(目的)
第一条 この法律は、家畜共済の合理化に資するため、家畜共済に係る農業災害補償法(昭和二十二年法律第百八十五号)の規定に特例を設け、これを試験的に次条の農業共済組合及びその農業共済組合を会員とする農業共済組合連合会に適用することを目的とする。
(農業共済組合の指定)
第二条 農林大臣は、政令の定めるところにより、この法律により家畜共済を行うべき農業共済組合をその農業共済組合の同意を得て指定する。
2 農林大臣は、必要があると認めるときは、当該農業共済組合の同意を得て前項の規定による指定を取り消すことができる。
(指定組合の行う家畜共済)
第三条 前条第一項の規定により指定を受けた農業共済組合(以下「指定組合」という。)の行う家畜共済は、死廃病傷共済及び生産共済とする。
2 指定組合は、死廃病傷共済にあつては、農業災害補償法第八十四条第一項第三号に掲げる共済目的につき、同項第三号及び第四号に掲げる共済事故によつて生じた損害について、組合員に対し共済金を交付するものとする。
(共済掛金率)
第四条 死廃病傷共済の共済掛金率は、政令の定めるところにより、定款で定める。
2 前項の共済掛金率は、農林大臣が定める共済掛金標準率を下つてはならない。但し、省令で定める場合には、この限りでない。
3 前項の共済掛金標準率は、政令の定めるところにより、農業災害補償法第百十五条第二項の規定に基き定められた死亡廃用共済に係る共済掛金標準率及び疾病傷害共済に係る共済掛金標準率を基礎として定める。
(共済金)
第五条 死廃病傷共済に係る共済金は、左の金額とする。
一 死亡又は廃用により支払うものにあつては、農業災害補償法第百十六条第一項第一号の額
二 疾病又は傷害により支払うものにあつては、政令の定めるところにより定款で定める方法によつて算定される損害の額に政令の定めるところにより定款で定める支払割合を乗じて得た額
(会計の区分経理)
第六条 指定組合を会員とする農業共済組合連合会は、家畜共済事業に係る会計のうち指定組合に係るものを他と区分して経理しなければならない。
(指定組合の組合員に対する補助)
第七条 国庫は、指定組合の組合員の支払うべき牛又は馬の死廃病傷共済に係る共済掛金のうち農業災害補償法第百十四条第一項第一号の定款で定める共済掛金の最低のものの二分の一に相当する金額から同法第十三条の二の規定により負担する金額を控除して得た額に相当する金額の補助金を当該組合員に交付する。
2 前項の規定により指定組合の組合員に交付すべき補助金は、これを組合員に交付するのに代えて、当該組合員がその属する指定組合に支払うべき共済掛金の一部に充てるため当該指定組合にこれを交付し、又は当該指定組合がその属する農業共済組合連合会に支払うべき保険料の一部に充てるため当該農業共済組合連合会にこれを交付することができる。
(報告の徴取)
第八条 農林大臣及び都道府県知事は、この法律の施行の状況を明らかにするため必要があると認めるときは、指定組合及び指定組合を会員とする農業共済組合連合会から報告を徴することができる。
(審査会)
第九条 都道府県農業共済保険審査会は、農業災害補償法第百四十三条第二項各号に掲げる事項の外、都道府県知事の諮問に応じてこの法律の運用に関する重要事項を調査審議する。
2 農業共済再保険審査会は、農業災害補償法第百四十四条に規定する事項の外、主務大臣の諮問に応じてこの法律の運用に関する重要事項を調査審議する。
(読替規定)
第十条 指定組合の行う家畜共済に係る農業災害補償法の適用については、同法第十三条の二(牛馬死亡廃用共済掛金の一部国庫負担)中「死亡廃用共済」とあるのは「死廃病傷共済」と、「最低の共済掛金」とあるのは「共済掛金の死亡及び廃用による損害に対応する部分」と、第百十一条(義務加入)及び第百十一条の二第二号(組合の申込承諾義務)中「死亡廃用共済」とあるのは「死廃病傷共済」と、第百十二条第二項(共済掛金期間)中「死亡廃用共済及び疾病傷害共済」とあるのは「死廃病傷共済」と、第百十三条(共済目的の制限)第一項中「死亡廃用共済」とあるのは「死廃病傷共済」と、同条第二項中「死亡廃用共済関係」とあるのは「死廃病傷共済関係」と、第百十四条第一項第一号(共済金額)中「死亡廃用共済」とあるのは「死廃病傷共済」と、第百十七条及び第百二十六条(共済金等に代る給付)中「疾病傷害共済に係る共済事故」とあるのは「疾病又は傷害の共済事故」と読み替えるものとする。