朕市制町村制施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
攝政名
大正十五年六月二十四日
內閣總理大臣 若槻禮次郞
內務大臣 濱口雄幸
勅令第二百一號
市制町村制施行令
第一章 總則
第一條 市町村ノ設置アリタル場合ニ於テハ市町村長ノ臨時代理者又ハ職務管掌ノ官吏ハ歲入歲出豫算ガ市町村會ノ議決ヲ經テ成立スルニ至ル迄ノ間必要ナル收支ニ付豫算ヲ設ケ府縣知事ノ許可ヲ受クベシ
第二條 市町村ノ設置アリタル場合ニ於テハ府縣知事ハ必要ナル事項ニ付市町村條例ノ設定施行セラルルニ至ル迄ノ間從來其ノ地域ニ施行セラレタル市町村條例ヲ市町村ノ條例トシテ當該地域ニ引續キ施行スルコトヲ得
第三條 市町村ノ廢置分合アリタル場合ニ於テハ其ノ地域ノ新ニ屬シタル市町村其ノ事務ヲ承繼ス、其ノ地域ニ依リ難キトキハ府縣知事ハ事務ノ分界ヲ定メ又ハ承繼スベキ市町村ヲ指定ス
前項ノ場合ニ於テ消滅シタル市町村ノ收支ハ消滅ノ日ヲ以テ打切リ其ノ市町村長(又ハ市町村長ノ職務ヲ行フ者)タリシ者之ヲ決算ス
前項ノ決算ハ事務ヲ承繼シタル各市町村ノ市町村長之ヲ市町村會ノ認定ニ付スベシ
市制第百四十二條第三項又ハ町村制第百二十二條第四項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四條 市町村ノ境界變更アリタル爲事務ノ分割ヲ要スルトキハ其ノ事務ノ承繼ニ付テハ府縣知事之ヲ定ム
第五條 市制第八十二條第三項ノ市ニ於テ新ニ區ヲ劃シ又ハ其ノ區域ヲ變更セントスルトキハ市ハ內務大臣ノ許可ヲ受クベシ
第六條 市制第十一條及町村制第九條ノ規定ニ依リ除外スベキ學生生徒左ノ如シ
一 陸軍各部依託學生生徒
二 海軍軍醫學生藥劑學生主計學生造船學生造機學生造兵學生竝ニ海軍豫備生徒及海軍豫備練習生
第二章 市町村會議員ノ選擧
第七條 市制第二十一條ノ五第三項又ハ町村制第十八條ノ五第三項ノ規定ニ依リ選擧人名簿ノ調製、縱覽、確定及異議申立ニ對スル市町村會ノ決定ニ關スル期日及期間ヲ定メタルトキハ府縣知事ハ直ニ之ヲ告示スベシ
第八條 市町村ノ境界變更アリタル場合ニ於テハ市町村長ハ選擧人名簿ヲ分割シ其ノ部分ヲ其ノ地域ノ新ニ屬シタル市町村ノ市町村長ニ送付スベシ
市町村ノ廢置分合アリタル場合ニ於テ名簿ノ分割ヲ以テ足ルトキハ前項ノ例ニ依リ、其ノ他ノ場合ニ於テハ從前ノ市町村ノ市町村長(又ハ市町村長ノ職務ヲ行フ者)タリシ者ハ直ニ其ノ地域ノ新ニ屬シタル市町村ノ市町村長ニ選擧人名簿ヲ送付スベシ
市町村長選擧人名簿ノ送付ヲ受ケタルトキハ直ニ其ノ旨ヲ告示シ併セテ之ヲ府縣知事ニ報告スベシ
第九條 前條ノ規定ニ依リ送付ヲ受ケタル選擧人名簿ハ市町村ノ廢置分合又ハ境界變更ニ係ル地域ノ新ニ屬シタル市町村ノ選擧人名簿ト看做ス
第十條 第八條ノ規定ニ依リ送付ヲ受ケタル選擧人名簿確定前ナルトキハ名簿ノ縱覽、確定及異議申立ニ對スル市町村會ノ決定ニ關スル期日及期間ハ府縣知事ノ定ムル所ニ依ル
前項ノ規定ニ依リ期日及期間ヲ定メタルトキハ府縣知事ハ直ニ之ヲ告示スベシ
第十一條 市制第二十五條第六項又ハ町村制第二十二條第六項ノ規定ニ依リ盲人ガ投票ニ關スル記載ニ使用スルコトヲ得ル點字ハ別表ヲ以テ之ヲ定ム
點字ニ依リ投票ヲ爲サントスル選擧人ハ選擧長又ハ投票分會長ニ對シ其ノ旨ヲ申立ツベシ、此ノ場合ニ於テハ選擧長又ハ投票分會長ハ投票用紙ニ點字投票ナル旨ノ印ヲ押捺シテ交付スベシ
點字ニ依ル投票ノ拒否ニ付テハ市制第二十五條ノ三又ハ町村制第二十二條ノ三ノ例ニ依ル、此ノ場合ニ於テハ封筒ニ點字投票ナル旨ノ印ヲ押捺シテ交付スベシ
前項ノ規定ニ依リ假ニ爲サシメタル投票ハ市制第二十七條ノ二第二項及第三項又ハ町村制第二十四條ノ二第二項及第三項ノ規定ノ適用ニ付テハ市制第二十五條ノ三第二項及第四項又ハ町村制第二十二條ノ三第二項及第四項ノ投票ト看做ス
第十二條 市制第二十七條ノ四又ハ町村制第二十四條ノ四ノ規定ニ依リ開票分會ヲ設ケタルトキハ市町村長ハ直ニ其ノ區劃及開票分會場ヲ告示スベシ
第十三條 開票分會ハ市町村長ノ指名シタル吏員開票分會長ト爲リ之ヲ開閉シ其ノ取締ニ任ズ
第十四條 開票分會ノ區劃內ノ投票分會ニ於テ爲シタル投票ハ投票分會長少クトモ一人ノ投票立會人ト共ニ投票函ノ儘投票錄及選擧人名簿ノ抄本ト併セテ之ヲ開票分會長ニ送致スベシ
第十五條 投票ノ點檢終リタルトキハ開票分會長ハ直ニ其ノ結果ヲ選擧長ニ報告スベシ
第十六條 開票分會長ハ開票錄ヲ作リ開票ニ關スル顚末ヲ記載シ之ヲ朗讀シ二人以上ノ開票立會人ト共ニ之ニ署名シ直ニ投票錄及投票ト併セテ之ヲ選擧長ニ送致スベシ
第十七條 選擧長ハ總テノ開票分會長ヨリ第十五條ノ報告ヲ受ケタル日若ハ其ノ翌日(又ハ總テノ投票函ノ送致ヲ受ケタル日若ハ其ノ翌日)選擧會ニ於テ選擧立會人立會ノ上其ノ報告ヲ調査シ市制第二十七條ノ二第三項又ハ町村制第二十四條ノ二第三項ノ規定ニ依リ爲シタル點檢ノ結果ト併セテ各被選擧人(市制第三十九條ノ二ノ市ニ於テハ各議員候補者)ノ得票總數ヲ計算スベシ
第十八條 選擧ノ一部無效ト爲リ更ニ選擧ヲ行ヒタル場合ニ於テハ選擧長ハ前條ノ規定ニ準ジ其ノ部分ニ付前條ノ手續ヲ爲シ他ノ部分ニ於ケル各被選擧人(市制第三十九條ノ二ノ市ニ於テハ各議員候補者)ノ得票數ト併セテ其ノ得票總數ヲ計算スベシ
第十九條 開票分會ヲ設ケタル場合ニ於テハ市町村長ハ市制第三十二條第一項又ハ町村制第二十九條第一項ノ報告ニ開票錄ノ寫ヲ添附スベシ
第二十條 市制第二十三條第五項及第六項竝ニ町村制第二十條第四項及第五項ノ規定ハ開票立會人ニ、市制第二十四條第一項及第二項竝ニ町村制第二十一條第一項及第二項ノ規定ハ開票分會場ニ、市制第二十七條ノ二、第二十七條ノ三及第二十九條竝ニ町村制第二十四條ノ二、第二十四條ノ三及第二十六條ノ規定ハ開票分會ニ於ケル開票ニ之ヲ準用ス
第二十一條 市制第八十二條第三項ノ市ハ其ノ區ヲ以テ選擧區ト爲シタル場合ニ於テハ市制第二章第一款(第十六條第三項ノ規定ヲ除ク)及本令第二十二條ノ規定ノ適用ニ付テハ之ヲ市制第六條ノ市ト看做ス
第三章 市制第三十九條ノ二ノ市ノ市會議員ノ選擧ニ關スル特例
第二十二條 議員候補者ハ選擧人名簿(選擧區アル場合ニ於テハ當該選擧區ノ選擧人名簿)ニ登錄セラレタル者ノ中ヨリ本人ノ承諾ヲ得テ選擧立會人一人ヲ定メ選擧ノ期日ノ前日迄ニ市長(市制第六條ノ市ニ於テハ區長)ニ屆出ヅルコトヲ得但シ議員候補者死亡シ又ハ議員候補者タルコトヲ辭シタルトキハ其ノ屆出デタル選擧立會人ハ其ノ職ヲ失フ
前項ノ規定ニ依ル選擧立會人三人ニ達セザルトキ若ハ三人ニ達セザルニ至リタルトキ又ハ選擧立會人ニシテ參會スル者選擧會ヲ開クベキ時刻ニ至リ三人ニ達セザルトキ若ハ其ノ後三人ニ達セザルニ至リタルトキハ市長(市制第六條ノ市ニ於テハ區長)ハ選擧人名簿(選擧區アルトキハ當該選擧區ノ選擧人名簿)ニ登錄セラレタル者ノ中ヨリ三人ニ達スル迄ノ選擧立會人ヲ選任シ直ニ之ヲ本人ニ通知シ選擧ニ立會ハシムベシ
前二項ノ規定ハ投票立會人及開票立會人ニ之ヲ準用ス但シ選擧人名簿ニ登錄セラレタル者トアルハ分會ノ區劃內ニ於ケル選擧人名簿ニ登錄セラレタル者トス
第二十三條 市制第二十五條第五項及第七項ノ規定中被選擧人トアルハ議員候補者トシ同規定ヲ適用ス
第二十四條 投票ノ拒否ハ選擧立會人又ハ投票立會人ノ意見ヲ聽キ選擧長又ハ投票分會長之ヲ決定スベシ
市制第二十五條ノ三第二項乃至第四項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス但シ投票分會長又ハ投票立會人トアルハ投票立會人トス
