広域臨海環境整備センター法をここに公布する。
御名御璽
昭和五十六年六月十日
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 中曾根康弘
法律第七十六号
広域臨海環境整備センター法
目次
第一章
総則(第一条―第八条)
第二章
設立(第九条―第十三条)
第三章
管理(第十四条―第十八条)
第四章
業務(第十九条―第二十一条)
第五章
財務及び会計(第二十二条―第二十八条)
第六章
解散及び清算(第二十九条―第三十二条)
第七章
監督(第三十三条・第三十四条)
第八章
雑則(第三十五条・第三十六条)
第九章
罰則(第三十七条―第三十九条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 広域臨海環境整備センターは、廃棄物の広域的な処理が必要であると認められる区域において生じた廃棄物の適正な海面埋立てによる処理及びこれによる港湾の秩序ある整備を図るため、環境の保全に留意しつつ港湾において広域処理場の建設、管理等の業務を行うことにより、生活環境の保全及び地域の均衡ある発展に資することを目的とする。
(定義等)
第二条 この法律において「広域処理場」とは、二以上の都府県において生じた廃棄物による海面埋立てを行うための施設であつて、次に掲げるものによつて構成されるものをいう。
一 港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第二条第五項第九号の二に規定する廃棄物埋立護岸
二 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。以下「廃棄物処理法」という。)第二条第二項に規定する一般廃棄物(以下「一般廃棄物」という。)の最終処分場であつて、港湾区域(港湾法第二条第三項に規定する港湾区域をいう。次号において同じ。)内に設置されるもの(前号に掲げるものを除く。)
三 廃棄物処理法第二条第三項に規定する産業廃棄物(以下「産業廃棄物」という。)の最終処分場であつて、港湾区域内に設置されるもの(第一号に掲げるものを除く。)
四 前三号に掲げる施設の円滑かつ効率的な運営を確保するために必要な廃棄物の搬入施設その他の政令で定める施設
2 この法律において「広域処理対象区域」とは、一の都府県の区域をこえた廃棄物の広域的な処理が適当であり、かつ、その処理のために海面埋立てを行うことが特に必要であると認められる区域として厚生大臣が指定するものをいう。
3 この法律において「広域処理場整備対象港湾」とは、広域処理対象区域において生じた廃棄物の処理を行う広域処理場の整備を行うことがその秩序ある整備に資することとなると認められる港湾として運輸大臣が指定するものをいう。
4 厚生大臣又は運輸大臣は、それぞれ、第二項又は前項に規定する広域処理対象区域又は広域処理場整備対象港湾を指定しようとするときは、あらかじめ、相互に協議するほか、その区域の全部又は一部を広域処理対象区域とすることが適当と認められる都府県及び市町村又は広域処理場整備対象港湾とすることが適当と認められる港湾の港湾管理者の意見を聴かなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(法人格)
第三条 広域臨海環境整備センター(以下「センター」という。)は、法人とする。
(名称)
第四条 センターは、その名称中に広域臨海環境整備センターという文字を用いなければならない。
2 センターでない者は、その名称中に広域臨海環境整備センターという文字を用いてはならない。
(資本金)
第五条 センターの資本金は、その区域の全部又は一部が広域処理対象区域内にある地方公共団体(以下「関係地方公共団体」という。)及び広域処理場整備対象港湾の港湾管理者(以下「関係港湾管理者」という。)の出資する額の合計額とする。
2 センターに出資しようとする関係地方公共団体又は関係港湾管理者は、自治大臣の承認を受けなければならない。
(定款記載事項)
第六条 センターの定款には、次の事項を記載しなければならない。
一 目的
二 名称
三 広域処理対象区域及び広域処理場整備対象港湾
四 事務所の所在地
五 資本金、出資及び資産に関する事項
六 管理委員会の委員の定数、任期、選任、解任その他の管理委員会に関する事項
七 役員の定数、任期、選任、解任その他の役員に関する事項
八 業務及びその執行に関する事項
九 財務及び会計に関する事項
十 定款の変更に関する事項
十一 解散に関する事項
十二 公告の方法
2 センターの定款の変更は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(登記)
第七条 センターは、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(民法の準用)
第八条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条及び第五十条の規定は、センターについて準用する。
第二章 設立
(発起人)
第九条 センターを設立するには、関係地方公共団体の長及び関係港湾管理者の長十人以上が発起人となることを必要とする。
2 発起人は、定款及び主務省令で定める事項を記載した書面(以下「定款等」という。)を作成し、関係地方公共団体及び関係港湾管理者に対しセンターに対する出資を募集しなければならない。
(設立の認可)
第十条 発起人は、前条第二項の規定による募集が終わつたときは、定款等を主務大臣に提出して、設立の認可を受けなければならない。
(役員となるべき者の指名等)
第十一条 発起人は、センターの役員となるべき者を指名する。
2 前項の規定により指名されたセンターの役員となるべき者は、センターの成立の時においてセンターの役員となるものとし、その任期は、最初の管理委員会において理事長及び監事が選任されるまでの間とする。
(事務の引継ぎ)
第十二条 設立の認可があつたときは、発起人は、遅滞なく、その事務をセンターの理事長となるべき者に引き継がなければならない。
2 センターの理事長となるべき者は、前項の規定による事務の引継ぎを受けたときは、遅滞なく、出資の募集に応じた関係地方公共団体及び関係港湾管理者に対し、出資金の払込みを求めなければならない。
(設立の登記)
