鉱業法施行法
法令番号: 法律第二百九十号
公布年月日: 昭和25年12月20日
法令の形式: 法律
鉱業法施行法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十五年十二月二十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百九十号
鉱業法施行法
(鉱業権)
第一條 鉱業法(明治三十八年法律第四十五号。以下「旧鉱業法」という。)による試掘権は、第三項に規定するものを除き、鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号。以下「新法」という。)の施行の日において新法による試掘権となつたものとみなす。
2 旧鉱業法による採掘権又は砂鉱法(明治四十二年法律第十三号。以下「旧砂鉱法」という。)による砂鉱権は、次項に規定するものを除き、新法の施行の日において新法による採掘権となつたものとみなす。
3 旧鉱業法による石油を目的とする試掘権又は採掘権は、新法の施行の日において新法による石油及び可燃性天然ガスを目的とする試掘権又は採掘権となつたものとみなす。
4 旧重要鉱物増産法(昭和十三年法律第三十五号)附則第三項の規定によりなおその効力を有する同法(以下「旧増産法」という。)第十七條ノ二の規定による使用権又は旧石炭鉱業権等臨時措置法(昭和二十三年法律第百五十四号)附則第三項の規定によりなおその効力を有する同法(以下「旧措置法」という。)第十七條の規定による使用権(以下「旧使用権」という。)は、試掘鉱区に設定されたものであつても、新法の施行の日において新法による租鉱権となつたものとみなす。
(鉱区の面積等)
第二條 前條第一項から第三項までの規定により新法による鉱業権となつたものとみなされた旧鉱業法による鉱業権(石炭を目的とするものを除く。)の鉱区の面積については、新法第十四條第二項及び第三項の規定にかかわらず、なお旧鉱業法第九條第二項の例による。但し、その鉱区については、減少、増加及び減少又は分割後の鉱区の面積が新法第十四條第二項の面積を下ることとなるような減少、増加及び減少又は分割をすることができない。
2 前條第二項の規定により新法による採掘権となつたものとみなされた旧砂鉱法による砂鉱権の鉱区の境界(当該砂鉱権の変更後の鉱区の境界を除く。)又は面積については、新法第十四條第一項又は第三項の規定は、適用しない。
(鉱業権の存続期間)
第三條 第一條第一項又は第三項の規定により新法による試掘権となつたものとみなされた旧鉱業法による試掘権の存続期間は、従前の存続期間の満了の日までとする。但し、新法第十八條第二項から第四項まで及び第十九條の規定の適用を妨げない。
2 前項但書の場合において、新法第十八條第二項の規定の適用については、同項中「二回」とあるのは「一回」と、「三回」とあるのは「二回」と読み替えるものとする。
3 第一項の試掘権であつて、新法の施行の日から四箇月以内に存続期間の満了するものにつき、新法の施行後最初になされる存続期間の延長の申請についての新法第十八條第四項の規定の適用については、同項中「存続期間の満了前三箇月以上六箇月以内」とあるのは「新法の施行の日から一箇月以内」と読み替えるものとする。
4 第一條第四項の規定により新法による租鉱権となつたものとみなされた旧使用権の存続期間は、従前の存続期間の満了の日までとする。但し、新法第七十六條第二項から第四項までの規定の適用を妨げない。
(追加鉱物の掘採)
第四條 新法の施行の際現に石灰石、ドロマイト、けい石、長石、ろう石、滑石若しくは新法第三條第一項に規定する耐火粘土(以下「追加鉱物」という。)を掘採する者又はその承継人は、新法の施行の日から六箇月間は、従前の例によりその掘採を継続することができる。新法の施行の日から六箇月以内に当該掘採者又はその承継人が当該掘採区域について当該追加鉱物を目的とする鉱業権の設定の出願をした場合において、出願の却下若しくは不許可の通知を受けるまで、新法第四十三條の規定によつて許可がその効力を失うまで、又は鉱業権の設定の登録があるまで、当該出願の区域について、また同様とする。
(優先権)
第五條 新法の施行の日の六箇月以前から引き続き追加鉱物を掘採している者又はその承継人が新法の施行の日から六箇月以内に当該追加鉱物を目的とする鉱業権の設定の出願をしたときは、当該掘採区域については、その者は、新法第二十七條の規定にかかわらず、他の出願(第十六條第一項又は第二十二條の規定により新法による出願とみなされた旧鉱業法による出願及び試掘権者がその試掘鉱区と重複してした採掘権の設定の出願を除く。)に対し優先権を有するものとし、且つ、新法第十四條第二項及び第三項、第十六條、第二十九條、第三十條並びに第三十二條の規定は、その出願には、適用しない。
第六條 新法の施行の日の一年以前から引き続き追加鉱物の取得を目的とする土地の使用に関する権利を有している者(土地の所有者を除く。)又はその承継人が新法の施行の日から六箇月以内に当該追加鉱物を目的とする鉱業権の設定の出願をしたときは、当該権利を行使できる土地の区域については、その者は、新法第二十七條の規定にかかわらず、他の出願(前條の規定による出願、第十六條第一項又は第二十二條の規定により新法による出願とみなされた旧鉱業法による出願及び試掘権者がその試掘鉱区と重複してした採掘権の設定の出願を除く。)に対し優先権を有するものとし、且つ、新法第十四條第二項及び第三項、第十六條、第二十九條、第三十條並びに第三十二條の規定は、その出願には、適用しない。但し、当該土地の区域について前條の規定による当該追加鉱物を目的とする鉱業権の設定の出願が許可されたときは、新法第十六條、第二十九條又は第三十條の規定については、この限りでない。
第七條 新法の施行の日から六箇月以内に追加鉱物を目的とする鉱業権の設定の出願(前二條の規定による出願を除く。)があつたときは、通商産業局長は、その出願地に係る土地の所有者に対し、その旨を通知しなければならない。
2 土地の所有者が前項の通知の到達の日から三十日以内に当該追加鉱物を目的とする鉱業権の設定の出願をしたときは、その所有する土地の区域については、その者は、新法第二十七條の規定にかかわらず、他の出願(前二條の規定による出願、第十六條第一項又は第二十二條の規定により新法による出願とみなされた旧鉱業法による出願及び試掘権者がその試掘鉱区と重複してした採掘権の設定の出願を除く。)に対し優先権を有するものとし、且つ、新法第十四條第二項及び第三項並びに第三十二條の規定は、その出願には、適用しない。
(重複する区域の出願等)
第八條 第五條又は第六條の規定により試掘権の設定の出願をし、その設定の登録を得た者がその試掘鉱区と重複して当該追加鉱物を目的とする採掘権の設定の出願をしたときは、その重複する部分については、新法第十六條及び第三十條の規定は、適用しない。
2 前三條の規定により試掘権の設定の出願をし、その設定の登録を得た者がその試掘鉱区の全部を含む区域について当該追加鉱物を目的とする採掘権の設定の出願をしたときは、新法第十四條第二項の規定は、適用しない。
第九條 第五條若しくは第六條の規定による鉱業権の設定の出願に係る掘採区域若しくは権利を有している土地の区域又は第五條、第六條若しくは前條第一項の規定によりその設定の出願をし、その設定の登録を得た鉱業権の鉱区と重複し、且つ、同種の鉱床中に存する鉱物を目的とする試掘鉱区の試掘権者がその重複する部分と重複して試掘権の目的となつている鉱物を目的とする採掘権の設定の出願をしたときは、その重複する部分については、新法第十六條及び第三十條の規定は、適用しない。
(重複する鉱区の鉱業権等)
第十條 鉱業権者は、その鉱区が第五條若しくは第六條の規定による鉱業権の設定の出願に係る掘採区域若しくは権利を有している土地の区域又は第五條、第六條若しくは第八條第一項の規定によりその設定の出願をし、その設定の登録を得た追加鉱物を目的とする鉱業権の鉱区と重複するときは、その重複する部分については、新法第五條の規定にかかわらず、当該追加鉱物を掘採し、及び取得することができない。
2 前項に規定する場合の外、鉱業権者は、新法の施行の日から六箇月間は、新法第五條の規定にかかわらず、その鉱業権の目的となつている鉱物と同種の鉱床中に存する追加鉱物を掘採し、及び取得することができない。
第十一條 第五條、第六條又は第八條第一項の規定により追加鉱物を目的とする鉱業権の設定の出願をし、その設定の登録を得た者は、その鉱区が当該追加鉱物と同種の鉱床中に存する鉱物を目的とする他人の鉱区と重複するときは、その重複する部分については、新法第五條の規定にかかわらず、当該追加鉱物以外の鉱物を掘採し、及び取得することができない。
