(酒税等ノ増徴等ニ関スル法律)
法令番号: 法律第八十八號
公布年月日: 昭和16年11月22日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル酒稅等ノ增徵等ニ關スル法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年十一月二十一日
內閣總理大臣兼內務大臣 東條英機
大藏大臣 賀屋興宣
法律第八十八號
第一條 酒稅法中左ノ通改正ス
第二十七條 各酒類ニ課スベキ酒稅及其ノ稅率左ノ如シ
一 淸酒  造石稅  一石ニ付  四十五圓  アルコール分二十度ヲ超ユルトキハアルコール分二十度ヲ超ユル一度每ニ五圓五十錢ヲ加フ
庫出稅 一石ニ付 五十五圓
二 合成淸酒  造石稅  一石ニ付  四十八圓  アルコール分二十度ヲ超ユルトキハアルコール分二十度ヲ超ユル一度每ニ五圓七十錢ヲ加フ
庫出稅 一石ニ付 五十五圓
三 濁酒 造石稅 一石ニ付 四十五圓
庫出稅 一石ニ付 十五圓
四 白酒  造石稅  一石ニ付  四十五圓  アルコール分二十度ヲ超ユルトキハアルコール分二十度ヲ超ユル一度每ニ六圓ヲ加フ
庫出稅 一石ニ付 六十五圓
五 味淋  造石稅  一石ニ付  四十五圓  アルコール分二十八度ヲ超ユルトキハアルコール分二十八度ヲ超ユル一度每ニ四圓四十錢ヲ加フ
庫出稅 一石ニ付 六十五圓
六 燒酎
第一種 アルコール分四十五度ヲ超エザルモノ
甲 連續式蒸餾機ニ依リ製造シタルモノ  造石稅  一石ニ付  四十八圓  アルコール分三十度ヲ超ユルトキハアルコール分三十度ヲ超ユル一度每ニ三圓八十錢ヲ加フ
庫出稅 一石ニ付 五十五圓
乙 其ノ他ノモノ  造石稅  一石ニ付  四十五圓  アルコール分三十度ヲ超ユルトキハアルコール分三十度ヲ超ユル一度每ニ三圓七十錢ヲ加フ
庫出稅 一石ニ付 五十五圓
第二種 アルコール分四十五度ヲ超ユルモノ 造石稅 一石ニ付 二百十五圓ニアルコール分四十五度ヲ超ユル一度每ニ六圓ヲ加ヘタル金額
庫出稅 一石ニ付 五十五圓
七 麥酒 庫出稅 一石ニ付 八十七圓八十錢
八 果實酒 庫出稅 一石ニ付 五十圓
九 雜酒  造石稅  一石ニ付  五十圓  アルコール分二十度ヲ超ユルトキハアルコール分二十度ヲ超ユル一度每ニ六圓ヲ加フ
庫出稅 一石ニ付 七十圓
第二十七條ノ二 命令ヲ以テ定ムル淸酒、味淋、果實酒及雜酒ノ酒類庫出稅ニ付テハ命令ヲ以テ定ムル價格ニ左ノ割合ヲ乘ジテ算出シタル金額ヲ前條ノ規定ニ依ル酒類庫出稅額ニ加算ス
一 淸酒、味淋及果實酒 百分ノ二十
二 雜酒 百分ノ三十
第三十五條第一項及第二項中「(濁酒ヲ除ク)」ヲ削リ同條第一項及第三項中「石數」ノ下ニ「(第二十七條ノ二ノ規定ニ依リ命令ヲ以テ定ムル酒類ニ付テハ數量及價格)」ヲ加フ
第五十一條第二項及第六十四條第三項中「酒類造石稅」ノ下ニ「及酒類庫出稅」ヲ加フ
第六十八條第二項中「第二十七條ノ稅率ニ依リ」ヲ「第二十七條及第二十七條ノ二ノ規定ニ依リ」ニ改ム
第八十三條第一項第二號中「二十圓」ヲ「四十圓」ニ改ム
第八十四條第一項中「二圓十錢」ヲ「三圓二十錢」ニ、「百一圓」ヲ「百六十一圓」ニ、「二圓八十錢」ヲ「四圓八十錢」ニ改ム
第二條 淸涼飮料稅法中左ノ通改正ス
第二條中「八圓五十錢」ヲ「十二圓」ニ、「二十圓」ヲ「三十圓」ニ、「六圓」ヲ「十一圓」ニ改ム
第三條 砂糖消費稅法中左ノ通改正ス
第一條中「糖水」ノ下ニ「(甘蔗又ハ甜菜ヲ原料トシテ製造シタル糖汁ヲ含ム)」ヲ加フ
第三條 消費稅ノ稅率左ノ如シ
一 砂糖
第一種 分蜜セサル砂糖
甲 樽入黑糖及樽入白下糖但シ黑糖及白下糖以外ノ砂糖ニ加工シテ製造シタルモノ竝ニ全部又ハ一部ノ新式機械ニ依リ製造シタルモノヲ除ク 百斤ニ付 五圓
乙 其ノ他ノモノ 百斤ニ付 七圓三十錢
第二種 其ノ他ノ砂糖但シ氷砂糖、角砂糖、棒砂糖其ノ他類似ノモノヲ除ク
甲 蔗糖ノ重量全重量ノ百分ノ八十六ヲ超エサルモノ 百斤ニ付 八圓
乙 其ノ他ノモノ 百斤ニ付 十二圓
第三種 氷砂糖、角砂糖、棒砂糖其ノ他類似ノモノ
甲 氷砂糖 百斤ニ付 十五圓 消費稅ヲ課セラレタル第二種乙ノ砂糖ヲ以テ製造シタルモノニ在リテハ百斤ニ付二圓
乙 其ノ他ノモノ 百斤ニ付 十六圓 消費稅ヲ課セラレタル第二種乙ノ砂糖ヲ以テ製造シタルモノニ在リテハ百斤ニ付四圓
二 糖蜜
第一種 氷砂糖ヲ製造スルトキニ生スル糖蜜 百斤ニ付 八圓
第二種 其ノ他ノ糖蜜 百斤ニ付 四圓五十錢
三 糖水 百斤ニ付 十圓
第四條 物品稅法中左ノ通改正ス
第一條第一項第一種第十四號中「トランク」ノ下ニ「類竝ニ行李」ヲ、同種第十八號中「玩具」ノ下ニ「、遊戱具、搖籃及乳母車類」ヲ加ヘ同種第十五號中「靴及」ヲ削ル
同種ニ左ノ如ク加フ
三十二 庭木竝ニ庭園用ノ石材及石工品
三十三 簾、釣燈籠及提灯類
三十四 鐵瓶竝ニ茶道及香道用具
三十五 扇子及團扇
三十六 花輪及花束類
三十七 釣用具類
丙類
三十八 
三十九 事務用器具
同項第二種第十七號中「受信用眞空管、」ノ下ニ「マイクロホン、」ヲ、同種第二十三號中「紅茶、」ノ下ニ「烏龍茶、包種茶、」ヲ加フ
同種ニ左ノ如ク加フ
