機械類信用保険法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十九年四月二十七日
内閣総理大臣 中曽根康弘
法律第二十号
機械類信用保険法の一部を改正する法律
機械類信用保険法(昭和三十六年法律第百五十六号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項中「政府は、会計年度」を「中小企業信用保険公庫(以下「公庫」という。)は、事業年度」に改め、同条第二項及び第三項中「政府」を「公庫」に改める。
第三条の二第一項中「政府は、会計年度」を「公庫は、事業年度」に改め、同条第二項中「政府」を「公庫」に改める。
第五条及び第六条中「政府」を「公庫」に改める。
第七条中「政府は、一会計年度内」を「公庫は、一事業年度内」に、「保険金額」を「保険価額」に、「会計年度ごと」を「事業年度ごと」に、「こえない範囲内において」を「超えない範囲内でなければ」に、「締結するものとする」を「締結することができない」に改める。
第九条第一項及び第十条第一項中「政府」を「公庫」に改める。
本則に次の六条を加える。
(公庫の機械類信用保険業務)
第十一条 公庫は、中小企業信用保険公庫法(昭和三十三年法律第九十三号)第十八条第一項に規定する業務のほか、この法律の目的を達成するため、その業務として機械類信用保険を行う。
(業務の方法)
第十二条 公庫は、前条の規定による機械類信用保険の業務(以下「機械類信用保険業務」という。)について、当該業務の開始の際、業務の方法を定め、通商産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の業務の方法には、保険関係が成立する割賦販売契約及び購入資金借入保証契約並びにリース契約の範囲、保険事故、保険金額の保険価額に対する割合、保険料並びに保険金に関する事項その他機械類信用保険に関する業務の方法を定めておかなければならない。
(運営基金)
第十三条 公庫は、機械類信用保険の事業に関して、機械類信用保険運営基金(以下「運営基金」という。)を設け、機械類信用保険法の一部を改正する法律(昭和五十九年法律第二十号)附則第三条第二項の規定により政府から出資があつたものとされた金額及び次項の規定により政府から出資された金額をもつてこれに充てるものとする。
2 政府は、運営基金に充てるため必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、公庫に追加して出資することができる。
3 公庫は、前項の規定による政府の出資があつたときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
(特別勘定)
第十四条 公庫は、機械類信用保険業務に係る経理については、その他の経理と区分し、特別の勘定を設けて整理しなければならない。
2 公庫は、前項に規定する特別の勘定において、毎事業年度の損益計算上利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として積み立てなければならない。
3 公庫は、第一項に規定する特別の勘定において、毎事業年度の損益計算上損失を生じたときは、前項に規定する積立金を取り崩して整理し、なお不足があるときは、その不足の額は、損失の繰越しとして整理しなければならない。
4 第二項に規定する積立金は、前項の規定により損失をうめる場合を除いては、取り崩してはならない。
(中小企業信用保険公庫法の特例)
第十五条 機械類信用保険業務についての中小企業信用保険公庫法第二十六条、第二十八条第一項及び第三十三条の規定の適用については、同法第二十六条、第二十八条第一項及び第三十三条第一号中「主務大臣」とあるのは「主務大臣(機械類信用保険業務に係る事項については、通商産業大臣)」と、同法第二十六条第二項及び第二十八条第一項中「又は中小企業信用保険法」とあるのは「、中小企業信用保険法又は機械類信用保険法」と、同法第三十三条第一号中「この法律」とあるのは「この法律又は機械類信用保険法」と、同条第三号中「第十八条第一項」とあるのは「第十八条第一項及び機械類信用保険法第十一条」とする。
(大蔵大臣との協議)
第十六条 通商産業大臣は、第十二条第一項の規定による認可をしようとするときは、大蔵大臣と協議しなければならない。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和五十九年十月一日から施行する。
(機械類信用保険特別会計法の廃止)
第二条 機械類信用保険特別会計法(昭和三十六年法律第百五十七号。以下「特別会計法」という。)は、廃止する。
2 機械類信用保険特別会計(以下「特別会計」という。)の昭和五十九年四月一日に始まる会計年度は、特別会計法の廃止の日の前日に終わるものとする。
3 特別会計の昭和五十九年度以前の年度の決算の処理に関しては、なお従前の例による。
(権利義務の承継等)
第三条 特別会計法の廃止の際現に機械類信用保険法による保険事業に関し国が有する権利及び義務は、その廃止の時において、中小企業信用保険公庫(以下「公庫」という。)が承継する。
2 前項の規定により公庫が国の有する権利及び義務を承継したときは、特別会計法の廃止の日の前日における特別会計の資本の額からその繰越損失の価額を控除した残額に相当する金額は、政府から公庫にこの法律による改正後の機械類信用保険法(以下「新法」という。)第十三条第一項の機械類信用保険運営基金に充てるべきものとして出資されたものとする。この場合において、公庫は、その額により資本金を増加するものとする。
(経過措置)
第四条 公庫の昭和五十九年四月一日に始まる事業年度に係る新法第三条第一項及び第三条の二第一項の規定の適用については、この法律の施行の際現に政府がこの法律による改正前の機械類信用保険法第三条第一項又は第三条の二第一項の規定により締結している機械類信用保険の保険契約は、公庫が新法第三条第一項又は第三条の二第一項の規定により締結した機械類信用保険の保険契約とみなす。
第五条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(中小企業信用保険公庫法の一部改正)
第六条 中小企業信用保険公庫法(昭和三十三年法律第九十三号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項、第二項及び第四項中「保険準備基金」を「中小企業信用保険準備基金」に改める。
第十九条第一項中「業務開始」を「前条第一項に規定する業務について、当該業務の開始」に改め、同条第二項中「保険に関する」を「前条第一項第一号の保険に関する」に、「貸付に関する」を「同項第二号の貸付けに関する」に改める。
第二十二条第一項中「保険準備基金」を「中小企業信用保険準備基金」に改める。
第二十三条第一項中「公庫は、」の下に「第十八条第一項に規定する業務に係る経理において」を加え、同項ただし書中「と同条第二項」を「、同条第二項」に、「との合計額」を「及び機械類信用保険法(昭和三十六年法律第百五十六号)第十三条第一項の機械類信用保険運営基金(次項ただし書において「運営基金」という。)に相当する金額の合計額」に改め、同条第二項中「公庫は、」の下に「第十八条第一項に規定する業務に係る経理において」を加え、「取りくずして」を「取り崩して」に改め、同項に次のただし書を加える。
ただし、資本金のうち運営基金に相当する金額については、減額してはならない。
第二十三条第四項中「組入」を「組入れ」に改め、「第三項」の下に「、機械類信用保険法の一部を改正する法律(昭和五十九年法律第二十号)附則第三条第二項後段並びに機械類信用保険法第十三条第三項」を加え、同条第五項中「公庫は、」の下に「第十八条第一項に規定する業務に係る経理における」を加える。
(退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計等からする一般会計への繰入及び納付に関する法律の一部改正)
第七条 退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計等からする一般会計への繰入及び納付に関する法律(昭和二十五年法律第六十二号)の一部を次のように改正する。
第一条中「、機械類信用保険特別会計」を削る。
(経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律の一部改正)
第八条 経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律(昭和三十三年法律第百六十九号)の一部を次のように改正する。
第十一条第一項第二号中「保険事業」を「中小企業信用保険の事業(以下、「保険事業」という。)」に、「保険準備基金」を「中小企業信用保険準備基金(以下「保険準備基金」という。)」に改める。
大蔵大臣 竹下登
通商産業大臣 小此木彦三郎
内閣総理大臣 中曽根康弘