経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律
法令番号: 法律第169号
公布年月日: 昭和33年7月11日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

昭和31年度の一般会計の新規剰余金のうち、436億3千万円から221億3千万円を経済基盤強化資金として設置し、215億円を5つの特別法人への基金出資に充てることを目的とする法案である。経済基盤強化資金は道路・港湾整備、科学技術振興、災害復旧等に使用され、5法人への出資金は農林漁業支援、中小企業保険、東南アジア開発協力、貿易振興、労働関係の各分野で活用される。これらの資金は原則として資金運用部に預託され、適正な管理運用を図る。

参照した発言:
第29回国会 衆議院 大蔵委員会 第3号

審議経過

第29回国会

衆議院
(昭和33年6月20日)
(昭和33年6月24日)
参議院
(昭和33年6月24日)
衆議院
(昭和33年6月25日)
(昭和33年6月26日)
(昭和33年6月27日)
(昭和33年6月27日)
参議院
(昭和33年7月4日)
(昭和33年7月5日)
(昭和33年7月7日)
(昭和33年7月8日)
(昭和33年7月8日)
(昭和33年7月8日)
衆議院
(昭和33年7月12日)
経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十三年七月十一日
内閣総理大臣 岸信介
法律第百六十九号
経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、経済基盤強化資金の設置、農林漁業金融公庫、日本輸出入銀行並びに別に法律で定めるところにより設立される中小企業信用保険公庫、日本貿易振興会及び日本労働協会の特別の基金に充てるための政府の出資並びにこれらの資金及び基金の適正な管理、運用等に関し必要な事項を定め、もつてわが国の経済の基盤の強化と健全な発展に資することを目的とする。
第二章 経済基盤強化資金
(資金の設置)
第二条 将来におけるわが国の経済基盤の強化に必要な経費に充てる財源の一部を確保するため、経済基盤強化資金(以下「資金」という。)を設置する。
(資金の所属及び管理)
第三条 資金は、一般会計の所属とし、大蔵大臣が、法令の定めるところに従い、管理する。
(資金への繰入)
第四条 政府は、昭和三十三年度において、一般会計から、二百二十一億三千万円を限り、資金に繰り入れることができる。
(資金に充てる財源)
第五条 資金は、前条の規定による繰入金及び次条第一項の規定により預託した場合に生ずる利子をもつて充てる。
(資金の預託)
第六条 資金に属する現金は、資金運用部に預託することができる。
2 前項の規定により預託した場合に生ずる利子は、資金に編入するものとする。
(資金の使用)
第七条 資金は、将来における道路の整備、港湾の整備、科学技術の振興、異常災害の復旧又は産業投資特別会計への繰入に要する経費の財源に充てる場合に限り、予算の定めるところにより、使用することができる。
2 前項の資金の使途の範囲に関し必要な事項は、政令で定める。
(資金の経理)
第八条 資金の受払は、歳入歳出外とし、その経理に関する手続は、大蔵省令で定める。
(資金の増減及び現在額計算書)
第九条 大蔵大臣は、資金の毎会計年度間における増減及び毎会計年度末における現在額の計算書を、翌年度の七月三十一日までに作成しなければならない。
2 内閣は、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第三十九条の規定により歳入歳出決算を会計検査院に送付する場合においては、これに前項の計算書を添附しなければならない。
3 内閣は、財政法第四十条第一項の規定により歳入歳出決算を国会に提出する場合においては、これに前項の計算書を添附しなければならない。
第三章 公庫等の基金
(政府の出資)
第十条 政府は、昭和三十三年度において、一般会計から、次条第一項各号に掲げる基金に充てるものとして、次の各号に掲げる法人(以下「公庫等」という。)に対し、それぞれ当該各号に掲げる金額を出資するものとする。
一 農林漁業金融公庫 六十五億円
二 中小企業信用保険公庫 六十五億円
三 日本輸出入銀行 五十億円
四 日本貿易振興会 二十億円
五 日本労働協会 十五億円
(基金)
