就学困難な児童のための教科用図書の給与に対する国の補助に関する法律
法令番号: 法律第40号
公布年月日: 昭和31年3月30日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

小学校の就学率は高いものの、経済的困難により教科書を購入できず通学できない児童や、PTAなどの援助で通学している児童が少なくない。生活保護法による教育扶助制度があるが、なお就学困難な児童が存在する。特に教科書購入は特定時期にまとまった費用を要し、困窮家庭の負担となっている。義務教育の円滑な実施のため、市町村が就学困難な児童に教科書またはその購入費を給与する場合、国が予算の範囲内で補助を行うこととした。将来的には中学校への拡大も視野に入れつつ、まずは小学校のみを対象として制度を発足させることとした。

参照した発言:
第24回国会 衆議院 文教委員会 第5号

審議経過

第24回国会

衆議院
(昭和31年2月9日)
参議院
(昭和31年2月9日)
(昭和31年2月14日)
衆議院
(昭和31年2月21日)
(昭和31年3月3日)
(昭和31年3月6日)
参議院
(昭和31年3月29日)
(昭和31年3月30日)
衆議院
(昭和31年6月3日)
参議院
(昭和31年6月3日)
就学困難な児童のための教科用図書の給与に対する国の補助に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十一年三月三十日
内閣総理大臣 鳩山一郎
法律第四十号
就学困難な児童のための教科用図書の給与に対する国の補助に関する法律
(目的)
第一条 この法律は、経済的理由によつて就学困難な児童のため教科用図書の給与を行う地方公共団体に対し、国が必要な援助を与えることとし、もつて小学校における義務教育の円滑な実施に資することを目的とする。
(国の補助)
第二条 国は、市(特別区を含む。)町村が、その区域内に住所を有する学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第二十三条に規定する学齢児童の同法第二十二条第一項に規定する保護者で次の各号の一に該当するものに対して、同法第二十一条第一項の教科用図書又はその購入費を給与する場合には、予算の範囲内において、これに要する経費を補助する。
一 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第六条第二項に規定する要保護者(その学齢児童について、同法第十三条の規定による教育扶助が行われている場合の学校教育法第二十二条第一項に規定する保護者である者を除く。)
二 生活保護法第六条第二項に規定する要保護者に準ずる程度に困窮している者で政令で定めるもの
(補助の基準)
第三条 前条の規定により国が補助を行う場合の補助の基準については、政令で定める。
附 則
1 この法律は、昭和三十一年四月一日から施行し、昭和三十一年度において使用される教科用図書から適用する。
2 新たに入学する児童に対する教科用図書の給与に関する法律(昭和二十七年法律第三十二号)は、廃止する。
3 補助金等の臨時特例等に関する法律(昭和二十九年法律第百二十九号)の一部を次のように改正する。
第六条を次のように改める。
第六条 削除
附則第三項を削り、附則第四項から附則第六項までを順次一項ずつ繰り上げる。
附則第七項中「第五項」を「第四項」に改め、同項を附則第六項とし、以下順次一項ずつ繰り上げる。
内閣総理大臣 鳩山一郎
大蔵大臣 一万田尚登
文部大臣 清瀬一郎