朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル國債整理基金特別會計法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十九年三月一日
內閣總理大臣 侯爵 西園寺公望
大藏大臣 法學博士 阪谷芳郞
法律第六號
國債整理基金特別會計法
第一條 國債整理基金ヲ置キ其ノ歲入歲出ハ一般ノ會計ト區分シ特別會計ヲ設置ス
國債整理基金ハ國債ノ償還發行ニ關スル費途ニ使用スルモノトス
第二條 國債整理基金ニ充ツヘキ資金ハ每年度一般會計ヨリ之ヲ國債整理基金特別會計ニ繰入ルヘシ
前項每年度一般會計ヨリ繰入ルヘキ資金中明治三十七八年戰役ニ關スル經費支辨ノ爲發行シタル國債及其ノ借換ノ爲ニ發行シタル國債ニ關スル分ハ年額一億千萬圓ヲ下ルコトヲ得サルモノトス
第三條 國債借換ニ依ル募集金其ノ他ノ收入金ハ直接ニ之ヲ國債整理基金特別會計ニ編入スヘシ
第四條 國債整理基金ハ金銀地金及有價證券ヲ以テ之ヲ保有シ其ノ他有利且確實ナル方法ヲ以テ之ヲ運用スルコトヲ得
前項ノ運用ハ日本銀行ヲシテ之ヲ取扱ハシム
第五條 政府ハ計算上利益アリト認ムル場合ニ於テ國債借換ノ爲低利ノ國債ヲ募集スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ利率、募集ノ方法、規約、据置年限及償還年限ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
國債借換ノ爲發行スル國債ニ關シ本法ニ規定ナキモノハ整理公債條例ニ依ル
第六條 政府ハ計算上利益アリト認ムルトキハ額面以上ニテモ買入銷却ヲ爲スコトヲ得
第七條 國債整理基金ノ運用ヨリ生スル損益ハ本特別會計ノ所屬トシテ整理スルモノトス
第八條 國債整理基金ニシテ每年度內ニ使用セサルモノハ翌年度ヘ繰越スヘシ
國債整理基金特別會計ノ每年度歲出豫算ニ於ケル支出殘額ハ遞次繰越使用スルコトヲ得
第九條 政府ハ每年國債整理基金特別會計ノ歲入歲出豫算ヲ調製シ歲入歲出ノ總豫算ト共ニ之ヲ帝國議會ニ提出スヘシ
附 則
第十條 本法ハ明治三十九年度ヨリ之ヲ施行ス
第十一條 本法施行前一般會計ニ收入シタル借換國債ノ募集金ニシテ本法施行ノ日ニ於ケル現在額ハ之ヲ本特別會計ニ繰入ルヘシ
明治三十八年度一般會計ニ於テ前項借換國債ノ募集金ヲ以テスル國債償還ノ歲出豫算ニ於ケル支出殘額ハ之ヲ本特別會計ニ繰越スヘシ
第十二條 償金特別會計法ハ明治三十八年度限リ之ヲ廢止ス
償金特別會計ニ屬スル現金、有價證券及他ノ會計トノ計算ハ國債整理基金特別會計ニ歸屬スルモノトス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル国債整理基金特別会計法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十九年三月一日
内閣総理大臣 侯爵 西園寺公望
大蔵大臣 法学博士 阪谷芳郎
法律第六号
国債整理基金特別会計法
第一条 国債整理基金ヲ置キ其ノ歳入歳出ハ一般ノ会計ト区分シ特別会計ヲ設置ス
国債整理基金ハ国債ノ償還発行ニ関スル費途ニ使用スルモノトス
第二条 国債整理基金ニ充ツヘキ資金ハ毎年度一般会計ヨリ之ヲ国債整理基金特別会計ニ繰入ルヘシ
前項毎年度一般会計ヨリ繰入ルヘキ資金中明治三十七八年戦役ニ関スル経費支弁ノ為発行シタル国債及其ノ借換ノ為ニ発行シタル国債ニ関スル分ハ年額一億千万円ヲ下ルコトヲ得サルモノトス
第三条 国債借換ニ依ル募集金其ノ他ノ収入金ハ直接ニ之ヲ国債整理基金特別会計ニ編入スヘシ
第四条 国債整理基金ハ金銀地金及有価証券ヲ以テ之ヲ保有シ其ノ他有利且確実ナル方法ヲ以テ之ヲ運用スルコトヲ得
前項ノ運用ハ日本銀行ヲシテ之ヲ取扱ハシム
第五条 政府ハ計算上利益アリト認ムル場合ニ於テ国債借換ノ為低利ノ国債ヲ募集スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ利率、募集ノ方法、規約、据置年限及償還年限ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
国債借換ノ為発行スル国債ニ関シ本法ニ規定ナキモノハ整理公債条例ニ依ル
第六条 政府ハ計算上利益アリト認ムルトキハ額面以上ニテモ買入銷却ヲ為スコトヲ得
第七条 国債整理基金ノ運用ヨリ生スル損益ハ本特別会計ノ所属トシテ整理スルモノトス
第八条 国債整理基金ニシテ毎年度内ニ使用セサルモノハ翌年度ヘ繰越スヘシ
国債整理基金特別会計ノ毎年度歳出予算ニ於ケル支出残額ハ逓次繰越使用スルコトヲ得
第九条 政府ハ毎年国債整理基金特別会計ノ歳入歳出予算ヲ調製シ歳入歳出ノ総予算ト共ニ之ヲ帝国議会ニ提出スヘシ
附 則
第十条 本法ハ明治三十九年度ヨリ之ヲ施行ス
第十一条 本法施行前一般会計ニ収入シタル借換国債ノ募集金ニシテ本法施行ノ日ニ於ケル現在額ハ之ヲ本特別会計ニ繰入ルヘシ
明治三十八年度一般会計ニ於テ前項借換国債ノ募集金ヲ以テスル国債償還ノ歳出予算ニ於ケル支出残額ハ之ヲ本特別会計ニ繰越スヘシ
第十二条 償金特別会計法ハ明治三十八年度限リ之ヲ廃止ス
償金特別会計ニ属スル現金、有価証券及他ノ会計トノ計算ハ国債整理基金特別会計ニ帰属スルモノトス