朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル農業家畜再保險特別會計法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十九年二月十四日
內閣總理大臣 東條英機
大藏大臣 賀屋興宣
農商大臣 山崎達之輔
法律第十一號
農業家畜再保險特別會計法
第一條 農業再保險事業及家畜再保險事業ヲ經營スル爲通ジテ一ノ特別會計ヲ設置シ其ノ歲入ヲ以テ其ノ歲出ニ充ツ
第二條 本會計ハ之ヲ農業勘定、家畜勘定及業務勘定ニ區分ス
第三條 農業勘定ニ於テハ農業再保險事業經營上ノ再保險料、一般會計及食糧管理特別會計ヨリノ受入金、積立金ヨリ生ズル收入、借入金竝ニ附屬雜收入ヲ以テ其ノ歲入トシ同事業經營上ノ再保險金、再保險料ノ還付金、借入金ノ償還金及利子、一時借入金ノ利子其ノ他ノ諸費ヲ以テ其ノ歲出トス
第四條 家畜勘定ニ於テハ家畜再保險事業經營上ノ再保險料、積立金ヨリ生ズル收入、借入金及附屬雜收入ヲ以テ其ノ歲入トシ同事業經營上ノ再保險金、再保險料ノ還付金、借入金ノ償還金及利子、一時借入金ノ利子其ノ他ノ諸費竝ニ同事業ノ業務取扱ニ關スル諸費ニ充ツル爲ノ業務勘定ヘノ繰入金ヲ以テ其ノ歲出トス
第五條 業務勘定ニ於テハ農業再保險事業ノ業務取扱ニ關スル諸費ニ充ツル爲ノ一般會計ヨリノ受入金及家畜再保險事業ノ業務取扱ニ關スル諸費ニ充ツル爲ノ家畜勘定ヨリノ受入金竝ニ此等ノ事業ノ業務取扱ニ關シ生ズル收入ヲ以テ其ノ歲入トシ此等ノ事業ノ業務取扱ニ關スル諸費ヲ以テ其ノ歲出トス
第六條 農業勘定又ハ家畜勘定ニ於テ決算上剩餘ヲ生ジタルトキハ當該勘定ノ積立金トシテ之ヲ積立ツベシ
農業勘定又ハ家畜勘定ノ歲計ニ不足アルトキハ當該勘定ノ積立金ヨリ之ヲ補足スベシ
第七條 業務勘定ニ於テ決算上剩餘ヲ生ジタルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ農業勘定及家畜勘定ノ積立金ニ組入ルベシ
業務勘定ニ於テ決算上不足ヲ生ジタルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ農業勘定及家畜勘定ノ積立金ヨリ補足スベシ
第八條 農業勘定又ハ家畜勘定ニ屬スル經費ヲ支辨スル爲必要アルトキハ政府ハ當該勘定ノ負擔ニ於テ借入金ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ借入金ヲ爲スコトヲ得ル金額ハ農業勘定又ハ家畜勘定ニ於テ純再保險料ヲ以テ再保險金及再保險料ノ還付金ヲ支辨スルニ不足スル金額ヲ限度トス
第九條 各勘定ニ於テ支拂上現金ニ餘裕アルトキハ之ヲ大藏省預金部ニ預入ルベシ
農業勘定又ハ家畜勘定ニ於テ支拂上現金ニ不足アルトキハ當該勘定ノ負擔ニ於テ一時借入金ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル一時借入金ハ當該年度內ニ之ヲ返還スベシ
第十條 農業勘定及家畜勘定ノ積立金ハ國債ヲ以テ保有シ又ハ大藏省預金部ニ預入レ之ヲ運用スルコトヲ得
第十一條 政府ハ每年本會計ノ歲入歲出豫算ヲ調製シ歲入歲出ノ總豫算ト共ニ之ヲ帝國議會ニ提出スベシ
第十二條 農業勘定又ハ家畜勘定ノ每年度歲出豫算ニ於ケル支出殘額ハ之ヲ翌年度ニ繰越シ使用スルコトヲ得
第十三條 本會計ノ收入支出ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
第十四條 本法ハ昭和十九年度ヨリ之ヲ施行ス
第十五條 農業再保險特別會計法及家畜再保險特別會計法ハ之ヲ廢止ス但シ昭和十八年度分ニ付テハ仍其ノ效力ヲ有ス
第十六條 農業再保險又ハ家畜再保險ノ各特別會計廢止ノ際之ニ屬スル積立金、未經過再保險料及支拂備金ハ之ヲ本會計ニ歸屬セシメ夫々農業勘定又ハ家畜勘定ノ所屬トス
前項ニ規定スルモノノ外農業再保險又ハ家畜再保險ノ各特別會計廢止ノ際之ニ屬スル權利義務ハ之ヲ本會計ニ歸屬セシメ夫々農業勘定、家畜勘定又ハ業務勘定ノ所屬トス
第十七條 農業再保險又ハ家畜再保險ノ各特別會計ノ昭和十八年度歲出豫算ニシテ翌年度ニ繰越ヲ要スルモノハ之ヲ夫々本會計ノ農業勘定又ハ家畜勘定ニ繰越シ使用スルコトヲ得
第十八條 昭和十八年法律第二十二號中左ノ通改正ス
第一條第二項及第三條第二項中「農業再保險特別會計」ヲ「農業家畜再保險特別會計」ニ改ム
第十九條 農業保險ノ保險料國庫負擔金等ノ交付ニ關シテハ昭和十八年度分ニ付テハ前條ノ規定ニ依ル昭和十八年法律第二十二號第一條第二項及第三條第二項ノ改正規定ニ拘ラズ仍從前ノ例ニ依ル
