朕稅關官制改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年十二月十八日
內閣總理大臣 東條英機
大藏大臣 賀屋興宣
勅令第千百五十九號
稅關官制
第一條 稅關ハ大藏大臣ノ管理ニ屬シ左ノ事務ヲ掌ル
一 關稅、噸稅及稅關諸收入ニ關スル事項
二 保稅倉庫、保稅工場其ノ他ノ保稅地域ニ關スル事項
三 船舶、航空機及貨物ノ取締竝ニ貨物ノ收容ニ關スル事項
四 稅關貨物取扱人ニ關スル事項
五 輸出入貨物ノ內國稅ニ關スル事項
六 外國爲替管理法ノ施行ニ關スル事項
七 貿易組合法、輸出絹織物取締法、輸出毛織物取締法、輸出水產物取締法又ハ重要輸出品取締法ニ依ル輸出入貨物ノ檢閱及取締、昭和十二年法律第九十二號ニ基ク命令ニ依ル輸出入貨物ノ取締竝ニ貿易統制令ニ依ル輸出入ノ統制ニ關スル事項
八 輸出入又ハ移出入ノ植物ニ關スル檢査、取締及病菌害蟲ノ硏究調査ニ關スル事項
九 輸入又ハ移入ノ獸畜其ノ他ノ貨物ニ關スル家畜傳染病豫防法又ハ畜牛結核病豫防法ニ依ル檢疫又ハ檢査ニ關スル事項
十 內地產獸毛ノ消毒ニ關スル事項
前項第十號ノ事務ヲ掌ル稅關ハ大藏大臣之ヲ吿示ス
第二條 稅關ノ名稱、位置及管轄區域ハ別表ニ依ル
第三條 稅關ニ通ジテ左ノ職員ヲ置ク
稅關長 七人內
五人 勅任
二人 奏任
書記官 專任十一人 奏任
事務官 專任二十七人 奏任
鑑査官 專任二十五人 奏任
植物檢査官 專任六人 奏任
獸醫官 專任五人 奏任
事務官補 專任千四百三十八人 判任
鑑査官補 專任三百十五人 判任
植物檢査官補 專任四十二人 判任
獸醫官補 專任十七人 判任
技手 專任五十一人 判任
手數料ヲ徵シ又ハ明治三十七年勅令第百九號第一條第三項ノ規定ニ依リ之ヲ免除シテ保稅地域其ノ他關稅上特殊ノ取扱ヲ爲ス場所ニ常時派出スル稅關官吏ハ之ヲ定員外トス
第四條 稅關長ハ大藏大臣ノ指揮監督ヲ承ケ稅關ノ事務ヲ掌理ス但シ第一條第一項第七號乃至第十號ノ事務ニ付テハ各其ノ主務大臣ノ指揮監督ヲ承ク
第五條 書記官及事務官ハ上官ノ命ヲ承ケ事務ヲ掌ル
第六條 鑑査官ハ上官ノ命ヲ承ケ貨物ノ檢査鑑定ヲ掌ル
第七條 植物檢査官ハ上官ノ命ヲ承ケ植物ノ檢査及病菌害蟲ノ硏究調査ヲ掌ル
第八條 獸醫官ハ上官ノ命ヲ承ケ獸畜ノ檢疫、檢査及醫務ヲ掌ル
第九條 事務官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ事務ニ從事ス
第十條 鑑査官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ貨物ノ檢査及鑑定ニ從事ス
第十一條 植物檢査官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ植物ノ檢査及病菌害蟲ノ硏究調査ニ從事ス
第十二條 獸醫官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ獸畜ノ檢疫、檢査及醫務ニ從事ス
第十三條 技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ從事ス