第十一条 公庫等は、前条の規定により出資を受けたときは、その出資を受けた金額を、それぞれ次の各号に掲げる基金に充てなければならない。
一 農林漁業金融公庫にあつては、国の直接又は間接の補助の対象とならない農地の改良又は造成に係る事業に対して同公庫が行う貸付に係る利子の軽減に充てる財源をその運用によつて得るための非補助小団地等土地改良事業助成基金
二 中小企業信用保険公庫にあつては、同公庫の保険事業の損益計算上損失を生じた場合において、その損失をうめるための保険準備基金
三 日本輸出入銀行にあつては、東南アジア開発協力のための国際的機構に対する出資及び当該機構が設置されるまでの間において、将来当該機構の出資に振り替えることができる性質の国際的協力による投資の財源に充てるための東南アジア開発協力基金
四 日本貿易振興会にあつては、同会の事業の運営のために必要な経費の財源をその運用によつて得るための基金
五 日本労働協会にあつては、同協会の事業の運営のために必要な経費の財源をその運用によつて得るための基金
2 農林漁業金融公庫は、非補助小団地等土地改良事業助成基金に係る経理については、政令で定めるところにより、一般の経理と区分して整理しなければならない。
3 日本輸出入銀行は、東南アジア開発協力基金に係る経理については、一般の業務に係る経理と区分し、特別の勘定を設けて整理しなければならない。
(基金に属する現金の管理等)
第十二条 公庫等は、前条第一項の基金(日本輸出入銀行にあつては、東南アジア開発協力基金の勘定)に属する現金については、それぞれ次の各号に掲げる金額(公庫等が主務大臣の承認を受けて年度内における資金繰りのために当該現金を繰替使用する場合には、その繰替使用中の金額を控除した金額)を下らない金額を、資金運用部に預託して管理しなければならない。
一 農林漁業金融公庫にあつては、第十条第一号の規定による出資の額に相当する金額(次条第一項の規定による組入金の額がある場合には、その金額(同条第二項の規定により使用した金額があるときは、その金額を控除した金額)を加算した金額)
二 中小企業信用保険公庫にあつては、第十条第二号の規定による出資の額に相当する金額(第十五条第一項ただし書の規定により保険準備基金を取りくずした場合において、保険準備基金からその取りくずした金額(同条第二項の規定による組入金があるときは、その金額を控除した金額)を控除した残額が六十五億円を下るときは、その残額)
三 日本輸出入銀行にあつては、第十条第三号の規定による出資の額に相当する金額と第十四条第一項に規定する積立金の額との合計額(第三項の規定による運用をした場合には、その運用した金額を控徐した金額)
四 日本貿易振興会又は日本労働協会にあつては、第十条第四号又は第五号の規定による出資の額に相当する金額
2 主務大臣は、前項の承認をしようとするときは、大蔵大臣に協議しなければならない。
3 大蔵大臣は、内閣において決定したところに従い、日本輸出入銀行をして、東南アジア開発協力基金(第十四条第一項に規定する積立金を含む。)に属する現金を前条第一項第三号に規定する出資又は投資に運用させることができる。
4 日本輸出入銀行は、当分の間、日本輸出入銀行法(昭和二十五年法律第二百六十八号)第十八条の規定にかかわらず、第一項及び前項の規定による東南アジア開発協力基金の管理及び運用に関する事務を執行することができる。
5 前項に規定する事務の執行に要する費用は、日本輸出入銀行の一般の業務に係る勘定において支弁するものとし、その支弁に係る金額は、東南アジア開発協力基金の勘定の負担とする。
(基金の剰余金等の処理)
第十三条 農林漁業金融公庫は、政令で定めるところにより、非補助小団地等土地改良事業助成基金に属する現金の前条第一項の規定による預託により生ずる利子の金額から、第十一条第一項第一号に規定する貸付に係る利子の軽減のために使用した金額を差し引いて、なお剰余があるときは、これを当該基金に組み入れなければならない。
2 農林漁業金融公庫は、前項に規定する預託により生ずる利子の金額が、第十一条第一項第一号に規定する貸付に係る利子の軽減のために使用する金額に不足する場合においては、政令で定めるところにより、前項の規定による組入金の額に相当する金額を限度として、非補助小団地等土地改良事業助成基金に属する現金を当該利子の軽減のために使用することができる。
第十四条 日本輸出入銀行は、東南アジア開発協力基金の勘定において、毎事業年度の損益計算上利益を生じたときは、日本輸出入銀行法第三十八条第一項及び第三項の規定にかかわらず、これを積立金として積み立てなければならない。
