朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル有限會社法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年四月四日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
司法大臣 鹽野季彥
法律第七十四號
有限會社法目次
第一章
總則
第二章
設立
第三章
社員ノ權利義務
第四章
會社ノ管理
第五章
定款ノ變更
第六章
合併及組織變更
第七章
解散
第八章
外國會社
第九章
罰則
第十章
雜則
附 則
有限會社法
第一章 總則
第一條 本法ニ於テ有限會社トハ商行爲其ノ他ノ營利行爲ヲ爲スヲ業トスル目的ヲ以テ本法ニ依リ設立シタル社團ヲ謂フ
有限會社ハ之ヲ法人トス
第二條 有限會社ハ商行爲ヲ爲スヲ業トセザルモ之ヲ商人ト看做ス
第三條 有限會社ノ商號中ニハ有限會社ナル文字ヲ用フルコトヲ要ス
有限會社ニ非ザル者ハ商號中ニ有限會社タルコトヲ示スベキ文字ヲ用フルコトヲ得ズ有限會社ノ營業ヲ讓受ケタルトキト雖モ亦同ジ
第四條 商法第五十四條第二項、第五十五條及第五十七條乃至第六十一條ノ規定ハ有限會社ニ之ヲ準用ス
第二章 設立
第五條 有限會社ヲ設立スルニハ定款ヲ作ルコトヲ要ス
商法第百六十七條ノ規定ハ有限會社ニ之ヲ準用ス
第六條 定款ニハ左ノ事項ヲ記載シ各社員之ニ署名スルコトヲ要ス
一 目的
二 商號
三 資本ノ總額
四 出資一口ノ金額
五 社員ノ氏名及住所
六 各社員ノ出資ノ口數
七 本店及支店ノ所在地
第七條 左ノ事項ハ之ヲ定款ニ記載スルニ非ザレバ其ノ效力ヲ有セズ
一 存立時期又ハ解散ノ事由
二 現物出資ヲ爲ス者ノ氏名、出資ノ目的タル財產、其ノ價格及之ニ對シテ與フル出資口數
三 會社ノ成立後ニ讓受クルコトヲ約シタル財產、其ノ價格及讓渡人ノ氏名
四 會社ノ負擔ニ歸スベキ設立費用
第八條 社員ノ總數ハ五十人ヲ超ユルコトヲ得ズ但シ特別ノ事情アル場合ニ於テ裁判所ノ認可ヲ得タルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ハ遺產相續又ハ遺贈ニ因リ社員ノ數ニ變更ヲ生ズル場合ニハ之ヲ適用セズ
第九條 資本ノ總額ハ一萬圓ヲ下ルコトヲ得ズ
第十條 出資一口ノ金額ハ均一トシ百圓ヲ下ルコトヲ得ズ
第十一條 定款ヲ以テ取締役ヲ定メザルトキハ會社成立前社員總會ヲ開キ之ヲ選任スルコトヲ要ス
前項ノ社員總會ハ各社員之ヲ招集スルコトヲ得
第十二條 取締役ハ社員ヲシテ出資全額ノ拂込又ハ現物出資ノ目的タル財產全部ノ給付ヲ爲サシムルコトヲ要ス
商法第百七十二條但書ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第十三條 有限會社ノ設立ノ登記ハ前條ノ拂込又ハ給付アリタル日ヨリ二週間內ニ之ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ登記ニ在リテハ左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
一 第六條第一號乃至第四號ニ揭グル事項
二 本店及支店
三 存立時期又ハ解散ノ事由ヲ定メタルトキハ其ノ時期又ハ事由
