一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十年十月十九日
内閣総理大臣 小渕恵三
法律第百三十七号
一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律
目次
第一章
総則(第一条)
第二章
郵便貯金特別会計一般勘定からの一般会計への特別繰入金の繰入れ(第二条)
第三章
たばこ特別税
第一節
総則(第三条―第六条)
第二節
課税標準及び税率(第七条・第八条)
第三節
免税及び税額控除等(第九条―第十一条)
第四節
申告及び納付等(第十二条―第十八条)
第五節
雑則(第十九条・第二十条)
第六節
罰則(第二十一条―第二十三条)
第四章
たばこ特別税の収入の帰属等(第二十四条―第二十六条)
附則
第一章 総則
(趣旨)
第一条 この法律は、最近における一般会計の収支が著しく不均衡となっている状況において、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律(平成十年法律第百三十六号)の規定により日本国有鉄道清算事業団の長期借入金に係る債務等を一般会計において承継すること及び政府の同事業団に対する無利子貸付金に係る同事業団の債務を免除すること並びに国有林野事業の改革のための特別措置法(平成十年法律第百三十四号)の規定により国有林野事業特別会計の国有林野事業勘定の負担に属する平成七年九月二十九日までに借り入れられた借入金に係る債務等を一般会計に帰属させることに伴い一般会計の負担が増加することにかんがみ、平成十年度から平成十四年度までの間における郵便貯金特別会計一般勘定からの一般会計への繰入れの特例措置を講ずるとともに、たばこ特別税を創設しその収入を国債整理基金特別会計の歳入とすること等の措置を定めるものとする。
第二章 郵便貯金特別会計一般勘定からの一般会計への特別繰入金の繰入れ
第二条 政府は、一般会計の歳出の財源に充てるため、平成十年度から平成十四年度までの各年度において、郵便貯金特別会計一般勘定から、一兆円の五分の一に相当する金額を限り、予算で定めるところにより、一般会計に繰り入れるものとする。
2 前項の規定による繰入金(以下「特別繰入金」という。)に相当する金額は、郵便貯金特別会計法(昭和二十六年法律第百三号)第九条の規定による郵便貯金特別会計一般勘定の積立金の額から減額して整理するものとし、特別繰入金は、当該勘定の歳出とする。
第三章 たばこ特別税
第一節 総則
(定義)
第三条 この章並びに附則第三条及び第四条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 製造たばこ たばこ税法(昭和五十九年法律第七十二号)第三条に規定する製造たばこをいう。
二 保税地域 関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第二十九条に規定する保税地域をいう。
(課税物件)
第四条 製造たばこには、この法律により、当分の間、たばこ特別税を課する。
(納税義務者)
第五条 製造たばこの製造者(たばこ税法第六条第一項ただし書若しくは第七条の規定により製造たばこの製造者とみなされる者又は同法第十二条第六項若しくは第十三条第五項の規定により製造たばこ製造者とみなされる者を含む。)は、その製造場(同法第六条第五項、第十二条第六項又は第十三条第五項の規定により製造たばこの製造場とみなされる場所を含むものとし、同法第五条の規定により製造たばこの製造場でない保税地域とみなされる製造たばこの製造場を除く。)から移出した製造たばこ(同法第六条第一項の規定の適用がある場合には、その喫煙用等(同項に規定する喫煙用等をいう。次項において同じ。)に供された製造たばことし、同条第三項の規定の適用がある場合には、その換価された製造たばことし、同条第四項又は第五項の規定の適用がある場合には、その現存する製造たばことする。)につき、たばこ特別税を納める義務がある。
2 製造たばこを保税地域(たばこ税法第五条の規定により保税地域に該当しない製造たばこの製造場とみなされるものを除く。)から引き取る者(同法第六条第二項の規定の適用がある場合には、その喫煙用等に供した者。第十九条第一項第二号において同じ。)は、その引き取る製造たばこ(同法第六条第二項の規定の適用がある場合には、その喫煙用等に供された製造たばこ)につき、たばこ特別税を納める義務がある。
(納税地)
第六条 たばこ特別税の納税地は、たばこ税の納税地となる場所とする。
第二節 課税標準及び税率
(課税標準)
第七条 たばこ特別税の課税標準は、たばこ税の課税標準となる製造たばこの本数とする。
(税率)
第八条 たばこ特別税の税率は、千本につき八百二十円とする。
2 たばこ税法附則第二条の規定の適用を受ける製造たばこに係るたばこ特別税の税率は、前項の規定にかかわらず、千本につき三百八十九円とする。
3 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第八十八条の二第一項の規定の適用を受ける製造たばこに係るたばこ特別税の税率は、第一項の規定にかかわらず、千本につき五百円とする。
第三節 免税及び税額控除等
(未納税移出等)
第九条 たばこ税法第十二条第一項、第十三条第一項及び第十四条第一項その他の法律の規定によりたばこ税を免除するときは、当該免除に係る製造たばこに係るたばこ特別税を免除する。ただし、輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(昭和三十年法律第三十七号)の規定によりたばこ税を免除するときは、この項の規定は、適用しない。
2 前項の規定の適用を受けた製造たばこについてたばこ税法第十三条第七項その他の法律の規定によりたばこ税を徴収することとなるときは、当該たばこ税を徴収すべき者から当該製造たばこに係るたばこ特別税を徴収する。
(課税済みの輸入製造たばこの輸出又は廃棄の場合のたばこ特別税の還付)
第十条 たばこ特別税及びたばこ税課税済みの製造たばこにつき、たばこ税法第十五条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定によりたばこ税額として計算した金額の還付が行われるときは、当該還付に係る金額の計算に準じて計算したたばこ特別税額に相当する金額を、当該還付に係る金額にあわせて還付する。
2 前項の規定によりたばこ税額として計算した金額の還付にあわせてたばこ特別税額に相当する金額の還付が行われたときは、当該還付に係る金額の合算額の千分の二百八に相当するたばこ特別税額に相当する金額及び千分の七百九十二に相当するたばこ税額に相当する金額の還付があったものとする。
