(再編成基本方針)
第三条 運輸大臣は、本州四国連絡橋の供用に伴い影響を受ける航路における円滑な輸送を確保し、並びに一般旅客定期航路事業及びその関連事業に係る影響の軽減を図るため、本州四国連絡橋の供用後の規模縮小等航路及び規模拡大等航路における一般旅客定期航路事業及びその関連事業の再編成についての基本方針(以下「再編成基本方針」という。)を定めなければならない。
2 再編成基本方針においては、次の各号に掲げる事項を定めるものとする。
一 規模縮小等航路及び規模拡大等航路における本州四国連絡橋の供用に伴う輸送需要の減少及び増大に対応するための一般旅客定期航路事業及びその関連事業の整備に関する事項
二 規模縮小等航路において前号の整備により不要となる船舶その他の当該整備により不要となる事業の用に供する資産の利用を図るための措置に関する事項
三 規模縮小等航路において一般旅客定期航路事業を営む者又はその関連事業を営む者に雇用されている労働者の雇用の安定を図るための措置に関する事項
四 前二号の措置を円滑に実施するために必要な規模拡大等航路において一般旅客定期航路事業を営む者又はその関連事業を営む者(これらの事業を営もうとする者を含む。)の協力に関する事項
3 運輸大臣は、再編成基本方針を定めようとするときは、前項第三号及び第四号に規定する事項について労働大臣の同意を得るとともに、当該再編成基本方針の内容について、建設大臣に協議し、かつ、海運造船合理化審議会の意見を聴かなければならない。
4 運輸大臣は、第一項の規定により再編成基本方針を定めたときは、これを公表するものとする。
5 前二項の規定は、再編成基本方針の変更について準用する。
(航路指定)
第四条 運輸大臣は、本州四国連絡橋の供用に伴い影響を受ける航路について、当該供用が開始される一般国道又は鉄道施設の区間ごとに、これに係る規模縮小等航路及び規模拡大等航路を指定する。
2 運輸大臣は、前項の規定により指定された規模縮小等航路(以下「指定規模縮小等航路」という。)又は同項の規定により指定された規模拡大等航路(以下「指定規模拡大等航路」という。)が、それぞれ規模縮小等航路又は規模拡大等航路に該当しなくなつたと認めるときは、同項の規定による指定を取り消すものとする。
3 運輸大臣は、第一項の規定による指定及び前項の規定による取消しを行おうとするときは、建設大臣に協議しなければならない。
4 第一項の規定による指定及び第二項の規定による取消しは、告示によつて行う。
(実施計画)
第五条 指定規模縮小等航路において一般旅客定期航路事業を営む者又はその関連事業を営む者が、本州四国連絡橋の供用に伴い余儀なくされることとなる事業規模の縮小等(離職者の発生を伴わないもので政令で定める軽微なものを除く。)を行おうとするときは、それぞれ当該事業について、その実施に関する計画(以下「実施計画」という。)を作成し、指定日(当該航路ごとに、当該供用の開始の日のおおむね六月前の日で運輸大臣が告示で定める日をいう。)以降当該供用の開始の日から起算して二年を経過する日までの間にこれを運輸大臣に提出して、その認定を受けることができる。
2 実施計画には、次の各号に掲げる事項を記載しなければならない。
一 事業規模の縮小等の計画及びその実施により残存する事業の整備に関する事項
二 事業規模の縮小等により不要となる船舶その他の当該事業の用に供する資産の利用又は廃棄に関する事項
三 一般旅客定期航路事業等離職者の再就職の援助その他当該事業を営む者に雇用されている労働者の雇用の安定に関する事項
3 第一項の規定による認定を受けようとする一般旅客定期航路事業を営む者は、前項第一号に規定する事項について、あらかじめ、海上運送法の規定により必要とされる免許、許可又は認可の申請をしなければならない。
4 第一項の規定による認定を受けようとする者は、実施計画の作成に当たつては、第二項第三号に規定する事項について、その者に雇用されている労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合の、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
5 運輸大臣は、第一項の規定による認定の申請があつた場合において、その実施計画が、再編成基本方針に照らし適切なものであると認めるときは、同項の規定による認定をするものとする。ただし、当該実施計画に係る指定規模縮小等航路の指定が取り消されたときは、この限りでない。
6 運輸大臣は、第一項の規定による認定をしようとするときは、第二項第三号に規定する事項について労働大臣の同意を得るとともに、当該認定に係る実施計画について建設大臣に協議しなければならない。
(実施計画の変更及び取消し)
第六条 前条第一項の規定による認定を受けた者は、当該認定に係る実施計画の変更(運輸省令で定めるものを除く。)をしようとするときは、同項に規定する供用の開始の日から起算して二年を経過する日までに当該変更に係る実施計画を運輸大臣に提出して、その認定を受けなければならない。
2 前条第三項から第六項までの規定は、前項の規定による認定について準用する。
3 運輸大臣は、前条第一項の規定による認定を受けた実施計画(第一項の規定による変更の認定があつたときは、その変更後のもの。以下同じ。)に係る指定規模縮小等航路の指定が取り消されたとき、又は認定後に輸送需要が増大し、若しくは増大することが見込まれる場合において特に必要があると認めるときは、実施計画の認定を取り消すことができる。
(省令への委任)
第七条 前三条に定めるもののほか、航路の指定若しくはその取消し又は実施計画の認定若しくはその取消しに関し必要な事項は、運輸省令で定める。
(勧告)
第八条 運輸大臣は、指定規模縮小等航路及び指定規模拡大等航路における円滑な輸送を確保し、並びに指定規模縮小等航路における一般旅客定期航路事業に係る影響の経減を図るために必要があると認めるときは、指定規模縮小等航路又は指定規模拡大等航路において一般旅客定期航路事業を営む者(その事業を営もうとする者を含む。)に対し、輸送需要に対応した適正な輸送力の維持、輸送施設の利用の効率化及び事業規模の縮小等により不要となる船舶その他の当該事業の用に供する資産の処理の円滑化のための措置その他再編成基本方針に基づき一般旅客定期航路事業の再編成を適切に実施するために必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
2 運輸大臣又は労働大臣は、本州四国連絡橋の供用に伴う一般旅客定期航路事業又はその関連事業に係る影響の軽減を図るために必要があると認めるときは、指定規模縮小等航路又は指定規模拡大等航路において一般旅客定期航路事業を営む者又はその関連事業を営む者(これらの事業を営もうとする者を含む。)に対し、一般旅客定期航路事業等離職者の再就職の援助その他これらの事業を営む者に雇用されている労働者の雇用の安定のために必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
(報告徴収)
第九条 運輸大臣又は労働大臣は、第五条第一項又は第六条第一項の規定による認定を受けた者に対し、実施計画の実施状況について必要な報告を求めることができる。