四 取締役ノ氏名及住所
五 取締役ニシテ會社ヲ代表セザル者アルトキハ會社ヲ代表スベキ者ノ氏名
六 數人ノ取締役ガ共同シ又ハ取締役ガ支配人ト共同シテ會社ヲ代表スベキコトヲ定メタルトキハ其ノ規定
七 監査役アルトキハ其ノ氏名及住所
商法第九條乃至第十五條、第六十四條第二項及第六十五條乃至第六十七條ノ規定ハ有限會社ニ之ヲ準用ス
第十四條 第七條第二號及第三號ノ財產ノ會社成立當時ニ於ケル實價ガ定款ニ定メタル價格ニ著シク不足スルトキハ會社成立當時ノ社員ハ會社ニ對シ連帶シテ其ノ不足額ヲ支拂フ義務ヲ負フ
第十五條 第十二條第一項ノ規定ニ依ル拂込又ハ給付ノ未濟ナル出資アルトキハ會社成立當時ノ取締役、監査役及社員ハ連帶シテ拂込ヲ爲シ又ハ給付未濟財產ノ價額ノ支拂ヲ爲ス義務ヲ負フ
第十六條 前二條ニ定ムル義務ハ會社成立ノ日ヨリ五年ヲ經過シタル後ニ非ザレバ之ヲ免除スルコトヲ得ズ
第三章 社員ノ權利義務
第十七條 社員ノ責任ハ本法ニ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外其ノ出資ノ金額ヲ限度トス
第十八條 各社員ハ其ノ出資ノ口數ニ應ジテ持分ヲ有ス
第十九條 社員ハ第四十八條ニ定ムル社員總會ノ決議アルトキニ限リ其ノ持分ノ全部又ハ一部ヲ他人ニ讓渡スコトヲ得但シ定款ヲ以テ讓渡ノ制限ヲ加重スルコトヲ妨ゲズ
讓渡ニ因リ社員ノ總數ガ第八條第一項ノ規定ニ依ル制限ヲ超ユル場合ニ於テハ遺贈ノ場合ヲ除クノ外其ノ讓渡ヲ無效トス
社員相互間ノ持分ノ讓渡ニ付テハ第一項ノ規定ニ拘ラズ定款ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
第二十條 持分ノ移轉ハ取得者ノ氏名及住所竝ニ移轉スル出資口數ヲ社員名簿ニ記載スルニ非ザレバ之ヲ以テ會社其ノ他ノ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第二十一條 有限會社ハ持分ニ付指圖式又ハ無記名式ノ證券ヲ發行スルコトヲ得ズ
第二十二條 商法第二百三條ノ規定ハ持分ガ數人ノ共有ニ屬スル場合ニ之ヲ準用ス
第二十三條 持分ハ之ヲ以テ質權ノ目的ト爲スコトヲ得
第十九條第一項及第二十條ノ規定ハ持分ノ質入ニ之ヲ準用ス
第二十四條 商法第二百八條第一項、第二百九條第一項第二項、第二百十條、第二百十一條及第二百十二條第一項ノ規定ハ社員ノ持分ニ之ヲ準用ス
商法第二百二十四條第一項及第二項ノ規定ハ社員ニ對スル通知又ハ催吿ニ之ヲ準用ス
第四章 會社ノ管理
第二十五條 有限會社ニハ一人又ハ數人ノ取締役ヲ置クコトヲ要ス
第二十六條 取締役數人アル場合ニ於テ定款ニ別段ノ定ナキトキハ會社ノ業務執行ハ取締役ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス支配人ノ選任及解任亦同ジ
第二十七條 取締役ハ會社ヲ代表ス
第二十八條 取締役ハ定款及社員總會ノ議事錄ヲ本店及支店ニ、社員名簿ヲ本店ニ備置クコトヲ要ス
社員名簿ニハ社員ノ氏名及住所竝ニ其ノ出資ノ口數ヲ記載スルコトヲ要ス
社員及會社ノ債權者ハ營業時間內何時ニテモ第一項ニ揭グル書類ノ閱覽ヲ求ムルコトヲ得