3 たばこ税法第十五条第二項及び第四項の規定は、第一項の規定による還付について準用する。この場合において、同条第二項中「輸出をした」とあるのは「輸出又は廃棄をした」と、「輸出先」とあるのは「輸出先(輸出をした場合に限る。)」と、「輸出されたこと」とあるのは「輸出され、又は廃棄されたこと」と、「これを」とあるのは「これを、輸出をした場合にあつては」と、「税関長」とあるのは「税関長に、廃棄をした場合にあつては廃棄の承認を受けた税関の税関長」と読み替えるものとする。
(戻入れの場合のたばこ特別税の控除等)
第十一条 たばこ特別税及びたばこ税課税済みの製造たばこにつき、たばこ税法第十六条第一項から第五項までの規定によりたばこ税額に相当する金額の控除又は当該控除すべき金額若しくはその不足額の還付が行われるときは、当該控除又は還付に係る金額の計算に準じて計算したたばこ特別税額に相当する金額を、当該控除又は還付に係る金額にあわせて控除し、又は還付する。
2 前項の規定によりたばこ税額に相当する金額の控除又は還付にあわせてたばこ特別税額に相当する金額の控除又は還付が行われたときは、これらの控除又は還付に係る金額の合算額の千分の二百八に相当するたばこ特別税額に相当する金額及び千分の七百九十二に相当するたばこ税額に相当する金額の控除又は還付があったものとする。
3 たばこ税法第十六条第六項及び第七項の規定は、第一項の規定による控除又は還付について準用する。
第四節 申告及び納付等
(申告及び納付等)
第十二条 たばこ特別税は、たばこ税の申告にあわせて申告して納付し、又はたばこ税にあわせて徴収しなければならない。
2 たばこ特別税及びたばこ税の納付があったときは、その納付に係る金額については、次の各号に掲げる製造たばこの区分に応じ当該各号に定めるたばこ特別税及びたばこ税の納付があったものとする。
一 製造たばこ(次号及び第三号に掲げる製造たばこを除く。) 千分の二百八に相当する税額のたばこ特別税及び千分の七百九十二に相当する税額のたばこ税
二 たばこ税法第十一条第二項の規定の適用を受ける製造たばこ 千分の百十六に相当する税額のたばこ特別税及び千分の八百八十四に相当する税額のたばこ税
三 租税特別措置法第八十八条の二第一項の規定の適用を受ける製造たばこ 千分の九十一に相当する税額のたばこ特別税及び千分の九百九に相当する税額のたばこ税
(担保の提供)
第十三条 たばこ税法第二十二条の規定による担保を提供する者は、政令で定めるところにより、たばこ特別税に相当する担保をあわせて提供しなければならない。
2 国税庁長官、国税局長、税務署長又は税関長は、たばこ税法第二十三条第一項の規定により担保の提供を命ずるときは、政令で定めるところにより、たばこ特別税額に相当する担保をあわせて提供すべきことを命じなければならない。
3 たばこ税法第二十三条第二項の規定は、前項の規定により提供される担保について準用する。
(延滞税)
第十四条 国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)の規定によりたばこ特別税及びたばこ税に係る延滞税を納付すべき場合においては、未納に係るたばこ特別税額及びたばこ税額の合算額について同法の規定による延滞税の額の計算に準じて計算した金額の千分の二百八に相当する金額及び千分の七百九十二に相当する金額を、それぞれ同法の規定により納付すべきたばこ特別税に係る延滞税の額及びたばこ税に係る延滞税の額とする。
2 たばこ税法第十一条第二項の規定の適用を受ける製造たばこに係る前項の規定の適用については、同項中「千分の二百八」とあるのは「千分の百十六」と、「千分の七百九十二」とあるのは「千分の八百八十四」とする。
3 租税特別措置法第八十八条の二第一項の規定の適用を受ける製造たばこに係る第一項の規定の適用については、同項中「千分の二百八」とあるのは「千分の九十一」と、「千分の七百九十二」とあるのは「千分の九百九」とする。
4 第十二条第一項の規定は、第一項(第二項及び前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)に規定する延滞税を納付する場合について準用する。
(過少申告加算税又は無申告加算税)
第十五条 前条第一項(同条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定は、国税通則法の規定によりたばこ特別税及びたばこ税に係る過少申告加算税又は無申告加算税を納付すべき場合について準用する。
2 第十二条第一項の規定は、前項に規定する過少申告加算税又は無申告加算税を納付する場合について準用する。
(還付及び充当)
第十六条 たばこ特別税に係る過誤納金は、たばこ税に係る過誤納金にあわせて還付しなければならない。
2 国税通則法第五十六条第一項に規定する還付金等及び同法の規定による還付加算金を未納のたばこ特別税及びたばこ税に充当するときは、これらの税にあわせて充当しなければならない。
3 第一項の規定による還付があったときは、その還付に係る金額の千分の二百八に相当するたばこ特別税の過誤納金及び千分の七百九十二に相当するたばこ税の過誤納金の還付があったものとし、前項の規定による充当があったときは、その充当に係る金額の千分の二百八に相当する未納のたばこ特別税及び千分の七百九十二に相当する未納のたばこ税に対する充当があったものとする。
4 第十四条第二項又は第三項の規定は、たばこ税法第十一条第二項又は租税特別措置法第八十八条の二第一項の規定の適用を受ける製造たばこに係る前項の規定の適用について準用する。
(還付加算金)
第十七条 国税通則法の規定により還付加算金を、第十一条第一項及びたばこ税法第十六条の規定によるたばこ特別税及びたばこ税の還付に係る金額又はたばこ特別税及びたばこ税の過誤納額に加算すべき場合においては、これらの還付に係る金額の合算額又は過誤納額の合算額についてこれらの規定による還付加算金の計算に準じて計算した金額の千分の二百八に相当する金額及び千分の七百九十二に相当する金額を、それぞれ国税通則法の規定により加算すべきたばこ特別税に係る還付加算金及びたばこ税に係る還付加算金とする。
2 第十四条第二項又は第三項の規定は、たばこ税法第十一条第二項又は租税特別措置法第八十八条の二第一項の規定の適用を受ける製造たばこに係る前項の規定の適用について準用する。
3 たばこ特別税及びたばこ税に係る還付加算金は、あわせて支払又は充当をしなければならない。
(端数計算)
第十八条 たばこ特別税及びたばこ税の額又はこれらの税に係る国税通則法第五十六条第一項に規定する還付金等の金額を計算する場合における端数計算については、これらの税の額の合算額又は当該還付金等の金額の合算額につき、同法の規定を適用する。
第五節 雑則
(当該職員の権限)
第十九条 国税庁、国税局、税務署又は税関の当該職員(以下この章において「当該職員」という。)は、たばこ特別税に関する調査について必要な範囲内で、次に掲げる行為をすることができる。
一 たばこ税法第二十五条に規定する者に対して質問し、又はこれらの者の業務に関する製造たばこ、帳簿書類その他の物件を検査すること。