第十四條 稅關ニ稅關長官房及左ノ四部ヲ置ク
監視部
業務部
鑑査部
檢疫部
稅關長官房及各部ノ事務ノ分掌ハ大藏大臣之ヲ定ム
第十五條 大藏大臣ハ必要ト認ムル地ニ稅關支署、稅關出張所及稅關支署出張所ヲ置クコトヲ得
稅關支署、稅關出張所及稅關支署出張所ノ名稱及位置竝ニ稅關支署ノ管轄區域ハ大藏大臣之ヲ定ム
第一條第一項第八號乃至第十號ノ事務ヲ取扱フ稅關支署、稅關出張所及稅關支署出張所ハ大藏大臣之ヲ吿示ス
第十六條 稅關支署ニ稅關支署長ヲ、稅關出張所ニ稅關出張所長ヲ、稅關支署出張所ニ稅關支署出張所長ヲ置ク
稅關支署長及稅關出張所長ハ稅關長ノ指揮監督ヲ、稅關支署出張所長ハ稅關支署長ノ指揮監督ヲ承ケ署務又ハ所務ヲ掌理ス
稅關支署長及稅關出張所長ハ書記官、事務官又ハ事務官補ヲ以テ、稅關支署出張所長ハ事務官補ヲ以テ之ニ充ツ
第十七條 稅關ニハ海港檢疫費豫算定額內ニ於テ臨時檢疫獸醫ヲ置クコトヲ得檢疫獸醫ハ奏任官又ハ判任官ノ待遇トス
前項ノ規定ニ依ル奏任官待遇ノ檢疫獸醫ノ數ハ通ジテ二人以內トス
檢疫獸醫ハ上官ノ指揮ヲ承ケ獸畜ノ檢疫、檢査及醫務ニ從事ス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
大正六年勅令第五十九號ハ之ヲ廢止ス
本令施行ノ際現ニ稅關職員ノ職ニ在ル者別ニ辭令ヲ發セラレザルトキハ關稅官及輸出品檢査官ハ稅關事務官ニ、稅關監視、輸出品檢査官補及稅關監吏ハ稅關事務官補ニ同官等俸給ヲ以テ任ゼラレタルモノトス
前項ノ規定ハ文官任用ノ資格ニ關スル規定ノ適用ヲ妨ゲズ
(別表)
【表】
朕税関官制改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年十二月十八日
内閣総理大臣 東条英機
大蔵大臣 賀屋興宣
勅令第千百五十九号
税関官制
第一条 税関ハ大蔵大臣ノ管理ニ属シ左ノ事務ヲ掌ル
一 関税、噸税及税関諸収入ニ関スル事項
二 保税倉庫、保税工場其ノ他ノ保税地域ニ関スル事項
三 船舶、航空機及貨物ノ取締並ニ貨物ノ収容ニ関スル事項
四 税関貨物取扱人ニ関スル事項
五 輸出入貨物ノ内国税ニ関スル事項
六 外国為替管理法ノ施行ニ関スル事項
七 貿易組合法、輸出絹織物取締法、輸出毛織物取締法、輸出水産物取締法又ハ重要輸出品取締法ニ依ル輸出入貨物ノ検閲及取締、昭和十二年法律第九十二号ニ基ク命令ニ依ル輸出入貨物ノ取締並ニ貿易統制令ニ依ル輸出入ノ統制ニ関スル事項
八 輸出入又ハ移出入ノ植物ニ関スル検査、取締及病菌害虫ノ研究調査ニ関スル事項
九 輸入又ハ移入ノ獣畜其ノ他ノ貨物ニ関スル家畜伝染病予防法又ハ畜牛結核病予防法ニ依ル検疫又ハ検査ニ関スル事項
十 内地産獣毛ノ消毒ニ関スル事項
前項第十号ノ事務ヲ掌ル税関ハ大蔵大臣之ヲ告示ス
第二条 税関ノ名称、位置及管轄区域ハ別表ニ依ル
第三条 税関ニ通ジテ左ノ職員ヲ置ク
税関長 七人内
五人 勅任
二人 奏任
書記官 専任十一人 奏任
事務官 専任二十七人 奏任
鑑査官 専任二十五人 奏任
植物検査官 専任六人 奏任
獣医官 専任五人 奏任
事務官補 専任千四百三十八人 判任
鑑査官補 専任三百十五人 判任
