第百二十条の二 果樹共済の共済関係は、収穫共済にあつてはその共済目的の種類ごと及び果実の年産ごと、樹体共済にあつてはその共済目的の種類ごと及び第百二十条の九第二号に掲げる期間ごとに、農業共済組合の組合員又は次条の果樹共済資格者が、定款等で定める申込期間内に、その者が現に栽培している第八十四条第一項第四号又は第五号の果樹で、組合等が現に行なつている収穫共済又は樹体共済においてその共済目的の種類としているもの(収穫共済にあつては第百二十条の六第一項の収穫共済の共済目的の種類等ごと、樹体共済にあつては同条第四項の樹体共済の共済目的の種類等ごとに、その栽培の業務の規模が、省令の定めるところにより定款等で定める基準に達しないものを除く。)のすべて(当該果樹のうちにこれが収穫共済又は樹体共済に付されるとすれば共済事故の発生することが相当の確実さをもつて見通される等果樹共済事業の適正円滑な運営を確保することができなくなるおそれがあるためこれにつき収穫共済又は樹体共済の共済関係を成立させないことを相当とする省令で定める事由に該当する果樹があるときは、その省令で定める事由に該当する果樹以外の当該果樹のすべて)を組合等の収穫共済又は樹体共済に付することを申し込み、組合等がこれを承諾することによつて、成立するものとする。
前項の規定による承諾は、当該収穫共済又は樹体共済に係る第百二十条の九第一号又は第二号に掲げる期間の開始前でなければ、することができない。
第百二十条の三 共済事業を行なう市町村で果樹共済を行なうものとの間に収穫共済又は樹体共済の共済関係を成立させることができる者は、当該市町村が現に行なつている収穫共済又は樹体共済においてその共済目的の種類としている果樹につき栽培の業務を営む者(省令の定めるところにより共済事業の実施に関する条例で定める者を除く。)で、当該市町村の共済事業の実施区域内に住所を有するもの(以下果樹共済資格者という。)とする。
第百二十条の四 第百二十条の二第一項の規定により組合等との間に収穫共済又は樹体共済の共済関係が成立した者は、当該収穫共済又は樹体共済に係る共済責任期間の開始する時までに、当該組合等に、共済掛金(定款等の定めるところに従い共済掛金の分割支払がされる場合にあつては、その第一回の支払に係る共済掛金)を支払わなければならない。
第百二十条の五 組合等との間に収穫共済又は樹体共済の共済関係の存する者は、当該共済関係に係る共済目的に省令で定める異動を生じたときは、定款等の定めるところにより遅滞なくその旨を組合等に通知しなければならない。
第百二十条の六 収穫共済の共済金額は、共済目的の種類(主務大臣が特定の共済目的の種類につきその種類たる果樹の品種又は栽培方法に応じて区分を定めたときは、その共済目的の種類については、その定めた区分。以下収穫共済の共済目的の種類等という。)ごと及び農業共済組合の組合員又は果樹共済資格者ごとに、農業共済組合の組合員又は果樹共済資格者が、定款等の定めるところにより、果実の単位当たり価額に、その者の当該収穫共済の共済目的の種類等に係る基準収穫量を乗じて得た金額(以下この項において基準収穫金額という。)に定款等で定める最低割合を乗じて得た金額を下らず、基準収穫金額の百分の七十をこえない範囲内において、申し出た金額とする。
前項の果実の単位当たり価額は、収穫共済の共済目的の種類等ごと及び都道府県の区域ごとに、過去一定年間における果実の平均価格を基礎として、主務大臣が定める金額とする。
第一項の基準収穫量は、収穫共済の共済目的の種類等ごと及び農業共済組合の組合員又は異樹共済資格者ごとに、主務大臣が定める準則に従い、過去一定年間におけるその者の当該収穫共済の共済目的の種類等に係る果実の収穫量(第八十五条第十三項(第八十五条の七において準用する場合を含む。)の規定により果実の品質の低下を共済事故としない収穫共済以外の収穫共済にあつては、当該一定年間におけるその者の収穫に係る当該果実の品質の程度に応じ当該収穫量に一定の調整を加えて得た数量)等を基礎として、組合等が定める数量とする。
樹体共済の共済金額は、共済目的の種類(主務大臣が特定の共済目的の種類につきその種類たる果樹の生育の程度に応じて区分を定めたときは、その共済目的の種類については、その定めた区分。以下樹体共済の共済目的の種類等という。)ごと及び農業共済組合の組合員又は果樹共済資格者ごとに、農業共済組合の組合員又は果樹共済資格者が、定款等の定めるところにより、共済価額に定款等で定める最低割合を乗じて得た金額を下らず、共済価額の百分の八十をこえない範囲内において、申し出た金額とする。
