ただし、設立当時の役員の任期は、二年以内において創立総会で定める期間とする。
4 役員は、再任されることができる。
(役員の欠格事由)
第二十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
一 機構が第五十六条の規定により設立の認可を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内にその役員であった者で、その取消しの日から起算して三年を経過していないもの
二 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
三 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から起算して三年を経過していない者
四 この法律、銀行法、長期信用銀行法、農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)、信用金庫法又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から起算して三年を経過していない者
(監事の兼職禁止)
第二十四条 監事は、理事長、理事、運営委員会の委員又は機構の職員を兼ねてはならない。
(代表権の制限)
第二十五条 機構と理事長又は理事との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合には、定款で定めるところにより、監事が機構を代表する。
(運営委員会)
第二十六条 機構に、運営委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、この章の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか、理事長の諮問に応じ、機構の業務の運営に関する重要事項を審議する。
3 委員会は、機構の業務の運営につき、理事長に対して意見を述べることができる。
4 委員会は、委員五人以内並びに機構の理事長及び理事をもって組織する。
5 委員会の委員は、金融に関して専門的な知識と経験を有する者のうちから、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けて、理事長が任命する。
6 前各項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、内閣府令・財務省令で定める。
(役員等の秘密保持義務等)
第二十七条 機構の役員若しくは職員、委員会の委員又はこれらの職にあった者は、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
(役員等の公務員たる性質)
第二十八条 機構の役員及び職員並びに委員会の委員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第五節 総会
(総会の招集)
第二十九条 理事長は、定款で定めるところにより、毎事業年度一回通常総会を招集しなければならない。
2 理事長は、必要があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。
(指名職員の会議への出席)
第三十条 内閣総理大臣及び財務大臣は、当該職員をして総会に出席させ、意見を述べさせることができる。
(総会の議決事項)
第三十一条 この法律で別に定めるもののほか、次に掲げる事項は、総会の議決を経なければならない。
一 定款の変更
二 予算及び資金計画の決定又は変更
三 業務規程の変更
四 決算
五 解散
六 その他定款で定める事項
(総会の議事)
第三十二条 総会は、総会員の二分の一以上の出席がなければ、議事を開き、議決をすることができない。
2 総会の議事は、出席者の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長が決する。ただし、前条第一号、第三号及び第五号に掲げる事項に係る議事は、出席者の議決権の三分の二以上の多数で決する。
3 議長は、定款で定めるところによる。
(総会に関する民法の準用)
第三十三条 民法第六十一条第二項、第六十二条及び第六十四条から第六十六条までの規定は、機構の総会について準用する。
第六節 業務
(業務)
第三十四条 機構は、第五条に規定する目的を達成するため、証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二十八条の規定にかかわらず、次に掲げる業務を行う。
一 会員の保有する株式の買取り並びに当該買い取った株式の管理及び処分
二 会員の保有する株式の売付けの媒介
三 第四十一条第一項及び第三項に規定する拠出金並びに第四十二条に規定する手数料の収納及び管理
四 前三号の業務に附帯する業務
2 前項第一号及び第二号に規定する会員の保有する株式には、金銭又は有価証券の信託に係る信託財産として保有する株式を含まないものとする。
(業務の委託)
第三十五条 機構は、あらかじめ内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けて、信託会社(信託業務を営む金融機関を含む。第三十九条において同じ。)その他内閣府令・財務省令で定める者に対し、その業務の一部を委託することができる。
(業務規程)
第三十六条 機構の業務規程には、株式の買取り、管理及び処分に関する事項その他内閣府令・財務省令で定める事項を記載しなければならない。
2 機構は、業務規程を変更しようとするときは、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければならない。
3 内閣総理大臣及び財務大臣は、業務規程が機構の業務の適正かつ確実な運営をする上で不適当なものとなったと認めるときは、その変更を命ずることができる。
(資料の提出の請求等)
第三十七条 機構は、その業務を行うため必要があるときは、その会員に対し、資料の提出を求めることができる。
2 前項の規定により資料の提出を求められた会員は、遅滞なく、これを提出しなければならない。
3 内閣総理大臣は、機構から要請があった場合において、機構の業務の実施のため特に必要があると認めるときは、機構に対し、資料を交付し、又はこれを閲覧させることができる。
(株式の買取り等)
第三十八条 第三十四条第一項第一号に規定する株式の買取り及び同項第二号に規定する株式の売付けの媒介は、平成十八年九月三十日までに限り行うことができるものとする。
2 機構は、第三十四条第一項第一号に規定する株式の買取り(機構が買い取った株式を直ちに処分することが予定されているものとして政令で定める株式の買取りを除く。以下「特別株式買取り」という。)を行おうとするときは、あらかじめ、委員会の議決を経て、買取期間を定め、内閣総理大臣及び財務大臣に届け出なければならない。
3 特別株式買取りは、当該特別株式買取りの申込みに係る株式が証券取引法第二条第十四項に規定する証券取引所に上場されている株式又はこれに準ずるものとして政令で定める株式であることその他内閣府令・財務省令で定める要件を満たしている場合でなければ、行ってはならない。
4 機構は、第三十四条第一項第一号に規定する株式の買取りをしたときは、速やかに、内閣府令・財務省令で定めるところにより、その買取りに係る事項を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。会員の保有する株式の売付けの媒介をしたときも、同様とする。
(株式の処分)
第三十九条 機構は、買い取った株式を処分したとき(第三十五条の規定により信託会社に買い取った株式の管理を委託した場合にあっては、当該信託会社が当該株式を処分したとき)は、速やかに、内閣府令・財務省令で定めるところにより、当該処分に係る事項を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(商法の特例)
第四十条 機構が買い取った市場価格のある株式を発行する会社が、当該株式を機構から買い受ける場合において、商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百十条第一項の決議をするときは、同条第五項、第六項後段及び第七項の規定は、適用しない。
2 前項の場合においては、同項の決議については、機構は、議決権を行使することができない。
3 第一項の場合においては、同項の決議については、機構が有する議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入しない。
第七節 拠出金等
(拠出金の納付)
第四十一条 機構の会員は、第四十八条第一項第一号に掲げる業務に要する費用(同条第二項の規定により同項に規定する一般勘定において経理される経費を含む。)に充てるため、業務規程の定めるところにより、機構に対し、拠出金(以下「当初拠出金」という。)を納付しなければならない。
2 当初拠出金の総額は、百億円を下回ってはならない。