第二十五條 市制第二十八條ノ規定中被選擧人トアルハ議員候補者トシ同規定ヲ適用ス
前項ノ規定ニ依ルノ外議員候補者ニ非ザル者ノ氏名ヲ記載シタル投票ハ之ヲ無效トス
第二十六條 投票ノ效力ハ選擧立會人又ハ開票立會人ノ意見ヲ聽キ選擧長又ハ開票分會長之ヲ決定スベシ
第二十七條 市制第三十三條第一項ノ規定ハ同項第六號トシテ左ノ一號ヲ加ヘ之ヲ適用ス
六 府縣制第三十四條ノ二ノ規定ノ準用ニ依ル訴訟ノ結果當選無效ト爲リタルトキ
第二十八條 市制第三十六條第一項ノ規定中選擧人トアルハ選擧人又ハ議員候補者トシ同規定ヲ適用ス
第四章 市制第三十九條ノ二ノ市ノ市會議員ノ選擧運動及其ノ費用竝ニ公立學校等ノ設備ノ使用
第二十九條 選擧事務所ハ議員候補者一人ニ付議員ノ定數(選擧區アル場合ニ於テハ當該選擧區ノ配當議員數)ヲ以テ選擧人名簿(選擧區アル場合ニ於テハ當該選擧區ノ選擧人名簿)確定ノ日ニ於テ之ニ登錄セラレタル者ノ總數ヲ除シテ得タル數一千以上ナルトキハ二箇所ヲ、一千未滿ナルトキハ一箇所ヲ超ユルコトヲ得ズ
選擧ノ一部無效ト爲リ更ニ選擧ヲ行フ場合又ハ市制第二十二條第四項ノ規定ニ依リ投票ヲ行フ場合ニ於テハ選擧事務所ハ前項ノ規定ニ依ル數ヲ超エザル範圍內ニ於テ府縣知事(東京府ニ於テハ警視總監)ノ定メタル數ヲ超ユルコトヲ得ズ
府縣知事(東京府ニ於テハ警視總監)ハ選擧ノ期日ノ告示アリタル後直ニ前二項ノ規定ニ依ル選擧事務所ノ數ヲ告示スベシ
第三十條 選擧委員及選擧事務員ハ議員候補者一人ニ付議員ノ定數(選擧區アル場合ニ於テハ當該選擧區ノ配當議員數)ヲ以テ選擧人各簿(選擧區アル場合ニ於テハ當該選擧區ノ選擧人名簿)確定ノ日ニ於テ之ニ登錄セラレタル者ノ總數ヲ除シテ得タル數一千以上ナルトキハ通ジテ十五人ヲ、一千未滿ナルトキハ通ジテ十人ヲ超ユルコトヲ得ズ
前條第二項及第三項ノ規定ハ選擧委員及選擧事務員ニ之ヲ準用ス
第三十一條 選擧運動ノ費用ハ議員候補者一人ニ付左ノ各號ノ額ヲ超ユルコトヲ得ズ
一 議員ノ定數(選擧區アル場合ニ於テハ當該選擧區ノ配當議員數)ヲ以テ選擧人名簿(選擧區アル場合ニ於テハ當該選擧區ノ選擧人名簿)確定ノ日ニ於テ之ニ登錄セラレタル者ノ總數ヲ除シテ得タル數ヲ四十錢ニ乘ジテ得タル額但シ三百圓未滿ナルモノハ三百圓トス
二 選擧ノ一部無效ト爲リ更ニ選擧ヲ行フ場合ニ於テハ議員ノ定數(選擧區アル場合ニ於テハ當該選擧區ノ配當議員數)ヲ以テ選擧人名簿(選擧區アル場合ニ於テハ當該選擧區ノ選擧人名簿)確定ノ日ニ於テ關係區域ノ選擧人名簿ニ登錄セラレタル者ノ總數ヲ除シテ得タル數ヲ四十錢ニ乘ジテ得タル額
三 市制第二十二條第四項ノ規定ニ依リ投票ヲ行フ場合ニ於テハ前號ノ規定ニ準ジテ算出シタル額但シ府縣知事(東京府ニ於テハ警視總監)必要アリト認ムルトキハ之ヲ減額スルコトヲ得
府縣知事(東京府ニ於テハ警視總監)ハ選擧ノ期日ノ告示アリタル後直ニ前項ノ規定ニ依ル額ヲ告示スベシ
第三十二條 衆議院議員選擧法施行令第八章、第九章及第十二章ノ規定ハ市制第三十九條ノ二ノ市ノ市會議員選擧ニ之ヲ準用ス
第五章 市町村吏員ノ賠償責任及身元保證
第三十三條 市町村吏員其ノ管掌ニ屬スル現金、證券其ノ他ノ財產ヲ亡失又ハ毀損シタルトキハ市町村ハ期間ヲ指定シ其ノ損害ヲ賠償セシムベシ但シ避クベカラザル事故ニ原因シタルトキ又ハ他ノ者ノ使用ニ供シタル場合ニ於テ合規ノ監督ヲ怠ラザリシトキハ市町村ハ其ノ賠償ノ責任ヲ免除スベシ
第三十四條 收入役、副收入役若ハ收入役代理者又ハ收入役ノ事務ヲ兼掌スル町村長若ハ助役市制第百三十九條第二項又ハ町村制第百十九條第二項ノ規定ニ違反シテ支出ヲ爲シタルトキハ市町村ハ期間ヲ指定シ之ニ因リテ生ジタル損害ヲ賠償セシムベシ區收入役、區副收入役又ハ區收入役代理者ニ付亦同ジ
第三十五條 市町村吏員其ノ執務上必要ナル物品ノ交付ヲ受ケ故意又ハ怠慢ニ因リ之ヲ亡失又ハ毀損シタルトキハ市町村ハ期間ヲ指定シ其ノ損害ヲ賠償セシムベシ
第三十六條 前三條ノ處分ヲ受ケタル者其ノ處分ニ不服アルトキハ府縣參事會ニ訴願シ其ノ裁決ニ不服アルトキハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
前項ノ裁決ニ付テハ府縣知事又ハ市町村ヨリモ訴訟ヲ提起スルコトヲ得
府縣參事會訴願ヲ受理シタルトキハ其ノ日ヨリ三月以內ニ之ヲ裁決スベシ
市制第百六十條第一項乃至第三項又ハ町村制第百四十條第一項乃至第三項ノ規定ハ第一項及第二項ノ訴願及訴訟ニ之ヲ準用ス
第三十七條 賠償金ノ徵收ニ關シテハ市制第百三十一條又ハ町村制第百十一條ノ例ニ依ル
第三十八條 市町村吏員ニ對シ身元保證ヲ徵スルノ必要アリト認ムルトキハ市町村ハ其ノ種類、價格、程度其ノ他必要ナル事項ヲ定ムベシ
第三十九條 本章中市町村ニ關スル規定ハ市制第六條ノ市ノ區及市制第百四十四條ノ市ノ一部及町村制第百二十四條ノ町村ノ一部ニ之ヲ準用ス
第六章 市町村稅ノ賦課徵收
第四十條 市町村ノ內外ニ於テ營業所ヲ設ケ營業ヲ爲ス者ニシテ其ノ營業又ハ收入ニ對スル本稅ヲ分別シテ納メザル者ニ對シ附加稅ヲ賦課セントスルトキハ市町村長ハ關係市長又ハ町村長(町村長ニ準ズベキ者ヲ含ム)ト協議ノ上其ノ本稅額ノ步合ヲ定ムベシ
前項ノ協議調ハザルトキハ府縣知事之ヲ定メ其ノ數府縣ニ涉ルモノハ內務大臣及大藏大臣之ヲ定ムベシ
第一項ノ場合ニ於テ直接ニ收入ヲ生ズルコトナキ營業所アルトキハ他ノ營業所ト收入ヲ共通スルモノト認メ前二項ノ規定ニ依リ本稅額ノ步合ヲ定ムベシ
府縣ニ於テ數府縣ニ涉ル營業又ハ其ノ收入ニ對シ營業稅附加稅、營業收益稅附加稅又ハ所得稅附加稅賦課ノ步合ヲ定メタルモノアルトキハ其ノ步合ニ依ル本稅額ヲ以テ其ノ府縣ニ於ケル本稅額ト看做ス
第四十一條 鑛區(砂鑛區域ヲ含ム以下之ニ同ジ)ガ市町村ノ內外ニ涉ル場合ニ於テ鑛區稅(砂鑛區稅ヲ含ム)ノ附加稅ヲ賦課セントスルトキハ鑛區ノ屬スル地表ノ面積ニ依リ其ノ本稅額ヲ分割シ其ノ一部ニノミ賦課スベシ
市町村ノ內外ニ於テ鑛業ニ關スル事務所其ノ他ノ營業所ヲ設ケタル場合ニ於テ鑛產稅ノ附加稅ヲ賦課セントスルトキハ前條ノ例ニ依ル、鑛區ガ營業所所在ノ市町村ノ內外ニ涉ル場合亦同ジ
第四十二條 住所滯在ガ市町村ノ內外ニ涉ル者ノ收入ニシテ土地家屋物件又ハ營業所ヲ設ケタル營業ヨリ生ズル收入ニ非ザルモノニ對シ市町村稅ヲ賦課セントスルトキハ其ノ收入ヲ平分シ其ノ一部ニノミ賦課スベシ
前項ノ住所又ハ滯在ガ其ノ時ヲ異ニシタルトキハ納稅義務ノ發生シタル翌月ノ初メヨリ其ノ消滅シタル月ノ終迄月割ヲ以テ賦課スベシ但シ賦課後納稅義務者ノ住所又ハ滯在ニ異動ヲ生ズルモ賦課額ハ變更セズ其ノ新ニ住所ヲ有シ又ハ滯在スル市町村ニ於テハ賦課ナキ部分ニノミ賦課スベシ
住所滯在ガ同一府縣內ノ市町村ノ內外ニ涉ル者其ノ住所又ハ滯在ノ時ヲ異ニシタル場合ニ於テ其ノ者ニ對シ戶數割附加稅ヲ賦課セントスルトキハ前項ノ規定ヲ準用ス
第四十三條 市町村稅ヲ徵收セントスルトキハ市町村長ハ徵稅令書ヲ納稅人ニ交付スベシ
第四十四條 徵稅令書ヲ受ケタル納稅人納期內ニ稅金ヲ完納セザルトキハ市町村長ハ直ニ督促狀ヲ發スベシ
第四十五條 督促ヲ爲シタル場合ニ於テハ一日ニ付稅金額ノ萬分ノ四以內ニ於テ市町村ノ定ムル割合ヲ以テ納期限ノ翌日ヨリ稅金完納又ハ財產差押ノ日ノ前日迄ノ日數ニ依リ計算シタル延滯金ヲ徵收スベシ但シ左ノ各號ノ一ニ該當スル場合又ハ滯納ニ付市町村長ニ於テ酌量スベキ情狀アリト認ムルトキハ此ノ限ニ在ラズ
