第一條 本法ハ昭和十六年十二月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ第六條ノ規定施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條 酒類ノ製造者又ハ販賣業者ガ本法施行ノ際製造場又ハ保稅地域以外ノ場所ニ於テ各種類ヲ通ジ合計五石以上ノ酒類ヲ所持スル場合及其ノ所持スル酒類ガ合計五石ニ滿タザルモ酒稅法第二十七條ノ二ノ改正規定ニ依リ命令ヲ以テ定ムル酒類ガ合計一石以上ナル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以テ製造場、其ノ所持者ヲ以テ製造者ト看做シ其ノ所持スル酒類ニ對シ酒類庫出稅ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ本法施行ノ日ニ於テ其ノ酒類ヲ製造場ヨリ移出シタルモノト看做シ濁酒ニ付テハ一石ニ付十五圓ノ割合ニ依リ算出シタル金額、其ノ他ノ酒類ニ付テハ酒稅法第二十七條ノ改正稅率ニ依リ算出シタル金額ト從前ノ稅率ニ依リ算出シタル金額トノ差額ヲ以テ其ノ稅額トシ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徵收ス但シ同法第二十七條ノ二ノ改正規定ニ依リ命令ヲ以テ定ムル酒類ニ付テハ同條ニ規定スル價格ニ同條ニ規定スル割合ヲ乘ジテ算出シタル金額ヲ本文ノ規定ニ依リ算出シタル酒類庫出稅額ニ加算シタルモノヲ以テ其ノ稅額トス
東京府小笠原島及伊豆七島ニ於テ製造シタル淸酒及燒酎ニ付前項ノ規定ヲ適用スル場合ニ於テハ一石ニ付二十圓ノ割合ニ依リ算出シタル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
第一項ノ製造者又ハ販賣業者ハ其ノ所持スル酒類ノ種類每ニ數量、價格及貯藏ノ場所ヲ本法施行後一月以內ニ政府ニ申吿スベシ
第三條 本法施行ノ際製造場ニ現存スル酒類ニシテ戾入又ハ移入シタルモノニ付テハ酒稅法第三十八條ノ規定ニ拘ラズ之ヲ移出シタルトキ酒類庫出稅ヲ徵收ス此ノ場合ニ於テハ前條第一項後段及第二項ニ規定スル稅額ヲ以テ其ノ稅額トス
第四條 本法施行ノ際製造場以外ノ場所ニ於テ同一人ガ五石以上ノ第二種ノ淸涼飮料ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以テ製造場、其ノ所持者ヲ以テ製造者ト看做シ淸涼飮料稅ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ本法施行ノ日ニ於テ其ノ淸涼飮料ヲ製造場外ニ移出シタルモノト看做シ一石ニ付十圓ノ割合ニ依リ算出シタル金額ヲ其ノ稅額トシ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徵收ス
前項ノ淸涼飮料ノ所持者ハ其ノ所持スル淸涼飮料ノ數量及貯藏ノ場所ヲ本法施行後一月以內ニ政府ニ申吿スベシ
第五條 改正前ノ稅率ニ依リ消費稅ヲ課セラレタル砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ原料トシテ製造シタル砂糖(第三種ノ砂糖ヲ除ク)、糖蜜又ハ糖水ニシテ本法施行後製造場ヨリ引取ラルルモノニ付テハ砂糖消費稅法第十二條ノ規定ニ拘ラズ砂糖消費稅ヲ徵收ス此ノ場合ニ於テハ同法第三條ノ改正稅率ニ依リ算出シタル金額ト從前ノ稅率ニ依リ算出シタル金額トノ差額ヲ以テ其ノ稅額トス
改正前ノ稅率ニ依リ消費稅ヲ課セラレタル第二種乙ノ砂糖ヲ以テ製造シタル第三種ノ砂糖ニシテ本法施行後製造場ヨリ引取ラルルモノニ付テハ改正後ノ砂糖消費稅法第三條ニ規定スル氷砂糖ノ稅率百斤ニ付二圓ハ之ヲ百斤ニ付四圓トシ其ノ他ノモノノ稅率百斤ニ付四圓ハ之ヲ百斤ニ付六圓トス