3 特別株式買取りの申込みをした会員は、機構が当該申込みに応じて株式を買い取った場合には、第四十八条第一項第二号に掲げる業務に要する費用に充てるため、業務規程の定めるところにより、当該株式の買取価額に百分の八を乗じて得た金額を、機構に対し、拠出金(以下「売却時拠出金」という。)として納付しなければならない。
4 機構は、当初拠出金及び売却時拠出金を返還してはならない。
(手数料)
第四十二条 機構は、株式を買い取った場合においては、当該株式の買取りの申込みをした会員から、業務規程の定めるところにより、手数料を徴収することができる。会員の保有する株式の売付けの媒介をした場合においても、同様とする。
(延滞金)
第四十三条 会員は、当初拠出金若しくは売却時拠出金又は手数料を業務規程の定める納期限までに納付しない場合には、機構に対し、延滞金を納付しなければならない。
2 延滞金の額は、未納の当初拠出金若しくは売却時拠出金又は手数料の額に納期限の翌日からその納付の日までの日数に応じ年十四・五パーセントの割合を乗じて計算した金額とする。
第八節 財務及び会計
(事業年度)
第四十四条 機構の事業年度は、四月一日から翌年三月三十一日までとする。ただし、機構の成立の日を含む事業年度は、その成立の日からその後最初の三月三十一日までとする。
(予算等)
第四十五条 機構は、毎事業年度、予算及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に(機構の成立の日を含む事業年度にあっては、成立後遅滞なく)、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(財務諸表等の承認等)
第四十六条 理事長は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びに当該事業年度の事業報告書及び予算の区分に従う決算報告書(以下「財務諸表等」という。)を作成し、当該事業年度の終了後最初に招集する通常総会の開催日の四週間前までに、監事に提出しなければならない。
2 理事長は、監事の意見書を添えて前項の財務諸表等を同項の通常総会に提出し、その承認を求めなければならない。
第四十七条 機構は、毎事業年度、前条第二項の通常総会の承認を受けた財務諸表等を、当該事業年度の終了後三月以内に内閣総理大臣及び財務大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
2 機構は、前項の規定により財務諸表等を内閣総理大臣及び財務大臣に提出するときは、これに、財務諸表等に関する監事の意見書を添付しなければならない。
3 機構は、第一項の規定による内閣総理大臣及び財務大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財産目録、貸借対照表及び損益計算書を官報に公告し、かつ、財務諸表等、附属明細書及び前項の監事の意見書を、機構の事務所に備え置き、内閣府令・財務省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。
(区分経理)
第四十八条 機構は、次の各号に掲げる業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。
一 第三十四条第一項各号に掲げる業務(次号に掲げるものを除く。)
二 次に掲げる業務
イ 特別株式買取り並びに当該買い取った株式の管理及び処分
ロ 売却時拠出金及び第四十二条に規定する手数料(特別株式買取りに係るものに限る。)の収納及び管理
ハ イ及びロの業務に附帯する業務
2 機構は、その運営に必要な経常的経費として内閣府令・財務省令で定めるものについては、前項の規定にかかわらず、同項第一号に掲げる業務に係る勘定(次条第二項及び第五十七条において「一般勘定」という。)において経理するものとする。
(特別勘定の廃止)
第四十九条 機構は、平成十八年十月一日以後において、特別株式買取りとして買い取った株式をすべて処分したときは、前条第一項第二号に掲げる業務に係る勘定(次項において「特別勘定」という。)を廃止するものとする。
2 機構は、前項の規定により特別勘定を廃止したときは、当該特別勘定に属する資産及び負債を一般勘定に帰属させるものとする。
(借入金及び銀行等保有株式取得機構債券)
第五十条 機構は、第三十四条第一項各号に掲げる業務を行うため必要があると認めるときは、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けて、内閣府令・財務省令で定める金融機関から資金の借入れ(借換えを含む。)をし、又は銀行等保有株式取得機構債券(以下「債券」という。)の発行(債券の借換えのための発行を含む。)をすることができる。
2 前項の規定による借入金の現在額及び同項の規定により発行する債券の元本に係る債務の現在額の合計額のうち、第四十八条第一項第二号に掲げる業務に係る金額は、政令で定める金額を超えることとなってはならない。
3 第一項の規定による債券の債権者は、機構の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
4 前項の先取特権の順位は、民法の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
5 機構は、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けて、債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行等又は信託会社に委託することができる。
6 商法第三百九条、第三百十条及び第三百十一条の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行等又は信託会社について準用する。
7 第一項及び第三項から前項までに定めるもののほか、債券に関し必要な事項は、政令で定める。
(政府保証)
第五十一条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、機構の前条第一項の借入れ又は同項の債券に係る債務(第四十八条第一項第二号に掲げる業務に係るものに限る。)の保証をすることができる。
(余裕金の運用)
第五十二条 機構の業務上の余裕金は、次の方法により運用しなければならない。
一 国債その他内閣総理大臣及び財務大臣の指定する有価証券の保有
二 内閣総理大臣及び財務大臣の指定する金融機関への預金
三 その他内閣府令・財務省令で定める方法
(内閣府令・財務省令への委任)
第五十三条 第四十四条から前条までに規定するもののほか、機構の財務及び会計に関し必要な事項は、内閣府令・財務省令で定める。
第九節 監督
(監督)
第五十四条 機構は、内閣総理大臣及び財務大臣が監督する。
2 内閣総理大臣及び財務大臣は、この章の規定を施行するため必要があると認めるときは、機構に対し、監督上必要な命令をすることができる。
3 内閣総理大臣及び財務大臣は、機構の役員が、この章の規定、この章の規定に基づく命令若しくはこれらに基づく処分又は定款若しくは業務規程に違反する行為をしたときは、機構に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。この場合において、機構が総会の議決を経て当該役員を解任したときは、その解任は、第二十二条第二項の規定にかかわらず、総会の議決があったときにその効力を生ずるものとする。
(報告及び立入検査)
第五十五条 内閣総理大臣及び財務大臣は、この章の規定を施行するため必要があると認めるときは、機構に対しその業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に機構の事務所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(設立の認可の取消し)
第五十六条 内閣総理大臣及び財務大臣は、機構が次の各号のいずれかに該当するときは、第十六条第二項の設立の認可を取り消すことができる。
一 この章の規定、この章の規定に基づく命令若しくはこれらに基づく処分又は機構の定款若しくは業務規程に違反したとき。
二 その業務又は財産の状況によりその業務の継続が困難であると認めるとき。
三 公益を害する行為をしたとき。
第十節 解散
(解散)
第五十七条 機構は、次に掲げる事由によって解散する。
一 定款で定める解散事由の発生
二 総会の決議
三 第十六条第二項の設立の認可の取消し
2 前項第二号に掲げる事由による解散は、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 機構は、解散した場合において、その債務を弁済してなお残余財産があるときは、次に定めるところにより、残余財産(分配限度額以下の部分に限る。以下この項において同じ。)の処分を行うものとする。
一 残余財産の額が当初拠出金の総額に相当する額(以下この項において「当初拠出金相当額」という。)以下のときは、当該残余財産の額を、機構の各会員(脱退した会員を含む。以下この項において同じ。)に対し、その納付した当初拠出金の額に応じて分配する。