二十五 煙火類
二十六 薰物及線香類
二十七 大理石及之ヲ原料トスル擬石竝ニ陶磁器製タイル
丙類
二十八 電球類
二十九 携行用ノ電燈、同ケース及電池
三十 魔法瓶、水筒類及同部分品
三十一 計算機
三十二 タイプライター、同部分品及附屬品
三十三 輪轉謄寫機及同附屬品
三十四 金錢登錄機
三十五 タイムスタンプ及同附屬品
三十六 ミシン及ミシン用針
三十七 板硝子
三十八 紙及セロファン
三十九 齒磨
四十 綠茶
四十一 調味料
同項第三種ニ左ノ一號ヲ加フ
三 サッカリン
同條第二項ヲ左ノ如ク改ム
同一物品ニシテ第一種及第二種ニ該當スルモノハ之ヲ第二種トシ甲類及乙類若ハ甲類及丙類又ハ甲類、乙類及丙類ニ該當スルモノハ之ヲ甲類トシ乙類及丙類ニ該當スルモノハ之ヲ乙類トス
第二條 物品稅ノ稅率左ノ如シ
第一種
甲類 物品ノ價格百分ノ五十
乙類 物品ノ價格百分ノ二十 第五條ノ規定ニ依ル場合ニ在リテハ百分ノ三十
丙類 物品ノ價格百分ノ十
第二種
甲類 物品ノ價格百分ノ五十
乙類 物品ノ價格百分ノ二十
丙類 物品ノ價格百分ノ十
第三種
一 燐寸 千本ニ付 五錢
二 飴、葡萄糖及麥芽糖
イ 麥芽糖化ノ方法ニ依リ製造シタル飴 百斤ニ付 二圓五十錢
ロ 其ノ他ノ飴竝ニ葡萄糖及麥芽糖 百斤ニ付 三圓
三 サッカリン 一瓩ニ付 十圓
第五條 第一種第十六號ニ揭グル物品ガ入札其ノ他競爭ノ方法ニ依リ賣買セラルル場合(强制競賣又ハ之ニ準ズベキ場合ヲ除ク)ハ其ノ札元又ハ之ニ準ズベキ者ガ小賣業者トシテ當該物品ヲ販賣スルモノト看做ス
第六條中「又ハ嗜好飮料」ヲ「、嗜好飮料、薰物類、線香類、齒磨又ハ調味料」ニ改ム
第五條 遊興飮食稅法中左ノ通改正ス
第一條中「及飮食」ヲ「、飮食及宿泊」ニ改メ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ場所以外ノ場所ニ於テ飮食スル場合ニ於テ其ノ飮食物ガ料理店又ハ旅館ヨリ供給ヲ受クルモノナルトキハ其ノ飮食ハ之ヲ料理店又ハ旅館ニ於ケル飮食ト看做ス
第二條 遊興飮食稅ノ稅率左ノ如シ
一 藝妓ノ花代 料金ノ百分ノ百
二 藝妓ノ花代ニ類スル料金ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノ(以下其ノ他ノ花代ト稱ス) 料金ノ百分ノ五十
三 藝妓ノ花代又ハ其ノ他ノ花代ヲ伴フ遊興飮食ノ料金但シ藝妓ノ花代及其ノ他ノ花代ヲ除ク 料金ノ百分ノ三十
四 命令ヲ以テ定ムル料理店ニ於ケル遊興飮食ノ料金但シ藝妓ノ花代及其ノ他ノ花代ヲ除ク 料金ノ百分ノ三十
五 前各號以外ノ遊興飮食ノ料金
イ 一人一囘三圓ニ滿タザルモノ 料金ノ百分ノ二十
ロ 一人一囘三圓以上ノモノ 料金ノ百分ノ三十
六 旅館ニ於ケル宿泊ノ料金
イ 一人一泊十圓ニ滿タザルモノ 料金ノ百分ノ二十
ロ 一人一泊十圓以上ノモノ 料金ノ百分ノ三十
前項ノ遊興飮食又ハ宿泊ノ料金ハ前條ニ規定スル場所ノ經營者ガ遊興、飮食又ハ宿泊ヲ爲シタル者ヨリ其ノ遊興、飮食又ハ宿泊ニ付領收スベキ金額ヲ謂フ
遊興飮食又ハ宿泊ノ料金ノ算定ニ關シテハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三條 遊興飮食ノ料金ガ一人一囘一圓五十錢ニ滿タザル場合及旅館ニ於ケル宿泊ノ料金ガ一人一泊五圓ニ滿タザル場合ニハ遊興飮食稅ヲ課セズ但シ左ニ揭グル遊興飮食ノ料金ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
一 藝妓ノ花代
二 其ノ他ノ花代
三 藝妓ノ花代又ハ其ノ他ノ花代ヲ伴フ遊興飮食ノ料金
四 命令ヲ以テ定ムル料理店ニ於ケル遊興飮食ノ料金
第三條ノ二 前二條ノ一人一囘ノ遊興飮食ノ料金及一人一泊ノ宿泊ノ料金ノ計算ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第五條及第七條中「遊興飮食料金」ヲ「遊興飮食又ハ宿泊ノ料金」ニ改ム
第六條 通行稅法中左ノ通改正ス
第二條第一項ヲ左ノ如ク改ム
通行稅ハ左ノ區別ニ依リ之ヲ課ス
乘車船區間四十粁以下ナルトキ
一等 三十錢
二等 十五錢
乘車船區間八十粁以下ナルトキ
一等 五十錢
二等 二十五錢
三等 五錢
乘車船區間百二十粁以下ナルトキ
一等 一圓五十錢
二等 七十五錢
三等 十五錢
乘車船區間百六十粁以下ナルトキ
一等 三圓
二等 一圓五十錢
三等 三十錢
乘車船區間三百粁以下ナルトキ
一等 五圓
二等 二圓五十錢
三等 五十錢
乘車船區間五百粁以下ナルトキ
一等 七圓
二等 三圓五十錢
三等 七十錢
乘車船區間五百粁ヲ超ユルトキ
一等 十圓
二等 五圓
三等 一圓
同條第五項ヲ左ノ如ク改ム
貸切乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合ニ於テハ通行稅ハ左ノ區別ニ依リ之ヲ課ス
一等 貸切運賃ノ百分ノ二十
二等 貸切運賃ノ百分ノ十五
三等 貸切運賃ノ百分ノ十
第三第條一項ヲ左ノ如ク改ム