二 製造たばこを保税地域から引き取る者に対して質問し、その引き取る製造たばこを検査すること。
三 第一号に規定する者の業務に関する製造たばこ又は前号に規定する製造たばこについて必要最少限度の分量の見本を採取すること。
四 運搬中の製造たばこを検査し、又はこれを運搬する者に対してその出所若しくは到達先を質問すること。
2 当該職員は、たばこ特別税に関する調査について必要がある場合には、特定販売業者(たばこ税法第十一条第二項に規定する特定販売業者をいう。附則第三条において同じ。)、卸売販売業者(同法第二十七条第二項に規定する卸売販売業者をいう。)又は小売販売業者(同項に規定する小売販売業者をいう。附則第三条において同じ。)の組織する団体(当該団体をもって組織する団体を含む。)に対して、その団体員の製造たばこの取引に関し参考となるべき事項を諮問することができる。
3 第一項第三号の規定により採取した見本に関しては、第五条及び第十二条の規定は、適用しない。
4 当該職員は、第一項又は第二項の規定により職務を執行する場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
5 第一項に規定する当該職員の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(たばこ特別税に係るたばこ税法の適用の特例等)
第二十条 たばこ特別税に係る次の表の第一欄に掲げる法律の適用については、同表の第二欄に掲げる規定中同表の第三欄に掲げる字句は、それぞれ同表の第四欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
第一欄
第二欄
第三欄
第四欄
たばこ税法
第十二条第五項及び第十三条第四項
たばこ税
たばこ税及びたばこ特別税
租税特別措置法
第八十八条第一項
たばこ税法
たばこ税法、一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律(平成十年法律第百三十七号。次項において「特別措置法」という。)
第八十八条第二項
たばこ税法
たばこ税法及び特別措置法
輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律
第二条第一号
たばこ税
たばこ税、たばこ特別税
国税通則法
第二条第三号
たばこ税
たばこ税、たばこ特別税
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)
第二条第三号
たばこ税
たばこ税、たばこ特別税
災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律(昭和二十二年法律第百七十五号)
第七条第一項
たばこ税
たばこ税、たばこ特別税
第七条第二項
第十六条第一項若しくは第五項
第十六条第一項若しくは第五項、一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律(第四項において「特別措置法」という。)第十一条第一項(たばこ税法第十六条第一項又は第五項の規定に係る部分に限る。)
第七条第三項
地方道路税
地方道路税又はたばこ税及びたばこ特別税
これらの税目
揮発油税及び地方道路税又はたばこ税及びたばこ特別税
第七条第四項
地方道路税に係るときは、地方道路税法第十二条第一項及び第三項
地方道路税又はたばこ税及びたばこ特別税に係るときは、地方道路税法第十二条第一項及び第三項又は特別措置法第十六条第一項及び第三項
相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)
第十四条第二項
たばこ税
たばこ税、たばこ特別税
会社更生法(昭和二十七年法律第百七十二号)
第百十九条
たばこ税
たばこ税、たばこ特別税
たばこ事業法(昭和五十九年法律第六十八号)
第九条第一項
たばこ税及び
たばこ税及び一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律(平成十年法律第百三十七号)に規定するたばこ特別税並びに
2 前項に定めるもののほか、たばこ特別税に係るたばこ税法その他の法令の規定の技術的読替えその他この章の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第六節 罰則
第二十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 偽りその他不正の行為によりたばこ特別税を免れ、又は免れようとした者
二 偽りその他不正の行為により第十条第一項又は第十一条第一項の規定による還付を受け、又は受けようとした者
2 前項の犯罪に係る製造たばこに対するたばこ特別税に相当する金額又は還付金に相当する金額の三倍が五十万円を超える場合には、情状により、同項の罰金は、五十万円を超え当該たばこ特別税に相当する金額又は還付金に相当する金額の三倍以下とすることができる。
第二十二条 第十九条第一項第一号若しくは第二号の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは偽りの陳述をし、又は同項第一号から第三号までの規定による当該職員の職務の執行を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、十万円以下の罰金に処する。
第二十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して前二条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して当該各条の罰金刑を科する。
2 前項の規定により第二十一条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同項の罪についての時効の期間による。
第四章 たばこ特別税の収入の帰属等
(たばこ特別税の収入の帰属)
第二十四条 各年度におけるたばこ特別税の収入は、当該各年度の国債整理基金特別会計の歳入に組み入れるものとする。
(国税収納金整理資金に関する法律の適用に関する特例)
第二十五条 前条の規定によりたばこ特別税の収入を国債整理基金特別会計の歳入に組み入れる場合における国税収納金整理資金に関する法律(昭和二十九年法律第三十六号)第六条第二項の規定の適用については、同項中「石炭並びに石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計」とあるのは、「国債整理基金特別会計、石炭並びに石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計」とする。
(一般会計からの国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例)