2 日本輸出入銀行は、東南アジア開発協力基金の勘定において、毎事業年度の損益計算上損失を生じたときは、前項の積立金の額から当該損失の額に相当する金額を減額してこれを整理するものとする。ただし、当該損失の額のうちその整理をすることができない部分の金額は、損失の繰越として整理するものとする。
3 第一項の積立金は、前項本文の規定により減額して整理する場合のほか、取りくずしてはならない。
(基金の取りくずしの制限等)
第十五条 公庫等の基金は、取りくずしてはならない。ただし、次に掲げる場合には、この限りでない。
一 農林漁業金融公庫が第十三条第二項の規定により非補助小団地等土地改良事業助成基金に属する現金を使用する場合
二 中小企業信用保険公庫が、その保険事業の損益計算上損失を生じた場合において、これをうめるためにするとき。
2 中小企業信用保険公庫は、前項第二号の規定により保険準備基金を取りくずした後において、その保険事業の損益計算上利益を生じたときは、その利益の額に相当する金額を、同号の規定により取りくずした金額に達するまで、同基金に組み入れなければならない。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 農林漁業金融公庫法(昭和二十七年法律第三百五十五号)の一部を次のように改正する。
第四条中「第三十二条第五項」を「、経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律(昭和三十三年法律第百六十九号)第十条第一号の規定により同法第十一条第一項第一号に掲げる非補助小団地等土地改良事業助成基金に充てるものとして出資された六十五億円と、第三十二条第五項」に改め、同条に次の一項を加える。
2 前項に規定する基金に係る出資金については、この法律に定めるもののほか、同項に規定する法律の定めるところによらなければならない。
3 日本輸出入銀行法の一部を次のように改正する。
第四条に次の二項を加える。
2 前項に定めるもののほか、経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律(昭和三十三年法律第百六十九号)第十一条第一項第三号に規定する東南アジア開発協力基金は、日本輸出入銀行の資本金とする。
3 前項に規定する基金については、この法律に定めるもののほか、同項に規定する法律の定めるところによらなければならない。
第十八条の三中「第四条」の下に「第一項」を加える。
4 中小企業信用保険公庫法(昭和三十三年法律第九十三号)の一部を次のように改正する。
第四条を次のように改める。
(資本金)
第四条 公庫の資本金は、政府の一般会計からの出資金二十億円、経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律(昭和三十三年法律第百六十九号)第十条第二号の規定により同法第十一条第一項第二号に掲げる保険準備基金に充てるものとして政府から出資された六十五億円及び附則第八条第二項の規定により政府から出資があつたものとされた金額との合計額とする。
2 前項に規定する保険準備基金については、この法律に定めるもののほか、同項に規定する法律の定めるところによらなければならない。
5 中小企業信用保険公庫法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律(昭和三十三年法律第九十四号)の一部を次のように改正する。
第十八条を削る。
6 日本貿易振興会法(昭和三十三年法律第九十五号)の一部を次のように改正する。
第四条を次のように改める。
(資本金)
第四条 振興会の資本金は、二十億円とし、経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律(昭和三十三年法律第百六十九号)第十条第四号の規定により、同法第十一条第一項第四号に掲げる基金に充てるものとして、政府がその全額を出資するものとする。
2 前項に規定する基金については、同項に規定する法律の定めるところによらなければならない。
7 日本労働協会法(昭和三十三年法律第百三十二号)の一部を次のように改正する。
第四条を次のように改める。
(基金)
第四条 協会の基金は、十五億円とし、経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律(昭和三十三年法律第百六十九号)第十条第五号の規定により、政府がその全額を出資するものとする。
