職業能力開発促進法及び雇用促進事業団法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第45号
公布年月日: 平成9年5月9日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

産業構造の急激な変化に伴い、企業の高付加価値化や新分野展開に対応できる高度な人材育成が急務となっている。公共職業訓練の高度化を図るとともに、高度化・複雑化する業務に対応するため、労働者個人の自発的な職業能力開発の取り組みが重要性を増している。これらの課題に対処するため、職業能力開発大学校及び職業能力開発総合大学校の設置による高度職業訓練の実施体制の整備、並びに労働者の自発的な職業能力の開発及び向上の促進のための措置を講じることを目的として本法案を提案する。

参照した発言:
第140回国会 衆議院 労働委員会 第8号

審議経過

第140回国会

衆議院
(平成9年4月18日)
(平成9年4月22日)
参議院
(平成9年4月22日)
(平成9年4月24日)
(平成9年4月25日)
職業能力開発促進法及び雇用促進事業団法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成九年五月九日
内閣総理大臣 橋本龍太郎
法律第四十五号
職業能力開発促進法及び雇用促進事業団法の一部を改正する法律
(職業能力開発促進法の一部改正)
第一条 職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)の一部を次のように改正する。
目次中「第五節 職業訓練指導員等(第二十七条―第三十条の二)」を
第五節
職業能力開発総合大学校(第二十七条)
第六節
職業訓練指導員等(第二十七条の二―第三十条の二)
に改める。
第一条中「施策」の下に「並びに労働者が自ら職業に関する教育訓練又は職業能力検定を受ける機会を確保するための施策」を加える。
第三条中「応じつつ」を「応じ、かつ、労働者の自発的な職業能力の開発及び向上のための努力を助長するように配慮しつつ、」に改める。
第三条の二第一項中「、職業訓練にあつては訓練を受ける労働者の自発的な職業能力の開発及び向上のための努力を助長するように配慮して行われ」を削る。
第四条第一項中「ともに、」の下に「その労働者が自ら職業に関する教育訓練又は職業能力検定を受ける機会を確保するために必要な援助その他」を加え、同条第二項中「並びに」の下に「労働者が自ら職業に関する教育訓練又は職業能力検定を受ける機会を確保するために事業主の行う援助その他」を、「される職業訓練の実施」の下に「、労働者が自ら職業に関する教育訓練又は職業能力検定を受ける機会を確保するための援助」を加える。
第八条中「及び第十条」を「から第十条の二まで」に改める。
第十条第一項第三号及び同条第二項を削り、同条の次に次の一条を加える。
第十条の二 事業主は、前二条の措置によるほか、必要に応じ、その雇用する労働者が自ら職業に関する教育訓練又は職業能力検定を受ける機会を確保するために必要な次に掲げる援助を行うこと等によりその労働者の自発的な職業能力の開発及び向上を促進するものとする。
一 有給教育訓練休暇、長期教育訓練休暇その他の休暇を付与すること。
二 始業及び終業の時刻の変更その他職業に関する教育訓練又は職業能力検定を受ける時間を確保するために必要な措置を講ずること。
2 前項第一号の有給教育訓練休暇とは、職業人としての資質の向上その他職業に関する教育訓練を受ける労働者に対して与えられる有給休暇(労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第三十九条の規定による年次有給休暇として与えられるものを除く。)をいう。
3 第一項第一号の長期教育訓練休暇とは、職業人としての資質の向上その他職業に関する教育訓練を受ける労働者に対して与えられる休暇であって長期にわたるもの(労働基準法第三十九条の規定による年次有給休暇として与えられるもの及び前項に規定する有給教育訓練休暇として与えられるものを除く。)をいう。
第十一条中「前二条」を「前三条」に改める。
第十二条第二号中「及び第十条」を「から第十条の二まで」に改める。
第十五条の二第一項中「職業訓練及び」の下に「労働者が自ら職業に関する教育訓練又は職業能力検定を受ける機会を確保するために必要な援助その他」を加える。
第十五条の三中「第十条第二項」を「第十条の二第二項」に改め、「付与」の下に「その他の労働者が自ら職業に関する教育訓練又は職業能力検定を受ける機会を確保するための援助」を加える。
第十五条の六第一項第二号中「訓練課程」の下に「(次号の労働省令で定める長期間の訓練課程を除く。)」を加え、同項第四号中「前三号」を「前各号」に改め、同号を同項第五号とし、同項第三号を同項第四号とし、同項第二号の次に次の一号を加える。
三 職業能力開発大学校(高度職業訓練で前号に規定する長期間及び短期間の訓練課程のもの並びに高度職業訓練で専門的かつ応用的な職業能力を開発し、及び向上させるためのものとして労働省令で定める長期間の訓練課程のものを行うための施設をいう。以下同じ。)
第十六条第一項及び第二項、第十七条並びに第二十五条中「職業能力開発短期大学校」の下に「、職業能力開発大学校」を加える。
第五節の節名を次のように改める。
第五節 職業能力開発総合大学校