第十三条 センターの理事長となるべき者は、前条第二項の規定による出資金の払込みがあつたときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。
2 センターは、設立の登記をすることによつて成立する。
第三章 管理
(管理委員会の設置及び委員)
第十四条 センターに、管理委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会に委員長を置き、委員の互選により選任する。
3 委員長は、委員会の会務を総理する。
4 委員の選任は、センターに出資した地方公共団体の長及び港湾管理者の長のそれぞれの互選による。
(管理委員会の権限)
第十五条 次の事項については、委員会の議決を経なければならない。
一 定款の変更
二 広域処理場の整備に関する基本計画及び実施計画の作成又は変更
三 予算、事業計画及び資金計画の作成又は変更
四 前三号に掲げるもののほか、定款で定める重要事項
(委員の公務員たる性質)
第十六条 委員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(役員等)
第十七条 センターに、役員として、理事長、副理事長、理事及び監事を置く。ただし、センターは、定款で定めるところにより、副理事長を置かないことができる。
2 理事長及び監事は、委員会が選任する。
3 副理事長及び理事は、委員会の同意を得て、理事長が任命する。
4 センターの職員は、理事長が任命する。
(役員の職務及び権限等)
第十八条 理事長は、センターを代表し、その業務を総理する。
2 副理事長は、センターを代表し、定款で定めるところにより、理事長を補佐してセンターの業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。
3 理事は、定款で定めるところにより、理事長及び副理事長を補佐してセンターの業務を掌理し、理事長及び副理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長及び副理事長が欠員のときはその職務を行う。
4 監事は、センターの業務を監査する。
5 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長、委員会又は主務大臣に意見を提出することができる。
6 センターと理事長又は副理事長との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合には、監事がセンターを代表する。
7 第十六条の規定は、役員及び職員について準用する。
第四章 業務
(業務)
第十九条 センターは、第一条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 港湾管理者の委託を受けて、次の業務を行うこと。
イ 第二条第一項第一号に掲げる施設の建設及び改良、維持その他の管理
ロ イに掲げる施設における廃棄物による海面埋立てにより行う土地の造成
二 地方公共団体の委託を受けて、次の業務を行うこと。
イ 第二条第一項第二号に掲げる施設及び同項第三号に掲げる施設(政令で定める部分に限る。)の建設及び改良、維持その他の管理
ロ イに掲げる施設における一般廃棄物及び政令で定める産業廃棄物による海面埋立て
ハ 第二条第一項第四号に掲げる施設の建設及び改良、維持その他の管理
三 第二条第一項第三号に掲げる施設(前号イの政令で定める部分を除く。)の建設及び改良、維持その他の管理並びに当該施設における産業廃棄物(同号ロの政令で定める産業廃棄物を除く。)による海面埋立てを行うこと。
四 前三号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
(基本計画)
第二十条 センターは、前条第一号から第三号までの業務に関し、次の事項を定めた基本計画を作成しなければならない。
一 広域処理場の位置及び規模に関する事項
二 広域処理場において処理する廃棄物の受入対象区域並びに廃棄物の種類、量及び受入れの基準に関する事項
三 広域処理場の建設工事の施行に関する事項
四 広域処理場における廃棄物による海面埋立ての実施に関する事項
五 広域処理場における廃棄物による海面埋立てにより造成される土地に関する事項
六 広域処理場の整備に伴う環境保全上の措置に関する事項
七 前各号に掲げるもののほか、広域処理場の整備に関する事項
2 前項の基本計画は、次の基準に適合したものでなければならない。
一 広域処理場の位置及び規模と受け入れる廃棄物の種類及び量並びに受入対象区域が相応していること。
二 広域処理場の建設工事の施行並びに廃棄物の搬入及びこれによる海面埋立てが、円滑かつ能率的に行われるよう配慮されていること。
三 造成された土地が、港湾の機能の増進及び周辺地域における生活環境の向上に寄与するように利用されるものであること。
四 廃棄物の受入れの基準が、関係地方公共団体が実施する廃棄物の減量化等の施策の推進に寄与するものであること。
五 広域処理場の位置及び規模の決定並びにその建設工事の施行並びに廃棄物の搬入及びこれによる海面埋立てに当たつて、輸送活動、漁業生産活動その他の港湾及びその周辺の海域における活動との調整並びに周辺地域における生活環境並びに港湾及びその周辺の海洋環境の保全について十分配慮することとされていること。
3 センターは、基本計画を作成し、又はこれを変更しようとするとき(主務省令で定める軽徴な変更をしようとするときを除く。第七項において同じ。)は、主務大臣の認可を受けなければならない。
4 主務大臣は、前項の認可をしようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。
5 運輸大臣は、第三項の認可をしようとするときは、あらかじめ、港湾審議会の意見を聴くものとする。
6 センターは、基本計画について第三項の主務省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
7 センターは、基本計画を作成し、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、その区域の全部又は一部が広域処理対象区域内にある都道府県及び広域処理場整備対象港湾の港湾管理者に協議しなければならない。
(実施計画)
