第一條 この法律において「郵便切手類」とは、郵便切手その他郵便に関する料金をあらわす証票をいい、「印紙」とは、收入印紙をいう。
第二條 郵政大臣は、郵便切手類及び印紙を賣りさばくのに必要な資力及び信用を有する者のうちから郵便切手類及び印紙の賣さばき人を選定し、郵便切手類及び印紙の賣さばきの業務を委託することができる。
2 郵政大臣は、営利を目的としない法人のうちから印紙の賣さばき人を選定し、印紙の賣さばきの業務を委託することができる。
3 郵政大臣は、前二項の郵便切手類及び印紙の賣さばき人並びに印紙の賣さばき人(以下「賣さばき人」と総称する。)を選定しようとするときは、賣さばき人になろうとする者の申込を受けるため、省令の定めるところにより、必要な事項を公告しなければならない。
4 郵政大臣は、賣さばき人になろうとする者であつて第一項又は第二項に規定する資格を有するものが二人以上あるときは、抽せんにより賣さばき人を選定しなければならない。
第三條 賣さばき人は、その業務を行うため、郵政大臣の定める場所に、郵便切手類及び印紙の賣さばき人にあつては郵便切手類賣さばき所を、印紙のみの賣さばき人にあつては印紙賣さばき所を設けなければならない。
第四條 賣さばき人は、國の行う郵便に関する業務の一部を行う者として、公共の利益のため、誠実にその業務を行わなければならない。
第五條 賣さばき人は、省令の定めるところにより、一般の需要をみたすに足る数量の郵便切手類及び印紙を郵政省から買い受けて常備し、定價で公平に賣りさばかなければならない。
第六條 郵便切手類賣さばき所及び印紙賣さばき所(以下「賣さばき所」と総称する。)における郵便切手類及び印紙の賣さばき時間は、省令で定める。
第七條 郵政大臣は、賣さばき人に対し、第五條の規定による郵便切手類及び印紙の賣渡月額に左の割合を乘じて得た金額の賣さばき手数料を支拂うものとする。但し、その金額は、一箇月一万千百円をこえてはならない。
2 前項の賣さばき手数料の支拂の手続は、省令で定める。
第八條 郵便切手類及び印紙の賣さばき人が死亡した場合において、その相続人から申出のあつたときは、郵政大臣は、第二條の規定にかかわらず、死亡の日から六十日以内に限り、その相続人の一人を賣さばき人として郵便切手類及び印紙の賣さばきの業務を委託することができる。
第九條 賣さばき人が郵便切手類又は印紙の賣さばきの業務をやめようとするときは、省令の定めるところにより、少くとも三十日前に郵政大臣にその旨を届け出なければならない。
第十條 左の場合においては、郵政大臣は、郵便切手類又は印紙の賣さばきに関する契約を解除することができる。
一 郵便切手類及び印紙の賣さばき人が郵便切手類及び印紙を賣りさばくのに必要な資力又は信用を失つたとき。
二 印紙の賣さばき人が、営利を目的としない法人でなくなつたとき。
三 賣さばき人が、この法律又はこの法律に基く省令の規定に違反したとき。
四 郵政大臣において当該賣さばき人の賣さばき所の場所において、郵便切手類又は印紙の賣さばきの業務を行う必要がなくなつたと認めるとき。
第十一條 第五條の規定に違反して、郵便切手類又は印紙をその定價と異なる金額で賣りさばいた者は、一万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の從業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行爲をしたときは、行爲者を罰する外、その法人又は人に対しても同項の刑を科する。