二 残余財産の額が当初拠出金相当額を超え、当初拠出金の総額と売却時拠出金の総額の合計額に相当する額(以下この項において「拠出金相当額」という。)以下のときは、当該残余財産のうち、当初拠出金相当額を前号の規定により、残余の額を売却時拠出金を納付した機構の各会員(以下この項において「売却会員」という。)に対しその納付した売却時拠出金の額に応じ、それぞれ分配する。
三 残余財産の額が拠出金相当額を超え、拠出金相当額に当初拠出金相当額(一般勘定において損益計算上利益を生じた場合にあっては、当該利益の額の二倍に相当する額を加えた額。次号において同じ。)を加えた額以下のときは、当該残余財産のうち、拠出金相当額を前号の規定により、残余の額を機構の各会員に対しその納付した当初拠出金の額に応じ、それぞれ分配する。
四 残余財産の額が拠出金相当額に当初拠出金相当額を加えた額を超えるときは、当該残余財産のうち、拠出金相当額に当初拠出金相当額を加えた額を前号の規定により、残余の額を売却会員に対しその納付した売却時拠出金の額に応じ、それぞれ分配する。
4 残余財産の額が分配限度額を超えるときは、当該超える額を国庫に納付する。
5 前二項の分配限度額とは、当初拠出金の総額と売却時拠出金の総額の合計額(一般勘定において損益計算上利益を生じた場合にあっては当該利益の額を加え、損益計算上損失を生じた場合にあっては当該損失の額を控除した額)の二倍に相当する額をいう。
6 政府は、機構が解散する場合において、その財産をもって債務を完済することができないときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に対し、当該債務を完済するために要する費用の全部又は一部に相当する金額を補助することができる。
7 第三項、第四項及び前項に定めるもののほか、機構の解散に関する所要の措置は、合理的に必要と判断される範囲内において、政令で定めることができる。
第十一節 雑則
(課税の特例)
第五十八条 機構が、各事業年度(法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第十三条及び第十四条に規定する事業年度をいう。以下この条において同じ。)終了の日において青色申告書(同法第二条第四十号に規定する青色申告書をいう。第三項において同じ。)を提出する法人である場合において、当該事業年度の同法第二条第十九号に規定する欠損金額(以下この条において「特例欠損金額」という。)があるときは、当該特例欠損金額については、同法第五十七条第一項中「五年以内に開始した」とあるのは「に開始した」として、同項の規定を適用する。
2 前項の規定の適用がある場合における特例欠損金額で当該事業年度において生じたものに係る更正(法人税法第二条第四十三号に規定する更正をいう。)については、租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第六十六条の十三第四項の規定を準用する。
3 第一項の規定は、機構の特例欠損金額が生じた事業年度について当該特例欠損金額の計算に関する明細書を添付した青色申告書である確定申告書(法人税法第二条第三十一号に規定する確定申告書をいう。以下この項において同じ。)を提出し、かつ、その後において連続して確定申告書を提出している場合に限り、適用する。
4 機構の各事業年度において生じた特例欠損金額に係る租税特別措置法第六十六条の十四第一項の規定の適用については、同項中「及び第六十六条の十二第一項に規定する設備廃棄等による欠損金額」とあるのは、「、第六十六条の十二第一項に規定する設備廃棄等による欠損金額及び銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律(平成十三年法律第百三十一号)第五十八条第一項に規定する特例欠損金額」とする。
5 機構に対する地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第五十三条第三項及び第三百二十一条の八第三項の規定の適用については、これらの規定中「五年以内に開始した事業年度」とあるのは「に開始した事業年度」と、「同法第五十七条又は」とあるのは「銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律(平成十三年法律第百三十一号)第五十八条第一項の規定により読み替えて適用される法人税法第五十七条の規定又は同法」とする。
6 前各項に定めるもののほか、機構及び機構の会員に係る法人税、法人の道府県民税、法人の事業税及び法人の市町村民税に関する法令の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(認可等の条件)
第五十九条 内閣総理大臣及び財務大臣は、この章の規定による認可又は承認(次項及び次条において「認可等」という。)に条件を付し、及びこれを変更することができる。
2 前項の条件は、認可等の趣旨に照らして、又は認可等に係る事項の確実な実施を図るため必要最小限のものでなければならない。
(内閣府令・財務省令への委任)
第六十条 この章に定めるもののほか、認可等に関する申請の手続、書類の提出の手続その他この章の規定の実施に関し必要な事項は、内閣府令・財務省令で定める。
第四章 雑則
(権限の委任)
第六十一条 内閣総理大臣は、この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。
(経過措置)
第六十二条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第五章 罰則
第六十三条 第二十七条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第六十四条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の役員又は職員は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第五十五条第一項の規定による報告若しくは資料を提出せず、又は虚偽の報告若しくは資料を提出したとき。
二 第五十五条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
第六十五条 発起人又は機構の役員は、次の各号のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。
一 第十四条第一項又は第四十七条第三項の規定による公告をすることを怠り、又は不正の公告をしたとき。
二 創立総会又は総会に対し不実の申立てを行い、又は事実を隠ぺいしたとき。
第六十六条 機構の役員が、第三十六条第三項又は第五十四条第二項若しくは第三項の規定による命令に違反したときは、五十万円以下の過料に処する。
第六十七条 機構の役員は、次の各号のいずれかに該当する場合には、二十万円以下の過料に処する。
一 この法律の規定により内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかったとき。
二 第九条第一項の規定による政令に違反して登記することを怠ったとき。
三 第三十四条第一項に規定する業務以外の業務を行ったとき。
四 第三十八条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
五 第三十八条第四項又は第三十九条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
六 第四十五条又は第四十七条第一項若しくは第二項に規定する書類を提出せず、又は虚偽の書類を提出したとき。
七 第四十七条第三項の規定に違反して、書類を備え置かず、又は閲覧に供しなかったとき。
八 第五十二条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
第六十八条 第八条第二項の規定に違反した者は、二十万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第三条及び第四条の規定は平成十六年九月三十日から、附則第六条の規定は銀行法等の一部を改正する法律(平成十三年法律第百十七号)の施行の日から施行する。
(銀行等の株式等の保有の制限に関する経過措置)
第二条 第三条の規定は、平成十三年三月三十一日(次項において「基準日」という。)における株式等(同条第一項に規定する株式等をいう。以下この項及び次項において同じ。)の保有額がその株式等保有限度額(同条第一項に規定する株式等保有限度額をいう。以下この項及び次項において同じ。)に政令で定める数を乗じた金額以上の額である銀行等(同条第六項に規定する銀行持株会社及び長期信用銀行持株会社を含む。以下この項及び次項において同じ。)及びその子会社等(同条第一項に規定する子会社等をいう。以下この項及び次項において同じ。)の株式等の保有については、当該銀行等及びその子会社等が、その株式等の保有額を平成十六年九月三十日までの間にその株式等保有限度額を超えない額とすることとすれば当該銀行等及びその子会社等の業務の適正な運営を損なうおそれがある場合その他のやむを得ない理由があるものとして、この法律の施行の日から起算して三月を経過する日(次項において「承認期限日」という。)までに主務大臣(同条第二項に規定する主務大臣をいう。次項において同じ。)の承認を受けたときは、平成十七年九月二十九日までの間は、適用しない。