第二十六条 第二十四条の規定によりたばこ特別税の収入を国債整理基金特別会計の歳入に組み入れる場合においては、当該組み入れられた金額に相当する金額が国債整理基金特別会計法(明治三十九年法律第六号)第二条第一項の規定により一般会計から国債整理基金特別会計に繰り入れられたものとみなす。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第三章の規定並びに附則第三条及び第四条の規定は、平成十年十二月一日から施行する。
(検討)
第二条 政府は、平成十四年度において、郵便貯金事業の経営の健全性の確保の観点から必要と認められる場合には、繰り入れた特別繰入金の総額、同事業を取り巻く経済社会情勢等を踏まえ、同事業の経営の健全性の確保のための適切な措置を検討する。
(手持品課税等)
第三条 平成十年十二月一日(以下「指定日」という。)に、製造たばこの製造場又は保税地域以外の場所で製造たばこを販売のため所持する製造たばこの製造者又は販売業者がある場合において、その所持する製造たばこの本数(たばこ税法第十条の規定により、たばこ税の課税標準となる製造たばこの本数とし、二以上の場所で製造たばこを所持する場合には、その合計本数とする。)が三万本以上であるときは、当該製造たばこについては、その者が製造たばこの製造者として当該製造たばこを指定日にその者の製造たばこの製造場から移出したものとみなして、次の各号に掲げる製造たばこの区分に応じ当該各号に定める税率によりたばこ特別税を課する。
一 製造たばこ(次号に掲げる製造たばこを除く。) 千本につき八百二十円
二 たばこ税法附則第二条の規定の適用を受ける製造たばこ 千本につき三百八十九円
2 前項に規定する者は、その所持する製造たばこで同項の規定に該当するものの貯蔵場所(小売販売業者にあっては、たばこ事業法第二十二条第一項に規定する営業所。以下この項において同じ。)ごとに、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申告書を、指定日から起算して一月以内に、その貯蔵場所の所在地を所轄する税務署長に提出しなければならない。
一 所持する製造たばこの区分(たばこ税法第二条第二項に規定する製造たばこの区分をいう。以下この号において同じ。)及び区分ごとの数量
二 前号の数量により算定した前項の規定によるたばこ特別税額及び当該たばこ特別税額の合計額
三 その他参考となるべき事項
3 前項の規定による申告書を提出した者は、平成十一年五月三十一日までに、当該申告書に記載した同項第二号に掲げるたばこ特別税額の合計額に相当するたばこ特別税を、国に納付しなければならない。
4 前項の規定は、同項に規定する第二項の規定による申告書を提出すべき者で、当該申告に係るたばこ特別税につき、国税通則法に規定する期限後申告書若しくは修正申告書を同項の規定による申告書に係る前項の納期限前に提出したもの又は同法に規定する更正若しくは決定を受けたもののうち同法第三十五条第二項第二号の規定による納付の期限が前項の納期限前に到来するものについて準用する。
5 第一項の規定によりたばこ特別税を課された、又は課されるべき製造たばこのうち、特定販売業者が、自ら保税地域から引き取った製造たばこで販売のため所持するものを輸出した場合又は自ら保税地域から引き取った製造たばこで販売のため所持するものを保税地域に入れ、あらかじめ政令で定めるところにより税関長の承認を受けて廃棄した場合において、当該特定販売業者が、政令で定めるところにより、当該製造たばこが同項の規定によりたばこ特別税を課された、又は課されるべきものであることにつき、当該製造たばこの輸出の申告をした、又は廃棄の承認を受けた税関の税関長の確認を受けたときは、当該たばこ特別税額に相当する金額は、第十条の規定に準じて、その者の還付に係るたばこ税額に相当する金額にあわせて還付する。
6 次の各号に掲げる場合において、当該各号に規定する製造たばこ製造者(たばこ税法第六条第四項に規定する製造たばこ製造者をいう。以下この項において同じ。)が政令で定めるところにより、当該製造たばこが第一項の規定によるたばこ特別税を課された、又は課されるべきものであることにつき、当該製造たばこの戻入れ又は移入に係る製造たばこの製造場の所在地を所轄する税務署長の確認を受けたときは、当該たばこ特別税額に相当する金額は、第十一条の規定に準じて、その者の控除又は還付に係るたばこ税額に相当する金額にあわせて控除し、又は還付する。
一 製造たばこ製造者がその製造場から移出した製造たばこで、第一項の規定によるたばこ特別税を課された、又は課されるべきものが当該製造場に戻し入れられた場合(当該製造たばこで製造たばこの販売業者から返品されたものその他政令で定めるものが当該製造たばこ製造者の他の製造たばこの製造場に移入された場合を含む。)
二 前号に該当する場合を除き、製造たばこ製造者が、他の製造たばこの製造場から移出され、又は保税地域から引き取られた製造たばこで第一項の規定によるたばこ特別税を課された、又は課されるべきものを製造たばこの製造場に移入し、当該製造たばこをその移入した製造場から更に移出した場合
7 たばこ税法第二十六条(第二号を除く。)の規定は、第二項の規定による申告書を提出しなければならない者について準用する。
8 第二項の規定による申告書の提出を怠った者は、二十万円以下の罰金に処する。
9 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の罰金刑を科する。
(戻入れの場合のたばこ税の控除等に関する経過措置)
第四条 指定日前に製造たばこの製造場から移出され、又は保税地域から引き取られた製造たばこ(前条第一項の規定の適用を受けるものを除く。)につき、たばこ税法第十六条第一項、第三項又は第五項の規定の適用がある場合において、これらの規定による控除を受けようとする月分が平成十年十二月分以後の月分であるときは、当該控除を受けようとする月分については、同法第十七条第一項の規定による申告書の提出を要しないときとみなして、同法第十六条及び第十七条第二項の規定を適用する。この場合において、同条第一項の規定の適用については、同項第五号中「たばこ税額(」とあるのは、「たばこ税額(一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律附則第四条第一項の規定による還付を受けようとするたばこ税額を除くものとし、」とする。
2 指定日前に製造たばこの製造場から移出され、又は保税地域から引き取られた製造たばこ(前条第一項の規定の適用を受けるものを除く。)に係る災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律第七条の規定の適用については、前項の規定に準じ、政令で定める。
大蔵大臣 宮澤喜一
郵政大臣 野田聖子
内閣総理大臣 小渕恵三