第二十一条 センターは、第十九条第一号から第三号までの業務を行おうとするときは、主務省令で定めるところにより、基本計画に基づいて実施計画を作成し、主務大臣に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 センターは、前項の実施計画を作成し、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、センターが委託を受けてその業務を行う地方公共団体及び港湾管理者に協議しなければならない。
第五章 財務及び会計
(事業年度)
第二十二条 センターの事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。ただし、最初の事業年度は、成立の日に始まり、その後最初の三月三十一日に終わる。
(予算等)
第二十三条 センターは、毎事業年度、予算、事業計画及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に(最初の事業年度にあつては、成立後遅滞なく)、主務大臣並びにセンターに出資した地方公共団体及び港湾管理者に提出しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
(財務諸表等)
第二十四条 センターは、毎事業年度、貸借対照表、損益計算書及び事業報告書(以下「財務諸表等」という。)を作成し、当該事業年度終了後三月以内に主務大臣並びにセンターに出資した地方公共団体及び港湾管理者に提出しなければならない。
2 センターは、前項の規定により財務諸表等を提出するときは、これに、財務諸表等に関する監事の意見書を添付しなければならない。
(予納金)
第二十五条 センターは、主務省令で定めるところにより、地方公共団体及び港湾管理者以外の者であつて、センターに対し廃棄物の処理を委託するものから、広域処理場に係る経費の一部を予納金として徴収することができる。
(補助金の交付等)
第二十六条 センターが第十九条の規定により地方公共団体又は港湾管理者の委託を受けて広域処理場の建設又は改良の工事を行う場合におけるその工事に要する費用に関する国の補助については、地方公共団体又は港湾管理者に対し交付すべき補助金は、センターに対し交付することができる。
2 前項の規定により補助金がセンターに交付された場合には、センターは、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)の適用については、補助事業者等とみなす。
(財産の処分等)
第二十七条 第十九条の業務の実施により建設される広域処理場に係る財産の管理及び処分の方法その他その財産の管理及び処分に関し必要な事項は、政令で定める。
2 前項の財産について政令で定める期間内に処分が行われた場合において、その処分価額から政令で定める費用の額を控除してなお残余があるときは、その残余の額は、政令で定めるところにより、その広域処理場の建設又は改良の工事に要した費用を自ら負担した者及び補助した者に分配する。その財産についてその期間を超えて管理が行われることとなる場合においてその財産に係るその期間満了の時における評価額から政令で定める費用の額を控除してなお残余があるときも、同様とする。
(主務省令への委任)
第二十八条 この法律に規定するもののほか、センターの財務及び会計に関し必要な事項は、主務省令で定める。
第六章 解散及び清算
(解散)
第二十九条 センターは、次の事由によつて解散する。
一 定款で定める解散事由の発生
二 破産
2 センターは、前項第一号の規定により解散しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣の認可を受けなければならない。この場合において、センターは、その認可により解散する。
(清算人)
第三十条 センターが解散したときは、破産によつて解散した場合を除き、理事長、副理事長及び理事がその清算人となる。
2 理事長、副理事長又は理事であつた清算人には、それぞれ第十八条第一項から第三項までの規定を準用する。
(清算事務)
第三十一条 清算人は、センターの債務を弁済してなお残余財産があるときは、これをセンターに出資した地方公共団体及び港湾管理者に対し、その出資の額に応じて分配しなければならない。
(民法及び非訟事件手続法の準用)
第三十二条 民法第七十三条、第七十五条、第七十六条、第七十七条第二項(届出に関する部分に限る。)及び第七十八条から第八十三条まで並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第三十五条第二項、第三十六条、第三十七条ノ二、第百三十五条ノ二十五第二項及び第三項、第百三十六条、第百三十七条並びに第百三十八条の規定は、センターの解散及び清算について準用する。この場合において、民法第七十五条中「前条」とあるのは、「広域臨海環境整備センター法(昭和五十六年法律第七十六号)第三十条第一項」と読み替えるものとする。
第七章 監督
(報告及び検査)
第三十三条 主務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、センターに対しその業務及び資産の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、センターの事務所その他の事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(監督命令)
第三十四条 主務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、センターに対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
第八章 雑則
(他の法令の準用)
第三十五条 不動産登記法(明治三十二年法律第二十四号)及び政令で定めるその他の法令については、政令で定めるところにより、センターを地方公共団体とみなして、これらの法令を準用する。
(主務大臣等)
第三十六条 この法律において、主務大臣は厚生大臣及び運輸大臣とし、主務省令は主務大臣の発する命令とする。
第九章 罰則
第三十七条 第三十三条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をしたセンターの役員、清算人又は職員は、十万円以下の罰金に処する。
