海運局官制
法令番号: 勅令第八百三十二號
公布年月日: 昭和18年11月1日
法令の形式: 勅令
朕海運局官制ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年十一月一日
內閣總理大臣兼商工大臣 東條英機
厚生大臣 小泉親彥
大藏大臣 賀屋興宣
遞信大臣 八田嘉明
內務大臣 安藤紀三郞
農林大臣 山崎達之輔
勅令第八百三十二號
海運局官制
第一條 海運局ハ運輸通信大臣ノ管理ニ屬シ左ノ事務ヲ掌ル
一 船舶、造船、船員、航路其ノ他ノ水運ニ關スル事項但シ木船ノ製造及修繕ニ關スル事項、木船ノ製造及修繕ニ必要ナル船舶用機關、船舶用資材、艤裝品其ノ他船舶用品ニ關スル事項、木船ノ製造及修繕ニ關スル事業ノ監督及助成ニ關スル事項竝ニ航路標識ニ關スル事項ヲ除ク
二 開港港則及其ノ施行ニ直接必要ナル港內ノ行政警察ニ關スル事項
三 港灣ノ運營ニ關スル事項
四 臨港倉庫ニ係ル倉庫營業ニ關スル事項
五 關稅、噸稅及輸出入貨物ノ內國稅ニ關スル事項
六 保稅倉庫、保稅工場其ノ他ノ保稅地域ニ關スル事項
七 輸出入貨物ノ取締、輸出入貨物ニ關スル船舶及航空機ノ取締竝ニ貨物ノ收容ニ關スル事項
八 稅關貨物取扱人ニ關スル事項
九 外國爲替管理法ノ施行ニ關スル事項
十 貿易組合法、輸出絹織物取締法、輸出毛織物取締法、輸出水產物取締法又ハ重要輸出品取締法ニ依ル輸出入貨物ノ檢閱及取締、昭和十二年法律第九十二號ニ基ク命令ニ依ル輸出入貨物ノ取締竝ニ貿易統制令ニ依ル輸出入ノ統制ニ關スル事項
十一 輸出入又ハ移出入ノ植物ニ關スル檢査、取締及病菌害蟲ノ硏究調査ニ關スル事項
十二 輸入又ハ移入ノ獸畜其ノ他ノ貨物ニ關スル家畜傳染病豫防法又ハ畜牛結核病豫防法ニ依ル檢疫又ハ檢査ニ關スル事項
十三 內地產獸毛ノ消毒ニ關スル事項
十四 海港檢疫ニ關スル事項
前項第十一號乃至第十四號ノ事務ヲ掌ル海運局ハ運輸通信大臣之ヲ吿示ス
第二條 海運局ノ名稱、位置及管轄區域ハ別表ニ依ル
第三條 海運局ニ左ノ職員ヲ置ク
局長 八人內
七人 勅任
一人 奏任
書記官 專任十八人 奏任
事務官 專任二十五人 奏任
港務官 專任十人 奏任
技師 專任四十二人 奏任
鑑査官 專任十九人 奏任
植物檢査官 專任六人 奏任
醫官 專任七人 奏任
獸醫官 專任六人 奏任
事務官補 專任千二人 判任
港務官補 專任四十四人 判任
技手 專任百四十人 判任
鑑査官補 專任百六十七人 判任
植物檢査官補 專任三十七人 判任
醫官補 專任四人 判任
獸醫官補 專任三十人 判任
藥劑手 專任六人 判任
手數料ヲ徵シ又ハ明治三十七年勅令第百九號第一條第三項ノ規定ニ依リ之ヲ免除シテ保稅地域其ノ他關稅上特殊ノ取扱ヲ爲ス場所ニ常時派出スル海運局官吏ハ之ヲ定員外トス
第四條 局長ハ運輸通信大臣ノ指揮監督ヲ承ケ局務ヲ掌理シ其ノ管轄內ノ船員職業紹介所ヲ監督ス但シ第一條第一項第五號乃至第十四號ノ事務ニ付テハ各其ノ主務大臣ノ指揮監督ヲ承ク
第五條 書記官及事務官ハ上官ノ命ヲ承ケ事務ヲ掌ル
第六條 港務官ハ上官ノ命ヲ承ケ開港港則及海港檢疫ニ關スル事務ヲ掌ル
運輸通信大臣ハ港務官ノ中ヨリ港長ヲ命ズ
港長タル港務官ハ開港港則ノ施行ニ直接必要ナル港內ノ行政警察ニ關スル事務ニ付テハ水上警察署長ヲ指揮監督ス
港長タル港務官事故アルトキハ局長ハ他ノ海運局官吏ヲシテ其ノ事務ヲ代理セシム
第七條 技師ハ上官ノ命ヲ承ケ技術ヲ掌ル
第八條 鑑査官ハ上官ノ命ヲ承ケ貨物ノ檢査及鑑定ヲ掌ル