第二十九條 取締役ハ社員總會ノ認許アルニ非ザレバ自己若ハ第三者ノ爲ニ會社ノ營業ノ部類ニ屬スル取引ヲ爲シ又ハ同種ノ營業ヲ目的トスル他ノ會社ノ無限責任社員若ハ取締役ト爲ルコトヲ得ズ
取締役ガ前項ノ規定ニ違反シテ自己ノ爲ニ取引ヲ爲シタルトキハ社員總會ハ之ヲ以テ會社ノ爲ニ爲シタルモノト看做スコトヲ得
前項ニ定ムル權利ハ監査役アルトキハ監査役ノ一人、監査役ナキトキハ他ノ取締役ノ一人ガ其ノ取引ヲ知リタル時ヨリ二月間之ヲ行使セザルトキハ消滅ス取引ノ時ヨリ一年ヲ經過シタルトキ亦同ジ
第三十條 取締役ハ監査役アルトキハ其ノ承認、監査役ナキトキハ社員總會ノ認許ヲ得タルトキニ限リ自己又ハ第三者ノ爲ニ會社ト取引ヲ爲スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ民法第百八條ノ規定ヲ適用セズ
第三十一條 社員總會ニ於テ取締役ニ對シテ訴ヲ提起スルコトヲ否決シタル場合ニ於テ資本ノ十分ノ一以上ニ當ル出資口數ヲ有スル社員ガ訴ノ提起ヲ會社ニ請求シタルトキハ會社ハ請求ノ日ヨリ一月內ニ之ヲ提起スルコトヲ要ス
前項ノ規定ハ定款ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ妨ゲズ
第三十二條 商法第二百五十四條、第二百五十七條、第二百五十八條、第二百六十一條、第二百六十二條、第二百六十六條、第二百六十七條、第二百六十八條第二項乃至第五項及第二百六十九條乃至第二百七十二條ノ規定ハ取締役ニ之ヲ準用ス
第三十三條 有限會社ハ定款ニ依リ一人又ハ數人ノ監査役ヲ置クコトヲ得
第十一條ノ規定ハ定款ニ於テ監査役ヲ置クコトヲ定メタル場合ニ之ヲ準用ス
第三十四條 第三十一條竝ニ商法第二百五十四條、第二百五十七條、第二百五十八條、第二百六十六條、第二百六十七條、第二百六十八條第二項乃至第五項、第二百六十九條、第二百七十條、第二百七十二條及第二百七十四條乃至第二百七十八條ノ規定ハ監査役ニ之ヲ準用ス
第三十五條 社員總會ハ本法ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外取締役之ヲ招集ス
第三十六條 總會ヲ招集スルニハ會日ヨリ一週間前ニ各社員ニ對シテ其ノ通知ヲ發スルコトヲ要ス但シ此ノ期間ハ定款ヲ以テ之ヲ短縮スルコトヲ妨ゲズ
第三十七條 資本ノ十分ノ一以上ニ當ル出資口數ヲ有スル社員ハ會議ノ目的タル事項及招集ノ理由ヲ記載シタル書面ヲ取締役ニ提出シテ總會ノ招集ヲ請求スルコトヲ得
第三十一條第二項及商法第二百三十七條第二項第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三十八條 總會ハ總社員ノ同意アルトキハ招集ノ手續ヲ經ズシテ之ヲ開クコトヲ得
第三十九條 各社員ハ出資一口ニ付一個ノ議決權ヲ有ス但シ定款ヲ以テ議決權ノ數ニ付別段ノ定ヲ爲スコトヲ妨ゲズ
第四十條 有限會社ガ左ノ行爲ヲ爲スニハ第四十八條ニ定ムル決議ニ依ルコトヲ要ス
一 營業ノ全部又ハ一部ノ讓渡
二 營業全部ノ賃貸、其ノ經營ノ委任、他人ト營業上ノ損益全部ヲ共通ニスル契約其ノ他之ニ準ズル契約ノ締結、變更又ハ解約
三 他ノ會社ノ營業全部ノ讓受
四 取締役又ハ監査役ノ任務懈怠ニ因ル責任ノ免除
第三十一條ノ規定ハ前項第四號ノ決議アリタル場合ニ之ヲ準用ス