第三十八条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をしたセンターの役員又は清算人は、十万円以下の過料に処する。
一 この法律の規定により主務大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかつたとき。
二 第七条第一項の規定に違反して、登記することを怠つたとき。
三 第十九条に規定する業務以外の業務を行つたとき。
四 第二十条第六項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
五 第二十一条第一項の規定に違反して、実施計画を提出せず、又は虚偽の記載をしてこれを提出したとき。
六 第二十三条又は第二十四条第一項の規定に違反して、提出すべき書類を提出せず、又は虚偽の書類を提出したとき。
七 第三十一条の規定に違反したとき。
八 第三十二条において準用する民法第七十九条第一項又は第八十一条第一項の規定に違反して、公告することを怠り、又は虚偽の公告をしたとき。
九 第三十二条において準用する民法第七十九条第一項に規定する期間内に債権者に弁済したとき。
十 第三十二条において準用する民法第八十一条第一項の規定に違反して、破産宣告の請求を怠つたとき。
十一 第三十四条の規定による命令に違反したとき。
第三十九条 第四条第二項の規定に違反した者は、五万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律の施行の際現にその名称中に広域臨海環境整備センターという文字を用いている者については、第四条第二項の規定は、この法律の施行後一年間は適用しない。
(港湾整備緊急措置法の一部改正)
第三条 港湾整備緊急措置法(昭和三十六年法律第二十四号)の一部を次のように改正する。
第二条第一号の次に次の一号を加える。
一の二 広域臨海環境整備センター法(昭和五十六年法律第七十六号)第十九条第一号の規定により広域臨海環境整備センターが行う廃棄物埋立護岸の建設又は改良の事業
(廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部改正)
第四条 廃棄物処理施設整備緊急措置法(昭和四十七年法律第九十五号)の一部を次のように改正する。
第二条第二項中「実施するもの」の下に「(広域臨海環境整備センター法(昭和五十六年法律第七十六号)第十九条第二号の規定により広域臨海環境整備センターが行うものを含む。)」を加える。
(港湾整備特別会計法の一部改正)
第五条 港湾整備特別会計法(昭和三十六年法律第二十五号)の一部を次のように改正する。
第一条第二項第五号の次に次の一号を加える。
五の二 港湾整備事業で港湾整備緊急措置法第二条第一号の二に規定するものに係る補助金の交付
第四条第二項第三号の次に次の一号を加える。
三の二 広域臨海環境整備センター法(昭和五十六年法律第七十六号)第二十六条第一項の規定により広域臨海環境整備センターに対し交付する補助金
第七条第一項中「補助金」の下に「、広域臨海環境整備センター法第二十六条第一項の規定により広域臨海環境整備センターに対し交付する補助金」を加える。
(所得税法の一部改正)
第六条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。
別表第一第一号の表高圧ガス保安協会の項の次に次のように加える。
広域臨海環境整備センター
広域臨海環境整備センター法(昭和五十六年法律第七十六号)
(法人税法の一部改正)
第七条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
別表第二第一号の表高圧ガス保安協会の項の次に次のように加える。
広域臨海環境整備センター
広域臨海環境整備センター法(昭和五十六年法律第七十六号)
(印紙税法の一部改正)
第八条 印紙税法(昭和四十二年法律第二十三号)の一部を次のように改正する。
別表第二高圧ガス保安協会の項の次に次のように加える。
広域臨海環境整備センター
広域臨海環境整備センター法(昭和五十六年法律第七十六号)
(登録免許税法の一部改正)
第九条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
別表第三中四の項の次に次のように加える。
四の二 広域臨海環境整備センター
広域臨海環境整備センター法(昭和五十六年法律第七十六号)
一 事務所用建物の所有権の取得登記又は当該建物の敷地の用に供する土地の権利の取得登記二 広域臨海環境整備センター法第十九条(業務)に掲げる業務のための別表第一の第一号又は第二号に掲げる登記
第三欄の第一号又は第二号の登記に該当するものであることを証する大蔵省令で定める書類の添付があるものに限る。
(地方税法の一部改正)
第十条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十二条の五第一項第六号中「及び通信・放送衛星機構」を「、通信・放送衛星機構及び広域臨海環境整備センター」に改める。
(厚生省設置法の一部改正)
第十一条 厚生省設置法(昭和二十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。
第五条第三十六号の次に次の一号を加える。
三十六の二 広域臨海環境整備センターの設立又は定款の変更を認可し、これに対しその業務の状況に関する報告をさせ、その状況を検査し、その他監督上必要な命令又は処分をすること。
第九条の二第一項第十号の次に次の一号を加える。
十の二 広域臨海環境整備センターを指導監督すること。
第九条の二第二項中「第十一号」を「第十号の二」に改める。
(運輸省設置法の一部改正)
第十二条 運輸省設置法(昭和二十四年法律第百五十七号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第二十五号の三の次に次の一号を加える。
二十五の四 広域臨海環境整備センターを監督すること。
第二十六条第一項第六号の二の次に次の一号を加える。
六の三 広域臨海環境整備センターに関すること。
法務大臣 奥野誠亮
大蔵大臣 渡辺美智雄
厚生大臣 村山達雄
運輸大臣 塩川正十郎
自治大臣臨時代理 国務大臣 奥野誠亮
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 中曾根康弘
