朕食糧管理法施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年六月二十三日
內閣總理大臣 東條英機
農林大臣兼拓務大臣 井野碩哉
大藏大臣 賀屋興宣
商工大臣 岸信介
內務大臣 湯澤三千男
勅令第五百九十二號
食糧管理法施行令
第一條 食糧管理法第二條ノ規定ニ依リ食糧ヲ定ムルコト左ノ如シ
一 雜穀
二 穀粉
三 甘藷及馬鈴薯竝ニ其ノ加工品タル食糧
四 麵類
五 パン
第二條 食糧管理法第三條第二項ノ買入ノ價格ハ每年當該年產ノ米穀ニ付四月三十日迄ニ、翌年產ノ大麥、稞麥及小麥ニ付十月三十一日迄ニ農林大臣之ヲ定メ吿示ス
玄米及玄麥ニ付テノ前項ノ買入ノ價格ハ農林大臣ノ定ムル標準買入價格ヲ農林大臣ノ指定スル銘柄及等級ノ米麥ノ買入ノ價格ノ各總平均タラシムル計算ノ下ニ命令ノ定ムル所ニ依リ格差ニ從ヒ各銘柄及等級ノ米麥每ニ之ヲ定ム
籾、精米及精麥ニ付テノ第一項ノ買入ノ價格ハ前項ノ規定ニ依リ定ムル玄米及玄麥ノ買入ノ價格ニ準據シテ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ定ム
第二項ノ標準買入價格ハ米麥ノ生產費ニ運賃諸掛ヲ加ヘタル額ニ基キ米麥ノ價格指數ト物價指數トノ關係ヨリ算出シタル價格及經濟事情ヲ參酌シテ之ヲ定ム
前項ノ米麥ノ生產費ノ算出方法ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三條 內地產ノ米麥ニ付テノ食糧管理法第四條第二項ノ賣渡ノ價格ハ命令ノ定ムル所ニ依リ玄米及玄麥ニ在リテハ農林大臣ノ定ムル標準賣渡價格ト前條第二項ノ標準買入價格トノ差額ヲ同項ノ規定ニ依リ定ムル各銘柄及等級ノ米麥ノ買入ノ價格ニ加減シ運賃諸掛等ヲ參酌シテ每年農林大臣之ヲ定メ精米及精麥ニ在リテハ玄米及玄麥ノ賣渡ノ價格ニ準據シテ每年農林大臣之ヲ定ム
前項ノ標準賣渡價格ハ玄米ニ付テハ家計費ヲ基礎トシテ算出シタル家計米價ニ基キ米價指數ト物價指數トノ關係ヨリ算出シタル價格及經濟事情ヲ參酌シテ之ヲ定メ玄麥ニ付テハ玄米ノ標準賣渡價格及經濟事情ヲ參酌シテ之ヲ定ム
前項ノ家計米價ノ算出方法ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
外地產又ハ外國產ノ米麥ニ付テノ食糧管理法第四條第二項ノ賣渡ノ價格ハ第一項ノ規定ニ依リ定ムル內地產ノ米麥ノ賣渡ノ價格ヲ參酌シテ農林大臣之ヲ定ム
農林大臣米麥ノ賣渡ノ圓滑ヲ圖ル爲必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ第一項又ハ前項ノ規定ニ依リ定ムル價格ニ基キ農林大臣ノ定ムル平準價格ヲ以テ食糧管理法第四條第二項ノ賣渡ノ價格ト爲スコトヲ得
第四條 第二條又ハ前條ノ規定ニ依リ定ムル買入又ハ賣渡ノ價格ハ經濟事情ノ變動著シキ場合ニ於テハ前二條ノ例ニ依リ之ヲ改定スルコトヲ得
第五條 食糧管理法第七條第一項ノ規定ニ依ル主要食糧ノ貸付ハ災害事變其ノ他之ニ準ズベキ事由アル場合ニ於テ道府縣ガ市町村、產業組合、農會等ニ對シ主要食糧ノ貸付又ハ賣渡ヲ爲サントスル場合ニ當該道府縣ニ對シテ之ヲ行フ
前項ノ貸付ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第六條 食糧管理法第七條第一項ノ規定ニ依ル主要食糧ノ交付ハ左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ之ヲ行フ
一 公共團體、公益法人其ノ他農林大臣ノ適當ト認ムル者ガ主要食糧ヲ試驗硏究ノ用ニ供セントスルトキ
二 災害事變ニ際シ市町村ガ其ノ住民ニ主要食糧ヲ貸付又ハ交付スル場合ニ道府縣ガ當該市町村ニ對シ主要食糧ヲ交付セントスルトキ