一 令書一通ノ稅金額五圓未滿ナルトキ
二 納期ヲ繰上ゲ徵收ヲ爲ストキ
三 納稅者ノ住所及居所ガ帝國內ニ在ラザル爲又ハ共ニ不明ナル爲公示送達ノ方法ニ依リ納稅ノ命令又ハ督促ヲ爲シタルトキ
督促狀ノ指定期限迄ニ稅金及督促手數料ヲ完納シタルトキハ延滯金ハ之ヲ徵收セズ
第四十六條 納稅人左ノ場合ニ該當スルトキハ徵稅令書ヲ交付シタル市町村稅ニ限リ納期前ト雖モ之ヲ徵收スルコトヲ得
一 國稅徵收法ニ依ル滯納處分ヲ受クルトキ
二 强制執行ヲ受クルトキ
三 破產ノ宣告ヲ受ケタルトキ
四 競賣ノ開始アリタルトキ
五 法人ガ解散ヲ爲シタルトキ
六 納稅人脫稅又ハ逋稅ヲ謀ルノ所爲アリト認ムルトキ
第四十七條 相續開始ノ場合ニ於テハ市町村稅、督促手數料、延滯金及滯納處分費ハ相續財團又ハ相續人ヨリ之ヲ徵收スベシ但シ戶主ノ死亡以外ノ原因ニ依リ家督相續ノ開始アリタルトキハ被相續人ヨリモ之ヲ徵收スルコトヲ得
國籍喪失ニ因ル相續人又ハ限定承認ヲ爲シタル相續人ハ相續ニ因リテ得タル財產ヲ限度トシテ市町村稅、督促手數料、延滯金及滯納處分費ヲ納付スルノ義務ヲ有ス
法人合併ノ場合ニ於テハ合併ニ因リ消滅シタル法人ノ納付スベキ市町村稅、督促手數料、延滯金及滯納處分費ハ合併後存續スル法人又ハ合併ニ因リ設立シタル法人ヨリ之ヲ徵收スベシ
第四十八條 共有物、共同事業、共同事業ニ因リ生ジタル物件又ハ共同行爲ニ係ル市町村稅、督促手數料、延滯金及滯納處分費ハ納稅者連帶シテ其ノ義務ヲ負擔ス
第四十九條 同一年度ノ市町村稅ニシテ旣納ノ稅金過納ナルトキハ爾後ノ納期ニ於テ徵收スベキ同一稅目ノ稅金ニ充ツルコトヲ得
第五十條 納稅義務者納稅地ニ住所又ハ居所ヲ有セザルトキハ納稅ニ關スル事項ヲ處理セシムル爲納稅管理人ヲ定メ市町村長ニ申告スベシ其ノ納稅管理人ヲ變更シタルトキ亦同ジ
第五十一條 徵稅令書、督促狀及滯納處分ニ關スル書類ハ名宛人ノ住所又ハ居所ニ送達ス名宛人ガ相續財團ニシテ財產管理人アルトキハ財產管理人ノ住所又ハ居所ニ送達ス
納稅管理人アルトキハ納稅ノ告知及督促ニ關スル書類ニ限リ其ノ住所又ハ居所ニ送達ス
第五十二條 書類ノ送達ヲ受クベキ者ガ其ノ住所若ハ居所ニ於テ書類ノ受取ヲ拒ミタルトキ又ハ其ノ者ノ住所及居所ガ帝國內ニ在ラザルトキ若ハ共ニ不明ナルトキハ書類ノ要旨ヲ公告シ公告ノ初日ヨリ七日ヲ經過シタルトキハ書類ノ送達アリタルモノト看做ス
第五十三條 市町村ハ內務大臣及大藏大臣ノ指定シタル市町村稅ニ付テハ其ノ徵收ノ便宜ヲ有スル者ヲシテ之ヲ徵收セシムルコトヲ得
前項ノ市町村稅ノ徵收ニ付テハ第四十三條ノ規定ニ依ラザルコトヲ得
第五十四條 前條第一項ノ規定ニ依リ市町村稅ヲ徵收セシムル場合ニ於テハ納稅人ハ其ノ稅金ヲ徵收義務者ニ拂込ムニ依リテ納稅ノ義務ヲ了ス
第五十五條 第五十三條第一項ノ規定ニ依ル徵收義務者ハ徵收スベキ市町村稅ヲ市町村長ノ指定シタル期日迄ニ市町村ニ拂込ムベシ、其ノ期日迄ニ拂込マザルトキハ市町村長ハ相當ノ期限ヲ指定シ督促狀ヲ發スベシ
第五十六條 市町村ハ前條ノ徵收ノ費用トシテ拂込金額ノ百分ノ四ヲ徵收義務者ニ交付スベシ
第五十七條 第五十三條第一項ノ規定ニ依ル徵收義務者避クベカラザル災害ニ依リ旣收ノ稅金ヲ失ヒタルトキハ其ノ稅金拂込義務ノ免除ヲ市町村長ニ申請スルコトヲ得
市町村長前項ノ申請ヲ受ケタルトキハ七日以內ニ市參事會又ハ町村會ノ決定ニ付スベシ市參事會又ハ町村會ハ其ノ送付ヲ受ケタル日ヨリ三月以內ニ之ヲ決定スベシ
前項ノ決定ニ不服アル者ハ府縣參事會ニ訴願シ其ノ裁決又ハ第四項ノ裁決ニ不服アル者ハ內務大臣ニ訴願スルコトヲ得
第二項ノ決定ニ付テハ市町村長ヨリモ訴願ヲ提起スルコトヲ得
前二項ノ裁決ニ付テハ市町村長又ハ府縣知事ヨリモ內務大臣ニ訴願スルコトヲ得
府縣參事會訴願ヲ受理シタルトキハ其ノ日ヨリ三月以內ニ之ヲ裁決スベシ
市制第百六十條第一項乃至第三項又ハ町村制第百四十條第一項乃至第三項ノ規定ハ第三項乃至第五項ノ訴願ニ之ヲ準用ス
第二項ノ決定ハ文書ヲ以テ之ヲ爲シ其ノ理由ヲ附シ之ヲ本人ニ交付スベシ
第五十八條 第四十五條乃至第四十八條ノ規定ハ第五十三條第一項ノ規定ニ依リ市町村稅ヲ徵收セシムル場合ノ拂込金ニ之ヲ準用ス
第七章 市町村ノ監督
第五十九條 市町村行政ニ關シ主務大臣ノ許可ヲ要スル事項中左ニ揭グルモノハ府縣知事之ヲ許可スベシ
一 基本財產、特別基本財產、造林、傳染病豫防救治ニ關スル一時給與金、有給吏員ノ年功加俸、退隱料、退職給與金、療治料、救助金、手當金、死亡給與金、弔祭料及遺族扶助料竝ニ市町村助役ノ定數增加、町村長及町村助役ノ有給、市町村副收入役ノ設置、委員ノ組織及學務委員ニ關スル條例ヲ設ケ又ハ改正スルコト
二 著シク人口ノ增減アリタルニ因リ議員ノ定數增減ニ關スル町村條例ヲ設ケ又ハ改正スルコト
三 浴場、共同宿泊所、病院、消毒所住、宅、產婆、胞衣及產穢物燒却場、市場、屠場、墓地、火葬場、棧橋、林野、土地、通船、用水、溜池其ノ他之ニ類スルモノノ管理及使用竝ニ其ノ使用料ニ關スル條例ヲ設ケ又ハ改正スルコト
四 手數料又ハ加入金ニ關スル條例ヲ設ケ又ハ改正スルコト
五 特別稅段別割又ハ特別稅戶數割ヲ新設シ、增額シ又ハ變更スルコト及之ニ關スル條例ヲ設ケ又ハ改正スルコト但シ特別稅段別割ニ付テハ大正九年勅令第二百八十二號ニ依リ府縣知事ニ於テ許可スル課稅ノ限度ヲ超エザルモノニ限ル
六 府縣ノ基金又ハ敎育資金ヨリ借入ルル市町村債及市町村ニ轉貸ノ爲主務大臣ノ許可ヲ得テ借入レタル府縣債ノ收入金ヨリ借入ルル當該市町村債ニ關スルコト
七 小學校舍ノ建築、增築、改築等ニ關スル費用、傳染病豫防費、急施ヲ要スル災害復舊工事費ニ充ツル爲借入ルル市町村債ニ關スルコト但シ小學校舍ノ爲ニスル市町村債ニシテ償還期限十年度ヲ超ユルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
八 借入ノ翌年度ニ於テ償還スル市町村債ニ關スルコト但シ借入金ヲ以テ償還スルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第六十條 市町村行政ニ關シ監督官廳ノ許可ヲ要スル事項中左ニ揭グルモノハ其ノ許可ヲ受クルコトヲ要セズ
一 耕地整理ノ爲市町村ノ境界ヲ變更スルコト但シ關係アル市町村會ノ意見ヲ異ニスルトキハ此ノ限ニ在ラズ
二 所屬未定地ヲ市町村又ハ市制第六條ノ市ノ區ノ區域ニ編入スルコト但シ關係アル市町村會又ハ區會ノ意見ヲ異ニスルトキハ此ノ限ニ在ラズ
三 公告式、印鑑、書類送達及建物證明、市町村ノ一部ノ區會又ハ區總會ニ關スル條例ヲ設ケ又ハ之ヲ改廢スルコト
四 公會堂、公園、水族館、動物園、植物園、鑛泉、幼兒哺育場、商品陳列所、勸業館、農業倉庫、殺蛹乾燥場、種畜、牛馬種付所、斃獸解剖場、獸醫、上屋、荷揚場、貯木場、土砂採取場、石材採取場、動力農具ノ管理及使用竝ニ使用料ニ關スル條例ヲ設ケ又ハ之ヲ改廢スルコト
五 積立金穀等ニ關スル條例ヲ設ケ若ハ之ヲ改廢シ又ハ使用料、手數料、加入金、特別稅及委員ニ關スル條例ヲ廢止スルコト
六 府縣制施行令第二十六條ノ規定ニ依リ府縣費ノ分賦ヲ受クル市ニ於テ明治十三年第十七號布告第一條及第二條ニ揭グル種類ト同種類ノ特別稅ノ賦課ニ關スル條例ヲ設ケ又ハ改正スルコト但シ漁業稅又ハ採藻稅ニシテ從來ノ慣例ヲ改正シ又ハ新ニ課稅スルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