広域臨海環境整備センター法をここに公布する。
御名御璽
昭和五十六年六月十日
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 中曽根康弘
法律第七十六号
広域臨海環境整備センター法
目次
第一章
総則(第一条―第八条)
第二章
設立(第九条―第十三条)
第三章
管理(第十四条―第十八条)
第四章
業務(第十九条―第二十一条)
第五章
財務及び会計(第二十二条―第二十八条)
第六章
解散及び清算(第二十九条―第三十二条)
第七章
監督(第三十三条・第三十四条)
第八章
雑則(第三十五条・第三十六条)
第九章
罰則(第三十七条―第三十九条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 広域臨海環境整備センターは、廃棄物の広域的な処理が必要であると認められる区域において生じた廃棄物の適正な海面埋立てによる処理及びこれによる港湾の秩序ある整備を図るため、環境の保全に留意しつつ港湾において広域処理場の建設、管理等の業務を行うことにより、生活環境の保全及び地域の均衡ある発展に資することを目的とする。
(定義等)
第二条 この法律において「広域処理場」とは、二以上の都府県において生じた廃棄物による海面埋立てを行うための施設であつて、次に掲げるものによつて構成されるものをいう。
一 港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第二条第五項第九号の二に規定する廃棄物埋立護岸
二 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。以下「廃棄物処理法」という。)第二条第二項に規定する一般廃棄物(以下「一般廃棄物」という。)の最終処分場であつて、港湾区域(港湾法第二条第三項に規定する港湾区域をいう。次号において同じ。)内に設置されるもの(前号に掲げるものを除く。)
三 廃棄物処理法第二条第三項に規定する産業廃棄物(以下「産業廃棄物」という。)の最終処分場であつて、港湾区域内に設置されるもの(第一号に掲げるものを除く。)
四 前三号に掲げる施設の円滑かつ効率的な運営を確保するために必要な廃棄物の搬入施設その他の政令で定める施設
2 この法律において「広域処理対象区域」とは、一の都府県の区域をこえた廃棄物の広域的な処理が適当であり、かつ、その処理のために海面埋立てを行うことが特に必要であると認められる区域として厚生大臣が指定するものをいう。
3 この法律において「広域処理場整備対象港湾」とは、広域処理対象区域において生じた廃棄物の処理を行う広域処理場の整備を行うことがその秩序ある整備に資することとなると認められる港湾として運輸大臣が指定するものをいう。
4 厚生大臣又は運輸大臣は、それぞれ、第二項又は前項に規定する広域処理対象区域又は広域処理場整備対象港湾を指定しようとするときは、あらかじめ、相互に協議するほか、その区域の全部又は一部を広域処理対象区域とすることが適当と認められる都府県及び市町村又は広域処理場整備対象港湾とすることが適当と認められる港湾の港湾管理者の意見を聴かなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(法人格)
第三条 広域臨海環境整備センター(以下「センター」という。)は、法人とする。
(名称)
第四条 センターは、その名称中に広域臨海環境整備センターという文字を用いなければならない。
2 センターでない者は、その名称中に広域臨海環境整備センターという文字を用いてはならない。
(資本金)
第五条 センターの資本金は、その区域の全部又は一部が広域処理対象区域内にある地方公共団体(以下「関係地方公共団体」という。)及び広域処理場整備対象港湾の港湾管理者(以下「関係港湾管理者」という。)の出資する額の合計額とする。
2 センターに出資しようとする関係地方公共団体又は関係港湾管理者は、自治大臣の承認を受けなければならない。
(定款記載事項)
第六条 センターの定款には、次の事項を記載しなければならない。
一 目的
二 名称
三 広域処理対象区域及び広域処理場整備対象港湾
四 事務所の所在地
五 資本金、出資及び資産に関する事項
六 管理委員会の委員の定数、任期、選任、解任その他の管理委員会に関する事項
七 役員の定数、任期、選任、解任その他の役員に関する事項
八 業務及びその執行に関する事項
九 財務及び会計に関する事項
十 定款の変更に関する事項
十一 解散に関する事項
十二 公告の方法
2 センターの定款の変更は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(登記)
第七条 センターは、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(民法の準用)
第八条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条及び第五十条の規定は、センターについて準用する。
第二章 設立
(発起人)
第九条 センターを設立するには、関係地方公共団体の長及び関係港湾管理者の長十人以上が発起人となることを必要とする。
2 発起人は、定款及び主務省令で定める事項を記載した書面(以下「定款等」という。)を作成し、関係地方公共団体及び関係港湾管理者に対しセンターに対する出資を募集しなければならない。
(設立の認可)
第十条 発起人は、前条第二項の規定による募集が終わつたときは、定款等を主務大臣に提出して、設立の認可を受けなければならない。
(役員となるべき者の指名等)
第十一条 発起人は、センターの役員となるべき者を指名する。
2 前項の規定により指名されたセンターの役員となるべき者は、センターの成立の時においてセンターの役員となるものとし、その任期は、最初の管理委員会において理事長及び監事が選任されるまでの間とする。
(事務の引継ぎ)
第十二条 設立の認可があつたときは、発起人は、遅滞なく、その事務をセンターの理事長となるべき者に引き継がなければならない。
2 センターの理事長となるべき者は、前項の規定による事務の引継ぎを受けたときは、遅滞なく、出資の募集に応じた関係地方公共団体及び関係港湾管理者に対し、出資金の払込みを求めなければならない。
(設立の登記)