急行車船又ハ寢臺車船ニ乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合ニ於テハ前條ノ規定ニ依ルノ外左ノ稅率ニ依リ通行稅ヲ課ス
一等 急行料金又ハ寢臺料金ノ百分ノ三十
二等 急行料金又ハ寢臺料金ノ百分ノ二十
三等 急行料金又ハ寢臺料金ノ百分ノ十
第四條中「三等乘客」ノ下ニ「及定期乘車船ノ契約ニ依ル三等乘客」ヲ加フ
第八條中「又ハ急行料金」ヲ「、急行料金又ハ寢臺料金」ニ改ム
第七條 入場稅法中左ノ通改正ス
第三條第一項ヲ左ノ如ク改ム
入場稅ノ稅率左ノ如シ
第一種ノ場所
入場料ガ一人一囘五十錢未滿ナルトキ 入場料ノ百分ノ二十
入場料ガ一人一囘一圓未滿ナルトキ 入場料ノ百分ノ三十
入場料ガ一人一囘三圓未滿ナルトキ 入場料ノ百分ノ四十
入場料ガ一人一囘五圓未滿ナルトキ 入場料ノ百分ノ六十
入場料ガ一人一囘五圓以上ナルトキ 入場料ノ百分ノ八十
囘數、定期又ハ貸切ニテ入場ノ契約ヲ爲シタルトキ 入場料ノ百分ノ四十
第二種ノ場所
撞球場、スケート場 入場料ノ百分ノ二十
麻雀場 入場料ノ百分ノ三十
舞踏場、ゴルフ場 入場料ノ百分ノ五十
第十條第一項ヲ左ノ如ク改ム
特別入場稅ノ稅率左ノ如シ
特別入場料ガ一人一囘一圓未滿ナルトキ 特別入場料ノ百分ノ二十
特別入場料ガ一人一囘一圓以上ナルトキ 特別入場料ノ百分ノ三十
囘數、定期又ハ貸切ニテ入場ノ契約ヲ爲シタルトキ 特別入場料ノ百分ノ三十
第八條 建築稅法中左ノ通改正ス
第一條ニ左ノ三號ヲ加フ
四 旅館ノ用ニ供スル家屋
五 撞球場、麻雀場其ノ他命令ヲ以テ定ムル遊技場ノ用ニ供スル家屋
六 俱樂部、會館其ノ他名稱ノ何タルヲ問ハズ會員其ノ他命令ヲ以テ定ムル者ノ親陸ヲ圖リ又ハ其ノ慰安若ハ娛樂ノ用ニ供スル家屋
第四條中「百分ノ十」ヲ「百分ノ二十」ニ改ム
第九條 骨牌稅法中左ノ通改正ス
第四條中「五圓」ヲ「十圓」ニ、「七十錢」ヲ「一圓五十錢」ニ改ム
第十條 印紙稅法中左ノ通改正ス
第四條第一項第六號中「三錢」ヲ「五錢」ニ、「十錢」ヲ「二十錢」ニ、「三十錢」ヲ「六十錢」ニ、「六十錢」ヲ「一圓二十錢」ニ、「九十錢」ヲ「一圓八十錢」ニ、「一圓五十錢」ヲ「三圓」ニ、「三圓」ヲ「六圓」ニ改ム
第十一條 地方分與稅法中左ノ通改正ス
第二條第二項及第六條第一項中「百分ノ五十」ヲ「百分ノ十五・一八」ニ改ム
第四十七條ニ左ノ一項ヲ加フ
第二條第二項中百分ノ十五・一八トアルハ昭和十六年度ニ於テハ百分ノ二十九・三五トス
第四十八條第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
第六條第一項中百分ノ十五・一八トアルハ昭和十七年度分ニ付テハ百分ノ五十、昭和十八年度分ニ付テハ百分ノ二十九・三五トス
附 則
第一條 本法ハ昭和十六年十二月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ第六條ノ規定施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條 酒類ノ製造者又ハ販賣業者ガ本法施行ノ際製造場又ハ保稅地域以外ノ場所ニ於テ各種類ヲ通ジ合計五石以上ノ酒類ヲ所持スル場合及其ノ所持スル酒類ガ合計五石ニ滿タザルモ酒稅法第二十七條ノ二ノ改正規定ニ依リ命令ヲ以テ定ムル酒類ガ合計一石以上ナル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以テ製造場、其ノ所持者ヲ以テ製造者ト看做シ其ノ所持スル酒類ニ對シ酒類庫出稅ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ本法施行ノ日ニ於テ其ノ酒類ヲ製造場ヨリ移出シタルモノト看做シ濁酒ニ付テハ一石ニ付十五圓ノ割合ニ依リ算出シタル金額、其ノ他ノ酒類ニ付テハ酒稅法第二十七條ノ改正稅率ニ依リ算出シタル金額ト從前ノ稅率ニ依リ算出シタル金額トノ差額ヲ以テ其ノ稅額トシ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徵收ス但シ同法第二十七條ノ二ノ改正規定ニ依リ命令ヲ以テ定ムル酒類ニ付テハ同條ニ規定スル價格ニ同條ニ規定スル割合ヲ乘ジテ算出シタル金額ヲ本文ノ規定ニ依リ算出シタル酒類庫出稅額ニ加算シタルモノヲ以テ其ノ稅額トス
東京府小笠原島及伊豆七島ニ於テ製造シタル淸酒及燒酎ニ付前項ノ規定ヲ適用スル場合ニ於テハ一石ニ付二十圓ノ割合ニ依リ算出シタル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
第一項ノ製造者又ハ販賣業者ハ其ノ所持スル酒類ノ種類每ニ數量、價格及貯藏ノ場所ヲ本法施行後一月以內ニ政府ニ申吿スベシ
第三條 本法施行ノ際製造場ニ現存スル酒類ニシテ戾入又ハ移入シタルモノニ付テハ酒稅法第三十八條ノ規定ニ拘ラズ之ヲ移出シタルトキ酒類庫出稅ヲ徵收ス此ノ場合ニ於テハ前條第一項後段及第二項ニ規定スル稅額ヲ以テ其ノ稅額トス