七 三年度ヲ超エザル繼續費ヲ定メ又ハ其ノ年期內ニ於テ之ヲ變更スルコト
八 繼續費ヲ減額スルコト
九 市町村債ノ借入額ヲ減少シ利息ノ定率ヲ低減スルコト
十 市町村債ノ借入先ヲ變更シ又ハ債券發行ノ方法ニ依ル市町村債ヲ其ノ他ノ方法ニ依ル市町村債ニ變更スルコト
十一 市町村債ノ償還年限ヲ短縮シ又ハ其ノ償還年限ヲ延長セズシテ低利借替ヲ爲シ若ハ繰上償還ヲ爲スコト但シ外資ニ依リタル市町村債ノ借替又ハ外資ヲ以テスル借替ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
十二 市町村債ノ償還年限ヲ延長セズシテ不均等償還ヲ元利均等償還ニ變更シ又ハ年度內ノ償還期若ハ償還期數ヲ變更スルコト
第八章 市制第六條ノ市ノ區
第六十一條 府縣知事ハ市會ノ意見ヲ徵シ府縣參事會ノ議決ヲ經テ市條例ヲ設定シ新ニ區會ヲ設クルコトヲ得
第六十二條 區內ニ住所ヲ有スル市公民ハ總テ區會議員ノ選擧權ヲ有ス但シ公民權停止中ノ者又ハ市制第十一條ノ規定ニ該當スル者ハ此ノ限ニ在ラズ
第六十三條 區會議員ノ選擧權ヲ有スル市公民ハ區會議員ノ被選擧權ヲ有ス
在職ノ檢事、警察官吏及收稅官吏ハ被選擧權ヲ有セズ
選擧事務ニ關係アル官吏及市ノ有給吏員ハ其ノ關係區域內ニ於テ被選擧權ヲ有セズ
市ノ有給ノ吏員敎員其ノ他ノ職員ニシテ在職中ノ者ハ其ノ所屬區ノ區會議員ト相兼ヌルコトヲ得ズ
第六十四條 區會議員ハ市ノ名譽職トス
議員ノ任期ハ四年トシ總選擧ノ日ヨリ之ヲ起算ス
議員ノ定數ニ異動ヲ生ジタル爲解任ヲ要スル者アルトキハ區長抽籤シテ之ヲ定ム但シ闕員アルトキハ其ノ闕員ヲ以テ之ニ充ツベシ
前項但書ノ場合ニ於テ闕員ノ數解任ヲ要スル者ノ數ニ滿チザルトキハ其ノ不足ノ員數ニ付區長抽籤シテ解任スベキ者ヲ定メ闕員ノ數解任ヲ要スル者ノ數ヲ超ユルトキハ解任ヲ要スル者ニ充ツベキ闕員ハ最モ先ニ闕員ト爲リタル者ヨリ順次之ニ充テ闕員ト爲リタル時同ジキトキハ區長抽籤シテ之ヲ定ム
議員ノ定數ニ異動ヲ生ジタル爲新ニ選擧セラレタル議員ハ總選擧ニ依リ選擧セラレタル議員ノ任期滿了ノ日迄在任ス
第六十五條 區會ノ組織及區會議員ノ選擧ニ關シテハ前數條ニ定ムルモノノ外市制第十三條、第十七條及第二十條乃至第三十九條竝ニ本令第七條乃至第二十條ノ規定ヲ準用ス但シ市制第十三條第四項ノ規定ノ準用ニ依ル市條例ノ設定ニ付テハ市ハ區會ノ意見ヲ徵スベク、市制第三十二條及第三十四條ノ規定ノ準用ニ依ル報告ハ市長ヲ經テ之ヲ爲スベシ
第六十六條 第三章及第四章ノ規定ハ市制第三十九條ノ二ノ區ノ區會議員選擧ニ之ヲ準用ス
第六十七條 區會ノ職務權限ニ關シテハ市會ノ職務權限ニ關スル規定ヲ準用ス
區長ト區會トノ關係ニ付テハ市長ト市會トノ關係ニ關スル規定及市制第九十二條ノ規定ヲ準用ス
第六十八條 區會ヲ設ケザル區ニ於テハ區會ノ職務ハ市會之ヲ行フ
第六十九條 市ハ區會ノ意見ヲ徵シ區ノ營造物ニ關シ市條例又ハ市規則ヲ設クルコトヲ得
市制第百二十九條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
區ハ前二項ノ市條例ノ定ムル所ニ依リ區ノ營造物ノ使用ニ付使用料ヲ徵收シ又ハ過料ヲ科スルコトヲ得
第七十條 區ハ其ノ財產及營造物ニ關シ必要ナル費用ヲ支辨スル義務ヲ負フ
前項ノ支出ハ區ノ財產ヨリ生ズル收入、使用料其ノ他法令ニ依リ區ニ屬スル收入ヲ以テ之ニ充テ仍不足アルトキハ市ハ其ノ區ニ於テ特ニ賦課徵收スル市稅ヲ以テ之ニ充ツベシ
前項ノ市稅ニ付市會ノ議決スベキ事項ハ區會之ヲ議決ス但シ市ノ定メタル制限ヲ超ユルコトヲ得ズ
市制第九十八條第四項ノ規定ニ依リ市ノ負擔スル費用ニ付テハ前二項ノ規定ヲ準用ス
第七十一條 前數條ニ定ムルモノノ外區ニ關シテハ市制第百十四條、第百十五條、第百三十條第二項乃至第六項、第百三十一條第一項、第二項、第四項乃至第八項及第百三十三條乃至第百四十三條竝ニ本令第一條乃至第四條ノ規定ヲ準用ス但シ第百三十條第三項中市參事會トアルハ區會、第百四十一條第二項中名譽職參事會員トアルハ區會議員トス
前項ノ規定ニ依リ市制第百三十一條第一項ノ規定ヲ準用スル場合ニ於テハ市ハ區會ノ意見ヲ徵シ市條例ヲ定メ區ヲシテ手數料ヲ徵收セシムルコトヲ得
第七十二條 區ノ監督ニ付テハ市ノ監督ニ關スル規定ヲ準用ス
第九章 雜則
第七十三條 市町村組合又ハ町村組合ニ關シテハ第一條乃至第四條ノ規定ニ拘ラズ組合規約ニ於テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
第七十四條 本令中府縣、府縣知事又ハ府縣參事會ニ關スル規定ハ北海道ニ付テハ各北海道、北海道廳長官又ハ北海道參事會ニ、本令第一章中町村長又ハ町村條例ニ關スル規定ハ北海道ニ付テハ各町村長又ハ町村條例ニ準ズベキモノニ之ヲ適用ス
附 則
本令中公民權及議員選擧ニ關スル規定ハ次ノ總選擧ヨリ、其ノ他ノ規定ハ大正十五年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
左ノ勅令ハ之ヲ廢止ス
明治四十四年勅令第二百四十號
明治四十四年勅令第二百四十一號
明治四十四年勅令第二百四十四號
明治四十四年勅令第二百四十五號
明治四十四年勅令第二百四十八號
大正九年勅令第百六十八號
大正十年勅令第四百十二號
從前ノ規定ニ依ル手續其ノ他ノ行爲ハ本令ニ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外之ヲ本令ニ依リ爲シタルモノト看做ス
大正十年勅令第四百十二號第二條ノ規定ニ依リ爲シタル許可ノ申請ニシテ大正十五年六月三十日迄ニ許可ヲ得ザルモノハ之ヲ本令第五十九條ノ規定ニ依リ府縣知事ニ爲シタル許可ノ申請ト看做ス
大正十五年市制中改正法律又ハ同年町村制中改正法律中選擧ニ關スル規定ノ施行セラレタル市町村及未ダ施行セラレザル市町村ノ區域ノ境界ニ涉リ市町村ノ廢置分合又ハ境界變更アリタル場合ニ於テ右選擧ニ關スル規定ノ施行セラレザリシ市町村ノ區域ニ屬シタル地域ニ關シ必要ナル選擧人名簿ハ其ノ地域ノ新ニ屬シタル市町村ノ市町村長之ヲ調製スベシ、此ノ場合ニ於テハ大正十五年市制中改正法律附則第二項又ハ同年町村制中改正法律附則第四項ノ例ニ依ル
明治四十四年勅令第二百四十五號第四條又ハ大正九年勅令第百六十八號第四條ノ規定ニ依リ爲シタル決定又ハ裁決ニ對スル訴願又ハ訴訟ノ提起期間ハ決定又ハ裁決アリタル日ノ翌日ヨリ之ヲ起算ス
從前市町村長ニ爲シタル申請ニシテ大正十五年六月三十日迄ニ市參事會又ハ町村會ノ決定ニ付セラレザルモノニ付テハ第五十七條第二項ノ期間ハ同年七月一日ヨリ之ヲ起算ス
從前市參事會若ハ町村會ノ決定ニ付セラレタル申請又ハ府縣參事會ニ於テ受理シタル訴願ニシテ大正十五年六月三十日迄ニ決定又ハ裁決ナキモノニ付テハ第三十六條第三項竝ニ第五十七條第二項及第六項ノ期間ハ同年七月一日ヨリ之ヲ起算ス
本令ニ依リ初メテ區會議員ヲ選擧スル場合ニ於テ必要ナル選擧人名簿ニ關シ市制第二十一條乃至第二十一條ノ五ノ規定ノ準用ニ依ル期日又ハ期間ニ依リ難キトキハ命令ヲ以テ別ニ其ノ期日又ハ期間ヲ定ム但シ其ノ選擧人名簿ハ次ノ選擧人名簿確定迄其ノ效力ヲ有ス
本令中公民權及議員選擧ニ關スル規定施行ノ際大正十五年府縣制中改正法律中議員選擧ニ關スル規定若ハ同年市制中改正法律中公民權及議員選擧ニ關スル規定又ハ同年勅令第三號衆議院議員選擧法施行令未ダ施行セラレザル場合ニ於テハ本令ノ適用ニ付テハ同規定又ハ同令ハ旣ニ施行セラレタルモノト看做ス
別表
點字