2 前項の承認を受けた銀行等及びその子会社等のうち、基準日における株式等の保有額がその株式等保有限度額に政令で定める数を乗じた金額以上の額である銀行等及びその子会社等であって、その株式等の保有額を平成十七年九月三十日までの間にその株式等保有限度額を超えないこととするとすれば当該銀行等及びその子会社等の業務の適正な運営を損なうおそれがある場合その他のやむを得ない理由があるものとして承認期限日までに主務大臣の承認を受けた者に係る平成十七年九月三十日から平成十八年九月二十九日までの間における第三条の規定の適用については、同条第一項中「計算した額」とあるのは、「計算した額に政令で定める数を乗じた金額」とする。
3 前二項の規定の適用に関し必要な事項は、主務省令(第三条第一項に規定する主務省令をいう。)で定める。
(名称の使用制限に関する経過措置)
第三条 この法律の施行の際現にその名称中に銀行等保有株式取得機構という文字を用いている者については、第八条第二項の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
(金融庁設置法の一部改正)
第四条 金融庁設置法(平成十年法律第百三十号)の一部を次のように改正する。
附則第八条に次の一項を加える。
2 金融庁は、第三条の任務を達成するため、第四条各号に掲げる事務及び前項各号に掲げる事務のほか、政令で定める日までの間、銀行等保有株式取得機構の業務及び組織の適正な運営の確保に関する事務をつかさどる。
(財務省設置法の一部改正)
第五条 財務省設置法(平成十一年法律第九十五号)の一部を次のように改正する。
附則に次の一項を加える。
4 財務省は、第三条の任務を達成するため、第四条各号に掲げる事務のほか、政令で定める日までの間、銀行等保有株式取得機構の業務及び組織の適正な運営の確保に関する事務をつかさどる。
(銀行法等の一部を改正する法律の一部改正)
第六条 銀行法等の一部を改正する法律の一部を次のように改正する。
附則第二十二条の次に次の一条を加える。
(銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部改正)
第二十二条の二 銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律(平成十三年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。
第三条第六項中「第二条第十一項」を「第二条第十三項」に改める。
(検討)
第七条 政府は、この法律の施行後三年以内に、この法律の施行状況、特殊法人等改革基本法(平成十三年法律第五十八号)第三条に規定する基本理念、社会経済情勢の変化等を勘案し、銀行等による株式等の保有の制限及び機構に係る制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
内閣総理大臣 小泉純一郎
法務大臣 森山眞弓
財務大臣 塩川正十郎
農林水産大臣 武部勤
銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十三年十一月二十八日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第百三十一号
銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
銀行等による株式等の保有の制限(第三条・第四条)
第三章
銀行等保有株式取得機構
第一節
総則(第五条―第十条)
第二節
会員(第十一条・第十二条)
第三節
設立(第十三条―第十八条)
第四節
管理(第十九条―第二十八条)
第五節
総会(第二十九条―第三十三条)
第六節
業務(第三十四条―第四十条)
第七節
拠出金等(第四十一条―第四十三条)
第八節
財務及び会計(第四十四条―第五十三条)
第九節
監督(第五十四条―第五十六条)
第十節
解散(第五十七条)
第十一節
雑則(第五十八条―第六十条)
第四章
雑則(第六十一条・第六十二条)
第五章
罰則(第六十三条―第六十八条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、銀行等の業務の公共性及び銀行等をめぐる諸情勢の著しい変化にかんがみ、銀行等の業務の健全な運営を確保するため、当分の間、銀行等による株式等の保有を制限するとともに、その制限の実施に伴う銀行等による株式の処分の円滑を図り、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「銀行等」とは、次に掲げる者をいう。
一 銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行
二 長期信用銀行法(昭和二十七年法律第百八十七号)第二条に規定する長期信用銀行
三 農林中央金庫
四 全国を地区とする信用金庫連合会
第二章 銀行等による株式等の保有の制限
(銀行等による株式等の保有の制限)
第三条 銀行等及びその子会社等(子会社その他の当該銀行等と主務省令(前条第一号、第二号及び第四号に掲げる者については内閣府令、同条第三号に掲げる者については内閣府令・農林水産省令。以下この項及び次条において同じ。)で定める特殊の関係のある会社をいう。以下この項及び次項において同じ。)は、当分の間、株式(主務省令で定めるものを除く。)その他これに準ずるものとして主務省令で定めるもの(以下この項及び次項において「株式等」という。)については、主務省令で定めるところにより合算して、当該銀行等及びその子会社等に係る自己資本に相当する額として主務省令で定めるところにより計算した額(次項において「株式等保有限度額」という。)を超える額の株式等を保有してはならない。
2 銀行等及びその子会社等は、合併その他の政令で定めるやむを得ない理由がある場合には、前項の規定にかかわらず、あらかじめ主務大臣(前条第一号、第二号及び第四号に掲げる者については内閣総理大臣、同条第三号に掲げる者については農林水産大臣及び内閣総理大臣。第四項において同じ。)の承認を得て、株式等保有限度額を超える額の株式等を保有することができる。
3 外国銀行支店(銀行法第四十七条第二項に規定する外国銀行支店をいう。以下この項において同じ。)に対し前二項の規定を適用する場合における技術的読替えその他外国銀行支店に対する前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
4 主務大臣は、第二項の承認に条件を付し、及びこれを変更することができる。
5 前項の条件は、承認の趣旨に照らして、又は承認に係る事項の確実な実施を図るため必要最小限のものでなければならない。
6 第一項、第二項及び前二項の規定は、銀行持株会社(銀行法第二条第十一項に規定する銀行持株会社をいう。)及び長期信用銀行持株会社(長期信用銀行法第十六条の四第一項に規定する長期信用銀行持株会社をいう。)について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(主務省令への委任)
第四条 前条第三項から第五項までに定めるもののほか、同条第一項に規定する株式等の評価の方法その他同項、同条第二項及び第六項の規定の適用に関し必要な事項は、主務省令で定める。
第三章 銀行等保有株式取得機構
第一節 総則
(目的)
第五条 銀行等保有株式取得機構(以下「機構」という。)は、銀行等による株式等の保有の制限の実施に伴い、銀行等の保有する株式の短期間かつ大量の処分により、株式の価格の著しい変動を通じて信用秩序の維持に重大な支障が生ずることがないようにするため、銀行等の保有する株式の買取り等の業務を行うことにより、銀行等による株式の処分の円滑を図ることを目的とする。
(法人格)
第六条 機構は、法人とする。
(数)
第七条 機構は、一を限り、設立されるものとする。
(名称)
第八条 機構は、その名称中に銀行等保有株式取得機構という文字を用いなければならない。
2 機構でない者は、その名称中に銀行等保有株式取得機構という文字を用いてはならない。
(登記)
第九条 機構は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。
(民法の準用)
第十条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条及び第五十条の規定は、機構について準用する。
第二節 会員
(会員の資格)
第十一条 機構の会員の資格を有する者は、銀行等に限る。
(脱退)
第十二条 会員は、定款の定めるところにより、機構の承認を受けて脱退することができる。
2 前項の場合のほか、次の各号に掲げる会員は、当該各号に定める事由によって脱退する。