前項ノ交付ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第七條 農林大臣ハ食糧管理法第九條ノ規定ニ基キ米麥ノ生產者又ハ土地ニ付權利ヲ有シ小作料トシテ之ヲ受クル者ニ對シ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ生產シ又ハ小作料トシテ受ケタル米麥(同法第三條第一項ノ規定ノ適用ヲ受クルモノヲ除ク)ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ販賣組合、農業倉庫業者其ノ他命令ヲ以テ定ムル者ニ賣渡シ又ハ其ノ販賣ノ委託ヲ爲スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第八條 農林大臣ハ食糧管理法第九條ノ規定ニ基キ米麥ノ生產者又ハ土地ニ付權利ヲ有シ小作料トシテ之ヲ受クル者ニ對シ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ生產シ又ハ小作料トシテ受ケタル米麥ニシテ前條又ハ同法第三條第一項ノ規定ノ適用ヲ受クルモノノ保管ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第九條 農林大臣ハ食糧管理法第九條ノ規定ニ基キ販賣組合、農業倉庫業者、販賣組合聯合會、地方食糧營團其ノ他命令ヲ以テ定ムル者ニ對シ米麥ノ買受若ハ販賣ノ受託又ハ其ノ者ガ買受ケ若ハ販賣ノ委託ヲ受ケタル米麥ノ賣渡若ハ販賣ノ委託ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第十條 農林大臣ハ食糧管理法第九條ノ規定ニ基キ第七條、前條又ハ同法第三條第一項ノ規定ニ依リ賣渡又ハ販賣ノ委託ヲ爲スベキ場合ヲ除クノ外米麥ヲ所有スル者ニ對シ其ノ者ノ行フ米麥ノ賣渡又ハ販賣ノ委託ニ關シ其ノ相手方ヲ制限スルコトヲ得
第十一條 精米又ハ精麥ノ設備ノ新設、擴張又ハ改良ヲ爲サントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ農林大臣ノ許可ヲ受クベシ
第十二條 農林大臣ハ食糧管理法第十條ノ規定ニ基キ主要食糧ノ價格、加工賃又ハ製造ノ料金ノ額ヲ指定スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル額ノ指定ハ吿示ニ依リテ之ヲ爲ス
第一項ノ規定ニ依リ額ノ指定アリタルトキハ他ノ法令ニ拘ラズ其ノ額ヲ超エテ主要食糧ノ價格、加工賃又ハ製造ノ料金ノ額ヲ契約シ、支拂ヒ又ハ受領スルコトヲ得ズ但シ命令ノ定ムル所ニ依リ價格、加工賃又ハ製造ノ料金ノ支拂者又ハ受領者ニ於テ農林大臣ノ許可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第一項ノ指定ハ指定實施ノ際現ニ存スル契約ニシテ其ノ際左ノ各號ノ一ニ該當スルモノニ對シテハ影響ヲ及ボスコトナシ
一 注文品ノ價格又ハ製造ノ料金ニ付生產者又ハ製造者ガ生產又ハ製造ニ著手シタルモノ
二 注文品以外ノモノノ價格ニ付買主其ノ他ノ支拂者ガ目的物ノ引渡ヲ受ケタルモノ
三 加工賃ニ付加工者ガ目的物ノ引渡ヲ受ケタルモノ
第十三條 前條ノ規定ハ契約ノ當事者ニシテ營利ヲ目的トシテ當該契約ヲ爲スニ非ザルモノニハ之ヲ適用セズ但シ當該契約ヲ爲スコトガ自己ノ業務ニ屬スル者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第十四條 第十二條ノ規定ハ左ニ揭グル價格、加工賃又ハ製造ノ料金ニハ之ヲ適用セズ
一 關東州、滿洲及支那以外ノ地ト內地トノ間ニ於ケル輸出入取引ノ價格
二 其ノ他命令ヲ以テ定ムルモノ
第十五條 何等ノ名義ヲ以テスルヲ問ハズ第十二條ノ規定ニ依ル禁止ヲ免ルル行爲ヲ爲スコトヲ得ズ
第十六條 食糧管理法第十一條第一項ノ規定ニ依ル許可ハ左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ之ヲ受クルコトヲ要セズ
一 政府ノ命令ニ依リ米麥ヲ輸出若ハ移出シ又ハ輸入若ハ移入スルトキ
二 政府ガ米麥ノ買入又ハ賣渡ヲ爲ス場合ニ於テ其ノ委託ヲ受ケ米麥ヲ輸入若ハ移入シ又ハ輸出若ハ移出スルトキ
三 船用品タル米麥又ハ命令ヲ以テ定ムル旅客ノ携帶品タル米麥、標本米麥其ノ他之ニ準ズベキモノヲ輸出若ハ移出シ又ハ輸入若ハ移入スルトキ
第十七條 農林大臣ハ本令ニ定ムル職權ノ一部ヲ地方長官ニ委任スルコトヲ得
第十八條 農林大臣必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ市町村長又ハ之ニ準ズベキモノヲシテ主要食糧ノ管理ノ實施ニ關シ必要ナル事務ヲ行ハシムルコトヲ得
