第一條 石油ヲ目的トスル鑛業權者(以下石油鑛業者ト稱ス)ハ命令ノ定ムル所ニ依リ事業計畫ヲ定メ之ヲ政府ニ屆出ヅベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
政府鑛利保護上必要アリト認ムルトキハ事業計畫ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第二條 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ豫算ノ範圍內ニ於テ石油鑛業者ニ對シ試掘助成金ヲ交付スルコトヲ得
第三條 政府ハ前條ノ試掘助成金ニ依ル試掘ノ結果開發セラレタル油田ヨリ採油ヲ爲ス者ヲシテ命令ノ定ムル所ニ依リ採油開始後五年間每年採油價額ノ百分ノ二以內ニ相當スル金額ヲ納付セシムルコトヲ得
第四條 前條第二項ノ指定ニ不服アル者ハ訴願ヲ提起スルコトヲ得
第五條 詐欺ノ行爲ヲ以テ第二條ノ試掘助成金ノ交付ヲ受ケタル者ニ對シテハ其ノ金額ヲ返還セシム
第六條 第三條ノ規定ニ依ル納付金及前條ノ規定ニ依ル返還金ハ國稅滯納處分ノ例ニ依リ之ヲ徵收スルコトヲ得但シ先取特權ノ順位ハ國稅ニ次グモノトス
第七條 政府石油資源ノ開發促進上必要アリト認ムルトキハ石油鑛業者ニ對シ其ノ鑛區ノ開發方法其ノ他必要ナル事項ニ付他ノ石油鑛業者ト協議ヲ爲スベキコトヲ命ズルコトヲ得
石油鑛業者他ノ石油鑛業者ノ鑛區ト隣接スル自己ノ鑛區ノ境界線ヨリ五十メートル以內ノ地域ニ於テ採掘ヲ爲サントスルトキハ鑛利保護上必要ナル事項ニ付豫メ隣接鑛區ノ石油鑛業者ト協議ヲ爲スベシ
政府石油資源ノ開發促進上又ハ鑛利保護上必要アリト認ムルトキハ前二項ノ協議ニ依ル決定ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第一項又ハ第二項ノ協議ヲ爲サズ若ハ爲スコト能ハズ又ハ協議調ハザルトキハ政府ハ當該事項ニ付必要ナル決定ヲ爲スコトヲ得
第八條 政府石油資源ノ開發促進上必要アリト認ムルトキハ石油鑛業者ニ對シ試掘又ハ之ニ關シ必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
政府前項ノ規定ニ依リ試掘ヲ命ジタルトキハ第二條ノ試掘助成金ヲ交付ス
第九條 政府軍事上必要アリト認ムルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ石油鑛業者ニ對シ採油ノ制限又ハ增加ニ關シ必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ規定ニ依ル命令ニ因リ生ジタル損失ヲ補償ス
第十條 政府ハ石油鑛業者ニ對シ其ノ業務及財產ノ狀況ニ關シ報吿ヲ爲サシメ又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ノ檢査ヲ爲スコトヲ得
政府ハ石油鑛業者ニ對シ其ノ業務及會計ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第十一條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第七條第二項ノ規定ニ依ル協議ヲ爲サズ又ハ協議調ハザル以前ニ採掘ヲ爲シタル者
二 第七條ノ決定ニ基カズ又ハ同條第三項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ決定ヲ變更セズシテ試掘又ハ採掘ヲ爲シタル者
第十二條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第一條第一項ノ規定ニ違反シ事業計畫ノ屆出ヲ怠リ又ハ屆出デタル事業計畫ヲ實施セザル者
二 第一條第二項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ事業計畫ヲ變更セズシテ之ヲ實施シタル者
第十三條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第十條第一項ノ規定ニ依ル報吿ヲ怠リ又ハ虛僞ノ報吿ヲ爲シタル者
二 第十條第一項ノ規定ニ依ル檢査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者
三 第十條第二項ノ規定ニ依ル命令又ハ處分ニ違反シタル者
第十四條 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ從業者ガ其ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シ第十一條、第十二條又ハ前條第一號若ハ第三號ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ行爲者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ對シ亦前三條ノ刑ヲ科ス