第十三条 センターの理事長となるべき者は、前条第二項の規定による出資金の払込みがあつたときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。
2 センターは、設立の登記をすることによつて成立する。
第三章 管理
(管理委員会の設置及び委員)
第十四条 センターに、管理委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会に委員長を置き、委員の互選により選任する。
3 委員長は、委員会の会務を総理する。
4 委員の選任は、センターに出資した地方公共団体の長及び港湾管理者の長のそれぞれの互選による。
(管理委員会の権限)
第十五条 次の事項については、委員会の議決を経なければならない。
一 定款の変更
二 広域処理場の整備に関する基本計画及び実施計画の作成又は変更
三 予算、事業計画及び資金計画の作成又は変更
四 前三号に掲げるもののほか、定款で定める重要事項
(委員の公務員たる性質)
第十六条 委員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(役員等)
第十七条 センターに、役員として、理事長、副理事長、理事及び監事を置く。ただし、センターは、定款で定めるところにより、副理事長を置かないことができる。
2 理事長及び監事は、委員会が選任する。
3 副理事長及び理事は、委員会の同意を得て、理事長が任命する。
4 センターの職員は、理事長が任命する。
(役員の職務及び権限等)
第十八条 理事長は、センターを代表し、その業務を総理する。
2 副理事長は、センターを代表し、定款で定めるところにより、理事長を補佐してセンターの業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。
3 理事は、定款で定めるところにより、理事長及び副理事長を補佐してセンターの業務を掌理し、理事長及び副理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長及び副理事長が欠員のときはその職務を行う。
4 監事は、センターの業務を監査する。
5 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長、委員会又は主務大臣に意見を提出することができる。
6 センターと理事長又は副理事長との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合には、監事がセンターを代表する。
7 第十六条の規定は、役員及び職員について準用する。
第四章 業務
(業務)
第十九条 センターは、第一条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 港湾管理者の委託を受けて、次の業務を行うこと。
イ 第二条第一項第一号に掲げる施設の建設及び改良、維持その他の管理
ロ イに掲げる施設における廃棄物による海面埋立てにより行う土地の造成
二 地方公共団体の委託を受けて、次の業務を行うこと。
イ 第二条第一項第二号に掲げる施設及び同項第三号に掲げる施設(政令で定める部分に限る。)の建設及び改良、維持その他の管理
ロ イに掲げる施設における一般廃棄物及び政令で定める産業廃棄物による海面埋立て
ハ 第二条第一項第四号に掲げる施設の建設及び改良、維持その他の管理
三 第二条第一項第三号に掲げる施設(前号イの政令で定める部分を除く。)の建設及び改良、維持その他の管理並びに当該施設における産業廃棄物(同号ロの政令で定める産業廃棄物を除く。)による海面埋立てを行うこと。
四 前三号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
(基本計画)
第二十条 センターは、前条第一号から第三号までの業務に関し、次の事項を定めた基本計画を作成しなければならない。
一 広域処理場の位置及び規模に関する事項
二 広域処理場において処理する廃棄物の受入対象区域並びに廃棄物の種類、量及び受入れの基準に関する事項
三 広域処理場の建設工事の施行に関する事項
四 広域処理場における廃棄物による海面埋立ての実施に関する事項
五 広域処理場における廃棄物による海面埋立てにより造成される土地に関する事項
六 広域処理場の整備に伴う環境保全上の措置に関する事項
七 前各号に掲げるもののほか、広域処理場の整備に関する事項
2 前項の基本計画は、次の基準に適合したものでなければならない。
一 広域処理場の位置及び規模と受け入れる廃棄物の種類及び量並びに受入対象区域が相応していること。
二 広域処理場の建設工事の施行並びに廃棄物の搬入及びこれによる海面埋立てが、円滑かつ能率的に行われるよう配慮されていること。
三 造成された土地が、港湾の機能の増進及び周辺地域における生活環境の向上に寄与するように利用されるものであること。
四 廃棄物の受入れの基準が、関係地方公共団体が実施する廃棄物の減量化等の施策の推進に寄与するものであること。
五 広域処理場の位置及び規模の決定並びにその建設工事の施行並びに廃棄物の搬入及びこれによる海面埋立てに当たつて、輸送活動、漁業生産活動その他の港湾及びその周辺の海域における活動との調整並びに周辺地域における生活環境並びに港湾及びその周辺の海洋環境の保全について十分配慮することとされていること。
3 センターは、基本計画を作成し、又はこれを変更しようとするとき(主務省令で定める軽徴な変更をしようとするときを除く。第七項において同じ。)は、主務大臣の認可を受けなければならない。
4 主務大臣は、前項の認可をしようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。
5 運輸大臣は、第三項の認可をしようとするときは、あらかじめ、港湾審議会の意見を聴くものとする。
6 センターは、基本計画について第三項の主務省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
7 センターは、基本計画を作成し、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、その区域の全部又は一部が広域処理対象区域内にある都道府県及び広域処理場整備対象港湾の港湾管理者に協議しなければならない。
(実施計画)