第九條 植物檢査官ハ上官ノ命ヲ承ケ植物ノ檢査及病菌害蟲ノ硏究調査ヲ掌ル
第十條 醫官ハ上官ノ命ヲ承ケ海港檢疫及醫務ヲ掌ル
第十一條 獸醫官ハ上官ノ命ヲ承ケ獸畜ノ檢疫、檢査及醫務ヲ掌ル
第十二條 事務官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ事務ニ從事ス
第十三條 港務官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ開港港則及海港檢疫ニ關スル事務ニ從事ス
第十四條 技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ從事ス
第十五條 鑑査官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ貨物ノ檢査及鑑定ニ從事ス
第十六條 植物檢査官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ植物ノ檢査及病菌害蟲ノ硏究調査ニ從事ス
第十七條 醫官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ海港檢疫及醫務ニ從事ス
第十八條 獸醫官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ獸畜ノ檢疫、檢査及醫務ニ從事ス
第十九條 藥劑手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ調劑ニ從事ス
第二十條 運輸通信大臣ハ必要ト認ムル地ニ海運局支局、海運局出張所及海運局支局出張所ヲ置クコトヲ得
海運局支局、海運局出張所及海運局支局出張所ノ名稱及位置竝ニ海運局支局ノ管轄區域ハ運輸通信大臣之ヲ定ム
第一條第一項第十一號乃至第十四號ノ事務ヲ取扱フ海運局支局、海運局出張所及海運局支局出張所ハ運輸通信大臣之ヲ吿示ス
第二十一條 海運局ニハ海港檢疫費豫算定額內ニ於テ臨時左ノ職員ヲ置クコトヲ得
檢疫員 判任官待遇
檢疫醫 奏任官待遇又ハ判任官待遇
前項ノ規定ニ依ル奏任官待遇者ハ通ジテ十三人以內トス
檢疫員ハ上官ノ指揮ヲ承ケ檢疫ニ關スル事務ニ從事シ檢疫醫ハ上官ノ指揮ヲ承ケ檢疫ニ關スル技術ニ從事ス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
稅關官制及海務局官制ハ之ヲ廢止ス
本令施行ノ際現ニ稅關又ハ海務局ノ職員ノ職ニ在ル者別ニ辭令ヲ發セラレザルトキハ稅關書記官及海務局書記官ハ海運局書記官ニ、稅關事務官及海務局事務官ハ海運局事務官ニ、海務局港務官ハ海運局港務官ニ、海務局技師ハ海運局技師ニ、稅關鑑査官ハ海運局鑑査官ニ、植物檢査官ハ海運局植物檢査官ニ、海務局醫官ハ海運局醫官ニ、稅關獸醫官ハ海運局獸醫官ニ、稅關事務官補及海務局事務官補ハ海運局事務官補ニ、海務局港務官補ハ海運局港務官補ニ、稅關技手及海務局技手ハ海運局技手ニ、稅關鑑査官補ハ海運局鑑査官補ニ、植物檢査官補ハ海運局植物檢査官補ニ、海務局醫官補ハ海運局醫官補ニ、稅關獸醫官補ハ海運局獸醫官補ニ、海務局藥劑手ハ海運局藥劑手ニ、海務局ノ檢疫員ハ海運局ノ檢疫員ニ、海務局ノ檢疫醫ハ海運局ノ檢疫醫ニ同官等待遇官等等級俸給ヲ以テ任ゼラレタルモノトス
本令施行ノ際現ニ稅關又ハ海務局ノ職員ニシテ休職中ノモノ別ニ辭令ヲ發セラレザルトキハ休職ノ儘前項ノ例ニ依リ海運局職員ニ同官等俸給ヲ以テ任ゼラレタルモノトス
前二項ノ規定ハ文官任用ノ資格ニ關スル規定ノ適用ヲ妨ゲズ