前項ノ事務ニ關スル費用ハ命令ノ定ムル所ニ依リ市町村又ハ之ニ準ズベキモノヲシテ之ヲ負擔セシムルコトヲ得
第十九條 食糧管理法第四條第一項ノ規定ニ依ル指定及同法第十一條第一項ノ規定ニ依ル許可ハ農林大臣之ヲ行フ
食糧管理法第十五條第一項第三項、第十六條第一項、第十八條乃至第二十條、第二十一條第一項、第二十三條、第二十六條第一項、第四十六條、第四十七條第一項第二項及第四十九條第一項中政府トアルハ農林大臣トシ同法第二十五條第二項、第二十九條ニ於テ準用スル同法第十五條第三項、第十九條第三項、第二十條、第二十一條第一項及第二十三條竝ニ第五十一條ニ於テ準用スル同法第四十六條、第四十七條第一項第二項及第四十九條第一項中政府トアルハ地方長官トス
食糧管理法第十四條第一項及第三十條中政府トアルハ中央食糧營團ニ付テハ農林大臣トシ地方食糧營團ニ付テハ地方長官トス
第二十條 農地開發法施行令第二章第一節及第二章第四節ノ規定ハ食糧營團ニ付之ヲ準用ス但シ同令第三十三條中農林大臣トアルハ地方食糧營團ニ付テハ地方長官トス
農地開發法施行令第二章第二節ノ規定ハ中央食糧營團ニ付之ヲ準用ス
第二十一條 食糧營團ノ登記ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
第二十二條 本令ハ昭和十七年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
第二十三條 食糧管理法第三條第二項ノ買入ノ價格及同法第四條第二項ノ賣渡ノ價格ニシテ本令施行ノ際必要ナルモノハ米穀配給統制法第四條及價格等統制令第七條ノ規定ニ基キ定メタル米麥ノ政府ノ買入及賣渡ノ價格ニ準據シテ本令施行ノ日ニ農林大臣之ヲ定ム
第三條第五項及第四條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二十四條 小麥粉ハ昭和十八年十月三十一日迄ハ命令ノ定ムル所ニ依リ農林大臣ノ許可ヲ受クルニ非ザレバ之ヲ輸出若ハ移出又ハ輸入若ハ移入スルコトヲ得ズ但シ船用品、郵便物其ノ他命令ヲ以テ定ムルモノハ此ノ限ニ在ラズ
農林大臣必要アリト認ムルトキハ前項ノ規定ニ依リ許可ヲ受ケ小麥粉ノ輸出若ハ移出又ハ輸入若ハ移入ヲ爲スコトヲ得ル者ノ範圍ヲ制限スルコトヲ得
第二十五條 粟及高粱ノ輸入稅ハ昭和十七年十月三十一日迄之ヲ免除ス
第二十六條 左ニ揭グル勅令ハ之ヲ廢止ス
一 米穀統制法施行令
二 米穀自治管理法施行令
三 籾共同貯藏助成法施行令
四 政府所有米穀特別處理法施行令
五 昭和八年勅令第三百二十三號
六 昭和十三年勅令第七百八十一號
七 昭和十六年勅令第八百六十三號
第二十七條 米穀統制法第六條ノ規定ニ依リ道府縣ニ貸付シタル米穀ハ食糧管理法第七條第一項ノ規定ニ依リ之ヲ貸付シタルモノト看做ス
第二十八條 米穀統制法第七條ノ規定ニ依リ爲シタル輸出又ハ輸入ノ許可ハ食糧管理法第十一條第一項ノ規定ニ依リ之ヲ爲シタルモノト看做ス
食糧管理法第十一條第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ適用セズ
第二十九條 米穀統制組合、地方米穀統制組合聯合會及米穀商統制組合ハ米穀自治管理法廢止ノ日ニ解散ス
前項ノ法人ハ解散ノ後ト雖モ淸算ノ目的ノ範圍內ニ於テハ仍存續スルモノト看做ス
第一項ノ法人ノ淸算ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十條 政府ノ出資ニ係ル日本米穀株式會社ノ株式ハ米穀配給統制法第二十四條第二項ノ規定ニ拘ラズ之ヲ政府出資特別會計ノ所屬物件ト爲スコトヲ得
第三十一條 食糧管理法第四十七條第二項ノ規定ニ依リ解散ヲ命ズルコトヲ得ル法人ハ日本米穀株式會社、全國製粉配給株式會社、全國米穀商業組合聯合會、日本精麥工業組合聯合會及日本製麵工業組合聯合會トス
農林大臣ハ前項ノ法人ニ對シ其ノ指定スル日ニ於ケル財產目錄、貸借對照表及株主名簿又ハ出資者名簿ノ提出ヲ命ズルモノトス
第三十二條 食糧管理法第四十七條第二項ノ規定ニ依リ解散ノ命令アリタル後ハ同項ノ命令ヲ受ケタル法人(以下受命法人ト稱ス)ノ業務ヲ執行スル役員ハ農林大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ當該法人ノ常務ニ屬セザル行爲ヲ爲スコトヲ得ズ