備考 (右側ノ記載ハ各點字ノ發音ヲ示スモノトス)
朕市制町村制施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
摂政名
大正十五年六月二十四日
内閣総理大臣 若槻礼次郎
内務大臣 浜口雄幸
勅令第二百一号
市制町村制施行令
第一章 総則
第一条 市町村ノ設置アリタル場合ニ於テハ市町村長ノ臨時代理者又ハ職務管掌ノ官吏ハ歳入歳出予算ガ市町村会ノ議決ヲ経テ成立スルニ至ル迄ノ間必要ナル収支ニ付予算ヲ設ケ府県知事ノ許可ヲ受クベシ
第二条 市町村ノ設置アリタル場合ニ於テハ府県知事ハ必要ナル事項ニ付市町村条例ノ設定施行セラルルニ至ル迄ノ間従来其ノ地域ニ施行セラレタル市町村条例ヲ市町村ノ条例トシテ当該地域ニ引続キ施行スルコトヲ得
第三条 市町村ノ廃置分合アリタル場合ニ於テハ其ノ地域ノ新ニ属シタル市町村其ノ事務ヲ承継ス、其ノ地域ニ依リ難キトキハ府県知事ハ事務ノ分界ヲ定メ又ハ承継スベキ市町村ヲ指定ス
前項ノ場合ニ於テ消滅シタル市町村ノ収支ハ消滅ノ日ヲ以テ打切リ其ノ市町村長(又ハ市町村長ノ職務ヲ行フ者)タリシ者之ヲ決算ス
前項ノ決算ハ事務ヲ承継シタル各市町村ノ市町村長之ヲ市町村会ノ認定ニ付スベシ
市制第百四十二条第三項又ハ町村制第百二十二条第四項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四条 市町村ノ境界変更アリタル為事務ノ分割ヲ要スルトキハ其ノ事務ノ承継ニ付テハ府県知事之ヲ定ム
第五条 市制第八十二条第三項ノ市ニ於テ新ニ区ヲ画シ又ハ其ノ区域ヲ変更セントスルトキハ市ハ内務大臣ノ許可ヲ受クベシ
第六条 市制第十一条及町村制第九条ノ規定ニ依リ除外スベキ学生生徒左ノ如シ
一 陸軍各部依託学生生徒
二 海軍軍医学生薬剤学生主計学生造船学生造機学生造兵学生並ニ海軍予備生徒及海軍予備練習生
第二章 市町村会議員ノ選挙
第七条 市制第二十一条ノ五第三項又ハ町村制第十八条ノ五第三項ノ規定ニ依リ選挙人名簿ノ調製、縦覧、確定及異議申立ニ対スル市町村会ノ決定ニ関スル期日及期間ヲ定メタルトキハ府県知事ハ直ニ之ヲ告示スベシ
第八条 市町村ノ境界変更アリタル場合ニ於テハ市町村長ハ選挙人名簿ヲ分割シ其ノ部分ヲ其ノ地域ノ新ニ属シタル市町村ノ市町村長ニ送付スベシ
市町村ノ廃置分合アリタル場合ニ於テ名簿ノ分割ヲ以テ足ルトキハ前項ノ例ニ依リ、其ノ他ノ場合ニ於テハ従前ノ市町村ノ市町村長(又ハ市町村長ノ職務ヲ行フ者)タリシ者ハ直ニ其ノ地域ノ新ニ属シタル市町村ノ市町村長ニ選挙人名簿ヲ送付スベシ
市町村長選挙人名簿ノ送付ヲ受ケタルトキハ直ニ其ノ旨ヲ告示シ併セテ之ヲ府県知事ニ報告スベシ
第九条 前条ノ規定ニ依リ送付ヲ受ケタル選挙人名簿ハ市町村ノ廃置分合又ハ境界変更ニ係ル地域ノ新ニ属シタル市町村ノ選挙人名簿ト看做ス
第十条 第八条ノ規定ニ依リ送付ヲ受ケタル選挙人名簿確定前ナルトキハ名簿ノ縦覧、確定及異議申立ニ対スル市町村会ノ決定ニ関スル期日及期間ハ府県知事ノ定ムル所ニ依ル
前項ノ規定ニ依リ期日及期間ヲ定メタルトキハ府県知事ハ直ニ之ヲ告示スベシ
第十一条 市制第二十五条第六項又ハ町村制第二十二条第六項ノ規定ニ依リ盲人ガ投票ニ関スル記載ニ使用スルコトヲ得ル点字ハ別表ヲ以テ之ヲ定ム
点字ニ依リ投票ヲ為サントスル選挙人ハ選挙長又ハ投票分会長ニ対シ其ノ旨ヲ申立ツベシ、此ノ場合ニ於テハ選挙長又ハ投票分会長ハ投票用紙ニ点字投票ナル旨ノ印ヲ押捺シテ交付スベシ
点字ニ依ル投票ノ拒否ニ付テハ市制第二十五条ノ三又ハ町村制第二十二条ノ三ノ例ニ依ル、此ノ場合ニ於テハ封筒ニ点字投票ナル旨ノ印ヲ押捺シテ交付スベシ
前項ノ規定ニ依リ仮ニ為サシメタル投票ハ市制第二十七条ノ二第二項及第三項又ハ町村制第二十四条ノ二第二項及第三項ノ規定ノ適用ニ付テハ市制第二十五条ノ三第二項及第四項又ハ町村制第二十二条ノ三第二項及第四項ノ投票ト看做ス
第十二条 市制第二十七条ノ四又ハ町村制第二十四条ノ四ノ規定ニ依リ開票分会ヲ設ケタルトキハ市町村長ハ直ニ其ノ区画及開票分会場ヲ告示スベシ
第十三条 開票分会ハ市町村長ノ指名シタル吏員開票分会長ト為リ之ヲ開閉シ其ノ取締ニ任ズ
第十四条 開票分会ノ区画内ノ投票分会ニ於テ為シタル投票ハ投票分会長少クトモ一人ノ投票立会人ト共ニ投票函ノ儘投票録及選挙人名簿ノ抄本ト併セテ之ヲ開票分会長ニ送致スベシ
第十五条 投票ノ点検終リタルトキハ開票分会長ハ直ニ其ノ結果ヲ選挙長ニ報告スベシ
第十六条 開票分会長ハ開票録ヲ作リ開票ニ関スル顛末ヲ記載シ之ヲ朗読シ二人以上ノ開票立会人ト共ニ之ニ署名シ直ニ投票録及投票ト併セテ之ヲ選挙長ニ送致スベシ
第十七条 選挙長ハ総テノ開票分会長ヨリ第十五条ノ報告ヲ受ケタル日若ハ其ノ翌日(又ハ総テノ投票函ノ送致ヲ受ケタル日若ハ其ノ翌日)選挙会ニ於テ選挙立会人立会ノ上其ノ報告ヲ調査シ市制第二十七条ノ二第三項又ハ町村制第二十四条ノ二第三項ノ規定ニ依リ為シタル点検ノ結果ト併セテ各被選挙人(市制第三十九条ノ二ノ市ニ於テハ各議員候補者)ノ得票総数ヲ計算スベシ
第十八条 選挙ノ一部無効ト為リ更ニ選挙ヲ行ヒタル場合ニ於テハ選挙長ハ前条ノ規定ニ準ジ其ノ部分ニ付前条ノ手続ヲ為シ他ノ部分ニ於ケル各被選挙人(市制第三十九条ノ二ノ市ニ於テハ各議員候補者)ノ得票数ト併セテ其ノ得票総数ヲ計算スベシ
第十九条 開票分会ヲ設ケタル場合ニ於テハ市町村長ハ市制第三十二条第一項又ハ町村制第二十九条第一項ノ報告ニ開票録ノ写ヲ添附スベシ
第二十条 市制第二十三条第五項及第六項並ニ町村制第二十条第四項及第五項ノ規定ハ開票立会人ニ、市制第二十四条第一項及第二項並ニ町村制第二十一条第一項及第二項ノ規定ハ開票分会場ニ、市制第二十七条ノ二、第二十七条ノ三及第二十九条並ニ町村制第二十四条ノ二、第二十四条ノ三及第二十六条ノ規定ハ開票分会ニ於ケル開票ニ之ヲ準用ス
第二十一条 市制第八十二条第三項ノ市ハ其ノ区ヲ以テ選挙区ト為シタル場合ニ於テハ市制第二章第一款(第十六条第三項ノ規定ヲ除ク)及本令第二十二条ノ規定ノ適用ニ付テハ之ヲ市制第六条ノ市ト看做ス
第三章 市制第三十九条ノ二ノ市ノ市会議員ノ選挙ニ関スル特例
第二十二条 議員候補者ハ選挙人名簿(選挙区アル場合ニ於テハ当該選挙区ノ選挙人名簿)ニ登録セラレタル者ノ中ヨリ本人ノ承諾ヲ得テ選挙立会人一人ヲ定メ選挙ノ期日ノ前日迄ニ市長(市制第六条ノ市ニ於テハ区長)ニ届出ヅルコトヲ得但シ議員候補者死亡シ又ハ議員候補者タルコトヲ辞シタルトキハ其ノ届出デタル選挙立会人ハ其ノ職ヲ失フ
前項ノ規定ニ依ル選挙立会人三人ニ達セザルトキ若ハ三人ニ達セザルニ至リタルトキ又ハ選挙立会人ニシテ参会スル者選挙会ヲ開クベキ時刻ニ至リ三人ニ達セザルトキ若ハ其ノ後三人ニ達セザルニ至リタルトキハ市長(市制第六条ノ市ニ於テハ区長)ハ選挙人名簿(選挙区アルトキハ当該選挙区ノ選挙人名簿)ニ登録セラレタル者ノ中ヨリ三人ニ達スル迄ノ選挙立会人ヲ選任シ直ニ之ヲ本人ニ通知シ選挙ニ立会ハシムベシ
前二項ノ規定ハ投票立会人及開票立会人ニ之ヲ準用ス但シ選挙人名簿ニ登録セラレタル者トアルハ分会ノ区画内ニ於ケル選挙人名簿ニ登録セラレタル者トス
第二十三条 市制第二十五条第五項及第七項ノ規定中被選挙人トアルハ議員候補者トシ同規定ヲ適用ス
第二十四条 投票ノ拒否ハ選挙立会人又ハ投票立会人ノ意見ヲ聴キ選挙長又ハ投票分会長之ヲ決定スベシ
