(保証約款)
第十二條 保証事業会社は、保証契約を締結しようとするときは、あらかじめ建設大臣の承認を受けた前払金保証約款(以下「保証約款」という。)に基かなければならない。
2 保証約款においては、左に掲げる事項を定めなければならない。
三 第十七條第二項の規定により徴収すべき金額及び保証基金の払いもどしに関する事項
3 保証事業会社は、第一項の規定による承認を受けようとするときは、承認申請書に保証約款を記載した書類を添えて、これを建設大臣に提出しなければならない。
4 建設大臣は、前項の規定による承認の申請があつた場合においては、第五項の規定により承認を拒否する場合を除く外、遅滞なく、その承認をしなければならない。
5 建設大臣は、第三項の規定による承認の申請があつた場合において、保証約款の内容が法令に違反し、若しくは公正な運営を確保するため適当でないとき、又は保証約款を記載した書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事項の記載が欠けているときは、当該保証事業会社に通知して聴聞を行つた後、その承認を拒否しなければならない。
6 第六條第二項から第四項までの規定は、前項の規定により聴聞をしようとする場合について準用する。この場合において、第六條第二項中「登録」とあるのは「承認」と、「登録申請者」とあるのは「保証事業会社」と読み替えるものとする。
7 建設大臣は、第四項又は第五項の規定により承認をし、又は承認を拒否した場合においては、遅滞なく、その旨を書面をもって当該保証事業会社に通知しなければならない。この場合において、承認を拒否する旨の通知には、その理由を示さなければならない。
8 保証事業会社は、保証約款を変更しようとするときは、その変更しようとする事項について建設大臣の承認を受けなければならない。
9 第六條第二項から第四項まで並びに第三項から第五項まで及び第七項の規定は、前項の規定による変更の承認の場合について準用する。この場合において、第六條第二項中「登録」とあるのは「変更の承認」と、「登録申請者」とあるのは「保証事業会社」と読み替えるものとする。
(保証金の支払)
第十三條 保証契約に係る公共工事の発注者は、保証契約の締結を條件として前金払をした場合においては、当該保証契約の利益を享受する旨の意思表示があつたものとみなす。
2 前項に規定する発注者は、当該工事の請負者がその責に帰すべき事由に因り債務を履行しないためにその請負契約を解除したときは、保証事業会社に対して、保証契約で定めるところにより、書面をもつて保証金の支払を請求することができる。
3 前項の請求があつた場合においては、保証事業会社は、同項の書面を受理した日から三十日以内に保証金を支払わなければならない。
(保証料の払いもどし)
第十四條 保証事業会社は、第五條の規定により登録を受けた日の属する事業年度以降三事業年度を限つて、保証約款で定めるところにより、保証契約を締結した請負者(以下「保証契約者」という。)が支払つた保証料の総額に応じて保証料の一部を当該保証契約者に対して払いもどすことができる。
2 保証事業会社が前項の規定により保証料の一部を払いもどしたときは、その金額は、払いもどしをした当該事業年度の保証事業会社の所得の計算上、法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)第九條第一項に規定する総損金に算入する。
3 前項の規定は、法人税法第十八條から第二十五條までの規定による申告書に前項の規定の適用を受けようとする旨及び払いもどした保証料の額に関する事項の記載がない場合においては、税務署長において特別の事情があると認める場合を除く外、適用しない。
(責任準備金の計上)
第十五條 保証事業会社は、事業年度末においてまだ経過していない保証契約があるときは、そのまだ経過していない保証期間に対応する保証料の総額に相当する金額を事業年度ごとに責任準備金として計上しなければならない。
2 保証事業会社が前項の規定により責任準備金を計上した場合においては、その計上した金額は、当該計上した事業年度における当該保証事業会社の所得の計算上、法人税法第九條第一項に規定する総損金に算入する。
3 前項の規定により総損金に算入された責任準備金の金額は、その翌事業年度における保証事業会社の所得の計算上、法人税法第九條第一項に規定する総益金に算入する。
(支払備金の積立)
第十六條 保証事業会社は、決算期ごとに左の各号の一に掲げる金額がある場合においては、支払備金として当該各号に掲げる金額を積み立てなければならない。
一 当該事業年度において締結された保証契約に基いて支払うべき保証金その他の金額のうちに決算期までにその支払が終らないものがある場合においては、その金額
二 当該事業年度において締結された保証契約に基いて支払う義務が生じたと認められる保証金その他の金額がある場合においては、その支払うべきものと認められる金額
三 現に保証金その他の金額について訴訟が係属しているために支払つていないものがある場合においては、その金額
(保証基金の積立)
第十七條 保証事業会社は、定款で定めるところにより、保証基金を設けなければならない。
2 保証事業会社は、前項の保証基金を積み立てるため、保証約款で定めるところにより、保証契約ごとに当該保証契約者から保証約款で定める金額を徴収することができる。
3 保証事業会社は、責任準備金をもつて保証債務を支払うことができない場合においては、当該保証債務の弁済に充てる場合に限り、保証基金を使用することができる。
(保証契約の解約)
第十八條 保証事業会社は、発注者の責に帰すべき事由に因り請負契約が解除された場合においては、発注者の同意を得ないで保証契約を解約することができる。
2 保証事業会社は、保証契約者から申入があり、且つ、発注者が同意した場合においては、保証契約を解約することができる。
(兼業の制限)
第十九條 保証事業会社は、左に掲げる事業の外、他の事業を営んではならない。
一 公共工事の請負者が銀行その他の政令で定める金融機関から当該工事に関する資金(設備の取得及び改良に関する資金を除く。)の貸付を受ける場合において、その債務を保証する事業
(常務役員の専業主義)
第二十條 保証事業会社の常務に従事する役員が他の会社の常務に従事しようとするときは、建設大臣の認可を受けなければならない。