第三十三條 設立委員ハ左ニ揭グル事項ヲ記載シタル書面ヲ作成シ受命法人ノ株式又ハ出資ニ對スル中央食糧營團ノ出資ノ引當ニ付農林大臣ノ認可ヲ受クベシ
一 中央食糧營團ノ出資ヲ引當テラルベキ受命法人ノ株式又ハ出資ノ數及拂込金額
二 第三十一條第二項ノ農林大臣ノ指定スル日ニ於ケル受命法人ノ財產ノ槪況
三 受命法人ノ株式又ハ出資ニ中央食糧營團ノ出資ヲ引當ツル方法
四 受命法人ノ株式又ハ出資ニ中央食糧營團ノ出資ヲ引當ツル場合ニ於テ受命法人ノ株主又ハ出資者ニ支拂ヲ爲スベキ金額ヲ定メタルトキハ其ノ額
前項ノ認可アリタルトキハ設立委員ハ前項第三號第四號ニ揭グル事項ヲ公吿スベシ
第三十四條 前條第一項ノ規定ニ依リ認可ヲ受ケタル方法ニ依ル引當ニ適セザル數ノ株式又ハ出資アルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ中央食糧營團ノ出資ヲ賣却シ之ニ依リテ得タル金額ヨリ賣却ニ要シタル費用ヲ控除シタル殘餘ノ金額ヲ受命法人ノ株主又ハ出資者ニ對シ其ノ株式又ハ出資ノ數ニ應ジテ交付スルコトヲ要ス
第三十五條 受命法人ノ株式又ハ出資ニ中央食糧營團ノ出資ヲ引當テタル場合ニ於テ從前ノ株式又ハ出資ヲ目的トスル質權ハ引當ニ因リテ受命法人ノ株主又ハ出資者ガ受クベキ金錢又ハ出資ノ上ニ存在ス
第三十六條 中央食糧營團ノ出資申込書ハ設立委員之ヲ作成シ之ニ左ノ事項ヲ記載スベシ
一 名稱
二 目的
三 定款認可ノ年月日
四 主タル事務所ノ所在地
五 資本金額
六 出資一口ノ金額及其ノ拂込ノ方法
七 第三十三條第一項各號ニ揭グル事項
八 公吿ノ方法
第三十七條 農地開發法施行令第三十六條第一項及第三十七條乃至第四十三條ノ規定ハ中央食糧營團ノ設立ニ之ヲ準用ス
第三十八條 本令ニ規定スルモノノ外中央食糧營團ノ設立及受命法人ノ解散ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十九條 食糧管理法第五十一條ニ於テ準用スル同法第四十七條第二項ノ規定ニ依リ解散ヲ命ズルコトヲ得ル法人ハ米麥、小麥粉又ハ麵類ノ配給ニ關スル事業ヲ行フ道府縣ヲ區域トスル商業組合又ハ商業組合聯合會、精米、精麥、製粉又ハ製麵ニ關スル事業ヲ行フ道府縣ヲ區域トスル工業組合又ハ工業組合聯合會其ノ他食糧管理法第二十八條第一項ニ揭グル事業ト同種ノ事業ヲ行フ法人ニシテ地方長官ノ指定スルモノトス
第四十條 地方食糧營團ガ食糧管理法第五十一條ニ於テ準用スル同法第四十七條第三項ノ規定ニ依リ株式會社ノ社債ノ元利支拂義務ヲ承繼シタルトキハ其ノ債務ニ付テハ社債ニ關スル法令ヲ準用ス
前項ニ規定スルモノノ外同項ノ社債ノ元利支拂義務ノ承繼ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四十一條 第三十一條第二項及第三十二條乃至第三十八條ノ規定ハ地方食糧營團ニ付之ヲ準用ス但シ第三十一條第二項、第三十二條及第三十三條第一項竝ニ第三十七條ニ於テ準用スル農地開發法施行令第三十七條第一項、第三十九條、第四十二條及第四十三條中農林大臣トアルハ地方長官トス
第四十二條 中央食糧配給事業評價委員會(以下中央委員會ト稱ス)ハ農林大臣ノ監督ニ屬シ食糧管理法第四十八條第二項ノ規定ニ依リ其ノ權限ニ屬セシメタル事項ヲ調査審議ス
中央委員會ハ會長一人及委員二十人以內ヲ以テ之ヲ組織ス
會長及委員ハ關係各廳高等官及學識經驗アル者ノ中ヨリ農林大臣之ヲ命ズ
會長ハ會務ヲ總理ス
會長事故アルトキハ農林大臣ノ指命スル委員其ノ職務ヲ代理ス
中央委員會ニ幹事及書記ヲ置ク農林大臣之ヲ命ズ
幹事ハ會長ノ指揮ヲ承ケ庶務ヲ整理シ書記ハ上司ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ從事ス
第四十三條 地方食糧配給事業評價委員會(以下地方委員會ト稱ス)ハ地方長官ノ監督ニ屬シ食糧管理法第五十一條ニ於テ準用スル同法第四十八條第二項ノ規定ニ依リ其ノ權限ニ屬セシメタル事項ヲ調査審議ス
地方委員會ハ道府縣ニ之ヲ置キ當該道府縣ノ名ヲ冠ス
前條第二項乃至第七項ノ規定ハ地方委員會ニ之ヲ準用ス但シ同條第二項中二十人トアルハ十五人トシ同條第三項、第五項及第六項中農林大臣トアルハ地方長官トス