第六條 本法施行ノ際製造場又ハ保稅地域以外ノ場所ニ於テ同一人ガ各種類ヲ通ジ合計一萬斤以上ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ者ガ本法施行ノ日ニ於テ之ヲ製造場ヨリ引取リタルモノト看做シ砂糖消費稅ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ砂糖消費稅法第三條ノ改正稅率ニ依リ算出シタル金額ト從前ノ稅率ニ依リ算出シタル金額トノ差額(第三種ノ砂糖ニ在リテハ氷砂糖ハ百斤ニ付二圓五十錢、其ノ他ノモノハ百斤ニ付三圓五十錢ノ割合ニ依リ算出シタル金額)ヲ以テ其ノ稅額トシ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徵收ス
前項ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ所持者ハ其ノ所持スル砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ種別、數量及貯藏ノ場所ヲ本法施行後一月以內ニ政府ニ申吿スベシ
第七條 本法施行前ヨリ引續キ物品稅法第一條ノ改正規定ニ依リ物品稅ヲ課スルコトト爲リタル第一種ノ物品ノ小賣業ヲ營ム者又ハ同第二種ノ物品若ハサッカリンノ製造ヲ爲ス者本法施行後一月以內ニ其ノ旨ヲ政府ニ申吿スルトキハ本法施行ノ日ニ於テ物品稅法第十五條ノ規定ニ依リ申吿シタルモノト看做ス
第八條 改正後ノ物品稅法第一條ニ揭グル第二種ノ物品又ハ飴、葡萄糖、麥芽糖若ハサッカリンノ製造者又ハ販賣者ガ本法施行ノ際製造場又ハ保稅地域以外ノ場所ニ於テ左ノ各號ノ一ニ該當スル物品ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以テ製造場、其ノ所持者ヲ以テ製造者ト看做シ之ニ物品稅ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ本法施行ノ日ニ於テ其ノ物品ヲ製造場ヨリ移出シタルモノト看做シ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ物品稅ヲ徵收ス但シ從前ノ規定ニ依リ物品稅ヲ課セラレタル物品ニ付テハ其ノ課セラレタル稅額ニ相當スル金額ヲ控除シタル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
一 改正後ノ物品稅法第一條ニ揭グル第二種ノ物品ニシテ同條各號ニ揭グル品名每ニ價格二千圓以上ノモノ
二 飴、葡萄糖又ハ麥芽糖ニシテ合計一萬斤以上ノモノ
前項ノ製造者又ハ販賣者ハ同項第一號ノ物品ニ付テハ其ノ品名每ニ數量、價格及貯藏ノ場所、第二號ノ物品又ハサッカリンニ付テハ其ノ品名每ニ數量及貯藏ノ場所ヲ本法施行後一月以內ニ政府ニ申吿スベシ
第九條 改正後ノ建築稅法第一條第四號乃至第六號及第四條ノ規定ハ本法施行後竣成スル家屋ノ建築ニ付之ヲ適用ス
本法施行前新築竣成シタル建築稅法第一條第一號乃至第三號ニ揭グル家屋ニシテ建築價額一萬圓未滿ノモノニ關シ同法第三條第一項ノ規定ニ依リ建築稅ヲ課スル場合ニ於テハ前ノ建築價額ヨリ五千圓ヲ控除シタル金額ノ百分ノ十ニ相當スル金額ヲ其ノ建築稅額ヨリ控除ス
本法施行前新築竣成シタル建築稅法第一條第一號乃至第三號ニ揭グル家屋ニシテ建築價額一萬圓以上ノモノニ關シ同法第三條ノ規定ニ依リ建築稅ヲ課スル場合ニ於テハ從前ノ規定ニ依リ課セラレタル建築稅額ノ二倍ニ相當スル金額ヲ其ノ建築稅額ヨリ控除ス
建築稅法第三條ノ規定ハ改正後ノ同法第一條第四號乃至第六號ニ揭グル家屋ノ新築ガ本法施行前竣成シタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第十條 本法施行ノ際骨牌ノ製造又ハ販賣ヲ爲ス者ノ所持ニ係ル骨牌ニハ製造又ハ販賣ヲ爲ス者ニ於テ骨牌稅法第四條ノ改正規定ニ依ル稅額ト從前ノ規定ニ依ル稅額トノ差額ニ相當スル印紙ヲ增貼スベシ