(別表)
海運局名稱、位置及管轄區域表
【表】
朕海運局官制ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年十一月一日
内閣総理大臣兼商工大臣 東条英機
厚生大臣 小泉親彦
大蔵大臣 賀屋興宣
逓信大臣 八田嘉明
内務大臣 安藤紀三郎
農林大臣 山崎達之輔
勅令第八百三十二号
海運局官制
第一条 海運局ハ運輸通信大臣ノ管理ニ属シ左ノ事務ヲ掌ル
一 船舶、造船、船員、航路其ノ他ノ水運ニ関スル事項但シ木船ノ製造及修繕ニ関スル事項、木船ノ製造及修繕ニ必要ナル船舶用機関、船舶用資材、艤装品其ノ他船舶用品ニ関スル事項、木船ノ製造及修繕ニ関スル事業ノ監督及助成ニ関スル事項並ニ航路標識ニ関スル事項ヲ除ク
二 開港港則及其ノ施行ニ直接必要ナル港内ノ行政警察ニ関スル事項
三 港湾ノ運営ニ関スル事項
四 臨港倉庫ニ係ル倉庫営業ニ関スル事項
五 関税、噸税及輸出入貨物ノ内国税ニ関スル事項
六 保税倉庫、保税工場其ノ他ノ保税地域ニ関スル事項
七 輸出入貨物ノ取締、輸出入貨物ニ関スル船舶及航空機ノ取締並ニ貨物ノ収容ニ関スル事項
八 税関貨物取扱人ニ関スル事項
九 外国為替管理法ノ施行ニ関スル事項
十 貿易組合法、輸出絹織物取締法、輸出毛織物取締法、輸出水産物取締法又ハ重要輸出品取締法ニ依ル輸出入貨物ノ検閲及取締、昭和十二年法律第九十二号ニ基ク命令ニ依ル輸出入貨物ノ取締並ニ貿易統制令ニ依ル輸出入ノ統制ニ関スル事項
十一 輸出入又ハ移出入ノ植物ニ関スル検査、取締及病菌害虫ノ研究調査ニ関スル事項
十二 輸入又ハ移入ノ獣畜其ノ他ノ貨物ニ関スル家畜伝染病予防法又ハ畜牛結核病予防法ニ依ル検疫又ハ検査ニ関スル事項
十三 内地産獣毛ノ消毒ニ関スル事項
十四 海港検疫ニ関スル事項
前項第十一号乃至第十四号ノ事務ヲ掌ル海運局ハ運輸通信大臣之ヲ告示ス
第二条 海運局ノ名称、位置及管轄区域ハ別表ニ依ル
第三条 海運局ニ左ノ職員ヲ置ク
局長 八人内
七人 勅任
一人 奏任
書記官 専任十八人 奏任
事務官 専任二十五人 奏任
港務官 専任十人 奏任
技師 専任四十二人 奏任
鑑査官 専任十九人 奏任
植物検査官 専任六人 奏任
医官 専任七人 奏任
獣医官 専任六人 奏任
事務官補 専任千二人 判任
港務官補 専任四十四人 判任
技手 専任百四十人 判任
鑑査官補 専任百六十七人 判任
植物検査官補 専任三十七人 判任
医官補 専任四人 判任
獣医官補 専任三十人 判任
薬剤手 専任六人 判任
手数料ヲ徴シ又ハ明治三十七年勅令第百九号第一条第三項ノ規定ニ依リ之ヲ免除シテ保税地域其ノ他関税上特殊ノ取扱ヲ為ス場所ニ常時派出スル海運局官吏ハ之ヲ定員外トス
第四条 局長ハ運輸通信大臣ノ指揮監督ヲ承ケ局務ヲ掌理シ其ノ管轄内ノ船員職業紹介所ヲ監督ス但シ第一条第一項第五号乃至第十四号ノ事務ニ付テハ各其ノ主務大臣ノ指揮監督ヲ承ク
第五条 書記官及事務官ハ上官ノ命ヲ承ケ事務ヲ掌ル
第六条 港務官ハ上官ノ命ヲ承ケ開港港則及海港検疫ニ関スル事務ヲ掌ル
運輸通信大臣ハ港務官ノ中ヨリ港長ヲ命ズ
港長タル港務官ハ開港港則ノ施行ニ直接必要ナル港内ノ行政警察ニ関スル事務ニ付テハ水上警察署長ヲ指揮監督ス
港長タル港務官事故アルトキハ局長ハ他ノ海運局官吏ヲシテ其ノ事務ヲ代理セシム
第七条 技師ハ上官ノ命ヲ承ケ技術ヲ掌ル
第八条 鑑査官ハ上官ノ命ヲ承ケ貨物ノ検査及鑑定ヲ掌ル
第九条 植物検査官ハ上官ノ命ヲ承ケ植物ノ検査及病菌害虫ノ研究調査ヲ掌ル