(協議及び決定)
第十二條 第五條、第六條又は第八條第一項の規定によりその設定の出願をし、その設定の登録を得た追加鉱物を目的とする鉱業権の鉱区と当該追加鉱物と同種の鉱床中に存する鉱物を目的とする鉱業権の鉱区が重複する場合においては、鉱業権者は、その重複する部分において鉱物を掘採しようとするときは、他の鉱業権者と協議しなければならない。
2 前項の協議をすることができず、又は協議がととのわないときは、鉱業権者は、通商産業局長の決定を申請することができる。
3 新法第四十七條第二項から第六項までの規定は、前項の決定に準用する。
(補償金)
第十三條 新法の施行の際、追加鉱物を掘採する者又は追加鉱物の取得を目的とする土地の使用に関する権利を有する者から契約又は慣習により代償を受けている土地の所有者は、第五條、第六條又は第八條第一項の規定により鉱業権の設定の出願をし、その設定の登録を得た者に対して、当該追加鉱物の掘採について相当の補償金を請求することができる。
2 前項の場合においては、土地の所有者は、鉱業権者に対して、補償金について相当の担保を提供すべきことを請求することができる。
3 前二項の場合においては、鉱業権者は、正当な事由がなければ、その承諾を拒むことができない。
4 土地の所有者は、前項の承諾を得ることができないときは、通商産業局長の決定を申請することができる。
5 新法第四十七條第二項から第六項までの規定は、前項の決定に準用する。
(砂金)
第十四條 新法の施行の際旧砂鉱法第六條第一項の規定により砂金を採取する権利を有する採掘権者は、新法第七條の規定にかかわらず、新法の施行の日から三箇月間は、その採掘鉱区(旧砂鉱法第六條第一項但書の砂鉱区と重複する部分を除く。以下この條及び次條において同じ。)内に存する砂金を掘採し、及び取得することができる。次項の規定による届出をした場合において、同項の確認を受けるまで、又は確認しない旨の通知を受けるまで、また同様とする。
2 前項の採掘権者が新法の施行の日から三箇月以内に、省令で定める手続に従い、その採掘鉱区内に砂金が存する旨を通商産業局長に届け出て、その確認を受けたときは、その採掘権者は、新法第七條の規定にかかわらず、その採掘鉱区内に存する砂金を掘採し、及び取得することができる。
第十五條 砂鉱を目的とする鉱業権の鉱業権者は、その鉱区が前條の規定により砂金を掘採し、及び取得することができる採掘権者の採掘鉱区と重複するときは、その重複する部分については、新法第五條の規定にかかわらず、砂金を掘採し、及び取得することができない。
(鉱業の出願)
第十六條 新法の施行前に旧鉱業法第二十一條の規定によつてした鉱業の出願は、新法第二十一條の規定による鉱業権の設定の出願とみなす。この場合においては、採掘出願人は、新法の施行の日から二箇月以内に、予想される鉱害の範囲及び態様について記述する書面を提出しなければならない。
2 前項の鉱業の出願に関しては、出願の区域の面積については、新法第十四條第二項の規定にかかわらず、なお旧鉱業法第九條第二項の例による。
(砂鉱の出願)
第十七條 新法の施行前に旧砂鉱法第八條の規定によつてした砂鉱の出願は、新法第二十一條の規定による採掘権の設定の出願とみなす。この場合においては、砂鉱出願人は、新法の施行の日から二箇月以内に、新法第二十二條の規定による鉱床説明書を提出しなければならない。
2 前項の砂鉱の出願については、新法第十四條第一項又は第三項の規定は、適用しない。
(許可の通知)
第十八條 新法の施行前に旧鉱業法又は旧砂鉱法に基く命令の規定によつてした鉱業又は砂鉱の出願を許可すべきものと決定した旨の通知は、新法第四十三條の鉱業権の設定の出願の許可の通知とみなす。
(鉱種名の更正)
第十九條 新法の施行前に旧鉱業法に基く命令の規定によつてした鉱種名の更正の出願は、新法第六十七條の規定による届出とみなす。
(訂正の出願)
第二十條 新法の施行前に旧鉱業法第二十五條第一項(同法第三十七條第一項において準用する場合を含む。)の規定によつてした訂正の出願の命令に基く出願については、なお従前の例による。
第二十一條 新法の施行前に旧鉱業法第二十六條(同法第三十七條第一項において準用する場合を含む。)の規定によつてした訂正の出願については、なお従前の例による。
(増減の出願)
第二十二條 新法の施行前に旧鉱業法第二十七條(同法第三十七條第一項において準用する場合を含む。)の規定によつてした出願地又は鉱区の増減の出願は、新法第三十六條又は第四十五條の規定による鉱業出願地又は鉱区の増減の出願とみなす。この場合においては、第十六條第一項後段及び第二項の規定を準用する。
第二十三條 新法の施行前に旧砂鉱法第二十三條において準用する旧鉱業法第二十七條又は旧砂鉱法第十一條の規定によつてした砂鉱出願地又は砂鉱区の増減の出願は、新法第三十六條又は第四十五條の規定による採掘出願地又は採掘鉱区の増減の出願とみなす。この場合においては、第十七條第一項後段及び第二項の規定を準用する。
(掘進増区の出願等)
第二十四條 新法の施行前に旧鉱業法第三十六條第一項又は第二項の規定によつてした増区の出願又は鉱区の訂正の出願については、なお従前の例による。
(改正の出願の命令等)
第二十五條 新法の施行前に旧鉱業法第三十八條第一項(旧砂鉱法第二十三條において準用する場合を含む。)の規定によつてした鉱区又は砂鉱区の改正の出願の命令及びこれに基く出願については、なお従前の例による。
(錯誤の許可)
第二十六條 新法の施行前に錯誤により鉱業の出願又は砂鉱の出願を許可したときは、通商産業局長は、その錯誤を訂正するため、鉱業権の取消又は変更の処分をしなければならない。
(鉱業権等の取消)
第二十七條 新法第五十三條から第五十五條まで及び第八十三條第一項の規定は、旧鉱業法、旧砂鉱法、旧増産法又は旧措置法中にこれに相当する規定がある場合に限り、新法の施行前に生じた事由についても、適用する。
(施業案)
第二十八條 新法の施行前に旧鉱業法第四十四條第一項(旧砂鉱法第二十三條、旧増産法第十七條ノ二十二第二項及び旧措置法第三十三條第一項において準用する場合を含む。)の規定による認可を受けた施業案は、新法第六十三條第一項の規定により届出をし、又は同條第二項の規定により認可を受けたものとみなす。
第二十九條 新法の施行前に旧鉱業法第四十五條第一項(旧砂鉱法第二十三條、旧増産法第十七條ノ二十二第二項及び旧措置法第三十三條第一項において準用する場合を含む。)の規定によつてした施業案の変更の命令は、新法第百條第二項の規定による施業案の変更の命令とみなす。
(事業の着手)
第三十條 旧鉱業法による鉱業権者若しくは旧砂鉱法による砂鉱権者が新法の施行の際まだ事業に着手していないとき、又は旧増産法第十七條ノ二の規定による使用権者若しくは旧措置法第十七條の規定による使用権者(以下「旧使用権者」という。)が新法の施行の際まだ事業に着手しておらず、若しくはその事業を休止しているときは、新法第六十二條第一項又は第八十六條の規定の適用については、これらの規定の期間は、新法の施行の日から起算するものとする。
2 旧鉱業法による鉱業権者又は旧砂鉱法による砂鉱権者が新法の施行の際その事業を休止している場合において、新法の施行の日から二箇月以内に、期間を定め、事由を具して通商産業局長に申請し、その認可を受けたときは、新法第六十二條第三項の認可を受けたものとみなす。
(障害物の除却)
第三十一條 新法の施行前に旧鉱業法第五十三條第一項(旧砂鉱法第十七條、旧増産法第十七條ノ二十二第二項、同法同條第三項において準用する旧砂鉱法第十七條及び旧措置法第三十三條第一項において準用する場合を含む。)の規定による許可を受けた障害物の除却については、なお従前の例による。
(土地の使用)
第三十二條 新法の施行の際現に旧鉱業法第五十六條第一項(旧砂鉱法第十七條、旧増産法第十七條ノ二十二第二項、同法同條第三項において準用する旧砂鉱法第十七條及び旧措置法第三十三條第一項において準用する場合を含む。)の規定により他人の土地を使用している者は、旧鉱業法第六十五條(旧砂鉱法第十七條、旧増産法第十七條ノ二十二第二項、同法同條第三項において準用する旧砂鉱法第十七條及び旧措置法第三十三條第一項において準用する場合を含む。)に規定する場合を除き、新法第百四條の規定により使用しているものとみなす。
2 新法の施行前三年以内に旧鉱業法第五十六條第二項(旧砂鉱法第十七條、旧増産法第十七條ノ二十二第二項、同法同條第三項において準用する旧砂鉱法第十七條及び旧措置法第三十三條第一項において準用する場合を含む。)の規定によつてした許可は、新法の施行の日に新法第百六條第一項の規定によつてしたものとみなす。