第四條 本法施行ノ際製造場以外ノ場所ニ於テ同一人ガ五石以上ノ第二種ノ淸涼飮料ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以テ製造場、其ノ所持者ヲ以テ製造者ト看做シ淸涼飮料稅ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ本法施行ノ日ニ於テ其ノ淸涼飮料ヲ製造場外ニ移出シタルモノト看做シ一石ニ付十圓ノ割合ニ依リ算出シタル金額ヲ其ノ稅額トシ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徵收ス
前項ノ淸涼飮料ノ所持者ハ其ノ所持スル淸涼飮料ノ數量及貯藏ノ場所ヲ本法施行後一月以內ニ政府ニ申吿スベシ
第五條 改正前ノ稅率ニ依リ消費稅ヲ課セラレタル砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ原料トシテ製造シタル砂糖(第三種ノ砂糖ヲ除ク)、糖蜜又ハ糖水ニシテ本法施行後製造場ヨリ引取ラルルモノニ付テハ砂糖消費稅法第十二條ノ規定ニ拘ラズ砂糖消費稅ヲ徵收ス此ノ場合ニ於テハ同法第三條ノ改正稅率ニ依リ算出シタル金額ト從前ノ稅率ニ依リ算出シタル金額トノ差額ヲ以テ其ノ稅額トス
改正前ノ稅率ニ依リ消費稅ヲ課セラレタル第二種乙ノ砂糖ヲ以テ製造シタル第三種ノ砂糖ニシテ本法施行後製造場ヨリ引取ラルルモノニ付テハ改正後ノ砂糖消費稅法第三條ニ規定スル氷砂糖ノ稅率百斤ニ付二圓ハ之ヲ百斤ニ付四圓トシ其ノ他ノモノノ稅率百斤ニ付四圓ハ之ヲ百斤ニ付六圓トス
第六條 本法施行ノ際製造場又ハ保稅地域以外ノ場所ニ於テ同一人ガ各種類ヲ通ジ合計一萬斤以上ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ者ガ本法施行ノ日ニ於テ之ヲ製造場ヨリ引取リタルモノト看做シ砂糖消費稅ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ砂糖消費稅法第三條ノ改正稅率ニ依リ算出シタル金額ト從前ノ稅率ニ依リ算出シタル金額トノ差額(第三種ノ砂糖ニ在リテハ氷砂糖ハ百斤ニ付二圓五十錢、其ノ他ノモノハ百斤ニ付三圓五十錢ノ割合ニ依リ算出シタル金額)ヲ以テ其ノ稅額トシ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徵收ス
前項ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ所持者ハ其ノ所持スル砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ種別、數量及貯藏ノ場所ヲ本法施行後一月以內ニ政府ニ申吿スベシ
第七條 本法施行前ヨリ引續キ物品稅法第一條ノ改正規定ニ依リ物品稅ヲ課スルコトト爲リタル第一種ノ物品ノ小賣業ヲ營ム者又ハ同第二種ノ物品若ハサッカリンノ製造ヲ爲ス者本法施行後一月以內ニ其ノ旨ヲ政府ニ申吿スルトキハ本法施行ノ日ニ於テ物品稅法第十五條ノ規定ニ依リ申吿シタルモノト看做ス
第八條 改正後ノ物品稅法第一條ニ揭グル第二種ノ物品又ハ飴、葡萄糖、麥芽糖若ハサッカリンノ製造者又ハ販賣者ガ本法施行ノ際製造場又ハ保稅地域以外ノ場所ニ於テ左ノ各號ノ一ニ該當スル物品ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以テ製造場、其ノ所持者ヲ以テ製造者ト看做シ之ニ物品稅ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ本法施行ノ日ニ於テ其ノ物品ヲ製造場ヨリ移出シタルモノト看做シ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ物品稅ヲ徵收ス但シ從前ノ規定ニ依リ物品稅ヲ課セラレタル物品ニ付テハ其ノ課セラレタル稅額ニ相當スル金額ヲ控除シタル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
一 改正後ノ物品稅法第一條ニ揭グル第二種ノ物品ニシテ同條各號ニ揭グル品名每ニ價格二千圓以上ノモノ
二 飴、葡萄糖又ハ麥芽糖ニシテ合計一萬斤以上ノモノ
三 三十瓩以上ノサッカリン
前項ノ製造者又ハ販賣者ハ同項第一號ノ物品ニ付テハ其ノ品名每ニ數量、價格及貯藏ノ場所、第二號ノ物品又ハサッカリンニ付テハ其ノ品名每ニ數量及貯藏ノ場所ヲ本法施行後一月以內ニ政府ニ申吿スベシ
第九條 改正後ノ建築稅法第一條第四號乃至第六號及第四條ノ規定ハ本法施行後竣成スル家屋ノ建築ニ付之ヲ適用ス
本法施行前新築竣成シタル建築稅法第一條第一號乃至第三號ニ揭グル家屋ニシテ建築價額一萬圓未滿ノモノニ關シ同法第三條第一項ノ規定ニ依リ建築稅ヲ課スル場合ニ於テハ前ノ建築價額ヨリ五千圓ヲ控除シタル金額ノ百分ノ十ニ相當スル金額ヲ其ノ建築稅額ヨリ控除ス
本法施行前新築竣成シタル建築稅法第一條第一號乃至第三號ニ揭グル家屋ニシテ建築價額一萬圓以上ノモノニ關シ同法第三條ノ規定ニ依リ建築稅ヲ課スル場合ニ於テハ從前ノ規定ニ依リ課セラレタル建築稅額ノ二倍ニ相當スル金額ヲ其ノ建築稅額ヨリ控除ス