市制第二十五条ノ三第二項乃至第四項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス但シ投票分会長又ハ投票立会人トアルハ投票立会人トス
第二十五条 市制第二十八条ノ規定中被選挙人トアルハ議員候補者トシ同規定ヲ適用ス
前項ノ規定ニ依ルノ外議員候補者ニ非ザル者ノ氏名ヲ記載シタル投票ハ之ヲ無効トス
第二十六条 投票ノ効力ハ選挙立会人又ハ開票立会人ノ意見ヲ聴キ選挙長又ハ開票分会長之ヲ決定スベシ
第二十七条 市制第三十三条第一項ノ規定ハ同項第六号トシテ左ノ一号ヲ加ヘ之ヲ適用ス
六 府県制第三十四条ノ二ノ規定ノ準用ニ依ル訴訟ノ結果当選無効ト為リタルトキ
第二十八条 市制第三十六条第一項ノ規定中選挙人トアルハ選挙人又ハ議員候補者トシ同規定ヲ適用ス
第四章 市制第三十九条ノ二ノ市ノ市会議員ノ選挙運動及其ノ費用並ニ公立学校等ノ設備ノ使用
第二十九条 選挙事務所ハ議員候補者一人ニ付議員ノ定数(選挙区アル場合ニ於テハ当該選挙区ノ配当議員数)ヲ以テ選挙人名簿(選挙区アル場合ニ於テハ当該選挙区ノ選挙人名簿)確定ノ日ニ於テ之ニ登録セラレタル者ノ総数ヲ除シテ得タル数一千以上ナルトキハ二箇所ヲ、一千未満ナルトキハ一箇所ヲ超ユルコトヲ得ズ
選挙ノ一部無効ト為リ更ニ選挙ヲ行フ場合又ハ市制第二十二条第四項ノ規定ニ依リ投票ヲ行フ場合ニ於テハ選挙事務所ハ前項ノ規定ニ依ル数ヲ超エザル範囲内ニ於テ府県知事(東京府ニ於テハ警視総監)ノ定メタル数ヲ超ユルコトヲ得ズ
府県知事(東京府ニ於テハ警視総監)ハ選挙ノ期日ノ告示アリタル後直ニ前二項ノ規定ニ依ル選挙事務所ノ数ヲ告示スベシ
第三十条 選挙委員及選挙事務員ハ議員候補者一人ニ付議員ノ定数(選挙区アル場合ニ於テハ当該選挙区ノ配当議員数)ヲ以テ選挙人各簿(選挙区アル場合ニ於テハ当該選挙区ノ選挙人名簿)確定ノ日ニ於テ之ニ登録セラレタル者ノ総数ヲ除シテ得タル数一千以上ナルトキハ通ジテ十五人ヲ、一千未満ナルトキハ通ジテ十人ヲ超ユルコトヲ得ズ
前条第二項及第三項ノ規定ハ選挙委員及選挙事務員ニ之ヲ準用ス
第三十一条 選挙運動ノ費用ハ議員候補者一人ニ付左ノ各号ノ額ヲ超ユルコトヲ得ズ
一 議員ノ定数(選挙区アル場合ニ於テハ当該選挙区ノ配当議員数)ヲ以テ選挙人名簿(選挙区アル場合ニ於テハ当該選挙区ノ選挙人名簿)確定ノ日ニ於テ之ニ登録セラレタル者ノ総数ヲ除シテ得タル数ヲ四十銭ニ乗ジテ得タル額但シ三百円未満ナルモノハ三百円トス
二 選挙ノ一部無効ト為リ更ニ選挙ヲ行フ場合ニ於テハ議員ノ定数(選挙区アル場合ニ於テハ当該選挙区ノ配当議員数)ヲ以テ選挙人名簿(選挙区アル場合ニ於テハ当該選挙区ノ選挙人名簿)確定ノ日ニ於テ関係区域ノ選挙人名簿ニ登録セラレタル者ノ総数ヲ除シテ得タル数ヲ四十銭ニ乗ジテ得タル額
三 市制第二十二条第四項ノ規定ニ依リ投票ヲ行フ場合ニ於テハ前号ノ規定ニ準ジテ算出シタル額但シ府県知事(東京府ニ於テハ警視総監)必要アリト認ムルトキハ之ヲ減額スルコトヲ得
府県知事(東京府ニ於テハ警視総監)ハ選挙ノ期日ノ告示アリタル後直ニ前項ノ規定ニ依ル額ヲ告示スベシ
第三十二条 衆議院議員選挙法施行令第八章、第九章及第十二章ノ規定ハ市制第三十九条ノ二ノ市ノ市会議員選挙ニ之ヲ準用ス
第五章 市町村吏員ノ賠償責任及身元保証
第三十三条 市町村吏員其ノ管掌ニ属スル現金、証券其ノ他ノ財産ヲ亡失又ハ毀損シタルトキハ市町村ハ期間ヲ指定シ其ノ損害ヲ賠償セシムベシ但シ避クベカラザル事故ニ原因シタルトキ又ハ他ノ者ノ使用ニ供シタル場合ニ於テ合規ノ監督ヲ怠ラザリシトキハ市町村ハ其ノ賠償ノ責任ヲ免除スベシ
第三十四条 収入役、副収入役若ハ収入役代理者又ハ収入役ノ事務ヲ兼掌スル町村長若ハ助役市制第百三十九条第二項又ハ町村制第百十九条第二項ノ規定ニ違反シテ支出ヲ為シタルトキハ市町村ハ期間ヲ指定シ之ニ因リテ生ジタル損害ヲ賠償セシムベシ区収入役、区副収入役又ハ区収入役代理者ニ付亦同ジ
第三十五条 市町村吏員其ノ執務上必要ナル物品ノ交付ヲ受ケ故意又ハ怠慢ニ因リ之ヲ亡失又ハ毀損シタルトキハ市町村ハ期間ヲ指定シ其ノ損害ヲ賠償セシムベシ
第三十六条 前三条ノ処分ヲ受ケタル者其ノ処分ニ不服アルトキハ府県参事会ニ訴願シ其ノ裁決ニ不服アルトキハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
前項ノ裁決ニ付テハ府県知事又ハ市町村ヨリモ訴訟ヲ提起スルコトヲ得
府県参事会訴願ヲ受理シタルトキハ其ノ日ヨリ三月以内ニ之ヲ裁決スベシ
市制第百六十条第一項乃至第三項又ハ町村制第百四十条第一項乃至第三項ノ規定ハ第一項及第二項ノ訴願及訴訟ニ之ヲ準用ス
第三十七条 賠償金ノ徴収ニ関シテハ市制第百三十一条又ハ町村制第百十一条ノ例ニ依ル
第三十八条 市町村吏員ニ対シ身元保証ヲ徴スルノ必要アリト認ムルトキハ市町村ハ其ノ種類、価格、程度其ノ他必要ナル事項ヲ定ムベシ
第三十九条 本章中市町村ニ関スル規定ハ市制第六条ノ市ノ区及市制第百四十四条ノ市ノ一部及町村制第百二十四条ノ町村ノ一部ニ之ヲ準用ス
第六章 市町村税ノ賦課徴収
第四十条 市町村ノ内外ニ於テ営業所ヲ設ケ営業ヲ為ス者ニシテ其ノ営業又ハ収入ニ対スル本税ヲ分別シテ納メザル者ニ対シ附加税ヲ賦課セントスルトキハ市町村長ハ関係市長又ハ町村長(町村長ニ準ズベキ者ヲ含ム)ト協議ノ上其ノ本税額ノ歩合ヲ定ムベシ
前項ノ協議調ハザルトキハ府県知事之ヲ定メ其ノ数府県ニ渉ルモノハ内務大臣及大蔵大臣之ヲ定ムベシ
第一項ノ場合ニ於テ直接ニ収入ヲ生ズルコトナキ営業所アルトキハ他ノ営業所ト収入ヲ共通スルモノト認メ前二項ノ規定ニ依リ本税額ノ歩合ヲ定ムベシ
府県ニ於テ数府県ニ渉ル営業又ハ其ノ収入ニ対シ営業税附加税、営業収益税附加税又ハ所得税附加税賦課ノ歩合ヲ定メタルモノアルトキハ其ノ歩合ニ依ル本税額ヲ以テ其ノ府県ニ於ケル本税額ト看做ス
第四十一条 鉱区(砂鉱区域ヲ含ム以下之ニ同ジ)ガ市町村ノ内外ニ渉ル場合ニ於テ鉱区税(砂鉱区税ヲ含ム)ノ附加税ヲ賦課セントスルトキハ鉱区ノ属スル地表ノ面積ニ依リ其ノ本税額ヲ分割シ其ノ一部ニノミ賦課スベシ
市町村ノ内外ニ於テ鉱業ニ関スル事務所其ノ他ノ営業所ヲ設ケタル場合ニ於テ鉱産税ノ附加税ヲ賦課セントスルトキハ前条ノ例ニ依ル、鉱区ガ営業所所在ノ市町村ノ内外ニ渉ル場合亦同ジ
第四十二条 住所滞在ガ市町村ノ内外ニ渉ル者ノ収入ニシテ土地家屋物件又ハ営業所ヲ設ケタル営業ヨリ生ズル収入ニ非ザルモノニ対シ市町村税ヲ賦課セントスルトキハ其ノ収入ヲ平分シ其ノ一部ニノミ賦課スベシ
前項ノ住所又ハ滞在ガ其ノ時ヲ異ニシタルトキハ納税義務ノ発生シタル翌月ノ初メヨリ其ノ消滅シタル月ノ終迄月割ヲ以テ賦課スベシ但シ賦課後納税義務者ノ住所又ハ滞在ニ異動ヲ生ズルモ賦課額ハ変更セズ其ノ新ニ住所ヲ有シ又ハ滞在スル市町村ニ於テハ賦課ナキ部分ニノミ賦課スベシ
住所滞在ガ同一府県内ノ市町村ノ内外ニ渉ル者其ノ住所又ハ滞在ノ時ヲ異ニシタル場合ニ於テ其ノ者ニ対シ戸数割附加税ヲ賦課セントスルトキハ前項ノ規定ヲ準用ス
第四十三条 市町村税ヲ徴収セントスルトキハ市町村長ハ徴税令書ヲ納税人ニ交付スベシ
第四十四条 徴税令書ヲ受ケタル納税人納期内ニ税金ヲ完納セザルトキハ市町村長ハ直ニ督促状ヲ発スベシ
第四十五条 督促ヲ為シタル場合ニ於テハ一日ニ付税金額ノ万分ノ四以内ニ於テ市町村ノ定ムル割合ヲ以テ納期限ノ翌日ヨリ税金完納又ハ財産差押ノ日ノ前日迄ノ日数ニ依リ計算シタル延滞金ヲ徴収スベシ但シ左ノ各号ノ一ニ該当スル場合又ハ滞納ニ付市町村長ニ於テ酌量スベキ情状アリト認ムルトキハ此ノ限ニ在ラズ