一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十年十月十九日
内閣総理大臣 小渕恵三
法律第百三十七号
一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律
目次
第一章
総則(第一条)
第二章
郵便貯金特別会計一般勘定からの一般会計への特別繰入金の繰入れ(第二条)
第三章
たばこ特別税
第一節
総則(第三条―第六条)
第二節
課税標準及び税率(第七条・第八条)
第三節
免税及び税額控除等(第九条―第十一条)
第四節
申告及び納付等(第十二条―第十八条)
第五節
雑則(第十九条・第二十条)
第六節
罰則(第二十一条―第二十三条)
第四章
たばこ特別税の収入の帰属等(第二十四条―第二十六条)
附則
第一章 総則
(趣旨)
第一条 この法律は、最近における一般会計の収支が著しく不均衡となっている状況において、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律(平成十年法律第百三十六号)の規定により日本国有鉄道清算事業団の長期借入金に係る債務等を一般会計において承継すること及び政府の同事業団に対する無利子貸付金に係る同事業団の債務を免除すること並びに国有林野事業の改革のための特別措置法(平成十年法律第百三十四号)の規定により国有林野事業特別会計の国有林野事業勘定の負担に属する平成七年九月二十九日までに借り入れられた借入金に係る債務等を一般会計に帰属させることに伴い一般会計の負担が増加することにかんがみ、平成十年度から平成十四年度までの間における郵便貯金特別会計一般勘定からの一般会計への繰入れの特例措置を講ずるとともに、たばこ特別税を創設しその収入を国債整理基金特別会計の歳入とすること等の措置を定めるものとする。
第二章 郵便貯金特別会計一般勘定からの一般会計への特別繰入金の繰入れ
第二条 政府は、一般会計の歳出の財源に充てるため、平成十年度から平成十四年度までの各年度において、郵便貯金特別会計一般勘定から、一兆円の五分の一に相当する金額を限り、予算で定めるところにより、一般会計に繰り入れるものとする。
2 前項の規定による繰入金(以下「特別繰入金」という。)に相当する金額は、郵便貯金特別会計法(昭和二十六年法律第百三号)第九条の規定による郵便貯金特別会計一般勘定の積立金の額から減額して整理するものとし、特別繰入金は、当該勘定の歳出とする。
第三章 たばこ特別税
第一節 総則
(定義)
第三条 この章並びに附則第三条及び第四条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 製造たばこ たばこ税法(昭和五十九年法律第七十二号)第三条に規定する製造たばこをいう。
二 保税地域 関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第二十九条に規定する保税地域をいう。
(課税物件)
第四条 製造たばこには、この法律により、当分の間、たばこ特別税を課する。
(納税義務者)
第五条 製造たばこの製造者(たばこ税法第六条第一項ただし書若しくは第七条の規定により製造たばこの製造者とみなされる者又は同法第十二条第六項若しくは第十三条第五項の規定により製造たばこ製造者とみなされる者を含む。)は、その製造場(同法第六条第五項、第十二条第六項又は第十三条第五項の規定により製造たばこの製造場とみなされる場所を含むものとし、同法第五条の規定により製造たばこの製造場でない保税地域とみなされる製造たばこの製造場を除く。)から移出した製造たばこ(同法第六条第一項の規定の適用がある場合には、その喫煙用等(同項に規定する喫煙用等をいう。次項において同じ。)に供された製造たばことし、同条第三項の規定の適用がある場合には、その換価された製造たばことし、同条第四項又は第五項の規定の適用がある場合には、その現存する製造たばことする。)につき、たばこ特別税を納める義務がある。
2 製造たばこを保税地域(たばこ税法第五条の規定により保税地域に該当しない製造たばこの製造場とみなされるものを除く。)から引き取る者(同法第六条第二項の規定の適用がある場合には、その喫煙用等に供した者。第十九条第一項第二号において同じ。)は、その引き取る製造たばこ(同法第六条第二項の規定の適用がある場合には、その喫煙用等に供された製造たばこ)につき、たばこ特別税を納める義務がある。
(納税地)
第六条 たばこ特別税の納税地は、たばこ税の納税地となる場所とする。
第二節 課税標準及び税率
(課税標準)
第七条 たばこ特別税の課税標準は、たばこ税の課税標準となる製造たばこの本数とする。
(税率)
第八条 たばこ特別税の税率は、千本につき八百二十円とする。
2 たばこ税法附則第二条の規定の適用を受ける製造たばこに係るたばこ特別税の税率は、前項の規定にかかわらず、千本につき三百八十九円とする。
3 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第八十八条の二第一項の規定の適用を受ける製造たばこに係るたばこ特別税の税率は、第一項の規定にかかわらず、千本につき五百円とする。
第三節 免税及び税額控除等
(未納税移出等)
第九条 たばこ税法第十二条第一項、第十三条第一項及び第十四条第一項その他の法律の規定によりたばこ税を免除するときは、当該免除に係る製造たばこに係るたばこ特別税を免除する。ただし、輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(昭和三十年法律第三十七号)の規定によりたばこ税を免除するときは、この項の規定は、適用しない。
2 前項の規定の適用を受けた製造たばこについてたばこ税法第十三条第七項その他の法律の規定によりたばこ税を徴収することとなるときは、当該たばこ税を徴収すべき者から当該製造たばこに係るたばこ特別税を徴収する。
(課税済みの輸入製造たばこの輸出又は廃棄の場合のたばこ特別税の還付)
第十条 たばこ特別税及びたばこ税課税済みの製造たばこにつき、たばこ税法第十五条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定によりたばこ税額として計算した金額の還付が行われるときは、当該還付に係る金額の計算に準じて計算したたばこ特別税額に相当する金額を、当該還付に係る金額にあわせて還付する。
2 前項の規定によりたばこ税額として計算した金額の還付にあわせてたばこ特別税額に相当する金額の還付が行われたときは、当該還付に係る金額の合算額の千分の二百八に相当するたばこ特別税額に相当する金額及び千分の七百九十二に相当するたばこ税額に相当する金額の還付があったものとする。
