前項職員ノ中知事、事務官及技師ハ州ニ、廳長ハ廳ニ之ヲ置ク
第三條 理事官ハ臺北州及臺南州ニ在リテハ各專任六人、其ノ他ノ州ニ在リテハ各專任五人、廳ニ在リテハ各專任一人ヲ以テ定員トス
警視ニシテ各州又ハ各廳ニ在勤スル者ハ專任一人、支廳長ニ充ツル者ハ三人、警察署長ニ充ツル者ハ四人、郡ニ配置スル者ハ七人ヲ以テ定員トス
技師ハ臺北州ニ在リテハ專任五人、臺中州及臺南州ニ在リテハ各專任四人、其ノ他ノ州ニ在リテハ各專任三人ヲ以テ定員トス
前條ニ揭クル判任官ノ各州及各廳ニ於ケル定員ハ臺灣總督之ヲ定ム
第四條 高等官官等俸給令第二十三條第三項ノ規定ニ依リ俸給最低額以下ヲ受クル技師及判任官俸給令第六條ノ規定ニ依リ俸給最低額以下ヲ受クル技手ハ前二條ノ定員ノ外トス
第五條 知事又ハ廳長ハ臺灣總督ノ指揮監督ヲ承ケ法令ヲ執行シ部內ノ行政事務ヲ管理ス
第六條 知事又ハ廳長ハ部內ノ行政事務ニ付其ノ職權又ハ特別ノ委任ニ依リ管內一般又ハ其ノ一部ニ州令又ハ廳令ヲ發スルコトヲ得
知事ハ其ノ發スル命令ニ二月以下ノ懲役若ハ禁錮、拘留、七十圓以下ノ罰金又ハ科料ノ罰則ヲ附スルコトヲ得
廳長ハ其ノ發スル命令ニ拘留又ハ科料ノ罰則ヲ附スルコトヲ得
第七條 知事又ハ廳長ハ管內ノ靜謐ヲ維持スル爲兵力ヲ要スルトキハ之ヲ臺灣總督ニ具狀スヘシ但シ非常急變ノ場合ニ際シテハ直ニ當該地方ノ陸海軍ノ司令官ニ兵力ノ使用ヲ請求スルコトヲ得
第八條 知事又ハ廳長ハ所部ノ官吏ヲ指揮監督シ奏任官ノ功過ヲ臺灣總督ニ具狀ス
判任官ノ進退ハ知事ハ自ラ之ヲ行ヒ廳長ハ臺灣總督ニ之ヲ具狀ス
第九條 知事ハ郡守、市尹又ハ警察署長ノ爲ス處分ニシテ成規ニ違ヒ公益ヲ害シ又ハ權限ヲ犯スモノアリト認ムルトキハ其ノ處分ヲ取消シ又ハ停止スルコトヲ得
廳長ハ街庄長ノ爲ス處分ニ付テハ前項ノ例ニ依リ之ヲ取消シ又ハ停止スルコトヲ得
第十條 知事事故アルトキハ官等ノ順序ニ從ヒ事務官其ノ職務ヲ代理ス
廳長事故アルトキハ官等ノ順序ニ從ヒ理事官又ハ廳在勤ノ警視其ノ職務ヲ代理ス
前二項ノ規定ニ依リ職務ヲ代理スル者ナキ場合ニ於テハ臺灣總督ハ當該ノ州又ハ廳ノ高等官ノ一人ヲシテ其ノ職務ヲ代理セシム
知事又ハ廳長ハ其ノ職權ニ屬スル事務ノ一部ヲ部下ノ官吏ヲシテ臨時代理セシムルコトヲ得
第十一條 知事ハ其ノ職權ニ屬スル事務ノ一部ヲ郡守、市尹又ハ警察署長ニ委任スルコトヲ得
第十二條 州ニ知事官房、內務部及警務部ヲ置ク其ノ事務ノ分掌ハ臺灣總督之ヲ定ム
第十三條 事務官ハ內務部又ハ警務部ノ部長ト爲ル知事ノ命ヲ承ケ部ノ事務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ指揮監督ス
第十四條 警務部長ハ警察及衞生ノ事務ノ執行ニ關シ知事ノ命ヲ承ケ郡守、警視、警部、警部補及巡查ヲ指揮監督ス
第十六條 警視ハ上官ノ命ヲ承ケ警察及衞生ノ事務ヲ掌リ部下ノ警部、警部補及巡查ヲ指揮監督ス
第十八條 視學ハ上官ノ指揮ヲ承ケ學事ノ視察其ノ他敎育ニ關スル事務ニ從事ス