第二十一条 センターは、第十九条第一号から第三号までの業務を行おうとするときは、主務省令で定めるところにより、基本計画に基づいて実施計画を作成し、主務大臣に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 センターは、前項の実施計画を作成し、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、センターが委託を受けてその業務を行う地方公共団体及び港湾管理者に協議しなければならない。
第五章 財務及び会計
(事業年度)
第二十二条 センターの事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。ただし、最初の事業年度は、成立の日に始まり、その後最初の三月三十一日に終わる。
(予算等)
第二十三条 センターは、毎事業年度、予算、事業計画及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に(最初の事業年度にあつては、成立後遅滞なく)、主務大臣並びにセンターに出資した地方公共団体及び港湾管理者に提出しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
(財務諸表等)
第二十四条 センターは、毎事業年度、貸借対照表、損益計算書及び事業報告書(以下「財務諸表等」という。)を作成し、当該事業年度終了後三月以内に主務大臣並びにセンターに出資した地方公共団体及び港湾管理者に提出しなければならない。
2 センターは、前項の規定により財務諸表等を提出するときは、これに、財務諸表等に関する監事の意見書を添付しなければならない。
(予納金)
第二十五条 センターは、主務省令で定めるところにより、地方公共団体及び港湾管理者以外の者であつて、センターに対し廃棄物の処理を委託するものから、広域処理場に係る経費の一部を予納金として徴収することができる。
(補助金の交付等)
第二十六条 センターが第十九条の規定により地方公共団体又は港湾管理者の委託を受けて広域処理場の建設又は改良の工事を行う場合におけるその工事に要する費用に関する国の補助については、地方公共団体又は港湾管理者に対し交付すべき補助金は、センターに対し交付することができる。
2 前項の規定により補助金がセンターに交付された場合には、センターは、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)の適用については、補助事業者等とみなす。
(財産の処分等)
第二十七条 第十九条の業務の実施により建設される広域処理場に係る財産の管理及び処分の方法その他その財産の管理及び処分に関し必要な事項は、政令で定める。
2 前項の財産について政令で定める期間内に処分が行われた場合において、その処分価額から政令で定める費用の額を控除してなお残余があるときは、その残余の額は、政令で定めるところにより、その広域処理場の建設又は改良の工事に要した費用を自ら負担した者及び補助した者に分配する。その財産についてその期間を超えて管理が行われることとなる場合においてその財産に係るその期間満了の時における評価額から政令で定める費用の額を控除してなお残余があるときも、同様とする。
(主務省令への委任)
第二十八条 この法律に規定するもののほか、センターの財務及び会計に関し必要な事項は、主務省令で定める。
第六章 解散及び清算
(解散)
第二十九条 センターは、次の事由によつて解散する。
一 定款で定める解散事由の発生
二 破産
2 センターは、前項第一号の規定により解散しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣の認可を受けなければならない。この場合において、センターは、その認可により解散する。
(清算人)
第三十条 センターが解散したときは、破産によつて解散した場合を除き、理事長、副理事長及び理事がその清算人となる。
2 理事長、副理事長又は理事であつた清算人には、それぞれ第十八条第一項から第三項までの規定を準用する。
(清算事務)
第三十一条 清算人は、センターの債務を弁済してなお残余財産があるときは、これをセンターに出資した地方公共団体及び港湾管理者に対し、その出資の額に応じて分配しなければならない。
(民法及び非訟事件手続法の準用)
第三十二条 民法第七十三条、第七十五条、第七十六条、第七十七条第二項(届出に関する部分に限る。)及び第七十八条から第八十三条まで並びに非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第三十五条第二項、第三十六条、第三十七条ノ二、第百三十五条ノ二十五第二項及び第三項、第百三十六条、第百三十七条並びに第百三十八条の規定は、センターの解散及び清算について準用する。この場合において、民法第七十五条中「前条」とあるのは、「広域臨海環境整備センター法(昭和五十六年法律第七十六号)第三十条第一項」と読み替えるものとする。
第七章 監督
(報告及び検査)
第三十三条 主務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、センターに対しその業務及び資産の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、センターの事務所その他の事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(監督命令)
第三十四条 主務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、センターに対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
第八章 雑則
(他の法令の準用)
第三十五条 不動産登記法(明治三十二年法律第二十四号)及び政令で定めるその他の法令については、政令で定めるところにより、センターを地方公共団体とみなして、これらの法令を準用する。
(主務大臣等)
第三十六条 この法律において、主務大臣は厚生大臣及び運輸大臣とし、主務省令は主務大臣の発する命令とする。
第九章 罰則
第三十七条 第三十三条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をしたセンターの役員、清算人又は職員は、十万円以下の罰金に処する。