2 前項の基金については、同項に規定する法律の定めるところによらなければならない。
8 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
第四条第十五号の次に次の一号を加える。
十五の二 経済基盤強化資金の管理に関すること。
第六条第二項中「第三十一号」を「第三十二号」に改める。
第八条第四号の次に次の一号を加える。
四の二 経済基盤強化資金の管理に関すること。
外務大臣 藤山愛一郎
大蔵大臣 佐藤榮作
農林大臣 三浦一雄
通商産業大臣 高碕達之助
労働大臣 倉石忠雄
内閣総理大臣 岸信介
経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十三年七月十一日
内閣総理大臣 岸信介
法律第百六十九号
経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、経済基盤強化資金の設置、農林漁業金融公庫、日本輸出入銀行並びに別に法律で定めるところにより設立される中小企業信用保険公庫、日本貿易振興会及び日本労働協会の特別の基金に充てるための政府の出資並びにこれらの資金及び基金の適正な管理、運用等に関し必要な事項を定め、もつてわが国の経済の基盤の強化と健全な発展に資することを目的とする。
第二章 経済基盤強化資金
(資金の設置)
第二条 将来におけるわが国の経済基盤の強化に必要な経費に充てる財源の一部を確保するため、経済基盤強化資金(以下「資金」という。)を設置する。
(資金の所属及び管理)
第三条 資金は、一般会計の所属とし、大蔵大臣が、法令の定めるところに従い、管理する。
(資金への繰入)
第四条 政府は、昭和三十三年度において、一般会計から、二百二十一億三千万円を限り、資金に繰り入れることができる。
(資金に充てる財源)
第五条 資金は、前条の規定による繰入金及び次条第一項の規定により預託した場合に生ずる利子をもつて充てる。
(資金の預託)
第六条 資金に属する現金は、資金運用部に預託することができる。
2 前項の規定により預託した場合に生ずる利子は、資金に編入するものとする。
(資金の使用)
第七条 資金は、将来における道路の整備、港湾の整備、科学技術の振興、異常災害の復旧又は産業投資特別会計への繰入に要する経費の財源に充てる場合に限り、予算の定めるところにより、使用することができる。
2 前項の資金の使途の範囲に関し必要な事項は、政令で定める。
(資金の経理)
第八条 資金の受払は、歳入歳出外とし、その経理に関する手続は、大蔵省令で定める。
(資金の増減及び現在額計算書)
第九条 大蔵大臣は、資金の毎会計年度間における増減及び毎会計年度末における現在額の計算書を、翌年度の七月三十一日までに作成しなければならない。
2 内閣は、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第三十九条の規定により歳入歳出決算を会計検査院に送付する場合においては、これに前項の計算書を添附しなければならない。
3 内閣は、財政法第四十条第一項の規定により歳入歳出決算を国会に提出する場合においては、これに前項の計算書を添附しなければならない。
第三章 公庫等の基金
(政府の出資)
第十条 政府は、昭和三十三年度において、一般会計から、次条第一項各号に掲げる基金に充てるものとして、次の各号に掲げる法人(以下「公庫等」という。)に対し、それぞれ当該各号に掲げる金額を出資するものとする。
一 農林漁業金融公庫 六十五億円
二 中小企業信用保険公庫 六十五億円
三 日本輸出入銀行 五十億円
四 日本貿易振興会 二十億円
五 日本労働協会 十五億円
(基金)
第十一条 公庫等は、前条の規定により出資を受けたときは、その出資を受けた金額を、それぞれ次の各号に掲げる基金に充てなければならない。
一 農林漁業金融公庫にあつては、国の直接又は間接の補助の対象とならない農地の改良又は造成に係る事業に対して同公庫が行う貸付に係る利子の軽減に充てる財源をその運用によつて得るための非補助小団地等土地改良事業助成基金
二 中小企業信用保険公庫にあつては、同公庫の保険事業の損益計算上損失を生じた場合において、その損失をうめるための保険準備基金
三 日本輸出入銀行にあつては、東南アジア開発協力のための国際的機構に対する出資及び当該機構が設置されるまでの間において、将来当該機構の出資に振り替えることができる性質の国際的協力による投資の財源に充てるための東南アジア開発協力基金