一 第二条第一号に掲げる者 銀行法第四条第一項の免許の取消し又は失効
二 第二条第二号に掲げる者 長期信用銀行法第四条第一項の免許の取消し又は失効
三 第二条第三号に掲げる者 解散
四 第二条第四号に掲げる者 信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第四条の免許の取消し又は失効
3 会員は、機構を脱退した場合においても、第四十一条第一項若しくは第三項に規定する拠出金又は第四十二条に規定する手数料で未納のものがあるときは、これを納付する義務を負う。
第三節 設立
(発起人)
第十三条 機構を設立するには、その会員になろうとする十以上の銀行等が発起人となることを必要とする。
(創立総会)
第十四条 発起人は、定款及び業務規程を作成した後、会員になろうとする者を募り、これらを会議の日時及び場所とともにその会議開催日の二週間前までに公告して、創立総会を開かなければならない。
2 定款及び業務規程の承認その他機構の設立に必要な事項の決定は、創立総会の議決によらなければならない。
3 創立総会では、定款及び業務規程を修正することができる。
4 第二項の創立総会の議事は、その開会までに発起人に対して会員となる旨を申し出た銀行等及び発起人の二分の一以上が出席して、その出席者の議決権の三分の二以上の多数で決する。
5 機構の成立の日を含む事業年度の業務の運営に必要な事項(予算及び資金計画を含む。)の決定は、第三十一条の規定にかかわらず、創立総会の議決によることができる。
6 第三十二条第二項本文の規定は、前項の創立総会の議事について準用する。
7 民法第六十五条及び第六十六条の規定は、創立総会の議決について準用する。
(設立の認可申請)
第十五条 発起人は、創立総会の終了後遅滞なく、次に掲げる事項を記載した認可申請書を内閣総理大臣及び財務大臣に提出して、設立の認可を申請しなければならない。
一 名称
二 事務所の所在地
三 役員の氏名及び会員の名称
2 前項の認可申請書には、定款、業務規程その他内閣府令・財務省令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない。
(設立の認可)
第十六条 内閣総理大臣及び財務大臣は、前条第一項の規定による認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 設立の手続並びに定款及び業務規程の内容が法令の規定に適合していること。
二 認可申請書、定款及び業務規程に虚偽の記載がないこと。
三 役員のうちに第二十三条各号のいずれかに該当する者がないこと。
四 業務の運営が適正に行われることが確実であると認められること。
五 当該申請に係る機構の組織がこの法律の規定に適合するものであること。
2 内閣総理大臣及び財務大臣は、前項の規定により審査した結果、その申請が同項の基準に適合していると認めるときは、設立の認可をしなければならない。
(事務の引継ぎ)
第十七条 前条第二項の設立の認可があったときは、発起人は、遅滞なく、その事務を機構の理事長となるべき者に引き継がなければならない。
(設立の時期等)
第十八条 機構は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
2 機構は、前項の設立の登記をしたときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣及び財務大臣に届け出なければならない。
第四節 管理
(定款)
第十九条 機構の定款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 目的
二 名称
三 事務所の所在地
四 会員に関する事項
五 役員に関する事項
六 運営委員会に関する事項
七 総会に関する事項
八 業務及びその執行に関する事項
九 拠出金に関する事項
十 財務及び会計に関する事項
十一 解散に関する事項
十二 定款の変更に関する事項
十三 公告の方法
2 前項第十一号に掲げる事項については、次に掲げる事由を解散事由として定めなければならない。
一 一定の期日(機構の設立の日後十年を経過する日までの日に限る。)の到来
二 平成十八年十月一日以後において、買い取った株式(これに準ずるものとして内閣府令・財務省令で定めるものを含む。第四十条を除き、以下この章において同じ。)をすべて処分したこと。
3 機構の定款の変更は、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(役員及び業務の決定)
第二十条 機構に、役員として、理事長一人、理事四人以内及び監事一人を置く。
2 機構の業務は、定款に別段の定めがあるものを除き、理事長及び理事の過半数をもって決する。
(役員の職務及び権限)
第二十一条 理事長は、機構を代表し、その業務を総理する。
2 理事は、理事長の定めるところにより、機構を代表し、理事長を補佐して機構の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。
3 監事は、機構の業務を監査する。
4 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は内閣総理大臣及び財務大臣に意見を提出することができる。
(役員の任免及び任期)
第二十二条 役員は、定款で定めるところにより、総会において選任し、又は解任する。ただし、設立当時の役員は、創立総会において選任する。
2 前項の規定による役員の選任及び解任は、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 役員の任期は、二年以内において定款で定める期間とする。ただし、設立当時の役員の任期は、二年以内において創立総会で定める期間とする。
4 役員は、再任されることができる。
(役員の欠格事由)
第二十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
一 機構が第五十六条の規定により設立の認可を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内にその役員であった者で、その取消しの日から起算して三年を経過していないもの
二 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
三 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から起算して三年を経過していない者
四 この法律、銀行法、長期信用銀行法、農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)、信用金庫法又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から起算して三年を経過していない者
(監事の兼職禁止)
第二十四条 監事は、理事長、理事、運営委員会の委員又は機構の職員を兼ねてはならない。
(代表権の制限)
第二十五条 機構と理事長又は理事との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合には、定款で定めるところにより、監事が機構を代表する。
(運営委員会)
第二十六条 機構に、運営委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、この章の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか、理事長の諮問に応じ、機構の業務の運営に関する重要事項を審議する。
3 委員会は、機構の業務の運営につき、理事長に対して意見を述べることができる。
4 委員会は、委員五人以内並びに機構の理事長及び理事をもって組織する。
5 委員会の委員は、金融に関して専門的な知識と経験を有する者のうちから、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けて、理事長が任命する。
6 前各項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、内閣府令・財務省令で定める。
(役員等の秘密保持義務等)
第二十七条 機構の役員若しくは職員、委員会の委員又はこれらの職にあった者は、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
(役員等の公務員たる性質)
第二十八条 機構の役員及び職員並びに委員会の委員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第五節 総会
(総会の招集)
第二十九条 理事長は、定款で定めるところにより、毎事業年度一回通常総会を招集しなければならない。
2 理事長は、必要があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。
(指名職員の会議への出席)
第三十条 内閣総理大臣及び財務大臣は、当該職員をして総会に出席させ、意見を述べさせることができる。