第一項ノ規定ハ有限會社ガ其ノ成立後二年內ニ其ノ成立前ヨリ存在スル財產ニシテ營業ノ爲ニ繼續シテ使用スベキモノヲ資本ノ二十分ノ一以上ニ當ル對價ヲ以テ取得スル契約ヲ爲ス場合ニ之ヲ準用ス
第四十一條 商法第二百三十四條乃至第二百三十六條、第二百三十八條、第二百三十九條第一項第三項第四項、第二百四十條、第二百四十一條第二項、第二百四十三條、第二百四十四條及第二百四十七條乃至第二百五十三條ノ規定ハ社員總會ニ之ヲ準用ス
第四十二條 總會ノ決議ヲ爲スベキ場合ニ於テ總社員ノ同意アルトキハ書面ニ依ル決議ヲ爲スコトヲ得
決議ノ目的タル事項ニ付總社員ガ書面ヲ以テ同意ヲ表シタルトキハ書面ニ依ル決議アリタルモノト看做ス
書面ニ依ル決議ハ總會ノ決議ト同一ノ效力ヲ有ス
總會ニ關スル規定ハ書面ニ依ル決議ニ之ヲ準用ス
第四十三條 取締役ハ每決算期ニ左ノ書類ヲ作ルコトヲ要ス
一 財產目錄
二 貸借對照表
三 營業報吿書
四 損益計算書
五 準備金及利益ノ配當ニ關スル議案
監査役アルトキハ取締役ハ定時總會ノ會日ヨリ二週間前ニ前項ノ書類ヲ監査役ニ提出スルコトヲ要ス
第四十四條 利益ノ配當ハ定款ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外出資ノ口數ニ應ジテ之ヲ爲ス
第四十五條 有限會社ノ業務ノ執行ニ關シ不正ノ行爲又ハ法令若ハ定款ニ違反スル重大ナル事實アルコトヲ疑フベキ事由アルトキハ資本ノ十分ノ一以上ニ當ル出資口數ヲ有スル社員ハ會社ノ業務及財產ノ狀況ヲ調査セシムル爲裁判所ニ檢査役ノ選任ヲ請求スルコトヲ得
檢査役ハ其ノ調査ノ結果ヲ裁判所ニ報吿スルコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ裁判所ハ監査役アルトキハ監査役、監査役ナキトキハ取締役ヲシテ社員總會ヲ招集セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ商法第百八十一條第二項及第百八十四條第二項ノ規定ヲ準用ス
第四十六條 商法第二百八十二條、第二百八十三條第一項、第二百八十四條乃至第二百八十六條、第二百八十八條第一項、第二百八十九條及第二百九十條ノ規定ハ有限會社ノ計算ニ之ヲ準用ス
商法第二百九十五條ノ規定ハ有限會社ト使用人トノ間ノ雇傭關係ニ基キ生ジタル債權ニ之ヲ準用ス
第五章 定款ノ變更
第四十七條 定款ノ變更ヲ爲スニハ社員總會ノ決議アルコトヲ要ス
第四十八條 前條ノ決議ハ總社員ノ半數以上ニシテ總社員ノ議決權ノ四分ノ三以上ヲ有スル者ノ同意ヲ以テ之ヲ爲ス
前項ノ規定ノ適用ニ付テハ議決權ヲ行使スルコトヲ得ザル社員ハ之ヲ總社員ノ數ニ、其ノ行使スルコトヲ得ザル議決權ハ之ヲ議決權ノ數ニ算入セズ
第四十九條 左ノ事項ハ定款ニ別段ノ定ナキトキト雖モ資本增加ノ決議ニ於テ之ヲ定ムルコトヲ得
一 現物出資ヲ爲ス者ノ氏名、出資ノ目的タル財產、其ノ價格及之ニ對シテ與フル出資口數
二 資本ノ增加後ニ讓受クルコトヲ約シタル財產、其ノ價格及讓渡人ノ氏名
三 增加スル資本ニ付出資ノ引受ヲ爲ス權利ヲ與フベキ者及其ノ權利ノ內容
第五十條 有限會社ガ特定ノ者ニ對シ將來其ノ資本ヲ增加スル場合ニ於テ出資ノ引受ヲ爲ス權利ヲ與フベキコトヲ約スルニハ第四十八條ニ定ムル決議ニ依ルコトヲ要ス