(砂鉱区内の土地の使用)
第三十三條 新法の施行の際現に旧砂鉱法第十二條の規定による補償金を拂い渡して他人の土地を使用している者は、同法第十六條に規定する場合を除き、新法第百四條の規定により使用しているものとみなす。
(砂鉱区の鉱区の重複)
第三十四條 新法の施行前に旧砂鉱法第五條第一項の規定による協議がととのつているときは、新法第六十六條第一項の規定による承諾があり、又は同條第二項の規定による協議がととのつているものとみなす。
(鉱害)
第三十五條 新法第六章の規定は、新法の施行前の作業によつて新法の施行後に生じた損害にも、適用する。
2 新法の施行前に旧鉱業法第七十四條ノ二、第七十四條ノ三、第七十四條ノ八及び第七十四條ノ九(以上の各規定を旧砂鉱法第二十三條、旧増産法第十七條ノ二十二第一項及び旧措置法第三十三條第一項において準用する場合を含む。)の規定によつて生じた旧鉱業法による鉱業権者、旧砂鉱法による砂鉱権者又は旧使用権者の賠償の責任については、なお従前の例による。
3 新法の施行の際既に消滅している旧鉱業法による鉱業権又は旧砂鉱法による砂鉱権の鉱業権者又は砂鉱権者であつた者の賠償の責任については、なお従前の例による。
4 新法第百九條第三項から第五項まで及び第百十條第二項の規定は、第二項の規定により賠償の責任を有する旧鉱業法による鉱業権者若しくは旧砂鉱法による砂鉱権者の旧鉱業法による鉱業権若しくは旧砂鉱法による砂鉱権であつて、第一條第一項から第三項までの規定により新法による鉱業権となつたものとみなされたものが讓り渡され、若しくはこれに租鉱権が設定された場合又は第二項の規定により賠償の責任を有する旧使用権者の旧使用権であつて、第一條第四項の規定により新法による租鉱権となつたものとみなされたものが消滅した場合にも、適用する。
(損害賠償の予定)
第三十六條 新法第百十四條の規定は、新法の施行前にした損害賠償の額の予定又は予定された賠償額の支拂にも、適用する。
(供託物)
第三十七條 新法の施行の際現に旧鉱業法第七十四條ノ四第一項(旧増産法第十七條ノ二十二第二項及び旧措置法第三十三條第一項において準用する場合を含む。)の規定により供託されている物は、新法第百十七條第一項の規定により供託されたものとみなす。
(訴願)
第三十八條 新法の施行前に旧鉱業法第八十九條又は第九十一條(以上の各規定を旧砂鉱法第二十三條において準用する場合を含む。)の規定により提起した訴願については、なお従前の例による。
(旧使用権と抵当権との関係)
第三十九條 第一條第四項の規定により新法による租鉱権となつたものとみなされた旧使用権は、その登録前に当該鉱業権について登録し、又は当該鉱業権の属する鉱業財団について登記した抵当権者に対しても、その効力を有する。
2 新法第九十八條第一項第三号及び第二項の規定は、前項の場合に準用する。
(経過規定の効力)
第四十條 鉱業法中改正法律(昭和九年法律第三十七号)附則第四項及び第五項、鉱業法中改正法律(昭和十四年法律第二十三号)附則第三項並びに鉱業法中改正法律(昭和十五年法律第百二号)附則第六條及び第七條の規定は、新法の施行後でも、なおその効力を有する。
2 前項の規定によりなおその効力を有する鉱業法中改正法律(昭和九年法律第三十七号)附則第五項又は鉱業法中改正法律(昭和十五年法律第百二号)附則第七條第二項の規定の適用については、旧砂鉱法第十三條及び第十五條の規定は、新法の施行後でも、なおその効力を有する。
3 鉱業法中改正法律(昭和十五年法律第百二号)附則第十三條又は鉱山保安法(昭和二十四年法律第七十号)附則第十三項の規定により旧鉱業法第四十四條第一項の規定による認可を受けたものとみなされた施業案は、新法第六十三條第二項の規定による認可を受けたものとみなす。
4 旧増産法附則第三項及び旧措置法附則第三項の規定の適用については、第一條第四項の規定により新法による租鉱権となつたものとみなされた旧使用権は、消滅するものとみなす。
第四十一條 旧鉱業法附則第百二十條の規定による届出に係る坑井から噴出する含油層と密接な関係のある可燃性天然ガスについては、新法の規定は、適用しない。
(旧鉱業法等の規定による処分等の効力)
第四十二條 第十六條から第十九條まで、第二十二條、第二十三條、第二十八條、第二十九條、第三十二條第二項及び第三十四條に規定する場合の外、新法の施行前に旧鉱業法、旧砂鉱法、旧増産法又は旧措置法の規定によつてした処分、手続その他の行為は、新法中にこれに相当する規定があるときは、新法によつてしたものとみなす。
(通商産業省設置法の改正)
第四十三條 通商産業省設置法(昭和二十四年法律第百二号)の一部を次のように改正する。
第四條第一項第三十二号中「鉱業又は砂鉱業の」を「鉱業権の設定等に関する」に改め、「又は砂鉱権者」を削る。
第二十四條第十号中「鉱業又は砂鉱業」を「鉱業権の設定等」に改める。
第二十五條第四項中「若しくは砂鉱業」を削る。
第二十七條を次のように改める。
(附属機関)
第二十七條 通商産業局に、附属機関として、地方鉱害賠償基準協議会を置く。
2 地方鉱害賠償基準協議会については、鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)の定めるところによる。
第三十七條第一号中「鉱業又は砂鉱業」を「鉱業権の設定等」に改める。
第四十一條第一項の表中鉱業法令改正審議会の部を削る。
(鉱山保安法の改正)
第四十四條 鉱山保安法の一部を次のように改正する。
目次中「(第一條―第三條)」を「(第一條―第三條の二)」に、「(第四條―第三十一條)」を「(第四條―第三十一條の二)」に改める。
第二條第一項を削り、同條第二項を第一項とし、同項を次のように改め、同條第三項及び第四項を一項ずつ繰り上げ、同條第五項中「第三項但書」を「第二項但書」に改め、同項を第四項とする。
この法律において「鉱業権者」とは、鉱業権者及び租鉱権者をいう。
第一章中第三條の次に次の一條を加える。
(処分等の効力)
第三條の二 この法律(この法律に基く省令を含む。以下本條において同じ。)の規定によつてした処分及び鉱業権者がこの法律の規定によつてした手続その他の行為は、鉱業権者の承継人に対しても、その効力を有する。
2 租鉱権の設定又は租鉱区の増加があつたときは、この法律の規定によつてした処分及び採掘権者がこの法律の規定によつてした手続その他の行為は、租鉱権の範囲内において、租鉱権者に対しても、その効力を有する。
3 租鉱権の消滅又は租鉱区の減少があつたときは、この法律の規定によつてした処分及び租鉱権者がこの法律の規定によつてした手続その他の行為は、採掘権の範囲内において、採掘権者に対しても、その効力を有する。但し、採掘権の消滅による租鉱権の消滅の場合は、この限りでない。
第二十二條第一項を次のように改める。
鉱山保安監督部長は、鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)第六十三條(同法第八十七條において準用する場合を含む。)の規定による施業案中保安に関する事項の実施を監督する。
第三十一條中「第二條第三項及び第五項」を「第二條第二項及び第四項」に改める。
第二章中第三十一條の次に次の一條を加える。
(緊急土地使用)
第三十一條の二 鉱業権者は、保安に関する急迫の危險を防ぐため必要があるときは、鉱山保安監督部長の許可を受けて、直ちに他人の土地に立ち入り、又は一時これを使用することができる。
2 前項の場合には、鉱業権者は、すみやかにその旨をその土地の占有者に通知しなければならない。
3 第一項の規定により、他人の土地に立ち入り、又はこれを使用しようとする者は、鉱山保安監督部長の許可を受けたことを証する書面を携帯し、土地の占有者の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
4 第一項の規定により、他人の土地に立ち入り、又は一時これを使用した者は、時価により、これによつて生じた損失を補償しなければならない。
第三十二條の見出し中「保安監督部」を「鉱山保安監督部」に改める。
第三十六條第一項中「(以下「保安監督部長」という。)」を削り、同條第二項中「保安監督部長」を「鉱山保安監督部長」に改める。
第三十八條の見出し及び同條第一項中「保安監督部長」を「鉱山保安監督部長」に改める。
第四十五條の見出し中「保安協議会」を「鉱山保安協議会」に改め、同條中「地方鉱山保安協議会」を「地方鉱山保安協議会(以下「地方協議会」という。)」に改める。
第四十六條第二項中「保安監督部長」を「鉱山保安監督部長」に、「地方鉱山保安協議会(以下「地方協議会」という。)」を「地方協議会」に改め、同條第三項中「保安監督部長」を「鉱山保安監督部長」に改める。