朕食糧管理法施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年六月二十三日
内閣総理大臣 東条英機
農林大臣兼拓務大臣 井野碩哉
大蔵大臣 賀屋興宣
商工大臣 岸信介
内務大臣 湯沢三千男
勅令第五百九十二号
食糧管理法施行令
第一条 食糧管理法第二条ノ規定ニ依リ食糧ヲ定ムルコト左ノ如シ
一 雑穀
二 穀粉
三 甘藷及馬鈴薯並ニ其ノ加工品タル食糧
四 麺類
五 パン
第二条 食糧管理法第三条第二項ノ買入ノ価格ハ毎年当該年産ノ米穀ニ付四月三十日迄ニ、翌年産ノ大麦、稞麦及小麦ニ付十月三十一日迄ニ農林大臣之ヲ定メ告示ス
玄米及玄麦ニ付テノ前項ノ買入ノ価格ハ農林大臣ノ定ムル標準買入価格ヲ農林大臣ノ指定スル銘柄及等級ノ米麦ノ買入ノ価格ノ各総平均タラシムル計算ノ下ニ命令ノ定ムル所ニ依リ格差ニ従ヒ各銘柄及等級ノ米麦毎ニ之ヲ定ム
籾、精米及精麦ニ付テノ第一項ノ買入ノ価格ハ前項ノ規定ニ依リ定ムル玄米及玄麦ノ買入ノ価格ニ準拠シテ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ定ム
第二項ノ標準買入価格ハ米麦ノ生産費ニ運賃諸掛ヲ加ヘタル額ニ基キ米麦ノ価格指数ト物価指数トノ関係ヨリ算出シタル価格及経済事情ヲ参酌シテ之ヲ定ム
前項ノ米麦ノ生産費ノ算出方法ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三条 内地産ノ米麦ニ付テノ食糧管理法第四条第二項ノ売渡ノ価格ハ命令ノ定ムル所ニ依リ玄米及玄麦ニ在リテハ農林大臣ノ定ムル標準売渡価格ト前条第二項ノ標準買入価格トノ差額ヲ同項ノ規定ニ依リ定ムル各銘柄及等級ノ米麦ノ買入ノ価格ニ加減シ運賃諸掛等ヲ参酌シテ毎年農林大臣之ヲ定メ精米及精麦ニ在リテハ玄米及玄麦ノ売渡ノ価格ニ準拠シテ毎年農林大臣之ヲ定ム
前項ノ標準売渡価格ハ玄米ニ付テハ家計費ヲ基礎トシテ算出シタル家計米価ニ基キ米価指数ト物価指数トノ関係ヨリ算出シタル価格及経済事情ヲ参酌シテ之ヲ定メ玄麦ニ付テハ玄米ノ標準売渡価格及経済事情ヲ参酌シテ之ヲ定ム
前項ノ家計米価ノ算出方法ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
外地産又ハ外国産ノ米麦ニ付テノ食糧管理法第四条第二項ノ売渡ノ価格ハ第一項ノ規定ニ依リ定ムル内地産ノ米麦ノ売渡ノ価格ヲ参酌シテ農林大臣之ヲ定ム
農林大臣米麦ノ売渡ノ円滑ヲ図ル為必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ第一項又ハ前項ノ規定ニ依リ定ムル価格ニ基キ農林大臣ノ定ムル平準価格ヲ以テ食糧管理法第四条第二項ノ売渡ノ価格ト為スコトヲ得
第四条 第二条又ハ前条ノ規定ニ依リ定ムル買入又ハ売渡ノ価格ハ経済事情ノ変動著シキ場合ニ於テハ前二条ノ例ニ依リ之ヲ改定スルコトヲ得
第五条 食糧管理法第七条第一項ノ規定ニ依ル主要食糧ノ貸付ハ災害事変其ノ他之ニ準ズベキ事由アル場合ニ於テ道府県ガ市町村、産業組合、農会等ニ対シ主要食糧ノ貸付又ハ売渡ヲ為サントスル場合ニ当該道府県ニ対シテ之ヲ行フ
前項ノ貸付ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第六条 食糧管理法第七条第一項ノ規定ニ依ル主要食糧ノ交付ハ左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ之ヲ行フ
一 公共団体、公益法人其ノ他農林大臣ノ適当ト認ムル者ガ主要食糧ヲ試験研究ノ用ニ供セントスルトキ
二 災害事変ニ際シ市町村ガ其ノ住民ニ主要食糧ヲ貸付又ハ交付スル場合ニ道府県ガ当該市町村ニ対シ主要食糧ヲ交付セントスルトキ