3 たばこ税法第十五条第二項及び第四項の規定は、第一項の規定による還付について準用する。この場合において、同条第二項中「輸出をした」とあるのは「輸出又は廃棄をした」と、「輸出先」とあるのは「輸出先(輸出をした場合に限る。)」と、「輸出されたこと」とあるのは「輸出され、又は廃棄されたこと」と、「これを」とあるのは「これを、輸出をした場合にあつては」と、「税関長」とあるのは「税関長に、廃棄をした場合にあつては廃棄の承認を受けた税関の税関長」と読み替えるものとする。
(戻入れの場合のたばこ特別税の控除等)
第十一条 たばこ特別税及びたばこ税課税済みの製造たばこにつき、たばこ税法第十六条第一項から第五項までの規定によりたばこ税額に相当する金額の控除又は当該控除すべき金額若しくはその不足額の還付が行われるときは、当該控除又は還付に係る金額の計算に準じて計算したたばこ特別税額に相当する金額を、当該控除又は還付に係る金額にあわせて控除し、又は還付する。
2 前項の規定によりたばこ税額に相当する金額の控除又は還付にあわせてたばこ特別税額に相当する金額の控除又は還付が行われたときは、これらの控除又は還付に係る金額の合算額の千分の二百八に相当するたばこ特別税額に相当する金額及び千分の七百九十二に相当するたばこ税額に相当する金額の控除又は還付があったものとする。
3 たばこ税法第十六条第六項及び第七項の規定は、第一項の規定による控除又は還付について準用する。
第四節 申告及び納付等
(申告及び納付等)
第十二条 たばこ特別税は、たばこ税の申告にあわせて申告して納付し、又はたばこ税にあわせて徴収しなければならない。
2 たばこ特別税及びたばこ税の納付があったときは、その納付に係る金額については、次の各号に掲げる製造たばこの区分に応じ当該各号に定めるたばこ特別税及びたばこ税の納付があったものとする。
一 製造たばこ(次号及び第三号に掲げる製造たばこを除く。) 千分の二百八に相当する税額のたばこ特別税及び千分の七百九十二に相当する税額のたばこ税
二 たばこ税法第十一条第二項の規定の適用を受ける製造たばこ 千分の百十六に相当する税額のたばこ特別税及び千分の八百八十四に相当する税額のたばこ税
三 租税特別措置法第八十八条の二第一項の規定の適用を受ける製造たばこ 千分の九十一に相当する税額のたばこ特別税及び千分の九百九に相当する税額のたばこ税
(担保の提供)
第十三条 たばこ税法第二十二条の規定による担保を提供する者は、政令で定めるところにより、たばこ特別税に相当する担保をあわせて提供しなければならない。
2 国税庁長官、国税局長、税務署長又は税関長は、たばこ税法第二十三条第一項の規定により担保の提供を命ずるときは、政令で定めるところにより、たばこ特別税額に相当する担保をあわせて提供すべきことを命じなければならない。
3 たばこ税法第二十三条第二項の規定は、前項の規定により提供される担保について準用する。
(延滞税)
第十四条 国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)の規定によりたばこ特別税及びたばこ税に係る延滞税を納付すべき場合においては、未納に係るたばこ特別税額及びたばこ税額の合算額について同法の規定による延滞税の額の計算に準じて計算した金額の千分の二百八に相当する金額及び千分の七百九十二に相当する金額を、それぞれ同法の規定により納付すべきたばこ特別税に係る延滞税の額及びたばこ税に係る延滞税の額とする。
2 たばこ税法第十一条第二項の規定の適用を受ける製造たばこに係る前項の規定の適用については、同項中「千分の二百八」とあるのは「千分の百十六」と、「千分の七百九十二」とあるのは「千分の八百八十四」とする。
3 租税特別措置法第八十八条の二第一項の規定の適用を受ける製造たばこに係る第一項の規定の適用については、同項中「千分の二百八」とあるのは「千分の九十一」と、「千分の七百九十二」とあるのは「千分の九百九」とする。
4 第十二条第一項の規定は、第一項(第二項及び前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)に規定する延滞税を納付する場合について準用する。
(過少申告加算税又は無申告加算税)
第十五条 前条第一項(同条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定は、国税通則法の規定によりたばこ特別税及びたばこ税に係る過少申告加算税又は無申告加算税を納付すべき場合について準用する。
2 第十二条第一項の規定は、前項に規定する過少申告加算税又は無申告加算税を納付する場合について準用する。
(還付及び充当)
第十六条 たばこ特別税に係る過誤納金は、たばこ税に係る過誤納金にあわせて還付しなければならない。
2 国税通則法第五十六条第一項に規定する還付金等及び同法の規定による還付加算金を未納のたばこ特別税及びたばこ税に充当するときは、これらの税にあわせて充当しなければならない。
3 第一項の規定による還付があったときは、その還付に係る金額の千分の二百八に相当するたばこ特別税の過誤納金及び千分の七百九十二に相当するたばこ税の過誤納金の還付があったものとし、前項の規定による充当があったときは、その充当に係る金額の千分の二百八に相当する未納のたばこ特別税及び千分の七百九十二に相当する未納のたばこ税に対する充当があったものとする。
4 第十四条第二項又は第三項の規定は、たばこ税法第十一条第二項又は租税特別措置法第八十八条の二第一項の規定の適用を受ける製造たばこに係る前項の規定の適用について準用する。
(還付加算金)
第十七条 国税通則法の規定により還付加算金を、第十一条第一項及びたばこ税法第十六条の規定によるたばこ特別税及びたばこ税の還付に係る金額又はたばこ特別税及びたばこ税の過誤納額に加算すべき場合においては、これらの還付に係る金額の合算額又は過誤納額の合算額についてこれらの規定による還付加算金の計算に準じて計算した金額の千分の二百八に相当する金額及び千分の七百九十二に相当する金額を、それぞれ国税通則法の規定により加算すべきたばこ特別税に係る還付加算金及びたばこ税に係る還付加算金とする。
2 第十四条第二項又は第三項の規定は、たばこ税法第十一条第二項又は租税特別措置法第八十八条の二第一項の規定の適用を受ける製造たばこに係る前項の規定の適用について準用する。
3 たばこ特別税及びたばこ税に係る還付加算金は、あわせて支払又は充当をしなければならない。
(端数計算)
第十八条 たばこ特別税及びたばこ税の額又はこれらの税に係る国税通則法第五十六条第一項に規定する還付金等の金額を計算する場合における端数計算については、これらの税の額の合算額又は当該還付金等の金額の合算額につき、同法の規定を適用する。
第五節 雑則
(当該職員の権限)
第十九条 国税庁、国税局、税務署又は税関の当該職員(以下この章において「当該職員」という。)は、たばこ特別税に関する調査について必要な範囲内で、次に掲げる行為をすることができる。
一 たばこ税法第二十五条に規定する者に対して質問し、又はこれらの者の業務に関する製造たばこ、帳簿書類その他の物件を検査すること。