建築稅法第三條ノ規定ハ改正後ノ同法第一條第四號乃至第六號ニ揭グル家屋ノ新築ガ本法施行前竣成シタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第十條 本法施行ノ際骨牌ノ製造又ハ販賣ヲ爲ス者ノ所持ニ係ル骨牌ニハ製造又ハ販賣ヲ爲ス者ニ於テ骨牌稅法第四條ノ改正規定ニ依ル稅額ト從前ノ規定ニ依ル稅額トノ差額ニ相當スル印紙ヲ增貼スベシ
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル酒税等ノ増徴等ニ関スル法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年十一月二十一日
内閣総理大臣兼内務大臣 東条英機
大蔵大臣 賀屋興宣
法律第八十八号
第一条 酒税法中左ノ通改正ス
第二十七条 各酒類ニ課スベキ酒税及其ノ税率左ノ如シ
一 清酒  造石税  一石ニ付  四十五円  アルコール分二十度ヲ超ユルトキハアルコール分二十度ヲ超ユル一度毎ニ五円五十銭ヲ加フ
庫出税 一石ニ付 五十五円
二 合成清酒  造石税  一石ニ付  四十八円  アルコール分二十度ヲ超ユルトキハアルコール分二十度ヲ超ユル一度毎ニ五円七十銭ヲ加フ
庫出税 一石ニ付 五十五円
三 濁酒 造石税 一石ニ付 四十五円
庫出税 一石ニ付 十五円
四 白酒  造石税  一石ニ付  四十五円  アルコール分二十度ヲ超ユルトキハアルコール分二十度ヲ超ユル一度毎ニ六円ヲ加フ
庫出税 一石ニ付 六十五円
五 味淋  造石税  一石ニ付  四十五円  アルコール分二十八度ヲ超ユルトキハアルコール分二十八度ヲ超ユル一度毎ニ四円四十銭ヲ加フ
庫出税 一石ニ付 六十五円
六 焼酎
第一種 アルコール分四十五度ヲ超エザルモノ
甲 連続式蒸餾機ニ依リ製造シタルモノ  造石税  一石ニ付  四十八円  アルコール分三十度ヲ超ユルトキハアルコール分三十度ヲ超ユル一度毎ニ三円八十銭ヲ加フ
庫出税 一石ニ付 五十五円
乙 其ノ他ノモノ  造石税  一石ニ付  四十五円  アルコール分三十度ヲ超ユルトキハアルコール分三十度ヲ超ユル一度毎ニ三円七十銭ヲ加フ
庫出税 一石ニ付 五十五円
第二種 アルコール分四十五度ヲ超ユルモノ 造石税 一石ニ付 二百十五円ニアルコール分四十五度ヲ超ユル一度毎ニ六円ヲ加ヘタル金額
庫出税 一石ニ付 五十五円
七 麦酒 庫出税 一石ニ付 八十七円八十銭
八 果実酒 庫出税 一石ニ付 五十円
九 雑酒  造石税  一石ニ付  五十円  アルコール分二十度ヲ超ユルトキハアルコール分二十度ヲ超ユル一度毎ニ六円ヲ加フ
庫出税 一石ニ付 七十円
第二十七条ノ二 命令ヲ以テ定ムル清酒、味淋、果実酒及雑酒ノ酒類庫出税ニ付テハ命令ヲ以テ定ムル価格ニ左ノ割合ヲ乗ジテ算出シタル金額ヲ前条ノ規定ニ依ル酒類庫出税額ニ加算ス
一 清酒、味淋及果実酒 百分ノ二十
二 雑酒 百分ノ三十
第三十五条第一項及第二項中「(濁酒ヲ除ク)」ヲ削リ同条第一項及第三項中「石数」ノ下ニ「(第二十七条ノ二ノ規定ニ依リ命令ヲ以テ定ムル酒類ニ付テハ数量及価格)」ヲ加フ
第五十一条第二項及第六十四条第三項中「酒類造石税」ノ下ニ「及酒類庫出税」ヲ加フ
第六十八条第二項中「第二十七条ノ税率ニ依リ」ヲ「第二十七条及第二十七条ノ二ノ規定ニ依リ」ニ改ム
第八十三条第一項第二号中「二十円」ヲ「四十円」ニ改ム
第八十四条第一項中「二円十銭」ヲ「三円二十銭」ニ、「百一円」ヲ「百六十一円」ニ、「二円八十銭」ヲ「四円八十銭」ニ改ム
第二条 清涼飲料税法中左ノ通改正ス
第二条中「八円五十銭」ヲ「十二円」ニ、「二十円」ヲ「三十円」ニ、「六円」ヲ「十一円」ニ改ム
第三条 砂糖消費税法中左ノ通改正ス
第一条中「糖水」ノ下ニ「(甘蔗又ハ甜菜ヲ原料トシテ製造シタル糖汁ヲ含ム)」ヲ加フ
第三条 消費税ノ税率左ノ如シ
一 砂糖
第一種 分蜜セサル砂糖
甲 樽入黒糖及樽入白下糖但シ黒糖及白下糖以外ノ砂糖ニ加工シテ製造シタルモノ並ニ全部又ハ一部ノ新式機械ニ依リ製造シタルモノヲ除ク 百斤ニ付 五円
乙 其ノ他ノモノ 百斤ニ付 七円三十銭
第二種 其ノ他ノ砂糖但シ氷砂糖、角砂糖、棒砂糖其ノ他類似ノモノヲ除ク
甲 蔗糖ノ重量全重量ノ百分ノ八十六ヲ超エサルモノ 百斤ニ付 八円
乙 其ノ他ノモノ 百斤ニ付 十二円
第三種 氷砂糖、角砂糖、棒砂糖其ノ他類似ノモノ
甲 氷砂糖 百斤ニ付 十五円 消費税ヲ課セラレタル第二種乙ノ砂糖ヲ以テ製造シタルモノニ在リテハ百斤ニ付二円
乙 其ノ他ノモノ 百斤ニ付 十六円 消費税ヲ課セラレタル第二種乙ノ砂糖ヲ以テ製造シタルモノニ在リテハ百斤ニ付四円
二 糖蜜
第一種 氷砂糖ヲ製造スルトキニ生スル糖蜜 百斤ニ付 八円
第二種 其ノ他ノ糖蜜 百斤ニ付 四円五十銭
三 糖水 百斤ニ付 十円
第四条 物品税法中左ノ通改正ス
第一条第一項第一種第十四号中「トランク」ノ下ニ「類並ニ行李」ヲ、同種第十八号中「玩具」ノ下ニ「、遊戲具、揺籃及乳母車類」ヲ加ヘ同種第十五号中「靴及」ヲ削ル
同種ニ左ノ如ク加フ
三十二 庭木並ニ庭園用ノ石材及石工品
三十三 簾、釣灯籠及提灯類
三十四 鉄瓶並ニ茶道及香道用具
三十五 扇子及団扇
三十六 花輪及花束類
三十七 釣用具類
丙類
三十八 