前項ノ交付ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第七条 農林大臣ハ食糧管理法第九条ノ規定ニ基キ米麦ノ生産者又ハ土地ニ付権利ヲ有シ小作料トシテ之ヲ受クル者ニ対シ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ生産シ又ハ小作料トシテ受ケタル米麦(同法第三条第一項ノ規定ノ適用ヲ受クルモノヲ除ク)ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ販売組合、農業倉庫業者其ノ他命令ヲ以テ定ムル者ニ売渡シ又ハ其ノ販売ノ委託ヲ為スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第八条 農林大臣ハ食糧管理法第九条ノ規定ニ基キ米麦ノ生産者又ハ土地ニ付権利ヲ有シ小作料トシテ之ヲ受クル者ニ対シ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ生産シ又ハ小作料トシテ受ケタル米麦ニシテ前条又ハ同法第三条第一項ノ規定ノ適用ヲ受クルモノノ保管ニ関シ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
第九条 農林大臣ハ食糧管理法第九条ノ規定ニ基キ販売組合、農業倉庫業者、販売組合連合会、地方食糧営団其ノ他命令ヲ以テ定ムル者ニ対シ米麦ノ買受若ハ販売ノ受託又ハ其ノ者ガ買受ケ若ハ販売ノ委託ヲ受ケタル米麦ノ売渡若ハ販売ノ委託ニ関シ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
第十条 農林大臣ハ食糧管理法第九条ノ規定ニ基キ第七条、前条又ハ同法第三条第一項ノ規定ニ依リ売渡又ハ販売ノ委託ヲ為スベキ場合ヲ除クノ外米麦ヲ所有スル者ニ対シ其ノ者ノ行フ米麦ノ売渡又ハ販売ノ委託ニ関シ其ノ相手方ヲ制限スルコトヲ得
第十一条 精米又ハ精麦ノ設備ノ新設、拡張又ハ改良ヲ為サントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ農林大臣ノ許可ヲ受クベシ
第十二条 農林大臣ハ食糧管理法第十条ノ規定ニ基キ主要食糧ノ価格、加工賃又ハ製造ノ料金ノ額ヲ指定スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル額ノ指定ハ告示ニ依リテ之ヲ為ス
第一項ノ規定ニ依リ額ノ指定アリタルトキハ他ノ法令ニ拘ラズ其ノ額ヲ超エテ主要食糧ノ価格、加工賃又ハ製造ノ料金ノ額ヲ契約シ、支払ヒ又ハ受領スルコトヲ得ズ但シ命令ノ定ムル所ニ依リ価格、加工賃又ハ製造ノ料金ノ支払者又ハ受領者ニ於テ農林大臣ノ許可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第一項ノ指定ハ指定実施ノ際現ニ存スル契約ニシテ其ノ際左ノ各号ノ一ニ該当スルモノニ対シテハ影響ヲ及ボスコトナシ
一 注文品ノ価格又ハ製造ノ料金ニ付生産者又ハ製造者ガ生産又ハ製造ニ著手シタルモノ
二 注文品以外ノモノノ価格ニ付買主其ノ他ノ支払者ガ目的物ノ引渡ヲ受ケタルモノ
三 加工賃ニ付加工者ガ目的物ノ引渡ヲ受ケタルモノ
第十三条 前条ノ規定ハ契約ノ当事者ニシテ営利ヲ目的トシテ当該契約ヲ為スニ非ザルモノニハ之ヲ適用セズ但シ当該契約ヲ為スコトガ自己ノ業務ニ属スル者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第十四条 第十二条ノ規定ハ左ニ掲グル価格、加工賃又ハ製造ノ料金ニハ之ヲ適用セズ
一 関東州、満洲及支那以外ノ地ト内地トノ間ニ於ケル輸出入取引ノ価格
二 其ノ他命令ヲ以テ定ムルモノ
第十五条 何等ノ名義ヲ以テスルヲ問ハズ第十二条ノ規定ニ依ル禁止ヲ免ルル行為ヲ為スコトヲ得ズ
第十六条 食糧管理法第十一条第一項ノ規定ニ依ル許可ハ左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テハ之ヲ受クルコトヲ要セズ
一 政府ノ命令ニ依リ米麦ヲ輸出若ハ移出シ又ハ輸入若ハ移入スルトキ
二 政府ガ米麦ノ買入又ハ売渡ヲ為ス場合ニ於テ其ノ委託ヲ受ケ米麦ヲ輸入若ハ移入シ又ハ輸出若ハ移出スルトキ
三 船用品タル米麦又ハ命令ヲ以テ定ムル旅客ノ携帯品タル米麦、標本米麦其ノ他之ニ準ズベキモノヲ輸出若ハ移出シ又ハ輸入若ハ移入スルトキ
第十七条 農林大臣ハ本令ニ定ムル職権ノ一部ヲ地方長官ニ委任スルコトヲ得
第十八条 農林大臣必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ市町村長又ハ之ニ準ズベキモノヲシテ主要食糧ノ管理ノ実施ニ関シ必要ナル事務ヲ行ハシムルコトヲ得