二 製造たばこを保税地域から引き取る者に対して質問し、その引き取る製造たばこを検査すること。
三 第一号に規定する者の業務に関する製造たばこ又は前号に規定する製造たばこについて必要最少限度の分量の見本を採取すること。
四 運搬中の製造たばこを検査し、又はこれを運搬する者に対してその出所若しくは到達先を質問すること。
2 当該職員は、たばこ特別税に関する調査について必要がある場合には、特定販売業者(たばこ税法第十一条第二項に規定する特定販売業者をいう。附則第三条において同じ。)、卸売販売業者(同法第二十七条第二項に規定する卸売販売業者をいう。)又は小売販売業者(同項に規定する小売販売業者をいう。附則第三条において同じ。)の組織する団体(当該団体をもって組織する団体を含む。)に対して、その団体員の製造たばこの取引に関し参考となるべき事項を諮問することができる。
3 第一項第三号の規定により採取した見本に関しては、第五条及び第十二条の規定は、適用しない。
4 当該職員は、第一項又は第二項の規定により職務を執行する場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
5 第一項に規定する当該職員の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(たばこ特別税に係るたばこ税法の適用の特例等)
第二十条 たばこ特別税に係る次の表の第一欄に掲げる法律の適用については、同表の第二欄に掲げる規定中同表の第三欄に掲げる字句は、それぞれ同表の第四欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
第一欄
第二欄
第三欄
第四欄
たばこ税法
第十二条第五項及び第十三条第四項
たばこ税
たばこ税及びたばこ特別税
租税特別措置法
第八十八条第一項
たばこ税法
たばこ税法、一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律(平成十年法律第百三十七号。次項において「特別措置法」という。)
第八十八条第二項
たばこ税法
たばこ税法及び特別措置法
輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律
第二条第一号
たばこ税
たばこ税、たばこ特別税
国税通則法
第二条第三号
たばこ税
たばこ税、たばこ特別税
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)
第二条第三号
たばこ税
たばこ税、たばこ特別税
災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律(昭和二十二年法律第百七十五号)
第七条第一項
たばこ税
たばこ税、たばこ特別税
第七条第二項
第十六条第一項若しくは第五項
第十六条第一項若しくは第五項、一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律(第四項において「特別措置法」という。)第十一条第一項(たばこ税法第十六条第一項又は第五項の規定に係る部分に限る。)
第七条第三項
地方道路税
地方道路税又はたばこ税及びたばこ特別税
これらの税目
揮発油税及び地方道路税又はたばこ税及びたばこ特別税
第七条第四項
地方道路税に係るときは、地方道路税法第十二条第一項及び第三項
地方道路税又はたばこ税及びたばこ特別税に係るときは、地方道路税法第十二条第一項及び第三項又は特別措置法第十六条第一項及び第三項
相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)
第十四条第二項
たばこ税
たばこ税、たばこ特別税
会社更生法(昭和二十七年法律第百七十二号)
第百十九条
たばこ税
たばこ税、たばこ特別税
たばこ事業法(昭和五十九年法律第六十八号)
第九条第一項
たばこ税及び
たばこ税及び一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律(平成十年法律第百三十七号)に規定するたばこ特別税並びに
2 前項に定めるもののほか、たばこ特別税に係るたばこ税法その他の法令の規定の技術的読替えその他この章の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第六節 罰則
第二十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 偽りその他不正の行為によりたばこ特別税を免れ、又は免れようとした者
二 偽りその他不正の行為により第十条第一項又は第十一条第一項の規定による還付を受け、又は受けようとした者
2 前項の犯罪に係る製造たばこに対するたばこ特別税に相当する金額又は還付金に相当する金額の三倍が五十万円を超える場合には、情状により、同項の罰金は、五十万円を超え当該たばこ特別税に相当する金額又は還付金に相当する金額の三倍以下とすることができる。
第二十二条 第十九条第一項第一号若しくは第二号の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは偽りの陳述をし、又は同項第一号から第三号までの規定による当該職員の職務の執行を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、十万円以下の罰金に処する。
第二十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して前二条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して当該各条の罰金刑を科する。
2 前項の規定により第二十一条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同項の罪についての時効の期間による。
第四章 たばこ特別税の収入の帰属等
(たばこ特別税の収入の帰属)
第二十四条 各年度におけるたばこ特別税の収入は、当該各年度の国債整理基金特別会計の歳入に組み入れるものとする。
(国税収納金整理資金に関する法律の適用に関する特例)
第二十五条 前条の規定によりたばこ特別税の収入を国債整理基金特別会計の歳入に組み入れる場合における国税収納金整理資金に関する法律(昭和二十九年法律第三十六号)第六条第二項の規定の適用については、同項中「石炭並びに石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計」とあるのは、「国債整理基金特別会計、石炭並びに石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計」とする。
(一般会計からの国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例)