三十九 事務用器具
同項第二種第十七号中「受信用真空管、」ノ下ニ「マイクロホン、」ヲ、同種第二十三号中「紅茶、」ノ下ニ「烏龍茶、包種茶、」ヲ加フ
同種ニ左ノ如ク加フ
二十五 煙火類
二十六 薫物及線香類
二十七 大理石及之ヲ原料トスル擬石並ニ陶磁器製タイル
丙類
二十八 電球類
二十九 携行用ノ電灯、同ケース及電池
三十 魔法瓶、水筒類及同部分品
三十一 計算機
三十二 タイプライター、同部分品及附属品
三十三 輪転謄写機及同附属品
三十四 金銭登録機
三十五 タイムスタンプ及同附属品
三十六 ミシン及ミシン用針
三十七 板硝子
三十八 紙及セロファン
三十九 歯磨
四十 緑茶
四十一 調味料
同項第三種ニ左ノ一号ヲ加フ
三 サッカリン
同条第二項ヲ左ノ如ク改ム
同一物品ニシテ第一種及第二種ニ該当スルモノハ之ヲ第二種トシ甲類及乙類若ハ甲類及丙類又ハ甲類、乙類及丙類ニ該当スルモノハ之ヲ甲類トシ乙類及丙類ニ該当スルモノハ之ヲ乙類トス
第二条 物品税ノ税率左ノ如シ
第一種
甲類 物品ノ価格百分ノ五十
乙類 物品ノ価格百分ノ二十 第五条ノ規定ニ依ル場合ニ在リテハ百分ノ三十
丙類 物品ノ価格百分ノ十
第二種
甲類 物品ノ価格百分ノ五十
乙類 物品ノ価格百分ノ二十
丙類 物品ノ価格百分ノ十
第三種
一 燐寸 千本ニ付 五銭
二 飴、葡萄糖及麦芽糖
イ 麦芽糖化ノ方法ニ依リ製造シタル飴 百斤ニ付 二円五十銭
ロ 其ノ他ノ飴並ニ葡萄糖及麦芽糖 百斤ニ付 三円
三 サッカリン 一瓩ニ付 十円
第五条 第一種第十六号ニ掲グル物品ガ入札其ノ他競争ノ方法ニ依リ売買セラルル場合(強制競売又ハ之ニ準ズベキ場合ヲ除ク)ハ其ノ札元又ハ之ニ準ズベキ者ガ小売業者トシテ当該物品ヲ販売スルモノト看做ス
第六条中「又ハ嗜好飲料」ヲ「、嗜好飲料、薫物類、線香類、歯磨又ハ調味料」ニ改ム
第五条 遊興飲食税法中左ノ通改正ス
第一条中「及飲食」ヲ「、飲食及宿泊」ニ改メ同条ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ場所以外ノ場所ニ於テ飲食スル場合ニ於テ其ノ飲食物ガ料理店又ハ旅館ヨリ供給ヲ受クルモノナルトキハ其ノ飲食ハ之ヲ料理店又ハ旅館ニ於ケル飲食ト看做ス
第二条 遊興飲食税ノ税率左ノ如シ
一 芸妓ノ花代 料金ノ百分ノ百
二 芸妓ノ花代ニ類スル料金ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノ(以下其ノ他ノ花代ト称ス) 料金ノ百分ノ五十
三 芸妓ノ花代又ハ其ノ他ノ花代ヲ伴フ遊興飲食ノ料金但シ芸妓ノ花代及其ノ他ノ花代ヲ除ク 料金ノ百分ノ三十
四 命令ヲ以テ定ムル料理店ニ於ケル遊興飲食ノ料金但シ芸妓ノ花代及其ノ他ノ花代ヲ除ク 料金ノ百分ノ三十
五 前各号以外ノ遊興飲食ノ料金
イ 一人一回三円ニ満タザルモノ 料金ノ百分ノ二十
ロ 一人一回三円以上ノモノ 料金ノ百分ノ三十
六 旅館ニ於ケル宿泊ノ料金
イ 一人一泊十円ニ満タザルモノ 料金ノ百分ノ二十
ロ 一人一泊十円以上ノモノ 料金ノ百分ノ三十
前項ノ遊興飲食又ハ宿泊ノ料金ハ前条ニ規定スル場所ノ経営者ガ遊興、飲食又ハ宿泊ヲ為シタル者ヨリ其ノ遊興、飲食又ハ宿泊ニ付領収スベキ金額ヲ謂フ
遊興飲食又ハ宿泊ノ料金ノ算定ニ関シテハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三条 遊興飲食ノ料金ガ一人一回一円五十銭ニ満タザル場合及旅館ニ於ケル宿泊ノ料金ガ一人一泊五円ニ満タザル場合ニハ遊興飲食税ヲ課セズ但シ左ニ掲グル遊興飲食ノ料金ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
一 芸妓ノ花代
二 其ノ他ノ花代
三 芸妓ノ花代又ハ其ノ他ノ花代ヲ伴フ遊興飲食ノ料金
四 命令ヲ以テ定ムル料理店ニ於ケル遊興飲食ノ料金
第三条ノ二 前二条ノ一人一回ノ遊興飲食ノ料金及一人一泊ノ宿泊ノ料金ノ計算ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第五条及第七条中「遊興飲食料金」ヲ「遊興飲食又ハ宿泊ノ料金」ニ改ム
第六条 通行税法中左ノ通改正ス
第二条第一項ヲ左ノ如ク改ム
通行税ハ左ノ区別ニ依リ之ヲ課ス
乗車船区間四十粁以下ナルトキ
一等 三十銭
二等 十五銭
乗車船区間八十粁以下ナルトキ
一等 五十銭
二等 二十五銭
三等 五銭
乗車船区間百二十粁以下ナルトキ
一等 一円五十銭
二等 七十五銭
三等 十五銭
乗車船区間百六十粁以下ナルトキ
一等 三円
二等 一円五十銭
三等 三十銭
乗車船区間三百粁以下ナルトキ
一等 五円
二等 二円五十銭
三等 五十銭
乗車船区間五百粁以下ナルトキ
一等 七円
二等 三円五十銭
三等 七十銭
乗車船区間五百粁ヲ超ユルトキ
一等 十円
二等 五円
三等 一円
同条第五項ヲ左ノ如ク改ム
貸切乗車船ノ契約ヲ為シタル場合ニ於テハ通行税ハ左ノ区別ニ依リ之ヲ課ス
一等 貸切運賃ノ百分ノ二十
二等 貸切運賃ノ百分ノ十五
三等 貸切運賃ノ百分ノ十
第三第条一項ヲ左ノ如ク改ム