前項の共済価額は、樹体共済の共済目的の種類等ごと及び農業共済組合の組合員又は果樹共済資格者ごとに、主務大臣が定める準則に従い、当該農業共済組合の組合員又は果樹共済資格者が栽培する果樹(第八十四条第一項第五号の省令で定めるその支持物を含む。)で当該樹体共済に付されるものの当該樹体共済に係る共済責任期間の開始する時における価額として組合等が定めるものを合計した金額とする。
第一項及び第四項の最低割合の基準は、主務大臣が定める。
第百二十条の七 収穫共済の共済掛金率は、収穫共済の共済目的の種類等ごと、収穫共済の共済事故による種別(第八十五条第十三項(第八十五条の七において準用する場合を含む。)の規定により果実の品質の低下を共済事故としない収穫共済とその他の収穫共済との別をいう。以下同じ。)ごと及び組合等の区域又はその区域を分けて都道府県知事が定める地域ごとに、その区域又は地域の属する危険階級の収穫基準共済掛金率を下らない範囲内において定款等で定める。
前項の収穫基準共済掛金率は、都道府県の区域内における危険階級別の共済金額の合計額の見込額を重みとするその算術平均が当該都道府県の収穫一次共済掛金標準率(前条第一項の区分が定められた共済目的の種類に係るものについては、当該都道府県の収穫二次共済掛金標準率)に一致し、かつ、その相互の比が各危険階級の危険程度を表示する指数の比に一致するように主務大臣が、収穫共済の共済目的の種類等ごと及び収穫共済の共済事故による種別ごとに危険階級別に定める。
前項の危険階級の別、各危険階級に属する第一項の区域又は地域及び各危険階級の危険程度を表示する指数は、都道府県知事が、収穫共済の共済目的の種類等ごと及び収穫共済の共済事故による種別ごとに定める。
第二項の収穫一次共済掛金標準率は、共済目的の種類ごと、収穫共済の共済事故による種別ごと及び都道府県の区域ごとに、次の率を合計したものとする。
一 省令で定める一定年間における各年の被害率(以下この項において単に被害率という。)のうち、主務大臣が定める通常標準被害率(以下収穫通常標準被害率という。)をこえないものにあつてはその被害率を、収穫通常標準被害率をこえるものにあつては収穫通常標準被害率を基礎として主務大臣が定める率(以下収穫通常共済掛金標準率という。)
二 被害率のうち、収穫通常標準被害率をこえるもののそのこえる部分の率を基礎として主務大臣が定める率(以下収穫異常共済掛金標準率という。)
第二項の収穫二次共済掛金標準率は、都道府県の区域内における収穫共済の共済目的の種類等ごとの共済金額の合計額の見込額を重みとするその算術平均が当該都道府県の同項の収穫一次共済掛金標準率に一致するように主務大臣が、収穫共済の共済目的の種類等ごと、収穫共済の共済事故による種別ごと及び都道府県の区域ごとに定める。
樹体共済の共済掛金率は、樹体共済の共済目的の種類等ごと及び組合等の区域又はその区域を分けて都道府県知事が定める地域ごとに、その区域又は地域の属する危険階級の樹体基準共済掛金率を下らない範囲内において定款等で定める。
前項の樹体基準共済掛金率は、都道府県の区域内における危険階級別の共済金額の合計額の見込額を重みとするその算術平均が当該都道府県の樹体一次共済掛金標準率(前条第四項の区分が定められた共済目的の種類に係るものについては、当該都道府県の樹体二次共済掛金標準率)に一致し、かつ、その相互の比が各危険階級の危険程度を表示する指数の比に一致するように主務大臣が、樹体共済の共済目的の種類等ごとに危険階級別に定める。
前項の危険階級の別、各危険階級に属する第六項の区域又は地域及び各危険階級の危険程度を表示する指数は、都道府県知事が、樹体共済の共済目的の種類等ごとに定める。
第七項の樹体一次共済掛金標準率は、共済目的の種類ごと及び都道府県の区域ごとに、次の率を合計したものとする。
一 省令で定める一定年間における各年の被害率(以下この項において単に被害率という。)のうち、主務大臣が定める通常標準被害率(以下樹体通常標準被害率という。)をこえないものにあつてはその被害率を、樹体通常標準被害率をこえるものにあつては樹体通常標準被害率を基礎として主務大臣が定める率(以下樹体通常共済掛金標準率という。)
二 被害率のうち、樹体通常標準被害率をこえるもののそのこえる部分の率を基礎として主務大臣が定める率(以下樹体異常共済掛金標準率という。)
