第一條 採掘權者ハ抵當權ノ目的ト爲ス爲鑛業財團ヲ設クルコトヲ得
第二條 鑛業財團ハ左ニ揭クルモノニシテ鑛業ニ關シ同一採掘權者ニ屬スルモノノ全部又ハ一部ヲ以テ之ヲ組成スルコトヲ得
第三條 鑛業財團ニ付テハ工場抵當法中工場財團ニ關スル規定ヲ準用ス
第四條 採掘權取消ノ登錄アリタルトキハ鑛山監督署長ハ直ニ之ヲ抵當權者ニ通知スヘシ
前項ノ場合ニ於テハ抵當權者ハ直ニ其ノ權利ヲ實行スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ抵當權ヲ實行セムトスルトキハ抵當權者ハ第一項ノ通知ヲ受ケタル日ヨリ六箇月內ニ其ノ手續ヲ爲スヘシ
採掘權ハ前項ノ期間內又ハ抵當權實行ノ終了ニ至ル迄抵當權實行ノ目的ノ範圍內ニ於テ仍存續スルモノト看做ス
競落人又ハ競落人ニ依リテ設立セラレタル法人ハ採掘權取消ノ登錄アリタルトキニ於テ採掘權ヲ讓受ケタルモノト看做ス
前二項ノ規定ハ錯誤ニ因リ鑛業ノ出願カ許可セラレタル場合又ハ鑛業カ公益ヲ害スルモノト認メラレタル場合ニ於ケル採掘權ノ取消ニ關シテハ之ヲ適用セス
第五條 前條ノ規定ハ採掘權者カ廢業シタル場合ニ之ヲ準用ス
第六條 競賣ニ付セラレタル鑛業ヲ目的トシ帝國法律ニ從ヒ法人ヲ設立セムトスル者カ競賣ニ加入スルトキハ競買ノ申込ト同時ニ其ノ旨ヲ執行裁判所ニ申出ツヘシ
前項ノ規定ニ依リ競賣ニ加入スル者ハ競買ノ申込ニ關シテハ連帶シテ其ノ責ニ任ス
第七條 鑛業財團ノ競落人カ前條第一項ノ規定ニ依リ競賣ニ加入シタル者ナルトキハ競落ヲ許ス決定カ確定シタル日ヨリ三箇月內ニ法人ヲ設立シ之ヲ執行裁判所ニ屆出ツヘシ
第八條 前條ノ競落人ハ法人設立ノ日ヨリ一週間以內ニ競落代金ヲ執行裁判所ニ支拂フヘシ但シ債權者カ競落人タル場合ニ於テハ自己カ競落代金中ヨリ受取ルヘキ金額ヲ控除シ其ノ殘額ノミヲ支拂フヲ以テ足ル
第九條 前條ノ規定ニ依リ競落代金ノ支拂アリタルトキハ競賣ニ付セラレタル鑛業財團ノ所有權ハ競落人ニ依リテ設立セラレタル法人ニ移轉ス
第十條 第七條ノ期間內ニ法人設立ノ屆出ナキトキ又ハ第八條ノ期間內ニ競落代金ノ支拂ナキトキハ執行裁判所ハ職權ヲ以テ鑛業財團ノ再競賣ヲ命スヘシ
前項ノ再競賣ニ關シテハ民事訴訟法第六百八十八條ノ規定ヲ準用ス
第十一條 工場抵當法中工場財團ニ關スル罰則ハ鑛業財團ニ關シ之ヲ準用ス