第二十七条の見出しを削り、同条第一項中「職業能力開発大学校は」を「職業能力開発総合大学校は、公共職業訓練その他の職業訓練の円滑な実施その他職業能力の開発及び向上の促進に資するため」に、「並びに」を「、職業訓練のうち準則訓練の実施の円滑化に資するものとして労働省令で定めるもの並びに」に改め、「研究を」の下に「総合的に」を加え、同条第二項中「職業能力開発大学校」を「職業能力開発総合大学校」に改め、「職業訓練その他」を削り、同条第三項及び第四項中「職業能力開発大学校」を「職業能力開発総合大学校」に改め、同条第五項中「第十六条第三項」を「第十五条の六第二項及び第四項(第二号を除く。)、第十六条第三項」に、「、職業能力開発大学校」を「職業能力開発総合大学校について、第十九条から第二十二条までの規定は職業能力開発総合大学校において行う職業訓練」に改め、「場合において」の下に「、第十五条の六第二項中「当該各号に規定する職業訓練」とあり、及び同条第四項中「第一項各号に規定する職業訓練」とあるのは「第二十七条第一項に規定する業務」と、第二十一条第一項及び第二十二条中「公共職業能力開発施設」とあるのは「職業能力開発総合大学校」と」を加え、「、「第二十七条第一項に規定する指導員訓練」を「「指導員訓練(第二十七条第一項に規定する指導員訓練をいう。)又は職業訓練」に改め、同条の次に次の節名を付する。
第六節 職業訓練指導員等
第二十七条の二第二項中「職業能力開発大学校」を「職業能力開発総合大学校」に改める。
第九十四条中「第七項」を「第八項」に改める。
第九十七条の二及び第九十九条の二中「職業能力開発大学校」を「職業能力開発総合大学校」に改める。
(雇用促進事業団法の一部改正)
第二条 雇用促進事業団法(昭和三十六年法律第百十六号)の一部を次のように改正する。
第十九条第一項第一号中「職業能力開発短期大学校」の下に「、職業能力開発大学校」を加え、「職業能力開発大学校」を「職業能力開発総合大学校」に改め、同項第二号中「職業訓練」の下に「又は職業能力開発総合大学校の行う職業訓練」を加え、同号の次に次の一号を加える。
二の二 労働者の自発的な職業能力の開発及び向上についての事業主、労働者その他の関係者に対する相談その他の援助並びにその雇用する労働者が自ら職業に関する教育訓練又は職業能力検定を受ける機会を確保するための援助を行う事業主に対する職業能力開発促進法第十五条の三に規定する必要な助成を行うこと。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第一条中職業能力開発促進法(以下「能開法」という。)の目次、第十五条の六第一項、第十六条第一項及び第二項、第十七条、第二十五条、第五節の節名並びに第二十七条の改正規定、能開法第二十七条の次に節名を付する改正規定並びに能開法第二十七条の二第二項、第九十七条の二及び第九十九条の二の改正規定、第二条の規定(雇用促進事業団法第十九条第一項第一号及び第二号の改正規定に限る。)並びに次条から附則第四条まで、附則第六条から第八条まで及び第十条から第十六条までの規定、附則第十七条の規定(雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第六十三条第一項第四号中「第十条第二項」を「第十条の二第二項」に改める部分を除く。)並びに附則第十八条から第二十二条までの規定は、平成十一年四月一日から施行する。
(職業能力開発短期大学校に関する経過措置)
第二条 第一条中能開法第十五条の六第一項の改正規定の施行の際現に第一条の規定による改正前の職業能力開発促進法(以下「旧能開法」という。)第十六条第一項又は第二項の規定により国又は都道府県が設置している職業能力開発短期大学校は、政令で定めるところにより、第一条の規定による改正後の職業能力開発促進法(以下「新能開法」という。)第十五条の六第一項第二号に掲げる職業能力開発短期大学校又は同項第三号に掲げる職業能力開発大学校となるものとする。
(職業能力開発大学校に関する経過措置)
第三条 第一条中能開法第二十七条の改正規定の施行の際現に旧能開法第二十七条第三項の規定により国が設置している職業能力開発大学校は、新能開法第二十七条第一項に規定する職業能力開発総合大学校となるものとする。
(名称の使用制限に関する経過措置)
第四条 第一条中能開法第二十七条の改正規定の施行の際現にその名称中に職業能力開発総合大学校という文字を用いているものについては、新能開法第二十七条第四項の規定は、第一条中能開法第二十七条の改正規定の施行後六月間は、適用しない。
(政令への委任)
第五条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
(罰則に関する経過措置)
第六条 附則第一条ただし書に規定する規定の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(職業安定法の一部改正)
第七条 職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)の一部を次のように改正する。
第十九条の三中「職業訓練」の下に「(職業能力開発総合大学校の行うものを含む。)」を加える。
第二十五条の三第二項第六号中「公共職業能力開発施設」の下に「(職業能力開発総合大学校を含む。)」を加える。
第三十三条の二第一項第四号中「職業能力開発大学校」を「職業能力開発総合大学校」に改め、「行う職業訓練」の下に「若しくは職業能力開発促進法第二十七条第一項に規定する指導員訓練」を、「当該職業訓練」の下に「若しくは当該指導員訓練」を加える。
(身体障害者福祉法の一部改正)
第八条 身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)の一部を次のように改正する。
第十八条第四項第二号中「職業訓練」の下に(「職業能力開発総合大学校の行うものを含む。)」を加える。
(地方税法の一部改正)