第七項の樹体二次共済掛金標準率は、都道府県の区域内における樹体共済の共済目的の種類等ごとの共済金額の合計額の見込額を重みとするその算術平均が当該都道府県の同項の樹体一次共済掛金標準率に一致するように主務大臣が、樹体共済の共済目的の種類等ごと及び都道府県の区域ごとに定める。
収穫通常共済掛金標準率及び収穫異常共済掛金標準率並びに樹体通常共済掛金標準率及び樹体異常共済掛金標準率は、四年ごとに一般に改定する。
第百二十条の八 組合等は、収穫共済については、収穫共済の共済目的の種類等ごと及び組合員等ごとに、共済事故による共済目的の減収量(当該組合員等の当該収穫共済の共済目的の種類等に係る第百二十条の六第一項の基準収穫量から第九十八条の二の準則に従い認定されたその年における当該組合員等の当該収穫共済の共済目的の種類等に係る果実の収穫量(第八十五条第十三項(第八十五条の七において準用する場合を含む。)の規定により果実の品質の低下を共済事故としない収穫共済以外の収穫共済にあつては、その年における当該組合員等の収穫に係る当該果実の品質の程度に応じ当該収穫量に主務大臣が定める方法により一定の調整を加えて得た数量)を差し引いて得た数量をいう。以下この項において同じ。)がその基準収穫量の百分の三十をこえた場合に、共済金額に、その減収量のその基準収穫量に対する割合に応じて省令で定める率を乗じて得た金額に相当する金額を共済金として当該組合員等に支払うものとする。
組合等は、樹体共済については、樹体共済の共済目的の種類等ごと及び組合員等ごとに、共済事故によつて組合員等が被る損害の額が共済価額の百分の十をこえた場合に、その損害の額に、共済金額の共済価額に対する割合を乗じて得た金額に相当する金額を共済金として当該組合員等に支払うものとする。
前項の損害の額は、共済事故に係る果樹又は支持物の価額で樹体共済の共済価額の算定の基礎となつたものにより、省令の定めるところにより、定款等で定める方法によつて算定するものとする。
第百二十条の九 果樹共済の共済責任期間は、収穫共済にあつては第一号に掲げる期間、樹体共済にあつては第二号に掲げる期間とする。
一 花芽の形成期から当該花芽に係る果実の収穫をするに至るまでの期間(主務大臣が特定の収穫共済の共済目的の種類等に係る果樹につきこれと異なる期間を定めたときは、その果樹については、その主務大臣の定めた期間)
二 共済目的の種類ごとに定款等で定める日から一年間
第百二十条の十 組合等は、果樹共済の共済金額の決定又は支払うべき果樹共済の共済金に係る損害の額の認定に関し必要があるときは、当該組合等に第百二十条の二第一項の規定による申込みをした者又は当該組合等との間に果樹共済の共済関係の存する者が直接又は間接の構成員となつている農業協同組合その他の団体でこれらの者からその生産した果実の加工若しくは販売の委託を受け又は当該果実の売渡しを受けたものに対し、当該委託又は売渡しに係る果実の数量又は品質に関する資料の提供につき、その協力を求めることができる。
第百二十条の十一 果樹共済には、第百十条の二、第百十一条の二、第百十一条の三第二項、第百十一条の四及び第百十一条の七並びに商法第六百四十四条、第六百四十五条及び第六百四十九条の規定を準用する。この場合において、第百十一条の二第一項中「第八十四条第一項第三号に掲げる牛(十二歳をこえる種雄牛を除く。)又は同号に掲げる馬(明け十七歳以上の種雄馬を除く。)を飼養するもの」とあるのは「当該組合等が現に行なつている果樹共済においてその共済目的の種類としている第八十四条第一項第四号又は第五号の果樹につき栽培の業務を営むもの」と、「当該家畜」とあるのは「当該果樹」と、「家畜共済」とあるのは「収穫共済又は樹体共済」と、同条第二項中「前項」とあるのは「第百二十条の十一において準用する前項」と、第百十一条の三第二項中「家畜共済の」とあるのは「果樹共済の」と、「家畜共済資格者」とあるのは「果樹共済資格者」と、第百十一条の四中「家畜共済資格者から第百十一条」とあるのは「果樹共済資格者から第百二十条の二第一項」と、第百十一条の七第一項及び第二項中「家畜共済」とあるのは「果樹共済」と、同条第二項中「第百十一条の三第二項」とあるのは「第百二十条の十一において準用する第百十一条の三第二項」と、同条第三項中「前二項」とあるのは「第百二十条の十一において準用する前二項」と読み替えるものとする。