前項ノ事務ニ関スル費用ハ命令ノ定ムル所ニ依リ市町村又ハ之ニ準ズベキモノヲシテ之ヲ負担セシムルコトヲ得
第十九条 食糧管理法第四条第一項ノ規定ニ依ル指定及同法第十一条第一項ノ規定ニ依ル許可ハ農林大臣之ヲ行フ
食糧管理法第十五条第一項第三項、第十六条第一項、第十八条乃至第二十条、第二十一条第一項、第二十三条、第二十六条第一項、第四十六条、第四十七条第一項第二項及第四十九条第一項中政府トアルハ農林大臣トシ同法第二十五条第二項、第二十九条ニ於テ準用スル同法第十五条第三項、第十九条第三項、第二十条、第二十一条第一項及第二十三条並ニ第五十一条ニ於テ準用スル同法第四十六条、第四十七条第一項第二項及第四十九条第一項中政府トアルハ地方長官トス
食糧管理法第十四条第一項及第三十条中政府トアルハ中央食糧営団ニ付テハ農林大臣トシ地方食糧営団ニ付テハ地方長官トス
第二十条 農地開発法施行令第二章第一節及第二章第四節ノ規定ハ食糧営団ニ付之ヲ準用ス但シ同令第三十三条中農林大臣トアルハ地方食糧営団ニ付テハ地方長官トス
農地開発法施行令第二章第二節ノ規定ハ中央食糧営団ニ付之ヲ準用ス
第二十一条 食糧営団ノ登記ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
第二十二条 本令ハ昭和十七年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
第二十三条 食糧管理法第三条第二項ノ買入ノ価格及同法第四条第二項ノ売渡ノ価格ニシテ本令施行ノ際必要ナルモノハ米穀配給統制法第四条及価格等統制令第七条ノ規定ニ基キ定メタル米麦ノ政府ノ買入及売渡ノ価格ニ準拠シテ本令施行ノ日ニ農林大臣之ヲ定ム
第三条第五項及第四条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二十四条 小麦粉ハ昭和十八年十月三十一日迄ハ命令ノ定ムル所ニ依リ農林大臣ノ許可ヲ受クルニ非ザレバ之ヲ輸出若ハ移出又ハ輸入若ハ移入スルコトヲ得ズ但シ船用品、郵便物其ノ他命令ヲ以テ定ムルモノハ此ノ限ニ在ラズ
農林大臣必要アリト認ムルトキハ前項ノ規定ニ依リ許可ヲ受ケ小麦粉ノ輸出若ハ移出又ハ輸入若ハ移入ヲ為スコトヲ得ル者ノ範囲ヲ制限スルコトヲ得
第二十五条 粟及高粱ノ輸入税ハ昭和十七年十月三十一日迄之ヲ免除ス
第二十六条 左ニ掲グル勅令ハ之ヲ廃止ス
一 米穀統制法施行令
二 米穀自治管理法施行令
三 籾共同貯蔵助成法施行令
四 政府所有米穀特別処理法施行令
五 昭和八年勅令第三百二十三号
六 昭和十三年勅令第七百八十一号
七 昭和十六年勅令第八百六十三号
第二十七条 米穀統制法第六条ノ規定ニ依リ道府県ニ貸付シタル米穀ハ食糧管理法第七条第一項ノ規定ニ依リ之ヲ貸付シタルモノト看做ス
第二十八条 米穀統制法第七条ノ規定ニ依リ為シタル輸出又ハ輸入ノ許可ハ食糧管理法第十一条第一項ノ規定ニ依リ之ヲ為シタルモノト看做ス
食糧管理法第十一条第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ適用セズ
第二十九条 米穀統制組合、地方米穀統制組合連合会及米穀商統制組合ハ米穀自治管理法廃止ノ日ニ解散ス
前項ノ法人ハ解散ノ後ト雖モ清算ノ目的ノ範囲内ニ於テハ仍存続スルモノト看做ス
第一項ノ法人ノ清算ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十条 政府ノ出資ニ係ル日本米穀株式会社ノ株式ハ米穀配給統制法第二十四条第二項ノ規定ニ拘ラズ之ヲ政府出資特別会計ノ所属物件ト為スコトヲ得
第三十一条 食糧管理法第四十七条第二項ノ規定ニ依リ解散ヲ命ズルコトヲ得ル法人ハ日本米穀株式会社、全国製粉配給株式会社、全国米穀商業組合連合会、日本精麦工業組合連合会及日本製麺工業組合連合会トス
農林大臣ハ前項ノ法人ニ対シ其ノ指定スル日ニ於ケル財産目録、貸借対照表及株主名簿又ハ出資者名簿ノ提出ヲ命ズルモノトス
第三十二条 食糧管理法第四十七条第二項ノ規定ニ依リ解散ノ命令アリタル後ハ同項ノ命令ヲ受ケタル法人(以下受命法人ト称ス)ノ業務ヲ執行スル役員ハ農林大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ当該法人ノ常務ニ属セザル行為ヲ為スコトヲ得ズ
