第一條 汽車、電車、乘合自動車及汽船ノ乘客ニハ本法ニ依リ通行稅ヲ課ス
囘數乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合ニ於テハ通行稅ハ左ノ區別ニ依リ之ヲ課ス
定期乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合ニ於テハ通行稅ハ左ノ區別ニ依リ之ヲ課ス
團體乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合ニ於テハ通行稅ハ左ノ區別ニ依リ之ヲ課ス
貸切乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合ニ於テハ通行稅ハ左ノ區別ニ依リ之ヲ課ス
前項ノ規定ニ依ル稅額ハ第一項稅額ニ乘客定員數ヲ乘ジタル金額ヲ超ユルコトヲ得ズ
第一項乃至第三項ニ規定スル通行稅ハ十二歲未滿ノ乘客ニ付テハ其ノ半額トス
前項ノ稅額ニ十錢ニ滿タザル端數アル場合ニ於テハ其ノ端數ガ五錢以上ナルトキハ之ヲ五錢トシ五錢ニ滿タザルトキハ之ヲ切捨ツ但シ其ノ全額五錢ニ滿タザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第三條 急行車船ニ乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合ニ於テハ前條ノ規定ニ依ルノ外急行料金ノ百分ノ十ノ稅率ニ依リ通行稅ヲ課ス
前條第八項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ算出シタル稅額ニ付之ヲ準用ス
第四條 乘車船區間四十粁以下ノ三等乘客ニハ通行稅ヲ課セズ但シ前條ノ規定ニ依ル通行稅ハ此ノ限ニ在ラズ
第五條 陸海軍ノ團體トシテノ乘車船ニシテ命令ノ定ムルモノニハ通行稅ヲ課セズ
第六條 左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ第二條第一項及第四條ノ乘車船區間ノ粁程ノ計算ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第七條 汽車、電車、乘合自動車又ハ汽船ニシテ其ノ等級ヲ一等、二等及三等ニ分タザルモノニ付テハ第二條第一項、第五項及第四條ノ等級ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム乘客定員數ノ定ナキ車船ニ付貸切乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合ニ於ケル第二條第六項ノ乘客定員數ニ付亦同ジ
第八條 通行稅ハ汽車、電車、乘合自動車又ハ汽船ニ依ル運輸業ヲ營ム者(以下運輸業者ト稱ス)運賃又ハ急行料金領收ノ際之ヲ徵收シ翌月末日迄ニ政府ニ納ムベシ
第九條 汽車、電車、乘合自動車又ハ汽船ニ依ル運輸業ヲ營マントスル者及運輸業者ニ代リテ乘車船券ヲ販賣セントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ豫メ政府ニ申吿スベシ之ヲ廢止セントスルトキ亦同ジ
第十條 運輸業者又ハ運輸業者ニ代リテ乘車船券ヲ販賣スル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ業務ニ關スル事項ヲ帳簿ニ記載スベシ
運輸業者又ハ運輸業者ニ代リテ乘車船券ヲ販賣スル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ業務ニ關シ必要ナル事項ヲ政府ニ申吿スベシ
第十一條 第八條ノ規定ニ依リ徵收スベキ通行稅ヲ徵收セザルトキ又ハ其ノ徵收シタル稅金ヲ納付セザルトキハ國稅徵收ノ例ニ依リ之ヲ其ノ徵收義務者ヨリ徵收ス
第十二條 收稅官吏ハ運輸業者又ハ運輸業者ニ代リテ乘車船券ヲ販賣スル者ニ對シ質問ヲ爲シ又ハ其ノ業務ニ關スル帳簿書類ヲ檢査スルコトヲ得
第十三條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
一 第十條第一項ノ規定ニ依ル帳簿ノ記載ヲ怠リ若ハ詐リ又ハ帳簿ヲ隱匿シタル者
二 第十條第二項ノ規定ニ依ル申吿ヲ怠リ又ハ詐リタル者
三 前條ノ規定ニ依ル收稅官吏ノ質問ニ對シ答辯ヲ爲サズ若ハ虛僞ノ陳述ヲ爲シ又ハ其ノ職務ノ執行ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者