第二十六条 第二十四条の規定によりたばこ特別税の収入を国債整理基金特別会計の歳入に組み入れる場合においては、当該組み入れられた金額に相当する金額が国債整理基金特別会計法(明治三十九年法律第六号)第二条第一項の規定により一般会計から国債整理基金特別会計に繰り入れられたものとみなす。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第三章の規定並びに附則第三条及び第四条の規定は、平成十年十二月一日から施行する。
(検討)
第二条 政府は、平成十四年度において、郵便貯金事業の経営の健全性の確保の観点から必要と認められる場合には、繰り入れた特別繰入金の総額、同事業を取り巻く経済社会情勢等を踏まえ、同事業の経営の健全性の確保のための適切な措置を検討する。
(手持品課税等)
第三条 平成十年十二月一日(以下「指定日」という。)に、製造たばこの製造場又は保税地域以外の場所で製造たばこを販売のため所持する製造たばこの製造者又は販売業者がある場合において、その所持する製造たばこの本数(たばこ税法第十条の規定により、たばこ税の課税標準となる製造たばこの本数とし、二以上の場所で製造たばこを所持する場合には、その合計本数とする。)が三万本以上であるときは、当該製造たばこについては、その者が製造たばこの製造者として当該製造たばこを指定日にその者の製造たばこの製造場から移出したものとみなして、次の各号に掲げる製造たばこの区分に応じ当該各号に定める税率によりたばこ特別税を課する。
一 製造たばこ(次号に掲げる製造たばこを除く。) 千本につき八百二十円
二 たばこ税法附則第二条の規定の適用を受ける製造たばこ 千本につき三百八十九円
2 前項に規定する者は、その所持する製造たばこで同項の規定に該当するものの貯蔵場所(小売販売業者にあっては、たばこ事業法第二十二条第一項に規定する営業所。以下この項において同じ。)ごとに、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申告書を、指定日から起算して一月以内に、その貯蔵場所の所在地を所轄する税務署長に提出しなければならない。
一 所持する製造たばこの区分(たばこ税法第二条第二項に規定する製造たばこの区分をいう。以下この号において同じ。)及び区分ごとの数量
二 前号の数量により算定した前項の規定によるたばこ特別税額及び当該たばこ特別税額の合計額
三 その他参考となるべき事項
3 前項の規定による申告書を提出した者は、平成十一年五月三十一日までに、当該申告書に記載した同項第二号に掲げるたばこ特別税額の合計額に相当するたばこ特別税を、国に納付しなければならない。
4 前項の規定は、同項に規定する第二項の規定による申告書を提出すべき者で、当該申告に係るたばこ特別税につき、国税通則法に規定する期限後申告書若しくは修正申告書を同項の規定による申告書に係る前項の納期限前に提出したもの又は同法に規定する更正若しくは決定を受けたもののうち同法第三十五条第二項第二号の規定による納付の期限が前項の納期限前に到来するものについて準用する。
5 第一項の規定によりたばこ特別税を課された、又は課されるべき製造たばこのうち、特定販売業者が、自ら保税地域から引き取った製造たばこで販売のため所持するものを輸出した場合又は自ら保税地域から引き取った製造たばこで販売のため所持するものを保税地域に入れ、あらかじめ政令で定めるところにより税関長の承認を受けて廃棄した場合において、当該特定販売業者が、政令で定めるところにより、当該製造たばこが同項の規定によりたばこ特別税を課された、又は課されるべきものであることにつき、当該製造たばこの輸出の申告をした、又は廃棄の承認を受けた税関の税関長の確認を受けたときは、当該たばこ特別税額に相当する金額は、第十条の規定に準じて、その者の還付に係るたばこ税額に相当する金額にあわせて還付する。
6 次の各号に掲げる場合において、当該各号に規定する製造たばこ製造者(たばこ税法第六条第四項に規定する製造たばこ製造者をいう。以下この項において同じ。)が政令で定めるところにより、当該製造たばこが第一項の規定によるたばこ特別税を課された、又は課されるべきものであることにつき、当該製造たばこの戻入れ又は移入に係る製造たばこの製造場の所在地を所轄する税務署長の確認を受けたときは、当該たばこ特別税額に相当する金額は、第十一条の規定に準じて、その者の控除又は還付に係るたばこ税額に相当する金額にあわせて控除し、又は還付する。
一 製造たばこ製造者がその製造場から移出した製造たばこで、第一項の規定によるたばこ特別税を課された、又は課されるべきものが当該製造場に戻し入れられた場合(当該製造たばこで製造たばこの販売業者から返品されたものその他政令で定めるものが当該製造たばこ製造者の他の製造たばこの製造場に移入された場合を含む。)
二 前号に該当する場合を除き、製造たばこ製造者が、他の製造たばこの製造場から移出され、又は保税地域から引き取られた製造たばこで第一項の規定によるたばこ特別税を課された、又は課されるべきものを製造たばこの製造場に移入し、当該製造たばこをその移入した製造場から更に移出した場合
7 たばこ税法第二十六条(第二号を除く。)の規定は、第二項の規定による申告書を提出しなければならない者について準用する。
8 第二項の規定による申告書の提出を怠った者は、二十万円以下の罰金に処する。
9 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の罰金刑を科する。
(戻入れの場合のたばこ税の控除等に関する経過措置)
第四条 指定日前に製造たばこの製造場から移出され、又は保税地域から引き取られた製造たばこ(前条第一項の規定の適用を受けるものを除く。)につき、たばこ税法第十六条第一項、第三項又は第五項の規定の適用がある場合において、これらの規定による控除を受けようとする月分が平成十年十二月分以後の月分であるときは、当該控除を受けようとする月分については、同法第十七条第一項の規定による申告書の提出を要しないときとみなして、同法第十六条及び第十七条第二項の規定を適用する。この場合において、同条第一項の規定の適用については、同項第五号中「たばこ税額(」とあるのは、「たばこ税額(一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律附則第四条第一項の規定による還付を受けようとするたばこ税額を除くものとし、」とする。
2 指定日前に製造たばこの製造場から移出され、又は保税地域から引き取られた製造たばこ(前条第一項の規定の適用を受けるものを除く。)に係る災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律第七条の規定の適用については、前項の規定に準じ、政令で定める。
大蔵大臣 宮沢喜一
郵政大臣 野田聖子
内閣総理大臣 小渕恵三