第三十三条 設立委員ハ左ニ掲グル事項ヲ記載シタル書面ヲ作成シ受命法人ノ株式又ハ出資ニ対スル中央食糧営団ノ出資ノ引当ニ付農林大臣ノ認可ヲ受クベシ
一 中央食糧営団ノ出資ヲ引当テラルベキ受命法人ノ株式又ハ出資ノ数及払込金額
二 第三十一条第二項ノ農林大臣ノ指定スル日ニ於ケル受命法人ノ財産ノ概況
三 受命法人ノ株式又ハ出資ニ中央食糧営団ノ出資ヲ引当ツル方法
四 受命法人ノ株式又ハ出資ニ中央食糧営団ノ出資ヲ引当ツル場合ニ於テ受命法人ノ株主又ハ出資者ニ支払ヲ為スベキ金額ヲ定メタルトキハ其ノ額
前項ノ認可アリタルトキハ設立委員ハ前項第三号第四号ニ掲グル事項ヲ公告スベシ
第三十四条 前条第一項ノ規定ニ依リ認可ヲ受ケタル方法ニ依ル引当ニ適セザル数ノ株式又ハ出資アルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ中央食糧営団ノ出資ヲ売却シ之ニ依リテ得タル金額ヨリ売却ニ要シタル費用ヲ控除シタル残余ノ金額ヲ受命法人ノ株主又ハ出資者ニ対シ其ノ株式又ハ出資ノ数ニ応ジテ交付スルコトヲ要ス
第三十五条 受命法人ノ株式又ハ出資ニ中央食糧営団ノ出資ヲ引当テタル場合ニ於テ従前ノ株式又ハ出資ヲ目的トスル質権ハ引当ニ因リテ受命法人ノ株主又ハ出資者ガ受クベキ金銭又ハ出資ノ上ニ存在ス
第三十六条 中央食糧営団ノ出資申込書ハ設立委員之ヲ作成シ之ニ左ノ事項ヲ記載スベシ
一 名称
二 目的
三 定款認可ノ年月日
四 主タル事務所ノ所在地
五 資本金額
六 出資一口ノ金額及其ノ払込ノ方法
七 第三十三条第一項各号ニ掲グル事項
八 公告ノ方法
第三十七条 農地開発法施行令第三十六条第一項及第三十七条乃至第四十三条ノ規定ハ中央食糧営団ノ設立ニ之ヲ準用ス
第三十八条 本令ニ規定スルモノノ外中央食糧営団ノ設立及受命法人ノ解散ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十九条 食糧管理法第五十一条ニ於テ準用スル同法第四十七条第二項ノ規定ニ依リ解散ヲ命ズルコトヲ得ル法人ハ米麦、小麦粉又ハ麺類ノ配給ニ関スル事業ヲ行フ道府県ヲ区域トスル商業組合又ハ商業組合連合会、精米、精麦、製粉又ハ製麺ニ関スル事業ヲ行フ道府県ヲ区域トスル工業組合又ハ工業組合連合会其ノ他食糧管理法第二十八条第一項ニ掲グル事業ト同種ノ事業ヲ行フ法人ニシテ地方長官ノ指定スルモノトス
第四十条 地方食糧営団ガ食糧管理法第五十一条ニ於テ準用スル同法第四十七条第三項ノ規定ニ依リ株式会社ノ社債ノ元利支払義務ヲ承継シタルトキハ其ノ債務ニ付テハ社債ニ関スル法令ヲ準用ス
前項ニ規定スルモノノ外同項ノ社債ノ元利支払義務ノ承継ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四十一条 第三十一条第二項及第三十二条乃至第三十八条ノ規定ハ地方食糧営団ニ付之ヲ準用ス但シ第三十一条第二項、第三十二条及第三十三条第一項並ニ第三十七条ニ於テ準用スル農地開発法施行令第三十七条第一項、第三十九条、第四十二条及第四十三条中農林大臣トアルハ地方長官トス
第四十二条 中央食糧配給事業評価委員会(以下中央委員会ト称ス)ハ農林大臣ノ監督ニ属シ食糧管理法第四十八条第二項ノ規定ニ依リ其ノ権限ニ属セシメタル事項ヲ調査審議ス
中央委員会ハ会長一人及委員二十人以内ヲ以テ之ヲ組織ス
会長及委員ハ関係各庁高等官及学識経験アル者ノ中ヨリ農林大臣之ヲ命ズ
会長ハ会務ヲ総理ス
会長事故アルトキハ農林大臣ノ指命スル委員其ノ職務ヲ代理ス
中央委員会ニ幹事及書記ヲ置ク農林大臣之ヲ命ズ
幹事ハ会長ノ指揮ヲ承ケ庶務ヲ整理シ書記ハ上司ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス
第四十三条 地方食糧配給事業評価委員会(以下地方委員会ト称ス)ハ地方長官ノ監督ニ属シ食糧管理法第五十一条ニ於テ準用スル同法第四十八条第二項ノ規定ニ依リ其ノ権限ニ属セシメタル事項ヲ調査審議ス
地方委員会ハ道府県ニ之ヲ置キ当該道府県ノ名ヲ冠ス
前条第二項乃至第七項ノ規定ハ地方委員会ニ之ヲ準用ス但シ同条第二項中二十人トアルハ十五人トシ同条第三項、第五項及第六項中農林大臣トアルハ地方長官トス