第五十一條 社員ハ增加スル資本ニ付其ノ持分ニ應ジテ出資ノ引受ヲ爲ス權利ヲ有ス但シ前二條ノ決議ニ依リ別段ノ定ヲ爲シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第五十二條 資本增加ノ場合ニ於テ出資ノ引受ヲ爲サントスル者ハ引受ヲ證スル書面ニ其ノ引受クベキ出資ノ口數及住所ヲ記載シ之ニ署名スルコトヲ要ス
有限會社ハ廣吿其ノ他ノ方法ニ依リ引受人ヲ公募スルコトヲ得ズ
第五十三條 有限會社ハ出資全額ノ拂込又ハ現物出資ノ目的タル財產ノ給付アリタル日ヨリ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間內ニ資本增加ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ登記ニ在リテハ左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
一 增加シタル資本ノ額
二 資本增加ノ決議ノ年月日
第五十四條 第四十九條第一號及第二號ノ財產ノ資本增加當時ニ於ケル實價ガ資本增加ノ決議ニ依リ定メタル價格ニ著シク不足スルトキハ其ノ決議ニ同意シタル社員ハ會社ニ對シ連帶シテ其ノ不足額ヲ支拂フ義務ヲ負フ
第五十五條 引受ナキ出資又ハ出資全額ノ拂込若ハ現物出資ノ目的タル財產ノ給付ノ未濟ナル出資アルトキハ取締役及監査役ハ連帶シテ其ノ引受ヲ爲シ又ハ拂込若ハ給付未濟財產ノ價額ノ支拂ヲ爲ス義務ヲ負フ
第五十六條 第十六條ノ規定ハ前二條ノ場合ニ之ヲ準用ス
第五十七條 第十二條及第四十條第三項竝ニ商法第二百條第二項、第三百五十二條、第三百五十八條第一項、第三百七十一條、第三百七十二條、第三百七十三條第一項及第三百七十四條ノ規定ハ資本增加ノ場合ニ之ヲ準用ス
第五十八條 商法第三百七十六條第一項第二項、第三百七十九條第一項第二項及第三百八十條ノ規定ハ資本減少ノ場合ニ之ヲ準用ス
第六章 合併及組織變更
第五十九條 有限會社ハ他ノ有限會社ト合併ヲ爲スコトヲ得但シ合併後存續スル會社又ハ合併ニ因リテ設立スル會社ハ有限會社ナルコトヲ要ス
會社ガ前項ノ規定ニ依リ合併ヲ爲スニハ第四十八條ニ定ムル決議アルコトヲ要ス
合併ニ因リテ會社ヲ設立スル場合ニ於テハ定款ノ作成其ノ他設立ニ關スル行爲ハ各會社ニ於テ選任シタル設立委員共同シテ之ヲ爲スコトヲ要ス
第四十八條ノ規定ハ前項ノ選任ニ之ヲ準用ス
第六十條 有限會社ハ株式會社ト合併ヲ爲スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ合併ヲ爲ス株式會社又ハ合併ニ因リテ設立スル株式會社ニ關シテハ商法ノ規定ニ從フコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テ合併後存續スル會社又ハ合併ニ因リテ設立スル會社ガ株式會社ナルトキハ合併ハ裁判所ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ有セズ
合併ヲ爲ス會社ノ一方ガ社債ノ償還ヲ完了セザル株式會社ナルトキハ合併後存續スル會社又ハ合併ニ因リテ設立スル會社ハ有限會社タルコトヲ得ズ
前條第二項乃至第四項ノ規定ハ第一項ノ規定ニ依ル合併ノ場合ニ之ヲ準用ス