急行車船又ハ寝台車船ニ乗車船ノ契約ヲ為シタル場合ニ於テハ前条ノ規定ニ依ルノ外左ノ税率ニ依リ通行税ヲ課ス
一等 急行料金又ハ寝台料金ノ百分ノ三十
二等 急行料金又ハ寝台料金ノ百分ノ二十
三等 急行料金又ハ寝台料金ノ百分ノ十
第四条中「三等乗客」ノ下ニ「及定期乗車船ノ契約ニ依ル三等乗客」ヲ加フ
第八条中「又ハ急行料金」ヲ「、急行料金又ハ寝台料金」ニ改ム
第七条 入場税法中左ノ通改正ス
第三条第一項ヲ左ノ如ク改ム
入場税ノ税率左ノ如シ
第一種ノ場所
入場料ガ一人一回五十銭未満ナルトキ 入場料ノ百分ノ二十
入場料ガ一人一回一円未満ナルトキ 入場料ノ百分ノ三十
入場料ガ一人一回三円未満ナルトキ 入場料ノ百分ノ四十
入場料ガ一人一回五円未満ナルトキ 入場料ノ百分ノ六十
入場料ガ一人一回五円以上ナルトキ 入場料ノ百分ノ八十
回数、定期又ハ貸切ニテ入場ノ契約ヲ為シタルトキ 入場料ノ百分ノ四十
第二種ノ場所
撞球場、スケート場 入場料ノ百分ノ二十
麻雀場 入場料ノ百分ノ三十
舞踏場、ゴルフ場 入場料ノ百分ノ五十
第十条第一項ヲ左ノ如ク改ム
特別入場税ノ税率左ノ如シ
特別入場料ガ一人一回一円未満ナルトキ 特別入場料ノ百分ノ二十
特別入場料ガ一人一回一円以上ナルトキ 特別入場料ノ百分ノ三十
回数、定期又ハ貸切ニテ入場ノ契約ヲ為シタルトキ 特別入場料ノ百分ノ三十
第八条 建築税法中左ノ通改正ス
第一条ニ左ノ三号ヲ加フ
四 旅館ノ用ニ供スル家屋
五 撞球場、麻雀場其ノ他命令ヲ以テ定ムル遊技場ノ用ニ供スル家屋
六 俱楽部、会館其ノ他名称ノ何タルヲ問ハズ会員其ノ他命令ヲ以テ定ムル者ノ親陸ヲ図リ又ハ其ノ慰安若ハ娯楽ノ用ニ供スル家屋
第四条中「百分ノ十」ヲ「百分ノ二十」ニ改ム
第九条 骨牌税法中左ノ通改正ス
第四条中「五円」ヲ「十円」ニ、「七十銭」ヲ「一円五十銭」ニ改ム
第十条 印紙税法中左ノ通改正ス
第四条第一項第六号中「三銭」ヲ「五銭」ニ、「十銭」ヲ「二十銭」ニ、「三十銭」ヲ「六十銭」ニ、「六十銭」ヲ「一円二十銭」ニ、「九十銭」ヲ「一円八十銭」ニ、「一円五十銭」ヲ「三円」ニ、「三円」ヲ「六円」ニ改ム
第十一条 地方分与税法中左ノ通改正ス
第二条第二項及第六条第一項中「百分ノ五十」ヲ「百分ノ十五・一八」ニ改ム
第四十七条ニ左ノ一項ヲ加フ
第二条第二項中百分ノ十五・一八トアルハ昭和十六年度ニ於テハ百分ノ二十九・三五トス
第四十八条第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
第六条第一項中百分ノ十五・一八トアルハ昭和十七年度分ニ付テハ百分ノ五十、昭和十八年度分ニ付テハ百分ノ二十九・三五トス
附 則
第一条 本法ハ昭和十六年十二月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ第六条ノ規定施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二条 酒類ノ製造者又ハ販売業者ガ本法施行ノ際製造場又ハ保税地域以外ノ場所ニ於テ各種類ヲ通ジ合計五石以上ノ酒類ヲ所持スル場合及其ノ所持スル酒類ガ合計五石ニ満タザルモ酒税法第二十七条ノ二ノ改正規定ニ依リ命令ヲ以テ定ムル酒類ガ合計一石以上ナル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以テ製造場、其ノ所持者ヲ以テ製造者ト看做シ其ノ所持スル酒類ニ対シ酒類庫出税ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ本法施行ノ日ニ於テ其ノ酒類ヲ製造場ヨリ移出シタルモノト看做シ濁酒ニ付テハ一石ニ付十五円ノ割合ニ依リ算出シタル金額、其ノ他ノ酒類ニ付テハ酒税法第二十七条ノ改正税率ニ依リ算出シタル金額ト従前ノ税率ニ依リ算出シタル金額トノ差額ヲ以テ其ノ税額トシ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徴収ス但シ同法第二十七条ノ二ノ改正規定ニ依リ命令ヲ以テ定ムル酒類ニ付テハ同条ニ規定スル価格ニ同条ニ規定スル割合ヲ乗ジテ算出シタル金額ヲ本文ノ規定ニ依リ算出シタル酒類庫出税額ニ加算シタルモノヲ以テ其ノ税額トス
東京府小笠原島及伊豆七島ニ於テ製造シタル清酒及焼酎ニ付前項ノ規定ヲ適用スル場合ニ於テハ一石ニ付二十円ノ割合ニ依リ算出シタル金額ヲ以テ其ノ税額トス
第一項ノ製造者又ハ販売業者ハ其ノ所持スル酒類ノ種類毎ニ数量、価格及貯蔵ノ場所ヲ本法施行後一月以内ニ政府ニ申告スベシ
第三条 本法施行ノ際製造場ニ現存スル酒類ニシテ戻入又ハ移入シタルモノニ付テハ酒税法第三十八条ノ規定ニ拘ラズ之ヲ移出シタルトキ酒類庫出税ヲ徴収ス此ノ場合ニ於テハ前条第一項後段及第二項ニ規定スル税額ヲ以テ其ノ税額トス
第四条 本法施行ノ際製造場以外ノ場所ニ於テ同一人ガ五石以上ノ第二種ノ清涼飲料ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以テ製造場、其ノ所持者ヲ以テ製造者ト看做シ清涼飲料税ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ本法施行ノ日ニ於テ其ノ清涼飲料ヲ製造場外ニ移出シタルモノト看做シ一石ニ付十円ノ割合ニ依リ算出シタル金額ヲ其ノ税額トシ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徴収ス