(総会の議決事項)
第三十一条 この法律で別に定めるもののほか、次に掲げる事項は、総会の議決を経なければならない。
一 定款の変更
二 予算及び資金計画の決定又は変更
三 業務規程の変更
四 決算
五 解散
六 その他定款で定める事項
(総会の議事)
第三十二条 総会は、総会員の二分の一以上の出席がなければ、議事を開き、議決をすることができない。
2 総会の議事は、出席者の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長が決する。ただし、前条第一号、第三号及び第五号に掲げる事項に係る議事は、出席者の議決権の三分の二以上の多数で決する。
3 議長は、定款で定めるところによる。
(総会に関する民法の準用)
第三十三条 民法第六十一条第二項、第六十二条及び第六十四条から第六十六条までの規定は、機構の総会について準用する。
第六節 業務
(業務)
第三十四条 機構は、第五条に規定する目的を達成するため、証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二十八条の規定にかかわらず、次に掲げる業務を行う。
一 会員の保有する株式の買取り並びに当該買い取った株式の管理及び処分
二 会員の保有する株式の売付けの媒介
三 第四十一条第一項及び第三項に規定する拠出金並びに第四十二条に規定する手数料の収納及び管理
四 前三号の業務に附帯する業務
2 前項第一号及び第二号に規定する会員の保有する株式には、金銭又は有価証券の信託に係る信託財産として保有する株式を含まないものとする。
(業務の委託)
第三十五条 機構は、あらかじめ内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けて、信託会社(信託業務を営む金融機関を含む。第三十九条において同じ。)その他内閣府令・財務省令で定める者に対し、その業務の一部を委託することができる。
(業務規程)
第三十六条 機構の業務規程には、株式の買取り、管理及び処分に関する事項その他内閣府令・財務省令で定める事項を記載しなければならない。
2 機構は、業務規程を変更しようとするときは、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければならない。
3 内閣総理大臣及び財務大臣は、業務規程が機構の業務の適正かつ確実な運営をする上で不適当なものとなったと認めるときは、その変更を命ずることができる。
(資料の提出の請求等)
第三十七条 機構は、その業務を行うため必要があるときは、その会員に対し、資料の提出を求めることができる。
2 前項の規定により資料の提出を求められた会員は、遅滞なく、これを提出しなければならない。
3 内閣総理大臣は、機構から要請があった場合において、機構の業務の実施のため特に必要があると認めるときは、機構に対し、資料を交付し、又はこれを閲覧させることができる。
(株式の買取り等)
第三十八条 第三十四条第一項第一号に規定する株式の買取り及び同項第二号に規定する株式の売付けの媒介は、平成十八年九月三十日までに限り行うことができるものとする。
2 機構は、第三十四条第一項第一号に規定する株式の買取り(機構が買い取った株式を直ちに処分することが予定されているものとして政令で定める株式の買取りを除く。以下「特別株式買取り」という。)を行おうとするときは、あらかじめ、委員会の議決を経て、買取期間を定め、内閣総理大臣及び財務大臣に届け出なければならない。
3 特別株式買取りは、当該特別株式買取りの申込みに係る株式が証券取引法第二条第十四項に規定する証券取引所に上場されている株式又はこれに準ずるものとして政令で定める株式であることその他内閣府令・財務省令で定める要件を満たしている場合でなければ、行ってはならない。
4 機構は、第三十四条第一項第一号に規定する株式の買取りをしたときは、速やかに、内閣府令・財務省令で定めるところにより、その買取りに係る事項を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。会員の保有する株式の売付けの媒介をしたときも、同様とする。
(株式の処分)
第三十九条 機構は、買い取った株式を処分したとき(第三十五条の規定により信託会社に買い取った株式の管理を委託した場合にあっては、当該信託会社が当該株式を処分したとき)は、速やかに、内閣府令・財務省令で定めるところにより、当該処分に係る事項を内閣総理大臣及び財務大臣に報告しなければならない。
(商法の特例)
第四十条 機構が買い取った市場価格のある株式を発行する会社が、当該株式を機構から買い受ける場合において、商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百十条第一項の決議をするときは、同条第五項、第六項後段及び第七項の規定は、適用しない。
2 前項の場合においては、同項の決議については、機構は、議決権を行使することができない。
3 第一項の場合においては、同項の決議については、機構が有する議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入しない。
第七節 拠出金等
(拠出金の納付)
第四十一条 機構の会員は、第四十八条第一項第一号に掲げる業務に要する費用(同条第二項の規定により同項に規定する一般勘定において経理される経費を含む。)に充てるため、業務規程の定めるところにより、機構に対し、拠出金(以下「当初拠出金」という。)を納付しなければならない。
2 当初拠出金の総額は、百億円を下回ってはならない。
3 特別株式買取りの申込みをした会員は、機構が当該申込みに応じて株式を買い取った場合には、第四十八条第一項第二号に掲げる業務に要する費用に充てるため、業務規程の定めるところにより、当該株式の買取価額に百分の八を乗じて得た金額を、機構に対し、拠出金(以下「売却時拠出金」という。)として納付しなければならない。
4 機構は、当初拠出金及び売却時拠出金を返還してはならない。
(手数料)
第四十二条 機構は、株式を買い取った場合においては、当該株式の買取りの申込みをした会員から、業務規程の定めるところにより、手数料を徴収することができる。会員の保有する株式の売付けの媒介をした場合においても、同様とする。
(延滞金)
第四十三条 会員は、当初拠出金若しくは売却時拠出金又は手数料を業務規程の定める納期限までに納付しない場合には、機構に対し、延滞金を納付しなければならない。
2 延滞金の額は、未納の当初拠出金若しくは売却時拠出金又は手数料の額に納期限の翌日からその納付の日までの日数に応じ年十四・五パーセントの割合を乗じて計算した金額とする。
第八節 財務及び会計
(事業年度)
第四十四条 機構の事業年度は、四月一日から翌年三月三十一日までとする。ただし、機構の成立の日を含む事業年度は、その成立の日からその後最初の三月三十一日までとする。
(予算等)
第四十五条 機構は、毎事業年度、予算及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に(機構の成立の日を含む事業年度にあっては、成立後遅滞なく)、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(財務諸表等の承認等)
第四十六条 理事長は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びに当該事業年度の事業報告書及び予算の区分に従う決算報告書(以下「財務諸表等」という。)を作成し、当該事業年度の終了後最初に招集する通常総会の開催日の四週間前までに、監事に提出しなければならない。
2 理事長は、監事の意見書を添えて前項の財務諸表等を同項の通常総会に提出し、その承認を求めなければならない。
第四十七条 機構は、毎事業年度、前条第二項の通常総会の承認を受けた財務諸表等を、当該事業年度の終了後三月以内に内閣総理大臣及び財務大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
2 機構は、前項の規定により財務諸表等を内閣総理大臣及び財務大臣に提出するときは、これに、財務諸表等に関する監事の意見書を添付しなければならない。
3 機構は、第一項の規定による内閣総理大臣及び財務大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財産目録、貸借対照表及び損益計算書を官報に公告し、かつ、財務諸表等、附属明細書及び前項の監事の意見書を、機構の事務所に備え置き、内閣府令・財務省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。
(区分経理)
第四十八条 機構は、次の各号に掲げる業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。
一 第三十四条第一項各号に掲げる業務(次号に掲げるものを除く。)
二 次に掲げる業務
イ 特別株式買取り並びに当該買い取った株式の管理及び処分
