帝国大学高等官官等俸給令
法令番号: 勅令第二百十二號
公布年月日: 明治30年6月22日
法令の形式: 勅令
朕帝國大學高等官官等俸給令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十年六月十八日
內閣總理大臣　伯爵　松方正義
文部大臣　侯爵　蜂須賀茂韶
勅令第二百十二號
帝國大學高等官官等俸給令
第一條　帝國大學總長ハ高等官一等又ハ二等トス
帝國大學各分科大學敎授ハ高等官六等以上助敎授ハ高等官五等以下トス
帝國大學書記官ハ高等官三等以下七等以上トシ帝國大學專任舍監ハ高等官四等以下トス
第二條　帝國大學各分科大學敎授助敎授ノ俸給ハ分チテ本俸及職務俸トス
第三條　帝國大學高等官ノ年俸及敎授助敎授ノ本俸年額ハ別表ニ依ル
敎授ニシテ特ニ效績アリ五箇年以上一級俸ヲ受クル者ハ本俸五百圓以內ヲ增給スルコトヲ得但シ本年勅令第百六號施行ノ前本俸千二百圓ヲ受ケタル者ハ其ノ以後ノ年數ヲ通算スルコトヲ得
敎授ニシテ分科大學長醫院長又ハ天文臺長ニ補セラレタル者ニハ本俸五百圓以內敎授助敎授ニシテ植物園長又ハ圖書館長ニ補セラレタル者ニハ本俸四百圓以內ヲ加給スルコトヲ得
第四條　各講座ニ職務俸ヲ附ス
各講座ニ對スル職務俸ハ學科ノ種類職務ノ繁閑ニ從ヒ年額四百圓以上千二百圓以下トシ文部大臣之ヲ定ム
第五條　敎授ハ其ノ擔任スル所ノ講座ニ對スル職務俸ヲ受ク
助敎授ニシテ講座ヲ擔任スル者ハ其ノ講座ニ對スル職務俸ノ半額ヲ受ク
第六條　助敎授ハ學科ノ種類職務ノ繁閑ニ從ヒ年額二百圓以上六百圓以下ノ職務俸ヲ受ク
第七條　敎授ニシテ二箇ノ講座ヲ擔任スル場合ニ於テハ其ノ兼擔スル所ノ講座ニ對スル職務俸ノ半額ヲ加給ス
第八條　講師ヲ囑託シテ講座ヲ擔任セシムルトキハ敎官俸給額ノ內ヨリ其ノ講座ニ對スル職務俸以下ノ手當ヲ給ス
第九條　敎授助敎授若ハ講師ヲシテ一講座ニ屬スル職務ヲ分擔セシムル場合ニ於テ敎授助敎授ニ分給スヘキ職務俸及講師ニ分給スヘキ手當ノ年額ハ合シテ其ノ講座ニ對スル職務俸ノ年額ヲ超ユルコトヲ得ス
第十條　敎授ニシテ一時他ノ公務ニ從事シ若ハ特ニ學術上ノ必要ニ由リ文部大臣ノ指揮ヲ承ケ一時講座ヲ擔任セス又ハ職務ヲ離ルル者ハ二箇年以內ヲ限リ仍本俸ヲ給スルコトヲ得
第十一條　本令ノ施行ニ關スル細則ハ文部大臣之ヲ定ム
附　則
第十二條　明治二十六年勅令第九十四號同年勅令第八十四號帝國大學敎官俸給令竝ニ明治三十年勅令第百七號中帝國大學ニ關スル條項ハ本令施行ノ日ヨリ廢止ス
（別表）
一級
二級
三級
四級
五級
六級
七級
帝國大學總長
四千圓
三千五百圓
帝國大學各分科大學教授
千六百圓
千四百圓
千二百圓
千百圓
千圓
九百圓
八百圓
帝國大學各分科大學助教授
八百圓
七百圓
六百圓
五百圓
四百圓
三百圓
帝國大學書記官
二千圓
千八百圓
千六百圓
千四百圓
千二百圓
千圓
九百圓
帝國大學舍監