第九条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十三条の四第一項第十二号中「第十九条第一項第一号」の下に「、第二号若しくは第三号」を加える。
(土地収用法の一部改正)
第十条 土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)の一部を次のように改正する。
第三条第二十三号中「職業能力開発大学校」を「職業能力開発総合大学校」に改める。
(国有財産特別措置法の一部改正)
第十一条 国有財産特別措置法(昭和二十七年法律第二百十九号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項第一号ト中「職業能力開発短期大学校」の下に「、職業能力開発大学校」を加える。
(駐留軍関係離職者等臨時措置法の一部改正)
第十二条 駐留軍関係離職者等臨時措置法(昭和三十三年法律第百五十八号)の一部を次のように改正する。
第十条第一項中「行う職業訓練」の下に「(職業能力開発総合大学校の行うものを含む。次条第三項において同じ。)」を加える。
(炭鉱労働者等の雇用の安定等に関する臨時措置法の一部改正)
第十三条 炭鉱労働者等の雇用の安定等に関する臨時措置法(昭和三十四年法律第百九十九号)の一部を次のように改正する。
第十三条第二項中「職業訓練」の下に「(職業能力開発総合大学校の行うものを含む。次条第三号において同じ。)」を加える。
(障害者の雇用の促進等に関する法律の一部改正)
第十四条 障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)の一部を次のように改正する。
第九条の八第二項中「及び」を「並びに」に改め、「の公共職業能力開発施設」の下に「及び同法第二十七条の職業能力開発総合大学校」を加え、「「公共職業能力開発施設」を「「公共職業能力開発施設等」に改める。
第八十二条中「公共職業能力開発施設」を「公共職業能力開発施設等」に改める。
(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部改正)
第十五条 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和四十六年法律第六十八号)の一部を次のように改正する。
第十五条第一項第二号中「職業訓練」の下に「(職業能力開発総合大学校の行うものを含む。)」を加える。
(沖縄振興開発特別措置法の一部改正)
第十六条 沖縄振興開発特別措置法(昭和四十六年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。
第四十二条第二項中「職業訓練」の下に「(職業能力開発総合大学校の行うものを含む。)」を加える。
(雇用保険法の一部改正)
第十七条 雇用保険法の一部を次のように改正する。
第十五条第三項中「行う職業訓練」の下に「(職業能力開発総合大学校の行うものを含む。)」を加える。
第六十三条第一項第二号中「職業能力開発大学校」を「職業能力開発総合大学校」に改め、「指導員訓練」の下に「又は職業訓練」を加え、同項第四号中「第十条第二項」を「第十条の二第二項」に改め、同項第五号中「公共職業能力開発施設」の下に「又は職業能力開発総合大学校」を加える。
(国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部改正)
第十八条 国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法(昭和五十二年法律第九十四号)の一部を次のように改正する。
第五条第二項中「職業訓練」の下に「(職業能力開発総合大学校の行うものを含む。次項第三号において同じ。)」を加える。
第六条の二第一項中「行う職業訓練」の下に「(職業能力開発総合大学校の行うものを含む。次項第三号において同じ。)」を、「含む。)」と」の下に「、「公共職業能力開発施設の行う職業訓練の」とあるのは「職業訓練の」と」を加える。
(本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法の一部改正)
第十九条 本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法(昭和五十六年法律第七十二号)の一部を次のように改正する。
第十七条第二項及び第十八条中「行う職業訓練」の下に「(職業能力開発総合大学校の行うものを含む。)」を加える。
(特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法の一部改正)
第二十条 特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法(昭和五十八年法律第三十九号)の一部を次のように改正する。
第十七条第二項中「職業訓練」の下に「(職業能力開発総合大学校の行うものを含む。次項第三号において同じ。)」を加える。
(社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正)
第二十一条 社会福祉士及び介護福祉士法(昭和六十二年法律第三十号)の一部を次のように改正する。
第七条第二号中「職業能力開発大学校」を「職業能力開発総合大学校」に改める。
(消費税法の一部改正)
第二十二条 消費税法(昭和六十三年法律第百八号)の一部を次のように改正する。
別表第一第十一号ニ中「職業能力開発大学校」を「職業能力開発総合大学校」に、「職業能力開発短期大学校」を「職業能力開発大学校、職業能力開発短期大学校」に改める。
内閣総理大臣 橋本龍太郎
大蔵大臣 三塚博
厚生大臣 小泉純一郎
運輸大臣 古賀誠
労働大臣 岡野裕
建設大臣 亀井静香
自治大臣 白川勝彦