(建設大臣の権限)
第三十四条 基本計画の作成の公示があつた後は、次の各号に掲げる処分は、河川法の規定にかかわらず、建設大臣が行う。ただし、基本計画の廃止の公示があつた後は、この限りでない。
一 多目的ダムによる流水の貯留を利用して流水を特定用途に供するため、又は多目的ダムによる流水の貯留量を増加させ、若しくは多目的ダムによつて貯留される流水とあわせて他の流水を同一の特定用途に供するため必要な工作物の新築、改築若しくは除却又は河川の敷地若しくは流水の占用に関する河川法第十七条から第十九条まで又は第二十一条の規定による許可
二 前号の許可(基本計画の作成の公示前にされた許可を含む。)を受けた者に対する河川法第二十条又は第二十二条の規定による許可の取消その他の処分
三 河川法第十七条から第十九条までの規定による許可のうち第一号の許可(基本計画の作成の公示前にされた許可を含む。)以外の許可を受けた者に対する同法第二十条の規定による許可の取消その他の処分で、多目的ダムを建設し、又は第一号の許可を与えるため必要なもの
四 河川法第五条の規定によつて同法の規定が準用される水流、水面又は河川についての前各号の処分に相当する処分
2 建設大臣は、前項各号の処分をしようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、関係都道府県知事の意見をきかなければならない。
(特別の納付金)
第三十五条 第十三条の規定による許可を受けたダム使用権の設定予定者又はダム使用権者で、三月三十一日現在において多目的ダムによる流水の貯留を利用して流水を発電の用に供している者は、翌年の六月三十日までに、国又は都道府県が当該多目的ダムに関し国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律(昭和三十一年法律第八十二号)第二十一条の二の規定により地方公共団体に交付する交付金に相当する額の納付金を、国又は都道府県に納付しなければならない。
(強制徴収)
第三十六条 第七条第一項、第九条第一項若しくは第十条第一項の負担金、第三十三条第一項のダム使用権者の負担金又は第二十七条若しくは前条の納付金(以下この条において「負担金等」という。)を納付しない者があるときは、建設大臣又は都道府県知事は、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。
2 前項の場合においては、建設大臣又は都道府県知事は、建設省令で定めるところにより、延滞金を徴収することができる。ただし、延滞金は、百円につき一日四銭の割合を乗じて計算した額をこえない範囲内で定めなければならない。
3 第一項の規定による督促を受けた者がその指定する期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、建設大臣又は都道府県知事は、国税滞納処分の例により前二項に規定する負担金等及び延滞金を徴収することができる。この場合における負担金等及び延滞金の先取特権は、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第一条第一項第十四号に規定する地方団体の徴収金以外の都道府県の徴収金と同順位とする。
5 負担金等及び延滞金を徴収する権利は、五年間行わないときは、時効により消滅する。
(訴願)
第三十七条 次の各号に掲げる処分について不服のある者は、処分のあつた日から三十日以内に、建設大臣に訴願をすることができる。
一 第十六条の規定によるダム使用権の設定の申請の却下
二 第二十二条の規定によるダム使用権の移転、分割、併合又は設定の目的の変更の許可の申請の却下
三 第二十四条の規定によるダム使用権の取消又は変更の処分
四 第二十五条第一項の規定によるダム使用権の譲渡の命令
五 第二十五条第二項の規定によるダム使用権の取消の処分
六 第七条第一項、第九条第一項若しくは第十条第一項の負担金、第三十三条第一項のダム使用権者の負担金又は第二十七条若しくは第三十五条の納付金の決定
(政令への委任)
第三十八条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。