第四十七條中「三十人」を「四十二人」に改める。
第四十八條中「保安監督部長」を「鉱山保安監督部長」に改める。
第五十七條中第四号を第五号とし、第四号として次の一号を加える。
四 第三十一條の二第三項の規定に違反して書面を携帯せず、又はこれを呈示しなかつた者
(石油資源開発法の改正)
第四十五條 石油資源開発法(昭和十三年法律第三十一号)の一部を次のように改正する。
第一條第一項中「石油ヲ目的トスル」を「石油(可燃性天然ガスヲ含ム以下之ニ同ジ)ヲ目的トスル」に改める。
(鉱業抵当法の改正)
第四十六條 鉱業抵当法(明治三十八年法律第五十五号)の一部を次のように改正する。
第四條第一項中「鉱山監督署長」を「通商産業局長」に改め、同條第五項及び第六項を次のように改める。
競落ヲ許ス決定ガ確定シタルトキハ採掘権ノ取消ハ其ノ効力ヲ生ゼザリシモノト看做ス
前四項ノ規定ハ鉱業法第五十二條乃至第五十四條ノ規定ニ依ル採掘権ノ取消ニ関シテハ之ヲ適用セズ
第五條中「採掘権者ガ廃業シタル」を「採掘権ノ放棄ニ因ル消滅ノ登録アリタル」に改める。
(貴金属管理法の改正)
第四十七條 貴金属管理法(昭和二十五年法律第百二十八号)の一部を次のように改正する。
第二條第三項中「(砂鉱を含む。)」を削る。
(帝国鉱業開発株式会社法の改正)
第四十八條 帝国鉱業開発株式会社法(昭和十四年法律第八十二号)の一部を次のように改正する。
第一條中「(砂鉱業ヲ含ム以下之ニ同ジ)」を削る。
(商法の改正)
第四十九條 商法(明治三十二年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。
第四條第二項中「若ハ砂鉱業」を削る。
(国有財産法の改正)
第五十條 国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第二條第一項第五号中「、砂鉱権」を削る。
(相続税法の改正)
第五十一條 相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第十條第一項第二号中「又は砂鉱権」及び「又は砂鉱区」を削る。
(登録税法の改正)
第五十二條 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第十四條中「鉱業権」を「鉱業権(砂鉱ヲ目的トスルモノヲ除ク)」に改め、同條第二号中「増区又ハ増減区」を「鉱区ノ増加又ハ増加及減少」に、「減区」を「鉱区ノ減少」に改め、同條第三号ノ二から第三号ノ五までを削り、同條第四号及び第五号を次のように改め、同條第六号ノ二及び第六号ノ四中「採掘権ヲ目的トスル使用権」を「租鉱権」に改め、同條第六号ノ三中「採掘権ヲ目的トスル使用権」を「租鉱権」に、「増区又ハ増減区」を「租鉱区ノ増加又ハ増加及減少」に、「減区」を「租鉱区ノ減少」に改め、同條第六号ノ五を削り、同條第七号中「第三十五條第二項」を「第五十一條」に改め、同條第十二号中「、使用権」を削り、同條第十三号中「廃業」を「放棄」に改め、同條第十三号ノ二中「使用権」を「租鉱権」に改める。
四 採掘権ノ設定 毎一件 金一万二千円
五 採掘権ノ変更
鉱区ノ増加又ハ増加及減少 毎一件 金六千円
鉱区ノ減少 毎一件 金千二百円
鉱区ノ合併 毎一件 金三千円
鉱区ノ分割 設定鉱区毎一箇 金三千円
第十五條中「砂鉱業」を「砂鉱ヲ目的トスル鉱業権」に、「砂鉱業原簿」を「鉱業原簿」に改め、同條第一号及び第二号を次のように改め、同條第三号中「砂鉱権」を「砂鉱ヲ目的トスル鉱業権」に改め、同條第三号ノ二中「使用権」を「砂鉱ヲ目的トスル租鉱権」に、「採取区域」を「租鉱区」に改め、同條第三号ノ三中「使用権」を「砂鉱ヲ目的トスル租鉱権」に、「増区」を「租鉱区ノ増加」に、「採取区域」を「租鉱区」に、「減区」を「租鉱区ノ減少」に改め、同條第三号ノ四及び第九号ノ二中「使用権」を「砂鉱ヲ目的トスル租鉱権」に改め、同條第三号ノ五を削り、同條第四号中「砂鉱区ノ合併又ハ分割ノ出願ニ付砂鉱法」を「鉱業法第五十一條」に改め、同條第八号中「砂鉱権、使用権」を「砂鉱ヲ目的トスル鉱業権」に改め、同條第九号中「廃業」を「放棄」に、「砂鉱権」を「砂鉱ヲ目的トスル鉱業権」に改める。
一 砂鉱ヲ目的トスル鉱業権ノ設定
鉱区 河床ハ毎二里迄 金九百円
其ノ他ハ毎十万坪迄
二 砂鉱ヲ目的トスル鉱業権ノ変更
鉱区ノ増加
鉱区 河床ハ毎二里迄 金九百円
其ノ他ハ毎十万坪迄
鉱区ノ減少 毎一件 金六十円
但シ鉱区ノ増加ト同時ニ為ス鉱区ノ減少ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
鉱区ノ合併 毎一件 金百八十円
鉱区ノ分割 設定鉱区毎一箇 金百八十円
2 この法律の施行前に課した、又は課すべきであつた登録税については、なお従前の例による。
(富裕税法の改正)
第五十三條 富裕税法(昭和二十五年法律第百七十四号)の一部を次のように改正する。
第三條第一項第二号中「又は砂鉱権」及び「又は砂鉱区」を削る。
(地方税法の改正)
第五十四條 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第二十四條第六号中「及び砂鉱の採取の」を削る。
第三十條第七項中「鉱業権(土石を採掘し、又は採取する権利を含む。)、砂鉱権」を「鉱業権(租鉱権及び採石権その他土石を採掘し、又は採取する権利を含む。)」に改める。
第百七十八條中「又は砂鉱区」を削り、「又は延長」を「(河床に存する砂鉱を目的とする鉱業権の鉱区にあつては、その河床の延長)」に改め、「又は砂鉱区」及び「又は砂鉱権者」を削る。
第百八十條第一項中第一号を次のように改め、第二号を削り、第三号中「砂鉱区」を「砂鉱を目的とする鉱業権の鉱区」に改め、同号を第二号とする。
一 砂鉱を目的としない鉱業権の鉱区
試掘鉱区 面積千坪ごとに 年額三十円
採掘鉱区 面積千坪ごとに 年額六十円
第百八十三條第三項中「又は砂鉱区」を削る。
第百九十五條中「又は砂鉱権」、「又は旧砂鉱権者」及び「又は新砂鉱権者」を削る。
第四百八十九條第一項中「若しくは砂鉱の採取」を削り、同項第三号中「金鉱石、砂金鉱」を「金鉱、砂金」に改める。
第五百十九條中「又は砂鉱の採取」、「又は砂鉱」及び「又は砂鉱業者」を削る。
第七百四十三條第八号中「及び砂鉱の採取の」を削る。
2 この法律の施行前に課した、又は課すべきであつた鉱区税の連帯納付義務については、地方税法第百九十五條の改正規定にかかわらず、なお従前の例による。
(国立公園法の改正)
第五十五條 国立公園法(昭和六年法律第三十六号)の一部を次のように改正する。
第八條第二項第三号中「、砂鉱の採取」を削る。
(労働基準法の改正)
第五十六條 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)の一部を次のように改正する。
第八條第二項中「砂鉱業、」を削る。
第五十五條の二中「第二條第三項及び第五項」を「第二條第二項及び第四項」に改める。
(労働者災害補償保險法の改正)
第五十七條 労働者災害補償保險法(昭和二十二年法律第五十号)の一部を次のように改正する。
第三條第一項第一号中「砂鉱業、」を削る。
(火薬類取締法の改正)
第五十八條 火薬類取締法(昭和二十五年法律第百四十九号)の一部を次のように改正する。
第十七條第一項第四号中「(明治三十八年法律第四十五号)」を「(昭和二十五年法律第二百八十九号)」に改める。
(外国人の財産取得に関する政令の改正)
第五十九條 外国人の財産取得に関する政令(昭和二十四年政令第五十一号)の一部を次のように改正する。
第三條第一項第二号中「、砂鉱権若しくはこれら」を「若しくはこれ」に改める。
(罰則の適用)
第六十條 新法の施行前にした行為に対する罰則の適用に関しては、新法附則第二項並びに第四十四條、第四十七條、第五十五條、第五十八條及び前條の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附 則
この法律は、新法の施行の日から施行する。
内閣総理大臣 吉田茂
法務総裁 大橋武夫
大蔵大臣 池田勇人
厚生大臣 黒川武雄
通商産業大臣 横尾龍
労働大臣 保利茂
経済安定本部総裁 吉田茂
鉱業法施行法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十五年十二月二十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百九十号
鉱業法施行法
(鉱業権)