植物検査官補 専任四十二人 判任
獣医官補 専任十七人 判任
技手 専任五十一人 判任
手数料ヲ徴シ又ハ明治三十七年勅令第百九号第一条第三項ノ規定ニ依リ之ヲ免除シテ保税地域其ノ他関税上特殊ノ取扱ヲ為ス場所ニ常時派出スル税関官吏ハ之ヲ定員外トス
第四条 税関長ハ大蔵大臣ノ指揮監督ヲ承ケ税関ノ事務ヲ掌理ス但シ第一条第一項第七号乃至第十号ノ事務ニ付テハ各其ノ主務大臣ノ指揮監督ヲ承ク
第五条 書記官及事務官ハ上官ノ命ヲ承ケ事務ヲ掌ル
第六条 鑑査官ハ上官ノ命ヲ承ケ貨物ノ検査鑑定ヲ掌ル
第七条 植物検査官ハ上官ノ命ヲ承ケ植物ノ検査及病菌害虫ノ研究調査ヲ掌ル
第八条 獣医官ハ上官ノ命ヲ承ケ獣畜ノ検疫、検査及医務ヲ掌ル
第九条 事務官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ事務ニ従事ス
第十条 鑑査官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ貨物ノ検査及鑑定ニ従事ス
第十一条 植物検査官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ植物ノ検査及病菌害虫ノ研究調査ニ従事ス
第十二条 獣医官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ獣畜ノ検疫、検査及医務ニ従事ス
第十三条 技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ従事ス
第十四条 税関ニ税関長官房及左ノ四部ヲ置ク
監視部
業務部
鑑査部
検疫部
税関長官房及各部ノ事務ノ分掌ハ大蔵大臣之ヲ定ム
第十五条 大蔵大臣ハ必要ト認ムル地ニ税関支署、税関出張所及税関支署出張所ヲ置クコトヲ得
税関支署、税関出張所及税関支署出張所ノ名称及位置並ニ税関支署ノ管轄区域ハ大蔵大臣之ヲ定ム
第一条第一項第八号乃至第十号ノ事務ヲ取扱フ税関支署、税関出張所及税関支署出張所ハ大蔵大臣之ヲ告示ス
第十六条 税関支署ニ税関支署長ヲ、税関出張所ニ税関出張所長ヲ、税関支署出張所ニ税関支署出張所長ヲ置ク
税関支署長及税関出張所長ハ税関長ノ指揮監督ヲ、税関支署出張所長ハ税関支署長ノ指揮監督ヲ承ケ署務又ハ所務ヲ掌理ス
税関支署長及税関出張所長ハ書記官、事務官又ハ事務官補ヲ以テ、税関支署出張所長ハ事務官補ヲ以テ之ニ充ツ
第十七条 税関ニハ海港検疫費予算定額内ニ於テ臨時検疫獣医ヲ置クコトヲ得検疫獣医ハ奏任官又ハ判任官ノ待遇トス
前項ノ規定ニ依ル奏任官待遇ノ検疫獣医ノ数ハ通ジテ二人以内トス
検疫獣医ハ上官ノ指揮ヲ承ケ獣畜ノ検疫、検査及医務ニ従事ス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
大正六年勅令第五十九号ハ之ヲ廃止ス
本令施行ノ際現ニ税関職員ノ職ニ在ル者別ニ辞令ヲ発セラレザルトキハ関税官及輸出品検査官ハ税関事務官ニ、税関監視、輸出品検査官補及税関監吏ハ税関事務官補ニ同官等俸給ヲ以テ任ゼラレタルモノトス
前項ノ規定ハ文官任用ノ資格ニ関スル規定ノ適用ヲ妨ゲズ
(別表)
【表】