ロ 売却時拠出金及び第四十二条に規定する手数料(特別株式買取りに係るものに限る。)の収納及び管理
ハ イ及びロの業務に附帯する業務
2 機構は、その運営に必要な経常的経費として内閣府令・財務省令で定めるものについては、前項の規定にかかわらず、同項第一号に掲げる業務に係る勘定(次条第二項及び第五十七条において「一般勘定」という。)において経理するものとする。
(特別勘定の廃止)
第四十九条 機構は、平成十八年十月一日以後において、特別株式買取りとして買い取った株式をすべて処分したときは、前条第一項第二号に掲げる業務に係る勘定(次項において「特別勘定」という。)を廃止するものとする。
2 機構は、前項の規定により特別勘定を廃止したときは、当該特別勘定に属する資産及び負債を一般勘定に帰属させるものとする。
(借入金及び銀行等保有株式取得機構債券)
第五十条 機構は、第三十四条第一項各号に掲げる業務を行うため必要があると認めるときは、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けて、内閣府令・財務省令で定める金融機関から資金の借入れ(借換えを含む。)をし、又は銀行等保有株式取得機構債券(以下「債券」という。)の発行(債券の借換えのための発行を含む。)をすることができる。
2 前項の規定による借入金の現在額及び同項の規定により発行する債券の元本に係る債務の現在額の合計額のうち、第四十八条第一項第二号に掲げる業務に係る金額は、政令で定める金額を超えることとなってはならない。
3 第一項の規定による債券の債権者は、機構の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
4 前項の先取特権の順位は、民法の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
5 機構は、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けて、債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行等又は信託会社に委託することができる。
6 商法第三百九条、第三百十条及び第三百十一条の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行等又は信託会社について準用する。
7 第一項及び第三項から前項までに定めるもののほか、債券に関し必要な事項は、政令で定める。
(政府保証)
第五十一条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、機構の前条第一項の借入れ又は同項の債券に係る債務(第四十八条第一項第二号に掲げる業務に係るものに限る。)の保証をすることができる。
(余裕金の運用)
第五十二条 機構の業務上の余裕金は、次の方法により運用しなければならない。
一 国債その他内閣総理大臣及び財務大臣の指定する有価証券の保有
二 内閣総理大臣及び財務大臣の指定する金融機関への預金
三 その他内閣府令・財務省令で定める方法
(内閣府令・財務省令への委任)
第五十三条 第四十四条から前条までに規定するもののほか、機構の財務及び会計に関し必要な事項は、内閣府令・財務省令で定める。
第九節 監督
(監督)
第五十四条 機構は、内閣総理大臣及び財務大臣が監督する。
2 内閣総理大臣及び財務大臣は、この章の規定を施行するため必要があると認めるときは、機構に対し、監督上必要な命令をすることができる。
3 内閣総理大臣及び財務大臣は、機構の役員が、この章の規定、この章の規定に基づく命令若しくはこれらに基づく処分又は定款若しくは業務規程に違反する行為をしたときは、機構に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。この場合において、機構が総会の議決を経て当該役員を解任したときは、その解任は、第二十二条第二項の規定にかかわらず、総会の議決があったときにその効力を生ずるものとする。
(報告及び立入検査)
第五十五条 内閣総理大臣及び財務大臣は、この章の規定を施行するため必要があると認めるときは、機構に対しその業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に機構の事務所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(設立の認可の取消し)
第五十六条 内閣総理大臣及び財務大臣は、機構が次の各号のいずれかに該当するときは、第十六条第二項の設立の認可を取り消すことができる。
一 この章の規定、この章の規定に基づく命令若しくはこれらに基づく処分又は機構の定款若しくは業務規程に違反したとき。
二 その業務又は財産の状況によりその業務の継続が困難であると認めるとき。
三 公益を害する行為をしたとき。
第十節 解散
(解散)
第五十七条 機構は、次に掲げる事由によって解散する。
一 定款で定める解散事由の発生
二 総会の決議
三 第十六条第二項の設立の認可の取消し
2 前項第二号に掲げる事由による解散は、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 機構は、解散した場合において、その債務を弁済してなお残余財産があるときは、次に定めるところにより、残余財産(分配限度額以下の部分に限る。以下この項において同じ。)の処分を行うものとする。
一 残余財産の額が当初拠出金の総額に相当する額(以下この項において「当初拠出金相当額」という。)以下のときは、当該残余財産の額を、機構の各会員(脱退した会員を含む。以下この項において同じ。)に対し、その納付した当初拠出金の額に応じて分配する。
二 残余財産の額が当初拠出金相当額を超え、当初拠出金の総額と売却時拠出金の総額の合計額に相当する額(以下この項において「拠出金相当額」という。)以下のときは、当該残余財産のうち、当初拠出金相当額を前号の規定により、残余の額を売却時拠出金を納付した機構の各会員(以下この項において「売却会員」という。)に対しその納付した売却時拠出金の額に応じ、それぞれ分配する。
三 残余財産の額が拠出金相当額を超え、拠出金相当額に当初拠出金相当額(一般勘定において損益計算上利益を生じた場合にあっては、当該利益の額の二倍に相当する額を加えた額。次号において同じ。)を加えた額以下のときは、当該残余財産のうち、拠出金相当額を前号の規定により、残余の額を機構の各会員に対しその納付した当初拠出金の額に応じ、それぞれ分配する。
四 残余財産の額が拠出金相当額に当初拠出金相当額を加えた額を超えるときは、当該残余財産のうち、拠出金相当額に当初拠出金相当額を加えた額を前号の規定により、残余の額を売却会員に対しその納付した売却時拠出金の額に応じ、それぞれ分配する。
4 残余財産の額が分配限度額を超えるときは、当該超える額を国庫に納付する。
5 前二項の分配限度額とは、当初拠出金の総額と売却時拠出金の総額の合計額(一般勘定において損益計算上利益を生じた場合にあっては当該利益の額を加え、損益計算上損失を生じた場合にあっては当該損失の額を控除した額)の二倍に相当する額をいう。
6 政府は、機構が解散する場合において、その財産をもって債務を完済することができないときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に対し、当該債務を完済するために要する費用の全部又は一部に相当する金額を補助することができる。
7 第三項、第四項及び前項に定めるもののほか、機構の解散に関する所要の措置は、合理的に必要と判断される範囲内において、政令で定めることができる。
第十一節 雑則
(課税の特例)
第五十八条 機構が、各事業年度(法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第十三条及び第十四条に規定する事業年度をいう。以下この条において同じ。)終了の日において青色申告書(同法第二条第四十号に規定する青色申告書をいう。第三項において同じ。)を提出する法人である場合において、当該事業年度の同法第二条第十九号に規定する欠損金額(以下この条において「特例欠損金額」という。)があるときは、当該特例欠損金額については、同法第五十七条第一項中「五年以内に開始した」とあるのは「に開始した」として、同項の規定を適用する。
2 前項の規定の適用がある場合における特例欠損金額で当該事業年度において生じたものに係る更正(法人税法第二条第四十三号に規定する更正をいう。)については、租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第六十六条の十三第四項の規定を準用する。
3 第一項の規定は、機構の特例欠損金額が生じた事業年度について当該特例欠損金額の計算に関する明細書を添付した青色申告書である確定申告書(法人税法第二条第三十一号に規定する確定申告書をいう。以下この項において同じ。)を提出し、かつ、その後において連続して確定申告書を提出している場合に限り、適用する。