四 日本貿易振興会にあつては、同会の事業の運営のために必要な経費の財源をその運用によつて得るための基金
五 日本労働協会にあつては、同協会の事業の運営のために必要な経費の財源をその運用によつて得るための基金
2 農林漁業金融公庫は、非補助小団地等土地改良事業助成基金に係る経理については、政令で定めるところにより、一般の経理と区分して整理しなければならない。
3 日本輸出入銀行は、東南アジア開発協力基金に係る経理については、一般の業務に係る経理と区分し、特別の勘定を設けて整理しなければならない。
(基金に属する現金の管理等)
第十二条 公庫等は、前条第一項の基金(日本輸出入銀行にあつては、東南アジア開発協力基金の勘定)に属する現金については、それぞれ次の各号に掲げる金額(公庫等が主務大臣の承認を受けて年度内における資金繰りのために当該現金を繰替使用する場合には、その繰替使用中の金額を控除した金額)を下らない金額を、資金運用部に預託して管理しなければならない。
一 農林漁業金融公庫にあつては、第十条第一号の規定による出資の額に相当する金額(次条第一項の規定による組入金の額がある場合には、その金額(同条第二項の規定により使用した金額があるときは、その金額を控除した金額)を加算した金額)
二 中小企業信用保険公庫にあつては、第十条第二号の規定による出資の額に相当する金額(第十五条第一項ただし書の規定により保険準備基金を取りくずした場合において、保険準備基金からその取りくずした金額(同条第二項の規定による組入金があるときは、その金額を控除した金額)を控除した残額が六十五億円を下るときは、その残額)
三 日本輸出入銀行にあつては、第十条第三号の規定による出資の額に相当する金額と第十四条第一項に規定する積立金の額との合計額(第三項の規定による運用をした場合には、その運用した金額を控徐した金額)
四 日本貿易振興会又は日本労働協会にあつては、第十条第四号又は第五号の規定による出資の額に相当する金額
2 主務大臣は、前項の承認をしようとするときは、大蔵大臣に協議しなければならない。
3 大蔵大臣は、内閣において決定したところに従い、日本輸出入銀行をして、東南アジア開発協力基金(第十四条第一項に規定する積立金を含む。)に属する現金を前条第一項第三号に規定する出資又は投資に運用させることができる。
4 日本輸出入銀行は、当分の間、日本輸出入銀行法(昭和二十五年法律第二百六十八号)第十八条の規定にかかわらず、第一項及び前項の規定による東南アジア開発協力基金の管理及び運用に関する事務を執行することができる。
5 前項に規定する事務の執行に要する費用は、日本輸出入銀行の一般の業務に係る勘定において支弁するものとし、その支弁に係る金額は、東南アジア開発協力基金の勘定の負担とする。
(基金の剰余金等の処理)
第十三条 農林漁業金融公庫は、政令で定めるところにより、非補助小団地等土地改良事業助成基金に属する現金の前条第一項の規定による預託により生ずる利子の金額から、第十一条第一項第一号に規定する貸付に係る利子の軽減のために使用した金額を差し引いて、なお剰余があるときは、これを当該基金に組み入れなければならない。
2 農林漁業金融公庫は、前項に規定する預託により生ずる利子の金額が、第十一条第一項第一号に規定する貸付に係る利子の軽減のために使用する金額に不足する場合においては、政令で定めるところにより、前項の規定による組入金の額に相当する金額を限度として、非補助小団地等土地改良事業助成基金に属する現金を当該利子の軽減のために使用することができる。
第十四条 日本輸出入銀行は、東南アジア開発協力基金の勘定において、毎事業年度の損益計算上利益を生じたときは、日本輸出入銀行法第三十八条第一項及び第三項の規定にかかわらず、これを積立金として積み立てなければならない。
2 日本輸出入銀行は、東南アジア開発協力基金の勘定において、毎事業年度の損益計算上損失を生じたときは、前項の積立金の額から当該損失の額に相当する金額を減額してこれを整理するものとする。ただし、当該損失の額のうちその整理をすることができない部分の金額は、損失の繰越として整理するものとする。
3 第一項の積立金は、前項本文の規定により減額して整理する場合のほか、取りくずしてはならない。
(基金の取りくずしの制限等)
第十五条 公庫等の基金は、取りくずしてはならない。ただし、次に掲げる場合には、この限りでない。
