交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法
法令番号: 法律第45号
公布年月日: 昭和41年4月1日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

交通事故の防止を図るため、横断歩道橋、歩道、分離帯、ガードレール、道路照明、標識等の交通安全施設の整備を促進する必要がある。このため、国家公安委員会と道路管理者が共同して整備を進めることとし、昭和41年度は建設省関係約100億円、警察庁関係約8億5千万円、総額約600億円規模の事業を実施する。これらの交通安全施設等の整備を計画的に推進するため、新たに交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法を制定しようとするものである。

参照した発言:
第51回国会 参議院 建設委員会 第4号

審議経過

第51回国会

参議院
(昭和41年2月17日)
衆議院
(昭和41年2月23日)
参議院
(昭和41年3月10日)
衆議院
(昭和41年3月16日)
(昭和41年3月18日)
(昭和41年3月22日)
参議院
(昭和41年3月24日)
(昭和41年3月31日)
(昭和41年3月31日)
(昭和41年4月15日)
交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法をここに公布する。
御名御璽
昭和四十一年四月一日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第四十五号
交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法
(この法律の目的)
第一条 この法律は、交通事故が多発している道路その他緊急に交通の安全を確保する必要がある道路について、総合的な計画のもとに交通安全施設等整備事業を実施することにより、これらの道路における交通環境の改善を行ない、もつて交通事故の防止を図り、あわせて交通の円滑化に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「道路」とは、道路法(昭和二十七年法律第百八十号)による道路をいう。
2 この法律において「道路管理者」とは、道路法第十八条第一項に規定する道路管理者(同法第八十八条第二項の規定により建設大臣が維持を行なう道路にあつては、建設大臣)をいう。
3 この法律において「交通安全施設等整備事業」とは、前条の目的を達成するため、次条の規定により指定された道路について、この法律で定めるところに従つて行なわれる次に掲げる事業をいう。ただし、道路の改築(第二号イに規定する道路の改築を除く。)に伴つて行なわれるものを除く。
一 都道府県公安委員会(道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第百十四条の規定により権限の委任を受けた方面公安委員会を含む。以下同じ。)が同法の規定に基づいて行なう信号機、道路標識又は道路標示の設置に関する事業
二 道路管理者が道路法の規定に基づいて行なう次に掲げる事業
イ 横断歩道橋(地下横断歩道を含む。)の設置に関する事業又は緊急に交通の安全を確保する必要がある小区間について応急措置として行なう歩道の設置その他の道路の改築で政令で定めるものに関する事業
ロ 道路標識、さく、街灯その他政令で定める道路の附属物で安全な交通を確保するためのもの又は区画線の設置に関する事業
(交通安全施設等整備事業を実施すべき道路の指定)
第三条 国家公安委員会及び建設大臣は、道路における交通事故の発生状況、交通量その他の事情を考慮して総理府令・建設省令で定める基準に従い、緊急に交通の安全を確保する必要があると認められる道路を、昭和四十一年度以降の三箇年間において交通安全施設等整備事業を実施すべき道路として指定するものとする。
2 国家公安委員会及び建設大臣は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、関係都道府県公安委員会及び当該道路の道路管理者の意見をきかなければならない。
3 国家公安委員会及び建設大臣は、第一項の規定による指定をしたときは、総理府令・建設省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。
(交通安全施設等整備事業三箇年計画)
第四条 国家公安委員会及び建設大臣は、協議により昭和四十一年度以降の三箇年間において実施すべき交通安全施設等整備事業に関する計画(以下「交通安全施設等整備事業三箇年計画」という。)の案を作成しなければならない。
2 内閣総理大臣及び建設大臣は、前項の規定により作成された交通安全施設等整備事業三箇年計画の案について、閣議の決定を求めなければならない。
3 交通安全施設等整備事業三箇年計画には、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 三箇年間に行なうべき交通安全施設等整備事業の実施の目標
二 三箇年間に行なうべき交通安全施設等整備事業の量
4 国家公安委員会及び建設大臣は、第二項の規定による閣議の決定があつたときは、遅滞なく、交通安全施設等整備事業三箇年計画を公表しなければならない。
5 前四項の規定は、交通安全施設等整備事業三箇年計画を変更しようとする場合に準用する。
(交通安全施設等整備事業の実施計画)
第五条 都道府県公安委員会及び道路管理者は、交通安全施設等整備事業三箇年計画に即して、総理府令・建設省令で定めるところにより、協議により交通安全施設等整備事業の実施計画を作成し、それぞれ国家公安委員会又は建設大臣に提出しなければならない。これを変更する場合も、同様とする。
2 前項の実施計画は、交通事故の態様、交通及び道路の状況等を考慮して、効果的に交通事故を防止することができるように定めなければならない。
3 国家公安委員会又は建設大臣は、第一項の実施計画が交通安全施設等整備事業三箇年計画に照らして適当でないと認めるときは、それぞれ都道府県公安委員会又は道路管理者にその変更を指示することができる。この場合においては、国家公安委員会及び建設大臣は、あらかじめ、相互に調整を図らなければならない。
(交通安全施設等整備事業の実施)
第六条 都道府県公安委員会又は道路管理者は、前条第一項の実施計画に従い、交通安全施設等整備事業を実施しなければならない。
(費用の負担又は補助の特例)
第七条 道路管理者が道路法第十三条第一項に規定する指定区間(以下「指定区間」という。)内の一般国道について実施する交通安全施設等整備事業のうち、第二条第三項第二号ロに掲げる事業に要する費用については、政令で定めるところにより、国及び都道府県又は同法第七条第三項に規定する指定市が、それぞれその二分の一を負担するものとする。
2 道路管理者が指定区間外の一般国道について実施する交通安全施設等整備事業に要する費用については、政令で定めるところにより、国及び当該道路の道路管理者である地方公共団体の長の統轄する地方公共団体が、それぞれその二分の一を負担するものとする。
3 国は、道路管理者が都道府県道及び市町村道について実施する交通安全施設等整備事業に要する費用については、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その二分の一をその費用を負担する地方公共団体に対して補助する。
4 道路法第八十八条第一項の規定により国が道路に関する費用の全額を負担する道路については、第一項及び第二項の規定は、適用しない。
5 第一項から第三項までに規定する費用については、道路法第五十条第一項本文及び第二項本文、第五十六条並びに第八十五条第三項の規定は、適用しない。
(権限の委任)
第八条 第五条第一項に規定する道路管理者である建設大臣の権限は、政令で定めるところにより、地方建設局長又は北海道開発局長に委任することができる。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(道路整備特別会計法の一部改正)
2 道路整備特別会計法(昭和三十三年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
第三条中「又は共同溝の整備等に関する特別措置法(昭和三十八年法律第八十一号)第二十二条第一項」を「、共同溝の整備等に関する特別措置法(昭和三十八年法律第八十一号)第二十二条第一項又は交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法(昭和四十一年法律第四十五号)第七条第一項」に改める。
内閣総理大臣 佐藤栄作
大蔵大臣 福田赳夫
建設大臣 瀬戸山三男