(都道府県の教育委員会の任務)
第十条 都道府県の教育委員会は、当該都道府県内の、義務教育諸学校において使用する教科用図書の採択の適正な実施を図るため、義務教育諸学校において使用する教科用図書の研究に関し、計画し、及び実施するとともに、市町村(市町村の組合を含む。以下この章において同じ。)の教育委員会並びに国立及び私立の義務教育諸学校の校長の行なう採択に関する事務について、適切な指導、助言又は援助を行なわなければならない。
(教科用図書選定審議会)
第十一条 都道府県の教育委員会は、前条の規定により指導、助言又は援助を行なおうとするときは、あらかじめ教科用図書選定審議会(以下「選定審議会」という。)の意見をきかなければならない。
2 選定審議会は、毎年度、政令で定める期間、都道府県に置く。
3 選定審議会は、二十人以内において条例で定める人数の委員で組織する。
(採択地区)
第十二条 都道府県の教育委員会は、当該都道府県の区域について、市若しくは郡の区域又はこれらの区域をあわせた地域に、教科用図書採択地区(以下この章において「採択地区」という。)を設定しなければならない。
2 都道府県の教育委員会は、採択地区を設定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ市町村の教育委員会の意見をきかなければならない。
3 都道府県の教育委員会は、採択地区を設定し、又は変更したときは、すみやかにこれを告示するとともに、文部大臣にその旨を報告しなければならない。
(教科用図書の採択)
第十三条 都道府県内の義務教育諸学校(都道府県立の義務教育諸学校を除く。)において使用する教科用図書の採択は、第十条の規定によつて当該都道府県の教育委員会が行なう指導、助言又は援助により、種目(教科用図書の教科ごとに分類された単位をいう。以下同じ。)ごとに一種の教科用図書について行なうものとする。
2 都道府県立の義務教育諸学校において使用する教科用図書の採択は、あらかじめ選定審議会の意見をきいて、種目ごとに一種の教科用図書について行なうものとする。
3 第一項の場合において、採択地区が二以上の市町村の区域をあわせた地域であるときは、当該採択地区内の市町村立の小学校及び中学校において使用する教科用図書については、当該採択地区内の市町村の教育委員会は、協議して種目ごとに同一の教科用図書を採択しなければならない。
4 前三項の採択は、教科書の発行に関する臨時措置法(昭和二十三年法律第百三十二号。以下「臨時措置法」という。)第六条第一項の規定により文部大臣から送付される目録に登載された教科用図書のうちから行なわなければならない。ただし、学校教育法第百七条に規定する教科用図書については、この限りでない。
(同一教科用図書を採択する期間)
第十四条 義務教育諸学校において使用する教科用図書については、政令で定めるところにより、政令で定める期間、毎年度、種目ごとに同一の教科用図書を採択するものとする。
(特別区に関する特例)
第十五条 都の教育委員会は、特別区の存する区域については、特別区の区域又はその区域をあわせた地域に、採択地区を設定しなければならない。
2 第十二条第二項及び第三項の規定は、都の教育委員会が行なう前項の採択地区の設定又は変更について準用する。この場合において、同条第二項中「市町村」とあるのは、「特別区」と読み替えるものとする。
3 都の教育委員会は、特別区の存する区域については、第一項の採択地区ごとに、当該採択地区内の特別区立の小学校及び中学校において使用する教科用図書として、種目ごとに一種の教科用図書を採択する。
4 第十三条第四項の規定は、前項の採択について準用する。
(指定都市に関する特例)
第十六条 指定都市(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市をいう。以下この条において同じ。)については、当該指定都市を包括する都道府県の教育委員会は、第十二条第一項の規定にかかわらず、指定都市の区の区域又はその区域をあわせた地域に、採択地区を設定しなければならない。
2 指定都市の教育委員会は、第十条の規定によつて都道府県の教育委員会が行なう指導、助言又は援助により、前項の採択地区ごとに、当該採択地区内の指定都市の設置する小学校及び中学校において使用する教科用図書として、種目ごとに一種の教科用図書を採択する。
3 第十三条第四項の規定は、前項の採択について準用する。
(政令への委任)
第十七条 この章に規定するもののほか、選定審議会の所掌事務、組織及び運営並びに採択地区の設定、採択の時期その他採択に関し必要な事項は、政令で定める。