一 農林漁業金融公庫が第十三条第二項の規定により非補助小団地等土地改良事業助成基金に属する現金を使用する場合
二 中小企業信用保険公庫が、その保険事業の損益計算上損失を生じた場合において、これをうめるためにするとき。
2 中小企業信用保険公庫は、前項第二号の規定により保険準備基金を取りくずした後において、その保険事業の損益計算上利益を生じたときは、その利益の額に相当する金額を、同号の規定により取りくずした金額に達するまで、同基金に組み入れなければならない。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 農林漁業金融公庫法(昭和二十七年法律第三百五十五号)の一部を次のように改正する。
第四条中「第三十二条第五項」を「、経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律(昭和三十三年法律第百六十九号)第十条第一号の規定により同法第十一条第一項第一号に掲げる非補助小団地等土地改良事業助成基金に充てるものとして出資された六十五億円と、第三十二条第五項」に改め、同条に次の一項を加える。
2 前項に規定する基金に係る出資金については、この法律に定めるもののほか、同項に規定する法律の定めるところによらなければならない。
3 日本輸出入銀行法の一部を次のように改正する。
第四条に次の二項を加える。
2 前項に定めるもののほか、経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律(昭和三十三年法律第百六十九号)第十一条第一項第三号に規定する東南アジア開発協力基金は、日本輸出入銀行の資本金とする。
3 前項に規定する基金については、この法律に定めるもののほか、同項に規定する法律の定めるところによらなければならない。
第十八条の三中「第四条」の下に「第一項」を加える。
4 中小企業信用保険公庫法(昭和三十三年法律第九十三号)の一部を次のように改正する。
第四条を次のように改める。
(資本金)
第四条 公庫の資本金は、政府の一般会計からの出資金二十億円、経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律(昭和三十三年法律第百六十九号)第十条第二号の規定により同法第十一条第一項第二号に掲げる保険準備基金に充てるものとして政府から出資された六十五億円及び附則第八条第二項の規定により政府から出資があつたものとされた金額との合計額とする。
2 前項に規定する保険準備基金については、この法律に定めるもののほか、同項に規定する法律の定めるところによらなければならない。
5 中小企業信用保険公庫法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律(昭和三十三年法律第九十四号)の一部を次のように改正する。
第十八条を削る。
6 日本貿易振興会法(昭和三十三年法律第九十五号)の一部を次のように改正する。
第四条を次のように改める。
(資本金)
第四条 振興会の資本金は、二十億円とし、経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律(昭和三十三年法律第百六十九号)第十条第四号の規定により、同法第十一条第一項第四号に掲げる基金に充てるものとして、政府がその全額を出資するものとする。
2 前項に規定する基金については、同項に規定する法律の定めるところによらなければならない。
7 日本労働協会法(昭和三十三年法律第百三十二号)の一部を次のように改正する。
第四条を次のように改める。
(基金)
第四条 協会の基金は、十五億円とし、経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律(昭和三十三年法律第百六十九号)第十条第五号の規定により、政府がその全額を出資するものとする。
2 前項の基金については、同項に規定する法律の定めるところによらなければならない。
8 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
第四条第十五号の次に次の一号を加える。
十五の二 経済基盤強化資金の管理に関すること。
第六条第二項中「第三十一号」を「第三十二号」に改める。
第八条第四号の次に次の一号を加える。
四の二 経済基盤強化資金の管理に関すること。
外務大臣 藤山愛一郎
大蔵大臣 佐藤栄作
農林大臣 三浦一雄
通商産業大臣 高碕達之助
労働大臣 倉石忠雄
内閣総理大臣 岸信介