一 令書一通ノ税金額五円未満ナルトキ
二 納期ヲ繰上ゲ徴収ヲ為ストキ
三 納税者ノ住所及居所ガ帝国内ニ在ラザル為又ハ共ニ不明ナル為公示送達ノ方法ニ依リ納税ノ命令又ハ督促ヲ為シタルトキ
督促状ノ指定期限迄ニ税金及督促手数料ヲ完納シタルトキハ延滞金ハ之ヲ徴収セズ
第四十六条 納税人左ノ場合ニ該当スルトキハ徴税令書ヲ交付シタル市町村税ニ限リ納期前ト雖モ之ヲ徴収スルコトヲ得
一 国税徴収法ニ依ル滞納処分ヲ受クルトキ
二 強制執行ヲ受クルトキ
三 破産ノ宣告ヲ受ケタルトキ
四 競売ノ開始アリタルトキ
五 法人ガ解散ヲ為シタルトキ
六 納税人脱税又ハ逋税ヲ謀ルノ所為アリト認ムルトキ
第四十七条 相続開始ノ場合ニ於テハ市町村税、督促手数料、延滞金及滞納処分費ハ相続財団又ハ相続人ヨリ之ヲ徴収スベシ但シ戸主ノ死亡以外ノ原因ニ依リ家督相続ノ開始アリタルトキハ被相続人ヨリモ之ヲ徴収スルコトヲ得
国籍喪失ニ因ル相続人又ハ限定承認ヲ為シタル相続人ハ相続ニ因リテ得タル財産ヲ限度トシテ市町村税、督促手数料、延滞金及滞納処分費ヲ納付スルノ義務ヲ有ス
法人合併ノ場合ニ於テハ合併ニ因リ消滅シタル法人ノ納付スベキ市町村税、督促手数料、延滞金及滞納処分費ハ合併後存続スル法人又ハ合併ニ因リ設立シタル法人ヨリ之ヲ徴収スベシ
第四十八条 共有物、共同事業、共同事業ニ因リ生ジタル物件又ハ共同行為ニ係ル市町村税、督促手数料、延滞金及滞納処分費ハ納税者連帯シテ其ノ義務ヲ負担ス
第四十九条 同一年度ノ市町村税ニシテ既納ノ税金過納ナルトキハ爾後ノ納期ニ於テ徴収スベキ同一税目ノ税金ニ充ツルコトヲ得
第五十条 納税義務者納税地ニ住所又ハ居所ヲ有セザルトキハ納税ニ関スル事項ヲ処理セシムル為納税管理人ヲ定メ市町村長ニ申告スベシ其ノ納税管理人ヲ変更シタルトキ亦同ジ
第五十一条 徴税令書、督促状及滞納処分ニ関スル書類ハ名宛人ノ住所又ハ居所ニ送達ス名宛人ガ相続財団ニシテ財産管理人アルトキハ財産管理人ノ住所又ハ居所ニ送達ス
納税管理人アルトキハ納税ノ告知及督促ニ関スル書類ニ限リ其ノ住所又ハ居所ニ送達ス
第五十二条 書類ノ送達ヲ受クベキ者ガ其ノ住所若ハ居所ニ於テ書類ノ受取ヲ拒ミタルトキ又ハ其ノ者ノ住所及居所ガ帝国内ニ在ラザルトキ若ハ共ニ不明ナルトキハ書類ノ要旨ヲ公告シ公告ノ初日ヨリ七日ヲ経過シタルトキハ書類ノ送達アリタルモノト看做ス
第五十三条 市町村ハ内務大臣及大蔵大臣ノ指定シタル市町村税ニ付テハ其ノ徴収ノ便宜ヲ有スル者ヲシテ之ヲ徴収セシムルコトヲ得
前項ノ市町村税ノ徴収ニ付テハ第四十三条ノ規定ニ依ラザルコトヲ得
第五十四条 前条第一項ノ規定ニ依リ市町村税ヲ徴収セシムル場合ニ於テハ納税人ハ其ノ税金ヲ徴収義務者ニ払込ムニ依リテ納税ノ義務ヲ了ス
第五十五条 第五十三条第一項ノ規定ニ依ル徴収義務者ハ徴収スベキ市町村税ヲ市町村長ノ指定シタル期日迄ニ市町村ニ払込ムベシ、其ノ期日迄ニ払込マザルトキハ市町村長ハ相当ノ期限ヲ指定シ督促状ヲ発スベシ
第五十六条 市町村ハ前条ノ徴収ノ費用トシテ払込金額ノ百分ノ四ヲ徴収義務者ニ交付スベシ
第五十七条 第五十三条第一項ノ規定ニ依ル徴収義務者避クベカラザル災害ニ依リ既収ノ税金ヲ失ヒタルトキハ其ノ税金払込義務ノ免除ヲ市町村長ニ申請スルコトヲ得
市町村長前項ノ申請ヲ受ケタルトキハ七日以内ニ市参事会又ハ町村会ノ決定ニ付スベシ市参事会又ハ町村会ハ其ノ送付ヲ受ケタル日ヨリ三月以内ニ之ヲ決定スベシ
前項ノ決定ニ不服アル者ハ府県参事会ニ訴願シ其ノ裁決又ハ第四項ノ裁決ニ不服アル者ハ内務大臣ニ訴願スルコトヲ得
第二項ノ決定ニ付テハ市町村長ヨリモ訴願ヲ提起スルコトヲ得
前二項ノ裁決ニ付テハ市町村長又ハ府県知事ヨリモ内務大臣ニ訴願スルコトヲ得
府県参事会訴願ヲ受理シタルトキハ其ノ日ヨリ三月以内ニ之ヲ裁決スベシ
市制第百六十条第一項乃至第三項又ハ町村制第百四十条第一項乃至第三項ノ規定ハ第三項乃至第五項ノ訴願ニ之ヲ準用ス
第二項ノ決定ハ文書ヲ以テ之ヲ為シ其ノ理由ヲ附シ之ヲ本人ニ交付スベシ
第五十八条 第四十五条乃至第四十八条ノ規定ハ第五十三条第一項ノ規定ニ依リ市町村税ヲ徴収セシムル場合ノ払込金ニ之ヲ準用ス
第七章 市町村ノ監督
第五十九条 市町村行政ニ関シ主務大臣ノ許可ヲ要スル事項中左ニ掲グルモノハ府県知事之ヲ許可スベシ
一 基本財産、特別基本財産、造林、伝染病予防救治ニ関スル一時給与金、有給吏員ノ年功加俸、退隠料、退職給与金、療治料、救助金、手当金、死亡給与金、弔祭料及遺族扶助料並ニ市町村助役ノ定数増加、町村長及町村助役ノ有給、市町村副収入役ノ設置、委員ノ組織及学務委員ニ関スル条例ヲ設ケ又ハ改正スルコト
二 著シク人口ノ増減アリタルニ因リ議員ノ定数増減ニ関スル町村条例ヲ設ケ又ハ改正スルコト
三 浴場、共同宿泊所、病院、消毒所住、宅、産婆、胞衣及産穢物焼却場、市場、屠場、墓地、火葬場、桟橋、林野、土地、通船、用水、溜池其ノ他之ニ類スルモノノ管理及使用並ニ其ノ使用料ニ関スル条例ヲ設ケ又ハ改正スルコト
四 手数料又ハ加入金ニ関スル条例ヲ設ケ又ハ改正スルコト
五 特別税段別割又ハ特別税戸数割ヲ新設シ、増額シ又ハ変更スルコト及之ニ関スル条例ヲ設ケ又ハ改正スルコト但シ特別税段別割ニ付テハ大正九年勅令第二百八十二号ニ依リ府県知事ニ於テ許可スル課税ノ限度ヲ超エザルモノニ限ル
六 府県ノ基金又ハ教育資金ヨリ借入ルル市町村債及市町村ニ転貸ノ為主務大臣ノ許可ヲ得テ借入レタル府県債ノ収入金ヨリ借入ルル当該市町村債ニ関スルコト
七 小学校舎ノ建築、増築、改築等ニ関スル費用、伝染病予防費、急施ヲ要スル災害復旧工事費ニ充ツル為借入ルル市町村債ニ関スルコト但シ小学校舎ノ為ニスル市町村債ニシテ償還期限十年度ヲ超ユルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
八 借入ノ翌年度ニ於テ償還スル市町村債ニ関スルコト但シ借入金ヲ以テ償還スルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第六十条 市町村行政ニ関シ監督官庁ノ許可ヲ要スル事項中左ニ掲グルモノハ其ノ許可ヲ受クルコトヲ要セズ
一 耕地整理ノ為市町村ノ境界ヲ変更スルコト但シ関係アル市町村会ノ意見ヲ異ニスルトキハ此ノ限ニ在ラズ
二 所属未定地ヲ市町村又ハ市制第六条ノ市ノ区ノ区域ニ編入スルコト但シ関係アル市町村会又ハ区会ノ意見ヲ異ニスルトキハ此ノ限ニ在ラズ
三 公告式、印鑑、書類送達及建物証明、市町村ノ一部ノ区会又ハ区総会ニ関スル条例ヲ設ケ又ハ之ヲ改廃スルコト
四 公会堂、公園、水族館、動物園、植物園、鉱泉、幼児哺育場、商品陳列所、勧業館、農業倉庫、殺蛹乾燥場、種畜、牛馬種付所、斃獣解剖場、獣医、上屋、荷揚場、貯木場、土砂採取場、石材採取場、動力農具ノ管理及使用並ニ使用料ニ関スル条例ヲ設ケ又ハ之ヲ改廃スルコト
五 積立金穀等ニ関スル条例ヲ設ケ若ハ之ヲ改廃シ又ハ使用料、手数料、加入金、特別税及委員ニ関スル条例ヲ廃止スルコト
六 府県制施行令第二十六条ノ規定ニ依リ府県費ノ分賦ヲ受クル市ニ於テ明治十三年第十七号布告第一条及第二条ニ掲グル種類ト同種類ノ特別税ノ賦課ニ関スル条例ヲ設ケ又ハ改正スルコト但シ漁業税又ハ採藻税ニシテ従来ノ慣例ヲ改正シ又ハ新ニ課税スルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