千六百圓
千四百圓
千二百圓
千圓
九百圓
八百圓
七百圓
朕帝国大学高等官官等俸給令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十年六月十八日
内閣総理大臣　伯爵　松方正義
文部大臣　侯爵　蜂須賀茂韶
勅令第二百十二号
帝国大学高等官官等俸給令
第一条　帝国大学総長ハ高等官一等又ハ二等トス
帝国大学各分科大学教授ハ高等官六等以上助教授ハ高等官五等以下トス
帝国大学書記官ハ高等官三等以下七等以上トシ帝国大学専任舎監ハ高等官四等以下トス
第二条　帝国大学各分科大学教授助教授ノ俸給ハ分チテ本俸及職務俸トス
第三条　帝国大学高等官ノ年俸及教授助教授ノ本俸年額ハ別表ニ依ル
教授ニシテ特ニ効績アリ五箇年以上一級俸ヲ受クル者ハ本俸五百円以内ヲ増給スルコトヲ得但シ本年勅令第百六号施行ノ前本俸千二百円ヲ受ケタル者ハ其ノ以後ノ年数ヲ通算スルコトヲ得
教授ニシテ分科大学長医院長又ハ天文台長ニ補セラレタル者ニハ本俸五百円以内教授助教授ニシテ植物園長又ハ図書館長ニ補セラレタル者ニハ本俸四百円以内ヲ加給スルコトヲ得
第四条　各講座ニ職務俸ヲ附ス
各講座ニ対スル職務俸ハ学科ノ種類職務ノ繁閑ニ従ヒ年額四百円以上千二百円以下トシ文部大臣之ヲ定ム
第五条　教授ハ其ノ担任スル所ノ講座ニ対スル職務俸ヲ受ク
助教授ニシテ講座ヲ担任スル者ハ其ノ講座ニ対スル職務俸ノ半額ヲ受ク
第六条　助教授ハ学科ノ種類職務ノ繁閑ニ従ヒ年額二百円以上六百円以下ノ職務俸ヲ受ク
第七条　教授ニシテ二箇ノ講座ヲ担任スル場合ニ於テハ其ノ兼担スル所ノ講座ニ対スル職務俸ノ半額ヲ加給ス
第八条　講師ヲ嘱託シテ講座ヲ担任セシムルトキハ教官俸給額ノ内ヨリ其ノ講座ニ対スル職務俸以下ノ手当ヲ給ス
第九条　教授助教授若ハ講師ヲシテ一講座ニ属スル職務ヲ分担セシムル場合ニ於テ教授助教授ニ分給スヘキ職務俸及講師ニ分給スヘキ手当ノ年額ハ合シテ其ノ講座ニ対スル職務俸ノ年額ヲ超ユルコトヲ得ス
第十条　教授ニシテ一時他ノ公務ニ従事シ若ハ特ニ学術上ノ必要ニ由リ文部大臣ノ指揮ヲ承ケ一時講座ヲ担任セス又ハ職務ヲ離ルル者ハ二箇年以内ヲ限リ仍本俸ヲ給スルコトヲ得
第十一条　本令ノ施行ニ関スル細則ハ文部大臣之ヲ定ム
附　則
第十二条　明治二十六年勅令第九十四号同年勅令第八十四号帝国大学教官俸給令並ニ明治三十年勅令第百七号中帝国大学ニ関スル条項ハ本令施行ノ日ヨリ廃止ス
（別表）
一級
二級
三級
四級
五級
六級
七級
帝国大学総長
四千円
三千五百円
帝国大学各分科大学教授
千六百円
千四百円
千二百円
千百円
千円
九百円
八百円
帝国大学各分科大学助教授
八百円
七百円
六百円
五百円
四百円
三百円
帝国大学書記官
二千円
千八百円
千六百円
千四百円
千二百円
千円
九百円
帝国大学舎監
千六百円
千四百円
千二百円
千円
九百円
八百円
七百円