前項ノ清涼飲料ノ所持者ハ其ノ所持スル清涼飲料ノ数量及貯蔵ノ場所ヲ本法施行後一月以内ニ政府ニ申告スベシ
第五条 改正前ノ税率ニ依リ消費税ヲ課セラレタル砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ原料トシテ製造シタル砂糖(第三種ノ砂糖ヲ除ク)、糖蜜又ハ糖水ニシテ本法施行後製造場ヨリ引取ラルルモノニ付テハ砂糖消費税法第十二条ノ規定ニ拘ラズ砂糖消費税ヲ徴収ス此ノ場合ニ於テハ同法第三条ノ改正税率ニ依リ算出シタル金額ト従前ノ税率ニ依リ算出シタル金額トノ差額ヲ以テ其ノ税額トス
改正前ノ税率ニ依リ消費税ヲ課セラレタル第二種乙ノ砂糖ヲ以テ製造シタル第三種ノ砂糖ニシテ本法施行後製造場ヨリ引取ラルルモノニ付テハ改正後ノ砂糖消費税法第三条ニ規定スル氷砂糖ノ税率百斤ニ付二円ハ之ヲ百斤ニ付四円トシ其ノ他ノモノノ税率百斤ニ付四円ハ之ヲ百斤ニ付六円トス
第六条 本法施行ノ際製造場又ハ保税地域以外ノ場所ニ於テ同一人ガ各種類ヲ通ジ合計一万斤以上ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ者ガ本法施行ノ日ニ於テ之ヲ製造場ヨリ引取リタルモノト看做シ砂糖消費税ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ砂糖消費税法第三条ノ改正税率ニ依リ算出シタル金額ト従前ノ税率ニ依リ算出シタル金額トノ差額(第三種ノ砂糖ニ在リテハ氷砂糖ハ百斤ニ付二円五十銭、其ノ他ノモノハ百斤ニ付三円五十銭ノ割合ニ依リ算出シタル金額)ヲ以テ其ノ税額トシ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ徴収ス
前項ノ砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ所持者ハ其ノ所持スル砂糖、糖蜜又ハ糖水ノ種別、数量及貯蔵ノ場所ヲ本法施行後一月以内ニ政府ニ申告スベシ
第七条 本法施行前ヨリ引続キ物品税法第一条ノ改正規定ニ依リ物品税ヲ課スルコトト為リタル第一種ノ物品ノ小売業ヲ営ム者又ハ同第二種ノ物品若ハサッカリンノ製造ヲ為ス者本法施行後一月以内ニ其ノ旨ヲ政府ニ申告スルトキハ本法施行ノ日ニ於テ物品税法第十五条ノ規定ニ依リ申告シタルモノト看做ス
第八条 改正後ノ物品税法第一条ニ掲グル第二種ノ物品又ハ飴、葡萄糖、麦芽糖若ハサッカリンノ製造者又ハ販売者ガ本法施行ノ際製造場又ハ保税地域以外ノ場所ニ於テ左ノ各号ノ一ニ該当スル物品ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以テ製造場、其ノ所持者ヲ以テ製造者ト看做シ之ニ物品税ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ本法施行ノ日ニ於テ其ノ物品ヲ製造場ヨリ移出シタルモノト看做シ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ物品税ヲ徴収ス但シ従前ノ規定ニ依リ物品税ヲ課セラレタル物品ニ付テハ其ノ課セラレタル税額ニ相当スル金額ヲ控除シタル金額ヲ以テ其ノ税額トス
一 改正後ノ物品税法第一条ニ掲グル第二種ノ物品ニシテ同条各号ニ掲グル品名毎ニ価格二千円以上ノモノ
二 飴、葡萄糖又ハ麦芽糖ニシテ合計一万斤以上ノモノ
三 三十瓩以上ノサッカリン
前項ノ製造者又ハ販売者ハ同項第一号ノ物品ニ付テハ其ノ品名毎ニ数量、価格及貯蔵ノ場所、第二号ノ物品又ハサッカリンニ付テハ其ノ品名毎ニ数量及貯蔵ノ場所ヲ本法施行後一月以内ニ政府ニ申告スベシ
第九条 改正後ノ建築税法第一条第四号乃至第六号及第四条ノ規定ハ本法施行後竣成スル家屋ノ建築ニ付之ヲ適用ス
本法施行前新築竣成シタル建築税法第一条第一号乃至第三号ニ掲グル家屋ニシテ建築価額一万円未満ノモノニ関シ同法第三条第一項ノ規定ニ依リ建築税ヲ課スル場合ニ於テハ前ノ建築価額ヨリ五千円ヲ控除シタル金額ノ百分ノ十ニ相当スル金額ヲ其ノ建築税額ヨリ控除ス
本法施行前新築竣成シタル建築税法第一条第一号乃至第三号ニ掲グル家屋ニシテ建築価額一万円以上ノモノニ関シ同法第三条ノ規定ニ依リ建築税ヲ課スル場合ニ於テハ従前ノ規定ニ依リ課セラレタル建築税額ノ二倍ニ相当スル金額ヲ其ノ建築税額ヨリ控除ス
建築税法第三条ノ規定ハ改正後ノ同法第一条第四号乃至第六号ニ掲グル家屋ノ新築ガ本法施行前竣成シタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第十条 本法施行ノ際骨牌ノ製造又ハ販売ヲ為ス者ノ所持ニ係ル骨牌ニハ製造又ハ販売ヲ為ス者ニ於テ骨牌税法第四条ノ改正規定ニ依ル税額ト従前ノ規定ニ依ル税額トノ差額ニ相当スル印紙ヲ増貼スベシ