第十条 医官ハ上官ノ命ヲ承ケ海港検疫及医務ヲ掌ル
第十一条 獣医官ハ上官ノ命ヲ承ケ獣畜ノ検疫、検査及医務ヲ掌ル
第十二条 事務官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ事務ニ従事ス
第十三条 港務官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ開港港則及海港検疫ニ関スル事務ニ従事ス
第十四条 技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ従事ス
第十五条 鑑査官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ貨物ノ検査及鑑定ニ従事ス
第十六条 植物検査官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ植物ノ検査及病菌害虫ノ研究調査ニ従事ス
第十七条 医官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ海港検疫及医務ニ従事ス
第十八条 獣医官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ獣畜ノ検疫、検査及医務ニ従事ス
第十九条 薬剤手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ調剤ニ従事ス
第二十条 運輸通信大臣ハ必要ト認ムル地ニ海運局支局、海運局出張所及海運局支局出張所ヲ置クコトヲ得
海運局支局、海運局出張所及海運局支局出張所ノ名称及位置並ニ海運局支局ノ管轄区域ハ運輸通信大臣之ヲ定ム
第一条第一項第十一号乃至第十四号ノ事務ヲ取扱フ海運局支局、海運局出張所及海運局支局出張所ハ運輸通信大臣之ヲ告示ス
第二十一条 海運局ニハ海港検疫費予算定額内ニ於テ臨時左ノ職員ヲ置クコトヲ得
検疫員 判任官待遇
検疫医 奏任官待遇又ハ判任官待遇
前項ノ規定ニ依ル奏任官待遇者ハ通ジテ十三人以内トス
検疫員ハ上官ノ指揮ヲ承ケ検疫ニ関スル事務ニ従事シ検疫医ハ上官ノ指揮ヲ承ケ検疫ニ関スル技術ニ従事ス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
税関官制及海務局官制ハ之ヲ廃止ス
本令施行ノ際現ニ税関又ハ海務局ノ職員ノ職ニ在ル者別ニ辞令ヲ発セラレザルトキハ税関書記官及海務局書記官ハ海運局書記官ニ、税関事務官及海務局事務官ハ海運局事務官ニ、海務局港務官ハ海運局港務官ニ、海務局技師ハ海運局技師ニ、税関鑑査官ハ海運局鑑査官ニ、植物検査官ハ海運局植物検査官ニ、海務局医官ハ海運局医官ニ、税関獣医官ハ海運局獣医官ニ、税関事務官補及海務局事務官補ハ海運局事務官補ニ、海務局港務官補ハ海運局港務官補ニ、税関技手及海務局技手ハ海運局技手ニ、税関鑑査官補ハ海運局鑑査官補ニ、植物検査官補ハ海運局植物検査官補ニ、海務局医官補ハ海運局医官補ニ、税関獣医官補ハ海運局獣医官補ニ、海務局薬剤手ハ海運局薬剤手ニ、海務局ノ検疫員ハ海運局ノ検疫員ニ、海務局ノ検疫医ハ海運局ノ検疫医ニ同官等待遇官等等級俸給ヲ以テ任ゼラレタルモノトス
本令施行ノ際現ニ税関又ハ海務局ノ職員ニシテ休職中ノモノ別ニ辞令ヲ発セラレザルトキハ休職ノ儘前項ノ例ニ依リ海運局職員ニ同官等俸給ヲ以テ任ゼラレタルモノトス
前二項ノ規定ハ文官任用ノ資格ニ関スル規定ノ適用ヲ妨ゲズ
(別表)
海運局名称、位置及管轄区域表
【表】