第一条 鉱業法(明治三十八年法律第四十五号。以下「旧鉱業法」という。)による試掘権は、第三項に規定するものを除き、鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号。以下「新法」という。)の施行の日において新法による試掘権となつたものとみなす。
2 旧鉱業法による採掘権又は砂鉱法(明治四十二年法律第十三号。以下「旧砂鉱法」という。)による砂鉱権は、次項に規定するものを除き、新法の施行の日において新法による採掘権となつたものとみなす。
3 旧鉱業法による石油を目的とする試掘権又は採掘権は、新法の施行の日において新法による石油及び可燃性天然ガスを目的とする試掘権又は採掘権となつたものとみなす。
4 旧重要鉱物増産法(昭和十三年法律第三十五号)附則第三項の規定によりなおその効力を有する同法(以下「旧増産法」という。)第十七条ノ二の規定による使用権又は旧石炭鉱業権等臨時措置法(昭和二十三年法律第百五十四号)附則第三項の規定によりなおその効力を有する同法(以下「旧措置法」という。)第十七条の規定による使用権(以下「旧使用権」という。)は、試掘鉱区に設定されたものであつても、新法の施行の日において新法による租鉱権となつたものとみなす。
(鉱区の面積等)
第二条 前条第一項から第三項までの規定により新法による鉱業権となつたものとみなされた旧鉱業法による鉱業権(石炭を目的とするものを除く。)の鉱区の面積については、新法第十四条第二項及び第三項の規定にかかわらず、なお旧鉱業法第九条第二項の例による。但し、その鉱区については、減少、増加及び減少又は分割後の鉱区の面積が新法第十四条第二項の面積を下ることとなるような減少、増加及び減少又は分割をすることができない。
2 前条第二項の規定により新法による採掘権となつたものとみなされた旧砂鉱法による砂鉱権の鉱区の境界(当該砂鉱権の変更後の鉱区の境界を除く。)又は面積については、新法第十四条第一項又は第三項の規定は、適用しない。
(鉱業権の存続期間)
第三条 第一条第一項又は第三項の規定により新法による試掘権となつたものとみなされた旧鉱業法による試掘権の存続期間は、従前の存続期間の満了の日までとする。但し、新法第十八条第二項から第四項まで及び第十九条の規定の適用を妨げない。
2 前項但書の場合において、新法第十八条第二項の規定の適用については、同項中「二回」とあるのは「一回」と、「三回」とあるのは「二回」と読み替えるものとする。
3 第一項の試掘権であつて、新法の施行の日から四箇月以内に存続期間の満了するものにつき、新法の施行後最初になされる存続期間の延長の申請についての新法第十八条第四項の規定の適用については、同項中「存続期間の満了前三箇月以上六箇月以内」とあるのは「新法の施行の日から一箇月以内」と読み替えるものとする。
4 第一条第四項の規定により新法による租鉱権となつたものとみなされた旧使用権の存続期間は、従前の存続期間の満了の日までとする。但し、新法第七十六条第二項から第四項までの規定の適用を妨げない。
(追加鉱物の掘採)
第四条 新法の施行の際現に石灰石、ドロマイト、けい石、長石、ろう石、滑石若しくは新法第三条第一項に規定する耐火粘土(以下「追加鉱物」という。)を掘採する者又はその承継人は、新法の施行の日から六箇月間は、従前の例によりその掘採を継続することができる。新法の施行の日から六箇月以内に当該掘採者又はその承継人が当該掘採区域について当該追加鉱物を目的とする鉱業権の設定の出願をした場合において、出願の却下若しくは不許可の通知を受けるまで、新法第四十三条の規定によつて許可がその効力を失うまで、又は鉱業権の設定の登録があるまで、当該出願の区域について、また同様とする。
(優先権)
第五条 新法の施行の日の六箇月以前から引き続き追加鉱物を掘採している者又はその承継人が新法の施行の日から六箇月以内に当該追加鉱物を目的とする鉱業権の設定の出願をしたときは、当該掘採区域については、その者は、新法第二十七条の規定にかかわらず、他の出願(第十六条第一項又は第二十二条の規定により新法による出願とみなされた旧鉱業法による出願及び試掘権者がその試掘鉱区と重複してした採掘権の設定の出願を除く。)に対し優先権を有するものとし、且つ、新法第十四条第二項及び第三項、第十六条、第二十九条、第三十条並びに第三十二条の規定は、その出願には、適用しない。
第六条 新法の施行の日の一年以前から引き続き追加鉱物の取得を目的とする土地の使用に関する権利を有している者(土地の所有者を除く。)又はその承継人が新法の施行の日から六箇月以内に当該追加鉱物を目的とする鉱業権の設定の出願をしたときは、当該権利を行使できる土地の区域については、その者は、新法第二十七条の規定にかかわらず、他の出願(前条の規定による出願、第十六条第一項又は第二十二条の規定により新法による出願とみなされた旧鉱業法による出願及び試掘権者がその試掘鉱区と重複してした採掘権の設定の出願を除く。)に対し優先権を有するものとし、且つ、新法第十四条第二項及び第三項、第十六条、第二十九条、第三十条並びに第三十二条の規定は、その出願には、適用しない。但し、当該土地の区域について前条の規定による当該追加鉱物を目的とする鉱業権の設定の出願が許可されたときは、新法第十六条、第二十九条又は第三十条の規定については、この限りでない。
第七条 新法の施行の日から六箇月以内に追加鉱物を目的とする鉱業権の設定の出願(前二条の規定による出願を除く。)があつたときは、通商産業局長は、その出願地に係る土地の所有者に対し、その旨を通知しなければならない。
2 土地の所有者が前項の通知の到達の日から三十日以内に当該追加鉱物を目的とする鉱業権の設定の出願をしたときは、その所有する土地の区域については、その者は、新法第二十七条の規定にかかわらず、他の出願(前二条の規定による出願、第十六条第一項又は第二十二条の規定により新法による出願とみなされた旧鉱業法による出願及び試掘権者がその試掘鉱区と重複してした採掘権の設定の出願を除く。)に対し優先権を有するものとし、且つ、新法第十四条第二項及び第三項並びに第三十二条の規定は、その出願には、適用しない。
(重複する区域の出願等)
第八条 第五条又は第六条の規定により試掘権の設定の出願をし、その設定の登録を得た者がその試掘鉱区と重複して当該追加鉱物を目的とする採掘権の設定の出願をしたときは、その重複する部分については、新法第十六条及び第三十条の規定は、適用しない。
2 前三条の規定により試掘権の設定の出願をし、その設定の登録を得た者がその試掘鉱区の全部を含む区域について当該追加鉱物を目的とする採掘権の設定の出願をしたときは、新法第十四条第二項の規定は、適用しない。
第九条 第五条若しくは第六条の規定による鉱業権の設定の出願に係る掘採区域若しくは権利を有している土地の区域又は第五条、第六条若しくは前条第一項の規定によりその設定の出願をし、その設定の登録を得た鉱業権の鉱区と重複し、且つ、同種の鉱床中に存する鉱物を目的とする試掘鉱区の試掘権者がその重複する部分と重複して試掘権の目的となつている鉱物を目的とする採掘権の設定の出願をしたときは、その重複する部分については、新法第十六条及び第三十条の規定は、適用しない。
(重複する鉱区の鉱業権等)
第十条 鉱業権者は、その鉱区が第五条若しくは第六条の規定による鉱業権の設定の出願に係る掘採区域若しくは権利を有している土地の区域又は第五条、第六条若しくは第八条第一項の規定によりその設定の出願をし、その設定の登録を得た追加鉱物を目的とする鉱業権の鉱区と重複するときは、その重複する部分については、新法第五条の規定にかかわらず、当該追加鉱物を掘採し、及び取得することができない。
2 前項に規定する場合の外、鉱業権者は、新法の施行の日から六箇月間は、新法第五条の規定にかかわらず、その鉱業権の目的となつている鉱物と同種の鉱床中に存する追加鉱物を掘採し、及び取得することができない。
第十一条 第五条、第六条又は第八条第一項の規定により追加鉱物を目的とする鉱業権の設定の出願をし、その設定の登録を得た者は、その鉱区が当該追加鉱物と同種の鉱床中に存する鉱物を目的とする他人の鉱区と重複するときは、その重複する部分については、新法第五条の規定にかかわらず、当該追加鉱物以外の鉱物を掘採し、及び取得することができない。
(協議及び決定)
第十二条 第五条、第六条又は第八条第一項の規定によりその設定の出願をし、その設定の登録を得た追加鉱物を目的とする鉱業権の鉱区と当該追加鉱物と同種の鉱床中に存する鉱物を目的とする鉱業権の鉱区が重複する場合においては、鉱業権者は、その重複する部分において鉱物を掘採しようとするときは、他の鉱業権者と協議しなければならない。
2 前項の協議をすることができず、又は協議がととのわないときは、鉱業権者は、通商産業局長の決定を申請することができる。