第二十條 警部ハ上官ノ指揮ヲ承ケ警察及衞生ノ事務ニ從事シ部下ノ警部補及巡查ヲ指揮監督ス
第二十三條 警部補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ警察及衞生ノ事務ニ從事シ部下ノ巡查ヲ指揮監督ス
第二十四條 稅務吏ハ上官ノ指揮ヲ承ケ徵稅ニ關スル事務ニ從事ス
第二十五條 森林主事ハ上官ノ指揮ヲ承ケ林野ノ取締及保護ニ從事ス
第二十六條 州及廳ニ警察醫ヲ置ク奏任官又ハ判任官ノ待遇トス
警察醫ノ定員ハ州及廳ヲ通シテ奏任官待遇者ニ在リテハ六人以內、判任官待遇者ニ在リテハ八人以內トシ其ノ各州及各廳ニ於ケル定員ハ臺灣總督之ヲ定ム
警察醫ハ上官ノ命ヲ承ケ警察及衞生ニ關スル醫務ニ從事ス
第二十八條 廳長ハ廳ノ事務ヲ分掌セシムル爲臺灣總督ノ認可ヲ受ケ支廳ヲ置クコトヲ得
知事ハ必要アリト認ムルトキハ警察署ノ下ニ警察分署ヲ置クコトヲ得
第三十條 警察署長ハ警視、警察分署長ハ警部ヲ以テ之ニ充ツ
警察署長又ハ警察分署長ハ上官ノ指揮監督ヲ承ケ部內ノ警察及衞生ノ事務ヲ掌理シ部下ノ職員ヲ指揮監督ス
第三十一條 知事ハ徵稅ニ關スル事務ヲ分掌セシムル爲臺灣總督ノ認可ヲ受ケ稅務出張所ヲ置クコトヲ得
前項職員ノ中郡守ハ郡ニ、市尹及理事官ハ市ニ之ヲ置ク
臺灣總督ハ州ノ警視、警部、警部補又ハ巡查ヲ郡ニ配置スルコトヲ得
第三十四條 各市ニ於ケル理事官ノ定員ハ專任一人トス
各郡及各市ニ於ケル視學、屬及技手ノ定員ハ臺灣總督之ヲ定ム
第三十五條 第四條ノ規定ハ郡及市ノ技師及技手ノ定員ニ付之ヲ準用ス
第三十六條 郡守又ハ市尹ハ知事ノ指揮監督ヲ承ケ法令ヲ執行シ部內ノ行政事務ヲ掌理シ所部ノ官吏ヲ指揮監督ス
郡守ハ警察及衞生ノ事務ニ關シ郡ニ配置セラレタル警視、警部、警部補及巡查ヲ指揮監督ス
第三十七條 郡守又ハ市尹ハ其ノ指揮監督スル判任官ノ進退ヲ知事ニ具狀ス
第三十八條 郡守ハ街庄長ノ爲ス處分ニシテ成規ニ違ヒ公益ヲ害シ又ハ權限ヲ犯スモノアリト認ムルトキハ其ノ處分ヲ取消シ又ハ停止スルコトヲ得
第三十九條 郡守又ハ市尹事故アルトキ其ノ職務ヲ代理スル官吏ハ知事之ヲ指定ス
郡守又ハ市尹ハ其ノ職權ニ屬スル事務ノ一部ヲ部下ノ官吏ヲシテ臨時代理セシムルコトヲ得
第四十條 郡又ハ市ニ於ケル事務ノ分掌ハ知事之ヲ定ム
第四十三條 郡又ハ市ノ視學ハ上官ノ指揮ヲ承ケ學事ノ視察其ノ他敎育ニ關スル事務ニ從事ス
第四十四條 郡又ハ市ノ屬ハ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ從事ス
第四十五條 郡又ハ市ノ技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ從事ス
第四十六條 郡ニ街又ハ庄ヲ置ク但シ臺灣總督ノ指定スル蕃地ニハ之ヲ置カサルコトヲ得
臺灣總督ハ地方ノ狀況ニ依リ廳ニ街又ハ庄ヲ置クコトヲ得
街ニ街長、庄ニ庄長ヲ置ク判任官ノ待遇トス但シ街長ハ十人ヲ限リ之ヲ奏任官ノ待遇ト爲スコトヲ得
街庄長ハ上官ノ指揮監督ヲ承ケ街庄內ノ行政事務ヲ補助執行ス