第三十八条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をしたセンターの役員又は清算人は、十万円以下の過料に処する。
一 この法律の規定により主務大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかつたとき。
二 第七条第一項の規定に違反して、登記することを怠つたとき。
三 第十九条に規定する業務以外の業務を行つたとき。
四 第二十条第六項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
五 第二十一条第一項の規定に違反して、実施計画を提出せず、又は虚偽の記載をしてこれを提出したとき。
六 第二十三条又は第二十四条第一項の規定に違反して、提出すべき書類を提出せず、又は虚偽の書類を提出したとき。
七 第三十一条の規定に違反したとき。
八 第三十二条において準用する民法第七十九条第一項又は第八十一条第一項の規定に違反して、公告することを怠り、又は虚偽の公告をしたとき。
九 第三十二条において準用する民法第七十九条第一項に規定する期間内に債権者に弁済したとき。
十 第三十二条において準用する民法第八十一条第一項の規定に違反して、破産宣告の請求を怠つたとき。
十一 第三十四条の規定による命令に違反したとき。
第三十九条 第四条第二項の規定に違反した者は、五万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律の施行の際現にその名称中に広域臨海環境整備センターという文字を用いている者については、第四条第二項の規定は、この法律の施行後一年間は適用しない。
(港湾整備緊急措置法の一部改正)
第三条 港湾整備緊急措置法(昭和三十六年法律第二十四号)の一部を次のように改正する。
第二条第一号の次に次の一号を加える。
一の二 広域臨海環境整備センター法(昭和五十六年法律第七十六号)第十九条第一号の規定により広域臨海環境整備センターが行う廃棄物埋立護岸の建設又は改良の事業
(廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部改正)
第四条 廃棄物処理施設整備緊急措置法(昭和四十七年法律第九十五号)の一部を次のように改正する。
第二条第二項中「実施するもの」の下に「(広域臨海環境整備センター法(昭和五十六年法律第七十六号)第十九条第二号の規定により広域臨海環境整備センターが行うものを含む。)」を加える。
(港湾整備特別会計法の一部改正)
第五条 港湾整備特別会計法(昭和三十六年法律第二十五号)の一部を次のように改正する。
第一条第二項第五号の次に次の一号を加える。
五の二 港湾整備事業で港湾整備緊急措置法第二条第一号の二に規定するものに係る補助金の交付
第四条第二項第三号の次に次の一号を加える。
三の二 広域臨海環境整備センター法(昭和五十六年法律第七十六号)第二十六条第一項の規定により広域臨海環境整備センターに対し交付する補助金
第七条第一項中「補助金」の下に「、広域臨海環境整備センター法第二十六条第一項の規定により広域臨海環境整備センターに対し交付する補助金」を加える。
(所得税法の一部改正)
第六条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。
別表第一第一号の表高圧ガス保安協会の項の次に次のように加える。
広域臨海環境整備センター
広域臨海環境整備センター法(昭和五十六年法律第七十六号)
(法人税法の一部改正)
第七条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
別表第二第一号の表高圧ガス保安協会の項の次に次のように加える。
広域臨海環境整備センター
広域臨海環境整備センター法(昭和五十六年法律第七十六号)
(印紙税法の一部改正)
第八条 印紙税法(昭和四十二年法律第二十三号)の一部を次のように改正する。
別表第二高圧ガス保安協会の項の次に次のように加える。
広域臨海環境整備センター
広域臨海環境整備センター法(昭和五十六年法律第七十六号)
(登録免許税法の一部改正)
第九条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
別表第三中四の項の次に次のように加える。
四の二 広域臨海環境整備センター
広域臨海環境整備センター法(昭和五十六年法律第七十六号)
一 事務所用建物の所有権の取得登記又は当該建物の敷地の用に供する土地の権利の取得登記二 広域臨海環境整備センター法第十九条(業務)に掲げる業務のための別表第一の第一号又は第二号に掲げる登記
第三欄の第一号又は第二号の登記に該当するものであることを証する大蔵省令で定める書類の添付があるものに限る。
(地方税法の一部改正)
第十条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十二条の五第一項第六号中「及び通信・放送衛星機構」を「、通信・放送衛星機構及び広域臨海環境整備センター」に改める。
(厚生省設置法の一部改正)
第十一条 厚生省設置法(昭和二十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。
第五条第三十六号の次に次の一号を加える。
三十六の二 広域臨海環境整備センターの設立又は定款の変更を認可し、これに対しその業務の状況に関する報告をさせ、その状況を検査し、その他監督上必要な命令又は処分をすること。
第九条の二第一項第十号の次に次の一号を加える。
十の二 広域臨海環境整備センターを指導監督すること。
第九条の二第二項中「第十一号」を「第十号の二」に改める。
(運輸省設置法の一部改正)
第十二条 運輸省設置法(昭和二十四年法律第百五十七号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第二十五号の三の次に次の一号を加える。
二十五の四 広域臨海環境整備センターを監督すること。
第二十六条第一項第六号の二の次に次の一号を加える。
六の三 広域臨海環境整備センターに関すること。
法務大臣 奥野誠亮
大蔵大臣 渡辺美智雄
厚生大臣 村山達雄
運輸大臣 塩川正十郎
自治大臣臨時代理 国務大臣 奥野誠亮
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 中曽根康弘