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル農業家畜再保険特別会計法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十九年二月十四日
内閣総理大臣 東条英機
大蔵大臣 賀屋興宣
農商大臣 山崎達之輔
法律第十一号
農業家畜再保険特別会計法
第一条 農業再保険事業及家畜再保険事業ヲ経営スル為通ジテ一ノ特別会計ヲ設置シ其ノ歳入ヲ以テ其ノ歳出ニ充ツ
第二条 本会計ハ之ヲ農業勘定、家畜勘定及業務勘定ニ区分ス
第三条 農業勘定ニ於テハ農業再保険事業経営上ノ再保険料、一般会計及食糧管理特別会計ヨリノ受入金、積立金ヨリ生ズル収入、借入金並ニ附属雑収入ヲ以テ其ノ歳入トシ同事業経営上ノ再保険金、再保険料ノ還付金、借入金ノ償還金及利子、一時借入金ノ利子其ノ他ノ諸費ヲ以テ其ノ歳出トス
第四条 家畜勘定ニ於テハ家畜再保険事業経営上ノ再保険料、積立金ヨリ生ズル収入、借入金及附属雑収入ヲ以テ其ノ歳入トシ同事業経営上ノ再保険金、再保険料ノ還付金、借入金ノ償還金及利子、一時借入金ノ利子其ノ他ノ諸費並ニ同事業ノ業務取扱ニ関スル諸費ニ充ツル為ノ業務勘定ヘノ繰入金ヲ以テ其ノ歳出トス
第五条 業務勘定ニ於テハ農業再保険事業ノ業務取扱ニ関スル諸費ニ充ツル為ノ一般会計ヨリノ受入金及家畜再保険事業ノ業務取扱ニ関スル諸費ニ充ツル為ノ家畜勘定ヨリノ受入金並ニ此等ノ事業ノ業務取扱ニ関シ生ズル収入ヲ以テ其ノ歳入トシ此等ノ事業ノ業務取扱ニ関スル諸費ヲ以テ其ノ歳出トス
第六条 農業勘定又ハ家畜勘定ニ於テ決算上剰余ヲ生ジタルトキハ当該勘定ノ積立金トシテ之ヲ積立ツベシ
農業勘定又ハ家畜勘定ノ歳計ニ不足アルトキハ当該勘定ノ積立金ヨリ之ヲ補足スベシ
第七条 業務勘定ニ於テ決算上剰余ヲ生ジタルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ農業勘定及家畜勘定ノ積立金ニ組入ルベシ
業務勘定ニ於テ決算上不足ヲ生ジタルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ農業勘定及家畜勘定ノ積立金ヨリ補足スベシ
第八条 農業勘定又ハ家畜勘定ニ属スル経費ヲ支弁スル為必要アルトキハ政府ハ当該勘定ノ負担ニ於テ借入金ヲ為スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ借入金ヲ為スコトヲ得ル金額ハ農業勘定又ハ家畜勘定ニ於テ純再保険料ヲ以テ再保険金及再保険料ノ還付金ヲ支弁スルニ不足スル金額ヲ限度トス
第九条 各勘定ニ於テ支払上現金ニ余裕アルトキハ之ヲ大蔵省預金部ニ預入ルベシ
農業勘定又ハ家畜勘定ニ於テ支払上現金ニ不足アルトキハ当該勘定ノ負担ニ於テ一時借入金ヲ為スコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル一時借入金ハ当該年度内ニ之ヲ返還スベシ
第十条 農業勘定及家畜勘定ノ積立金ハ国債ヲ以テ保有シ又ハ大蔵省預金部ニ預入レ之ヲ運用スルコトヲ得
第十一条 政府ハ毎年本会計ノ歳入歳出予算ヲ調製シ歳入歳出ノ総予算ト共ニ之ヲ帝国議会ニ提出スベシ
第十二条 農業勘定又ハ家畜勘定ノ毎年度歳出予算ニ於ケル支出残額ハ之ヲ翌年度ニ繰越シ使用スルコトヲ得
第十三条 本会計ノ収入支出ニ関スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
第十四条 本法ハ昭和十九年度ヨリ之ヲ施行ス
第十五条 農業再保険特別会計法及家畜再保険特別会計法ハ之ヲ廃止ス但シ昭和十八年度分ニ付テハ仍其ノ効力ヲ有ス
第十六条 農業再保険又ハ家畜再保険ノ各特別会計廃止ノ際之ニ属スル積立金、未経過再保険料及支払備金ハ之ヲ本会計ニ帰属セシメ夫々農業勘定又ハ家畜勘定ノ所属トス
前項ニ規定スルモノノ外農業再保険又ハ家畜再保険ノ各特別会計廃止ノ際之ニ属スル権利義務ハ之ヲ本会計ニ帰属セシメ夫々農業勘定、家畜勘定又ハ業務勘定ノ所属トス
第十七条 農業再保険又ハ家畜再保険ノ各特別会計ノ昭和十八年度歳出予算ニシテ翌年度ニ繰越ヲ要スルモノハ之ヲ夫々本会計ノ農業勘定又ハ家畜勘定ニ繰越シ使用スルコトヲ得
第十八条 昭和十八年法律第二十二号中左ノ通改正ス
第一条第二項及第三条第二項中「農業再保険特別会計」ヲ「農業家畜再保険特別会計」ニ改ム
第十九条 農業保険ノ保険料国庫負担金等ノ交付ニ関シテハ昭和十八年度分ニ付テハ前条ノ規定ニ依ル昭和十八年法律第二十二号第一条第二項及第三条第二項ノ改正規定ニ拘ラズ仍従前ノ例ニ依ル