4 機構の各事業年度において生じた特例欠損金額に係る租税特別措置法第六十六条の十四第一項の規定の適用については、同項中「及び第六十六条の十二第一項に規定する設備廃棄等による欠損金額」とあるのは、「、第六十六条の十二第一項に規定する設備廃棄等による欠損金額及び銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律(平成十三年法律第百三十一号)第五十八条第一項に規定する特例欠損金額」とする。
5 機構に対する地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第五十三条第三項及び第三百二十一条の八第三項の規定の適用については、これらの規定中「五年以内に開始した事業年度」とあるのは「に開始した事業年度」と、「同法第五十七条又は」とあるのは「銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律(平成十三年法律第百三十一号)第五十八条第一項の規定により読み替えて適用される法人税法第五十七条の規定又は同法」とする。
6 前各項に定めるもののほか、機構及び機構の会員に係る法人税、法人の道府県民税、法人の事業税及び法人の市町村民税に関する法令の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(認可等の条件)
第五十九条 内閣総理大臣及び財務大臣は、この章の規定による認可又は承認(次項及び次条において「認可等」という。)に条件を付し、及びこれを変更することができる。
2 前項の条件は、認可等の趣旨に照らして、又は認可等に係る事項の確実な実施を図るため必要最小限のものでなければならない。
(内閣府令・財務省令への委任)
第六十条 この章に定めるもののほか、認可等に関する申請の手続、書類の提出の手続その他この章の規定の実施に関し必要な事項は、内閣府令・財務省令で定める。
第四章 雑則
(権限の委任)
第六十一条 内閣総理大臣は、この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。
(経過措置)
第六十二条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第五章 罰則
第六十三条 第二十七条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第六十四条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の役員又は職員は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第五十五条第一項の規定による報告若しくは資料を提出せず、又は虚偽の報告若しくは資料を提出したとき。
二 第五十五条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
第六十五条 発起人又は機構の役員は、次の各号のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。
一 第十四条第一項又は第四十七条第三項の規定による公告をすることを怠り、又は不正の公告をしたとき。
二 創立総会又は総会に対し不実の申立てを行い、又は事実を隠ぺいしたとき。
第六十六条 機構の役員が、第三十六条第三項又は第五十四条第二項若しくは第三項の規定による命令に違反したときは、五十万円以下の過料に処する。
第六十七条 機構の役員は、次の各号のいずれかに該当する場合には、二十万円以下の過料に処する。
一 この法律の規定により内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかったとき。
二 第九条第一項の規定による政令に違反して登記することを怠ったとき。
三 第三十四条第一項に規定する業務以外の業務を行ったとき。
四 第三十八条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
五 第三十八条第四項又は第三十九条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
六 第四十五条又は第四十七条第一項若しくは第二項に規定する書類を提出せず、又は虚偽の書類を提出したとき。
七 第四十七条第三項の規定に違反して、書類を備え置かず、又は閲覧に供しなかったとき。
八 第五十二条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
第六十八条 第八条第二項の規定に違反した者は、二十万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第三条及び第四条の規定は平成十六年九月三十日から、附則第六条の規定は銀行法等の一部を改正する法律(平成十三年法律第百十七号)の施行の日から施行する。
(銀行等の株式等の保有の制限に関する経過措置)
第二条 第三条の規定は、平成十三年三月三十一日(次項において「基準日」という。)における株式等(同条第一項に規定する株式等をいう。以下この項及び次項において同じ。)の保有額がその株式等保有限度額(同条第一項に規定する株式等保有限度額をいう。以下この項及び次項において同じ。)に政令で定める数を乗じた金額以上の額である銀行等(同条第六項に規定する銀行持株会社及び長期信用銀行持株会社を含む。以下この項及び次項において同じ。)及びその子会社等(同条第一項に規定する子会社等をいう。以下この項及び次項において同じ。)の株式等の保有については、当該銀行等及びその子会社等が、その株式等の保有額を平成十六年九月三十日までの間にその株式等保有限度額を超えない額とすることとすれば当該銀行等及びその子会社等の業務の適正な運営を損なうおそれがある場合その他のやむを得ない理由があるものとして、この法律の施行の日から起算して三月を経過する日(次項において「承認期限日」という。)までに主務大臣(同条第二項に規定する主務大臣をいう。次項において同じ。)の承認を受けたときは、平成十七年九月二十九日までの間は、適用しない。
2 前項の承認を受けた銀行等及びその子会社等のうち、基準日における株式等の保有額がその株式等保有限度額に政令で定める数を乗じた金額以上の額である銀行等及びその子会社等であって、その株式等の保有額を平成十七年九月三十日までの間にその株式等保有限度額を超えないこととするとすれば当該銀行等及びその子会社等の業務の適正な運営を損なうおそれがある場合その他のやむを得ない理由があるものとして承認期限日までに主務大臣の承認を受けた者に係る平成十七年九月三十日から平成十八年九月二十九日までの間における第三条の規定の適用については、同条第一項中「計算した額」とあるのは、「計算した額に政令で定める数を乗じた金額」とする。
3 前二項の規定の適用に関し必要な事項は、主務省令(第三条第一項に規定する主務省令をいう。)で定める。
(名称の使用制限に関する経過措置)
第三条 この法律の施行の際現にその名称中に銀行等保有株式取得機構という文字を用いている者については、第八条第二項の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
(金融庁設置法の一部改正)
第四条 金融庁設置法(平成十年法律第百三十号)の一部を次のように改正する。
附則第八条に次の一項を加える。
2 金融庁は、第三条の任務を達成するため、第四条各号に掲げる事務及び前項各号に掲げる事務のほか、政令で定める日までの間、銀行等保有株式取得機構の業務及び組織の適正な運営の確保に関する事務をつかさどる。
(財務省設置法の一部改正)
第五条 財務省設置法(平成十一年法律第九十五号)の一部を次のように改正する。
附則に次の一項を加える。
4 財務省は、第三条の任務を達成するため、第四条各号に掲げる事務のほか、政令で定める日までの間、銀行等保有株式取得機構の業務及び組織の適正な運営の確保に関する事務をつかさどる。
(銀行法等の一部を改正する法律の一部改正)
第六条 銀行法等の一部を改正する法律の一部を次のように改正する。
附則第二十二条の次に次の一条を加える。
(銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部改正)
第二十二条の二 銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律(平成十三年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。
第三条第六項中「第二条第十一項」を「第二条第十三項」に改める。
(検討)
第七条 政府は、この法律の施行後三年以内に、この法律の施行状況、特殊法人等改革基本法(平成十三年法律第五十八号)第三条に規定する基本理念、社会経済情勢の変化等を勘案し、銀行等による株式等の保有の制限及び機構に係る制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
内閣総理大臣 小泉純一郎
法務大臣 森山真弓
財務大臣 塩川正十郎
農林水産大臣 武部勤