七 三年度ヲ超エザル継続費ヲ定メ又ハ其ノ年期内ニ於テ之ヲ変更スルコト
八 継続費ヲ減額スルコト
九 市町村債ノ借入額ヲ減少シ利息ノ定率ヲ低減スルコト
十 市町村債ノ借入先ヲ変更シ又ハ債券発行ノ方法ニ依ル市町村債ヲ其ノ他ノ方法ニ依ル市町村債ニ変更スルコト
十一 市町村債ノ償還年限ヲ短縮シ又ハ其ノ償還年限ヲ延長セズシテ低利借替ヲ為シ若ハ繰上償還ヲ為スコト但シ外資ニ依リタル市町村債ノ借替又ハ外資ヲ以テスル借替ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
十二 市町村債ノ償還年限ヲ延長セズシテ不均等償還ヲ元利均等償還ニ変更シ又ハ年度内ノ償還期若ハ償還期数ヲ変更スルコト
第八章 市制第六条ノ市ノ区
第六十一条 府県知事ハ市会ノ意見ヲ徴シ府県参事会ノ議決ヲ経テ市条例ヲ設定シ新ニ区会ヲ設クルコトヲ得
第六十二条 区内ニ住所ヲ有スル市公民ハ総テ区会議員ノ選挙権ヲ有ス但シ公民権停止中ノ者又ハ市制第十一条ノ規定ニ該当スル者ハ此ノ限ニ在ラズ
第六十三条 区会議員ノ選挙権ヲ有スル市公民ハ区会議員ノ被選挙権ヲ有ス
在職ノ検事、警察官吏及収税官吏ハ被選挙権ヲ有セズ
選挙事務ニ関係アル官吏及市ノ有給吏員ハ其ノ関係区域内ニ於テ被選挙権ヲ有セズ
市ノ有給ノ吏員教員其ノ他ノ職員ニシテ在職中ノ者ハ其ノ所属区ノ区会議員ト相兼ヌルコトヲ得ズ
第六十四条 区会議員ハ市ノ名誉職トス
議員ノ任期ハ四年トシ総選挙ノ日ヨリ之ヲ起算ス
議員ノ定数ニ異動ヲ生ジタル為解任ヲ要スル者アルトキハ区長抽籤シテ之ヲ定ム但シ闕員アルトキハ其ノ闕員ヲ以テ之ニ充ツベシ
前項但書ノ場合ニ於テ闕員ノ数解任ヲ要スル者ノ数ニ満チザルトキハ其ノ不足ノ員数ニ付区長抽籤シテ解任スベキ者ヲ定メ闕員ノ数解任ヲ要スル者ノ数ヲ超ユルトキハ解任ヲ要スル者ニ充ツベキ闕員ハ最モ先ニ闕員ト為リタル者ヨリ順次之ニ充テ闕員ト為リタル時同ジキトキハ区長抽籤シテ之ヲ定ム
議員ノ定数ニ異動ヲ生ジタル為新ニ選挙セラレタル議員ハ総選挙ニ依リ選挙セラレタル議員ノ任期満了ノ日迄在任ス
第六十五条 区会ノ組織及区会議員ノ選挙ニ関シテハ前数条ニ定ムルモノノ外市制第十三条、第十七条及第二十条乃至第三十九条並ニ本令第七条乃至第二十条ノ規定ヲ準用ス但シ市制第十三条第四項ノ規定ノ準用ニ依ル市条例ノ設定ニ付テハ市ハ区会ノ意見ヲ徴スベク、市制第三十二条及第三十四条ノ規定ノ準用ニ依ル報告ハ市長ヲ経テ之ヲ為スベシ
第六十六条 第三章及第四章ノ規定ハ市制第三十九条ノ二ノ区ノ区会議員選挙ニ之ヲ準用ス
第六十七条 区会ノ職務権限ニ関シテハ市会ノ職務権限ニ関スル規定ヲ準用ス
区長ト区会トノ関係ニ付テハ市長ト市会トノ関係ニ関スル規定及市制第九十二条ノ規定ヲ準用ス
第六十八条 区会ヲ設ケザル区ニ於テハ区会ノ職務ハ市会之ヲ行フ
第六十九条 市ハ区会ノ意見ヲ徴シ区ノ営造物ニ関シ市条例又ハ市規則ヲ設クルコトヲ得
市制第百二十九条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
区ハ前二項ノ市条例ノ定ムル所ニ依リ区ノ営造物ノ使用ニ付使用料ヲ徴収シ又ハ過料ヲ科スルコトヲ得
第七十条 区ハ其ノ財産及営造物ニ関シ必要ナル費用ヲ支弁スル義務ヲ負フ
前項ノ支出ハ区ノ財産ヨリ生ズル収入、使用料其ノ他法令ニ依リ区ニ属スル収入ヲ以テ之ニ充テ仍不足アルトキハ市ハ其ノ区ニ於テ特ニ賦課徴収スル市税ヲ以テ之ニ充ツベシ
前項ノ市税ニ付市会ノ議決スベキ事項ハ区会之ヲ議決ス但シ市ノ定メタル制限ヲ超ユルコトヲ得ズ
市制第九十八条第四項ノ規定ニ依リ市ノ負担スル費用ニ付テハ前二項ノ規定ヲ準用ス
第七十一条 前数条ニ定ムルモノノ外区ニ関シテハ市制第百十四条、第百十五条、第百三十条第二項乃至第六項、第百三十一条第一項、第二項、第四項乃至第八項及第百三十三条乃至第百四十三条並ニ本令第一条乃至第四条ノ規定ヲ準用ス但シ第百三十条第三項中市参事会トアルハ区会、第百四十一条第二項中名誉職参事会員トアルハ区会議員トス
前項ノ規定ニ依リ市制第百三十一条第一項ノ規定ヲ準用スル場合ニ於テハ市ハ区会ノ意見ヲ徴シ市条例ヲ定メ区ヲシテ手数料ヲ徴収セシムルコトヲ得
第七十二条 区ノ監督ニ付テハ市ノ監督ニ関スル規定ヲ準用ス
第九章 雑則
第七十三条 市町村組合又ハ町村組合ニ関シテハ第一条乃至第四条ノ規定ニ拘ラズ組合規約ニ於テ別段ノ定ヲ為スコトヲ得
第七十四条 本令中府県、府県知事又ハ府県参事会ニ関スル規定ハ北海道ニ付テハ各北海道、北海道庁長官又ハ北海道参事会ニ、本令第一章中町村長又ハ町村条例ニ関スル規定ハ北海道ニ付テハ各町村長又ハ町村条例ニ準ズベキモノニ之ヲ適用ス
附 則
本令中公民権及議員選挙ニ関スル規定ハ次ノ総選挙ヨリ、其ノ他ノ規定ハ大正十五年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
左ノ勅令ハ之ヲ廃止ス
明治四十四年勅令第二百四十号
明治四十四年勅令第二百四十一号
明治四十四年勅令第二百四十四号
明治四十四年勅令第二百四十五号
明治四十四年勅令第二百四十八号
大正九年勅令第百六十八号
大正十年勅令第四百十二号
従前ノ規定ニ依ル手続其ノ他ノ行為ハ本令ニ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外之ヲ本令ニ依リ為シタルモノト看做ス
大正十年勅令第四百十二号第二条ノ規定ニ依リ為シタル許可ノ申請ニシテ大正十五年六月三十日迄ニ許可ヲ得ザルモノハ之ヲ本令第五十九条ノ規定ニ依リ府県知事ニ為シタル許可ノ申請ト看做ス
大正十五年市制中改正法律又ハ同年町村制中改正法律中選挙ニ関スル規定ノ施行セラレタル市町村及未ダ施行セラレザル市町村ノ区域ノ境界ニ渉リ市町村ノ廃置分合又ハ境界変更アリタル場合ニ於テ右選挙ニ関スル規定ノ施行セラレザリシ市町村ノ区域ニ属シタル地域ニ関シ必要ナル選挙人名簿ハ其ノ地域ノ新ニ属シタル市町村ノ市町村長之ヲ調製スベシ、此ノ場合ニ於テハ大正十五年市制中改正法律附則第二項又ハ同年町村制中改正法律附則第四項ノ例ニ依ル
明治四十四年勅令第二百四十五号第四条又ハ大正九年勅令第百六十八号第四条ノ規定ニ依リ為シタル決定又ハ裁決ニ対スル訴願又ハ訴訟ノ提起期間ハ決定又ハ裁決アリタル日ノ翌日ヨリ之ヲ起算ス
従前市町村長ニ為シタル申請ニシテ大正十五年六月三十日迄ニ市参事会又ハ町村会ノ決定ニ付セラレザルモノニ付テハ第五十七条第二項ノ期間ハ同年七月一日ヨリ之ヲ起算ス
従前市参事会若ハ町村会ノ決定ニ付セラレタル申請又ハ府県参事会ニ於テ受理シタル訴願ニシテ大正十五年六月三十日迄ニ決定又ハ裁決ナキモノニ付テハ第三十六条第三項並ニ第五十七条第二項及第六項ノ期間ハ同年七月一日ヨリ之ヲ起算ス
本令ニ依リ初メテ区会議員ヲ選挙スル場合ニ於テ必要ナル選挙人名簿ニ関シ市制第二十一条乃至第二十一条ノ五ノ規定ノ準用ニ依ル期日又ハ期間ニ依リ難キトキハ命令ヲ以テ別ニ其ノ期日又ハ期間ヲ定ム但シ其ノ選挙人名簿ハ次ノ選挙人名簿確定迄其ノ効力ヲ有ス
本令中公民権及議員選挙ニ関スル規定施行ノ際大正十五年府県制中改正法律中議員選挙ニ関スル規定若ハ同年市制中改正法律中公民権及議員選挙ニ関スル規定又ハ同年勅令第三号衆議院議員選挙法施行令未ダ施行セラレザル場合ニ於テハ本令ノ適用ニ付テハ同規定又ハ同令ハ既ニ施行セラレタルモノト看做ス
別表
点字
備考 (右側ノ記載ハ各点字ノ発音ヲ示スモノトス)