第三條 長官ハ內閣總理大臣ノ指揮監督ヲ承ケ部內ノ政務ヲ管理ス但シ郵便及電信ニ關スル事務ニ付テハ遞信大臣、貨幣銀行及關稅ニ關スル事務ニ付テハ大藏大臣、度量衡及計量ニ關スル事務ニ付テハ農商務大臣ノ監督ヲ承ク
第四條 長官ハ其ノ職權又ハ特別ノ委任ニ依リ廳令ヲ發シ之ニ一年以下ノ懲役若ハ禁錮、拘留、二百圓以下ノ罰金又ハ科料ノ罰則ヲ附スルコトヲ得
第五條 長官ハ安寧秩序ヲ保持スル爲臨時緊急ヲ要スル場合ニ於テハ前條ノ制限ヲ超ユル罰則ヲ附シタル命令ヲ發スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リテ發シタル命令ハ公布後直ニ內閣總理大臣ヲ經テ勅裁ヲ請フヘシ勅裁ヲ得サルトキハ長官ハ直ニ其ノ命令ノ將來ニ向テ效力ナキコトヲ公布スヘシ
第六條 長官ハ其ノ管轄區域ノ安寧秩序ヲ保持スル爲必要アリト認ムルトキハ鎭守府司令長官又ハ附近ノ海軍主席指揮官ニ兵力ノ使用ヲ請求スルコトヲ得
第七條 長官ハ所部ノ職員ヲ指揮監督シ高等官ノ功過ハ內閣總理大臣ニ具狀シ判任官以下ノ進退ハ之ヲ行フ
第八條 長官ハ所轄官廳ノ命令又ハ處分ニシテ成規ニ違ヒ、公益ヲ害シ又ハ權限ヲ犯スモノアリト認ムルトキハ其ノ命令又ハ處分ヲ取消シ又ハ停止スルコトヲ得
第九條 長官ハ其ノ職權ニ屬スル事務ノ一部ヲ所轄官廳ニ委任スルコトヲ得
長官官房及各部ノ事務分掌ハ內閣總理大臣ノ認可ヲ經テ長官之ヲ定ム
第十一條 南洋廳管內須要ノ地ニ南洋廳支廳ヲ置ク其ノ名稱、位置及管轄區域ハ內閣總理大臣ノ認可ヲ經テ長官之ヲ定ム
第十二條 長官ハ支廳ノ事務ヲ分掌セシムル爲支廳出張所ヲ置クコトヲ得其ノ名稱、位置及管轄區域ハ長官之ヲ定ム
第十三條 部長ハ長官ノ命ヲ承ケ部務ヲ掌理シ部下ノ職員ヲ指揮監督ス
第十四條 事務官ハ支廳長タル者ヲ除クノ外上官ノ命ヲ承ケ事務ヲ分掌ス
第十五條 支廳長ハ事務官ヲ以テ之ニ充ツ長官ノ指揮監督ヲ承ケ法律命令ヲ執行シ部內ノ行政事務ヲ掌理シ部下ノ職員ヲ指揮監督ス
第十六條 支廳長ハ部內ノ行政事務ニ付其ノ職權又ハ特別ノ委任ニ依リ支廳令ヲ發スルコトヲ得
第十七條 支廳出張所長ハ屬又ハ警部ヲ以テ之ニ充ツ上官ノ指揮監督ヲ承ケ所務ヲ掌理ス
第十八條 警視ハ上官ノ命ヲ承ケ警察、衞生及監獄ノ事務ヲ掌リ其ノ執行ニ關シ警部、警部補及巡査ヲ指揮監督ス
第二十一條 警部ハ上官ノ指揮ヲ承ケ警察、衞生及監獄ノ事務ニ從事シ部下ノ警部補及巡査ヲ指揮監督ス
第二十三條 警部補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ警察、衞生及監獄ノ事務ニ從事シ部下ノ巡査ヲ指揮監督ス
第二十四條 氣象ニ關スル事務ヲ掌ラシムル爲南洋廳ニ觀測所ヲ置ク其ノ名稱及位置ハ長官之ヲ定ム
觀測所長ハ技手ヲ以テ之ニ充ツ長官ノ指揮監督ヲ承ケ所務ヲ掌理ス