3 新法第四十七条第二項から第六項までの規定は、前項の決定に準用する。
(補償金)
第十三条 新法の施行の際、追加鉱物を掘採する者又は追加鉱物の取得を目的とする土地の使用に関する権利を有する者から契約又は慣習により代償を受けている土地の所有者は、第五条、第六条又は第八条第一項の規定により鉱業権の設定の出願をし、その設定の登録を得た者に対して、当該追加鉱物の掘採について相当の補償金を請求することができる。
2 前項の場合においては、土地の所有者は、鉱業権者に対して、補償金について相当の担保を提供すべきことを請求することができる。
3 前二項の場合においては、鉱業権者は、正当な事由がなければ、その承諾を拒むことができない。
4 土地の所有者は、前項の承諾を得ることができないときは、通商産業局長の決定を申請することができる。
5 新法第四十七条第二項から第六項までの規定は、前項の決定に準用する。
(砂金)
第十四条 新法の施行の際旧砂鉱法第六条第一項の規定により砂金を採取する権利を有する採掘権者は、新法第七条の規定にかかわらず、新法の施行の日から三箇月間は、その採掘鉱区(旧砂鉱法第六条第一項但書の砂鉱区と重複する部分を除く。以下この条及び次条において同じ。)内に存する砂金を掘採し、及び取得することができる。次項の規定による届出をした場合において、同項の確認を受けるまで、又は確認しない旨の通知を受けるまで、また同様とする。
2 前項の採掘権者が新法の施行の日から三箇月以内に、省令で定める手続に従い、その採掘鉱区内に砂金が存する旨を通商産業局長に届け出て、その確認を受けたときは、その採掘権者は、新法第七条の規定にかかわらず、その採掘鉱区内に存する砂金を掘採し、及び取得することができる。
第十五条 砂鉱を目的とする鉱業権の鉱業権者は、その鉱区が前条の規定により砂金を掘採し、及び取得することができる採掘権者の採掘鉱区と重複するときは、その重複する部分については、新法第五条の規定にかかわらず、砂金を掘採し、及び取得することができない。
(鉱業の出願)
第十六条 新法の施行前に旧鉱業法第二十一条の規定によつてした鉱業の出願は、新法第二十一条の規定による鉱業権の設定の出願とみなす。この場合においては、採掘出願人は、新法の施行の日から二箇月以内に、予想される鉱害の範囲及び態様について記述する書面を提出しなければならない。
2 前項の鉱業の出願に関しては、出願の区域の面積については、新法第十四条第二項の規定にかかわらず、なお旧鉱業法第九条第二項の例による。
(砂鉱の出願)
第十七条 新法の施行前に旧砂鉱法第八条の規定によつてした砂鉱の出願は、新法第二十一条の規定による採掘権の設定の出願とみなす。この場合においては、砂鉱出願人は、新法の施行の日から二箇月以内に、新法第二十二条の規定による鉱床説明書を提出しなければならない。
2 前項の砂鉱の出願については、新法第十四条第一項又は第三項の規定は、適用しない。
(許可の通知)
第十八条 新法の施行前に旧鉱業法又は旧砂鉱法に基く命令の規定によつてした鉱業又は砂鉱の出願を許可すべきものと決定した旨の通知は、新法第四十三条の鉱業権の設定の出願の許可の通知とみなす。
(鉱種名の更正)
第十九条 新法の施行前に旧鉱業法に基く命令の規定によつてした鉱種名の更正の出願は、新法第六十七条の規定による届出とみなす。
(訂正の出願)
第二十条 新法の施行前に旧鉱業法第二十五条第一項(同法第三十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定によつてした訂正の出願の命令に基く出願については、なお従前の例による。
第二十一条 新法の施行前に旧鉱業法第二十六条(同法第三十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定によつてした訂正の出願については、なお従前の例による。
(増減の出願)
第二十二条 新法の施行前に旧鉱業法第二十七条(同法第三十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定によつてした出願地又は鉱区の増減の出願は、新法第三十六条又は第四十五条の規定による鉱業出願地又は鉱区の増減の出願とみなす。この場合においては、第十六条第一項後段及び第二項の規定を準用する。
第二十三条 新法の施行前に旧砂鉱法第二十三条において準用する旧鉱業法第二十七条又は旧砂鉱法第十一条の規定によつてした砂鉱出願地又は砂鉱区の増減の出願は、新法第三十六条又は第四十五条の規定による採掘出願地又は採掘鉱区の増減の出願とみなす。この場合においては、第十七条第一項後段及び第二項の規定を準用する。
(掘進増区の出願等)
第二十四条 新法の施行前に旧鉱業法第三十六条第一項又は第二項の規定によつてした増区の出願又は鉱区の訂正の出願については、なお従前の例による。
(改正の出願の命令等)
第二十五条 新法の施行前に旧鉱業法第三十八条第一項(旧砂鉱法第二十三条において準用する場合を含む。)の規定によつてした鉱区又は砂鉱区の改正の出願の命令及びこれに基く出願については、なお従前の例による。
(錯誤の許可)
第二十六条 新法の施行前に錯誤により鉱業の出願又は砂鉱の出願を許可したときは、通商産業局長は、その錯誤を訂正するため、鉱業権の取消又は変更の処分をしなければならない。
(鉱業権等の取消)
第二十七条 新法第五十三条から第五十五条まで及び第八十三条第一項の規定は、旧鉱業法、旧砂鉱法、旧増産法又は旧措置法中にこれに相当する規定がある場合に限り、新法の施行前に生じた事由についても、適用する。
(施業案)
第二十八条 新法の施行前に旧鉱業法第四十四条第一項(旧砂鉱法第二十三条、旧増産法第十七条ノ二十二第二項及び旧措置法第三十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定による認可を受けた施業案は、新法第六十三条第一項の規定により届出をし、又は同条第二項の規定により認可を受けたものとみなす。
第二十九条 新法の施行前に旧鉱業法第四十五条第一項(旧砂鉱法第二十三条、旧増産法第十七条ノ二十二第二項及び旧措置法第三十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定によつてした施業案の変更の命令は、新法第百条第二項の規定による施業案の変更の命令とみなす。
(事業の着手)
第三十条 旧鉱業法による鉱業権者若しくは旧砂鉱法による砂鉱権者が新法の施行の際まだ事業に着手していないとき、又は旧増産法第十七条ノ二の規定による使用権者若しくは旧措置法第十七条の規定による使用権者(以下「旧使用権者」という。)が新法の施行の際まだ事業に着手しておらず、若しくはその事業を休止しているときは、新法第六十二条第一項又は第八十六条の規定の適用については、これらの規定の期間は、新法の施行の日から起算するものとする。
2 旧鉱業法による鉱業権者又は旧砂鉱法による砂鉱権者が新法の施行の際その事業を休止している場合において、新法の施行の日から二箇月以内に、期間を定め、事由を具して通商産業局長に申請し、その認可を受けたときは、新法第六十二条第三項の認可を受けたものとみなす。
(障害物の除却)
第三十一条 新法の施行前に旧鉱業法第五十三条第一項(旧砂鉱法第十七条、旧増産法第十七条ノ二十二第二項、同法同条第三項において準用する旧砂鉱法第十七条及び旧措置法第三十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定による許可を受けた障害物の除却については、なお従前の例による。
(土地の使用)
第三十二条 新法の施行の際現に旧鉱業法第五十六条第一項(旧砂鉱法第十七条、旧増産法第十七条ノ二十二第二項、同法同条第三項において準用する旧砂鉱法第十七条及び旧措置法第三十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定により他人の土地を使用している者は、旧鉱業法第六十五条(旧砂鉱法第十七条、旧増産法第十七条ノ二十二第二項、同法同条第三項において準用する旧砂鉱法第十七条及び旧措置法第三十三条第一項において準用する場合を含む。)に規定する場合を除き、新法第百四条の規定により使用しているものとみなす。
2 新法の施行前三年以内に旧鉱業法第五十六条第二項(旧砂鉱法第十七条、旧増産法第十七条ノ二十二第二項、同法同条第三項において準用する旧砂鉱法第十七条及び旧措置法第三十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定によつてした許可は、新法の施行の日に新法第百六条第一項の規定によつてしたものとみなす。
(砂鉱区内の土地の使用)
第三十三条 新法の施行の際現に旧砂鉱法第十二条の規定による補償金を払い渡して他人の土地を使用している者は、同法第十六条に規定する場合を除き、新法第百四条の規定により使用しているものとみなす。
(砂鉱区の鉱区の重複)
第三十四条 新法の施行前に旧砂鉱法第五条第一項の規定による協議がととのつているときは、新法第六十六条第一項の規定による承諾があり、又は同条第二項の規定による協議がととのつているものとみなす。
(鉱害)
第三十五条 新法第六章の規定は、新法の施行前の作業によつて新法の施行後に生じた損害にも、適用する。
2 新法の施行前に旧鉱業法第七十四条ノ二、第七十四条ノ三、第七十四条ノ八及び第七十四条ノ九(以上の各規定を旧砂鉱法第二十三条、旧増産法第十七条ノ二十二第一項及び旧措置法第三十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定によつて生じた旧鉱業法による鉱業権者、旧砂鉱法による砂鉱権者又は旧使用権者の賠償の責任については、なお従前の例による。
3 新法の施行の際既に消滅している旧鉱業法による鉱業権又は旧砂鉱法による砂鉱権の鉱業権者又は砂鉱権者であつた者の賠償の責任については、なお従前の例による。
4 新法第百九条第三項から第五項まで及び第百十条第二項の規定は、第二項の規定により賠償の責任を有する旧鉱業法による鉱業権者若しくは旧砂鉱法による砂鉱権者の旧鉱業法による鉱業権若しくは旧砂鉱法による砂鉱権であつて、第一条第一項から第三項までの規定により新法による鉱業権となつたものとみなされたものが譲り渡され、若しくはこれに租鉱権が設定された場合又は第二項の規定により賠償の責任を有する旧使用権者の旧使用権であつて、第一条第四項の規定により新法による租鉱権となつたものとみなされたものが消滅した場合にも、適用する。
(損害賠償の予定)
第三十六条 新法第百十四条の規定は、新法の施行前にした損害賠償の額の予定又は予定された賠償額の支払にも、適用する。
(供託物)
第三十七条 新法の施行の際現に旧鉱業法第七十四条ノ四第一項(旧増産法第十七条ノ二十二第二項及び旧措置法第三十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定により供託されている物は、新法第百十七条第一項の規定により供託されたものとみなす。
(訴願)
第三十八条 新法の施行前に旧鉱業法第八十九条又は第九十一条(以上の各規定を旧砂鉱法第二十三条において準用する場合を含む。)の規定により提起した訴願については、なお従前の例による。
(旧使用権と抵当権との関係)
第三十九条 第一条第四項の規定により新法による租鉱権となつたものとみなされた旧使用権は、その登録前に当該鉱業権について登録し、又は当該鉱業権の属する鉱業財団について登記した抵当権者に対しても、その効力を有する。
2 新法第九十八条第一項第三号及び第二項の規定は、前項の場合に準用する。
(経過規定の効力)
第四十条 鉱業法中改正法律(昭和九年法律第三十七号)附則第四項及び第五項、鉱業法中改正法律(昭和十四年法律第二十三号)附則第三項並びに鉱業法中改正法律(昭和十五年法律第百二号)附則第六条及び第七条の規定は、新法の施行後でも、なおその効力を有する。
2 前項の規定によりなおその効力を有する鉱業法中改正法律(昭和九年法律第三十七号)附則第五項又は鉱業法中改正法律(昭和十五年法律第百二号)附則第七条第二項の規定の適用については、旧砂鉱法第十三条及び第十五条の規定は、新法の施行後でも、なおその効力を有する。
3 鉱業法中改正法律(昭和十五年法律第百二号)附則第十三条又は鉱山保安法(昭和二十四年法律第七十号)附則第十三項の規定により旧鉱業法第四十四条第一項の規定による認可を受けたものとみなされた施業案は、新法第六十三条第二項の規定による認可を受けたものとみなす。
4 旧増産法附則第三項及び旧措置法附則第三項の規定の適用については、第一条第四項の規定により新法による租鉱権となつたものとみなされた旧使用権は、消滅するものとみなす。
第四十一条 旧鉱業法附則第百二十条の規定による届出に係る坑井から噴出する含油層と密接な関係のある可燃性天然ガスについては、新法の規定は、適用しない。
(旧鉱業法等の規定による処分等の効力)
第四十二条 第十六条から第十九条まで、第二十二条、第二十三条、第二十八条、第二十九条、第三十二条第二項及び第三十四条に規定する場合の外、新法の施行前に旧鉱業法、旧砂鉱法、旧増産法又は旧措置法の規定によつてした処分、手続その他の行為は、新法中にこれに相当する規定があるときは、新法によつてしたものとみなす。
(通商産業省設置法の改正)
第四十三条 通商産業省設置法(昭和二十四年法律第百二号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第三十二号中「鉱業又は砂鉱業の」を「鉱業権の設定等に関する」に改め、「又は砂鉱権者」を削る。
第二十四条第十号中「鉱業又は砂鉱業」を「鉱業権の設定等」に改める。
第二十五条第四項中「若しくは砂鉱業」を削る。
第二十七条を次のように改める。
(附属機関)
第二十七条 通商産業局に、附属機関として、地方鉱害賠償基準協議会を置く。
2 地方鉱害賠償基準協議会については、鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)の定めるところによる。
第三十七条第一号中「鉱業又は砂鉱業」を「鉱業権の設定等」に改める。
第四十一条第一項の表中鉱業法令改正審議会の部を削る。
(鉱山保安法の改正)
第四十四条 鉱山保安法の一部を次のように改正する。
目次中「(第一条―第三条)」を「(第一条―第三条の二)」に、「(第四条―第三十一条)」を「(第四条―第三十一条の二)」に改める。
第二条第一項を削り、同条第二項を第一項とし、同項を次のように改め、同条第三項及び第四項を一項ずつ繰り上げ、同条第五項中「第三項但書」を「第二項但書」に改め、同項を第四項とする。
この法律において「鉱業権者」とは、鉱業権者及び租鉱権者をいう。
第一章中第三条の次に次の一条を加える。
(処分等の効力)
第三条の二 この法律(この法律に基く省令を含む。以下本条において同じ。)の規定によつてした処分及び鉱業権者がこの法律の規定によつてした手続その他の行為は、鉱業権者の承継人に対しても、その効力を有する。
2 租鉱権の設定又は租鉱区の増加があつたときは、この法律の規定によつてした処分及び採掘権者がこの法律の規定によつてした手続その他の行為は、租鉱権の範囲内において、租鉱権者に対しても、その効力を有する。
3 租鉱権の消滅又は租鉱区の減少があつたときは、この法律の規定によつてした処分及び租鉱権者がこの法律の規定によつてした手続その他の行為は、採掘権の範囲内において、採掘権者に対しても、その効力を有する。但し、採掘権の消滅による租鉱権の消滅の場合は、この限りでない。
第二十二条第一項を次のように改める。
鉱山保安監督部長は、鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)第六十三条(同法第八十七条において準用する場合を含む。)の規定による施業案中保安に関する事項の実施を監督する。
第三十一条中「第二条第三項及び第五項」を「第二条第二項及び第四項」に改める。
第二章中第三十一条の次に次の一条を加える。
(緊急土地使用)
第三十一条の二 鉱業権者は、保安に関する急迫の危険を防ぐため必要があるときは、鉱山保安監督部長の許可を受けて、直ちに他人の土地に立ち入り、又は一時これを使用することができる。
2 前項の場合には、鉱業権者は、すみやかにその旨をその土地の占有者に通知しなければならない。
3 第一項の規定により、他人の土地に立ち入り、又はこれを使用しようとする者は、鉱山保安監督部長の許可を受けたことを証する書面を携帯し、土地の占有者の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
4 第一項の規定により、他人の土地に立ち入り、又は一時これを使用した者は、時価により、これによつて生じた損失を補償しなければならない。
第三十二条の見出し中「保安監督部」を「鉱山保安監督部」に改める。
第三十六条第一項中「(以下「保安監督部長」という。)」を削り、同条第二項中「保安監督部長」を「鉱山保安監督部長」に改める。
第三十八条の見出し及び同条第一項中「保安監督部長」を「鉱山保安監督部長」に改める。
第四十五条の見出し中「保安協議会」を「鉱山保安協議会」に改め、同条中「地方鉱山保安協議会」を「地方鉱山保安協議会(以下「地方協議会」という。)」に改める。
第四十六条第二項中「保安監督部長」を「鉱山保安監督部長」に、「地方鉱山保安協議会(以下「地方協議会」という。)」を「地方協議会」に改め、同条第三項中「保安監督部長」を「鉱山保安監督部長」に改める。
第四十七条中「三十人」を「四十二人」に改める。
第四十八条中「保安監督部長」を「鉱山保安監督部長」に改める。
第五十七条中第四号を第五号とし、第四号として次の一号を加える。
四 第三十一条の二第三項の規定に違反して書面を携帯せず、又はこれを呈示しなかつた者
(石油資源開発法の改正)
第四十五条 石油資源開発法(昭和十三年法律第三十一号)の一部を次のように改正する。
第一条第一項中「石油ヲ目的トスル」を「石油(可燃性天然ガスヲ含ム以下之ニ同ジ)ヲ目的トスル」に改める。
(鉱業抵当法の改正)
第四十六条 鉱業抵当法(明治三十八年法律第五十五号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項中「鉱山監督署長」を「通商産業局長」に改め、同条第五項及び第六項を次のように改める。
競落ヲ許ス決定ガ確定シタルトキハ採掘権ノ取消ハ其ノ効力ヲ生ゼザリシモノト看做ス
前四項ノ規定ハ鉱業法第五十二条乃至第五十四条ノ規定ニ依ル採掘権ノ取消ニ関シテハ之ヲ適用セズ
第五条中「採掘権者ガ廃業シタル」を「採掘権ノ放棄ニ因ル消滅ノ登録アリタル」に改める。
(貴金属管理法の改正)
第四十七条 貴金属管理法(昭和二十五年法律第百二十八号)の一部を次のように改正する。
第二条第三項中「(砂鉱を含む。)」を削る。
(帝国鉱業開発株式会社法の改正)
第四十八条 帝国鉱業開発株式会社法(昭和十四年法律第八十二号)の一部を次のように改正する。
第一条中「(砂鉱業ヲ含ム以下之ニ同ジ)」を削る。
(商法の改正)
第四十九条 商法(明治三十二年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。
第四条第二項中「若ハ砂鉱業」を削る。
(国有財産法の改正)
第五十条 国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第五号中「、砂鉱権」を削る。
(相続税法の改正)
第五十一条 相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第十条第一項第二号中「又は砂鉱権」及び「又は砂鉱区」を削る。
(登録税法の改正)
第五十二条 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第十四条中「鉱業権」を「鉱業権(砂鉱ヲ目的トスルモノヲ除ク)」に改め、同条第二号中「増区又ハ増減区」を「鉱区ノ増加又ハ増加及減少」に、「減区」を「鉱区ノ減少」に改め、同条第三号ノ二から第三号ノ五までを削り、同条第四号及び第五号を次のように改め、同条第六号ノ二及び第六号ノ四中「採掘権ヲ目的トスル使用権」を「租鉱権」に改め、同条第六号ノ三中「採掘権ヲ目的トスル使用権」を「租鉱権」に、「増区又ハ増減区」を「租鉱区ノ増加又ハ増加及減少」に、「減区」を「租鉱区ノ減少」に改め、同条第六号ノ五を削り、同条第七号中「第三十五条第二項」を「第五十一条」に改め、同条第十二号中「、使用権」を削り、同条第十三号中「廃業」を「放棄」に改め、同条第十三号ノ二中「使用権」を「租鉱権」に改める。
四 採掘権ノ設定 毎一件 金一万二千円
五 採掘権ノ変更
鉱区ノ増加又ハ増加及減少 毎一件 金六千円
鉱区ノ減少 毎一件 金千二百円
鉱区ノ合併 毎一件 金三千円
鉱区ノ分割 設定鉱区毎一箇 金三千円
第十五条中「砂鉱業」を「砂鉱ヲ目的トスル鉱業権」に、「砂鉱業原簿」を「鉱業原簿」に改め、同条第一号及び第二号を次のように改め、同条第三号中「砂鉱権」を「砂鉱ヲ目的トスル鉱業権」に改め、同条第三号ノ二中「使用権」を「砂鉱ヲ目的トスル租鉱権」に、「採取区域」を「租鉱区」に改め、同条第三号ノ三中「使用権」を「砂鉱ヲ目的トスル租鉱権」に、「増区」を「租鉱区ノ増加」に、「採取区域」を「租鉱区」に、「減区」を「租鉱区ノ減少」に改め、同条第三号ノ四及び第九号ノ二中「使用権」を「砂鉱ヲ目的トスル租鉱権」に改め、同条第三号ノ五を削り、同条第四号中「砂鉱区ノ合併又ハ分割ノ出願ニ付砂鉱法」を「鉱業法第五十一条」に改め、同条第八号中「砂鉱権、使用権」を「砂鉱ヲ目的トスル鉱業権」に改め、同条第九号中「廃業」を「放棄」に、「砂鉱権」を「砂鉱ヲ目的トスル鉱業権」に改める。
一 砂鉱ヲ目的トスル鉱業権ノ設定
鉱区 河床ハ毎二里迄 金九百円
其ノ他ハ毎十万坪迄
二 砂鉱ヲ目的トスル鉱業権ノ変更
鉱区ノ増加
鉱区 河床ハ毎二里迄 金九百円
其ノ他ハ毎十万坪迄
鉱区ノ減少 毎一件 金六十円
但シ鉱区ノ増加ト同時ニ為ス鉱区ノ減少ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
鉱区ノ合併 毎一件 金百八十円
鉱区ノ分割 設定鉱区毎一箇 金百八十円
2 この法律の施行前に課した、又は課すべきであつた登録税については、なお従前の例による。
(富裕税法の改正)
第五十三条 富裕税法(昭和二十五年法律第百七十四号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項第二号中「又は砂鉱権」及び「又は砂鉱区」を削る。
(地方税法の改正)
第五十四条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第二十四条第六号中「及び砂鉱の採取の」を削る。
第三十条第七項中「鉱業権(土石を採掘し、又は採取する権利を含む。)、砂鉱権」を「鉱業権(租鉱権及び採石権その他土石を採掘し、又は採取する権利を含む。)」に改める。
第百七十八条中「又は砂鉱区」を削り、「又は延長」を「(河床に存する砂鉱を目的とする鉱業権の鉱区にあつては、その河床の延長)」に改め、「又は砂鉱区」及び「又は砂鉱権者」を削る。
第百八十条第一項中第一号を次のように改め、第二号を削り、第三号中「砂鉱区」を「砂鉱を目的とする鉱業権の鉱区」に改め、同号を第二号とする。
一 砂鉱を目的としない鉱業権の鉱区
試掘鉱区 面積千坪ごとに 年額三十円
採掘鉱区 面積千坪ごとに 年額六十円
第百八十三条第三項中「又は砂鉱区」を削る。
第百九十五条中「又は砂鉱権」、「又は旧砂鉱権者」及び「又は新砂鉱権者」を削る。
第四百八十九条第一項中「若しくは砂鉱の採取」を削り、同項第三号中「金鉱石、砂金鉱」を「金鉱、砂金」に改める。
第五百十九条中「又は砂鉱の採取」、「又は砂鉱」及び「又は砂鉱業者」を削る。
第七百四十三条第八号中「及び砂鉱の採取の」を削る。
2 この法律の施行前に課した、又は課すべきであつた鉱区税の連帯納付義務については、地方税法第百九十五条の改正規定にかかわらず、なお従前の例による。
(国立公園法の改正)
第五十五条 国立公園法(昭和六年法律第三十六号)の一部を次のように改正する。
第八条第二項第三号中「、砂鉱の採取」を削る。
(労働基準法の改正)
第五十六条 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)の一部を次のように改正する。
第八条第二項中「砂鉱業、」を削る。
第五十五条の二中「第二条第三項及び第五項」を「第二条第二項及び第四項」に改める。
(労働者災害補償保険法の改正)
第五十七条 労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項第一号中「砂鉱業、」を削る。
(火薬類取締法の改正)
第五十八条 火薬類取締法(昭和二十五年法律第百四十九号)の一部を次のように改正する。
第十七条第一項第四号中「(明治三十八年法律第四十五号)」を「(昭和二十五年法律第二百八十九号)」に改める。
(外国人の財産取得に関する政令の改正)
第五十九条 外国人の財産取得に関する政令(昭和二十四年政令第五十一号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項第二号中「、砂鉱権若しくはこれら」を「若しくはこれ」に改める。
(罰則の適用)
第六十条 新法の施行前にした行為に対する罰則の適用に関しては、新法附則第二項並びに第四十四条、第四十七条、第五十五条、第五十八条及び前条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附 則
この法律は、新法の施行の日から施行する。
内閣総理大臣 吉田茂
法務総裁 大橋武夫
大蔵大臣 池田勇人
厚生大臣 黒川武雄
通商産業大臣 横尾龍
労働大臣 保利茂
経済安定本部総裁 吉田茂