第六十一條 前條第一項ノ場合ニ於テ合併後存續スル會社又ハ合併ニ因リテ設立スル會社ガ有限會社ナルトキハ商法第二百八條第一項ノ規定ハ從前ノ株式ヲ目的トスル質權ニ之ヲ準用ス
前項ノ場合ニ於テハ質權ノ目的タル持分ニ付出資口數竝ニ質權者ノ氏名及住所ヲ社員名簿ニ記載スルニ非ザレバ其ノ質權ヲ以テ會社其ノ他ノ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第六十二條 有限會社ガ合併ヲ爲シタルトキハ第六十三條ニ於テ準用スル商法第四百十二條又ハ第四百十三條ノ規定ニ依ル社員總會ノ終結ノ日ヨリ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間內ニ合併後存續スル有限會社ニ付テハ變更ノ登記、合併ニ因リテ消滅スル有限會社ニ付テハ解散ノ登記、合併ニ因リテ設立シタル有限會社ニ付テハ第十三條第二項ニ定ムル登記ヲ爲スコトヲ要ス
第六十三條 商法第九十八條第二項、第九十九條、第百條、第百二條乃至第百十一條、第三百七十九條第一項第二項、第四百八條乃至第四百十條、第四百十二條、第四百十三條及第四百十五條ノ規定ハ有限會社ニ之ヲ準用ス
第六十四條 株式會社ハ總株主ノ一致ニ依ル總會ノ決議ヲ以テ其ノ組織ヲ變更シテ之ヲ有限會社ト爲スコトヲ得但シ社債ノ償還ヲ完了セザル場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ組織變更ノ場合ニ於テハ會社ニ現存スル純財產額ヨリ多キ金額ヲ以テ資本ノ總額ト爲スコトヲ得ズ
第一項ノ決議ニ於テハ定款其ノ他組織ノ變更ニ必要ナル事項ヲ定ムルコトヲ要ス
第六十一條ノ規定ハ第一項ノ組織變更ノ場合ニ之ヲ準用ス
第六十五條 前條ノ組織變更ノ場合ニ於テ會社ニ現存スル純財產額ガ資本ノ總額ニ不足スルトキハ前條第一項ノ決議當時ノ取締役、監査役及株主ハ會社ニ對シ連帶シテ其ノ不足額ヲ支拂フ義務ヲ負フ
第十六條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第六十六條 株式會社ガ第六十四條ノ規定ニ依リ其ノ組織ヲ變更シタルトキハ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間內ニ株式會社ニ付テハ解散ノ登記、有限會社ニ付テハ第十三條第二項ニ定ムル登記ヲ爲スコトヲ要ス
第六十七條 有限會社ハ總社員ノ一致ニ依ル總會ノ決議ヲ以テ其ノ組織ヲ變更シテ之ヲ株式會社ト爲スコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ會社ニ現存スル純財產額ヨリ多キ金額ヲ以テ拂込ミタル株金額ト爲スコトヲ得ズ
第一項ノ組織變更ハ裁判所ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ有セズ
第六十一條第一項、第六十四條第三項、第六十五條及前條竝ニ商法第二百九條第三項ノ規定ハ第一項ノ組織變更ノ場合ニ之ヲ準用ス
第六十八條 商法第九十九條及第百條ノ規定ハ第六十四條及前條ノ組織變更ノ場合ニ之ヲ準用ス
第七章 解散
第六十九條 有限會社ハ左ノ事由ニ因リテ解散ス
一 存立時期ノ滿了其ノ他定款ニ定メタル事由ノ發生
二 社員總會ノ決議
三 會社ノ合併
四 營業全部ノ讓渡
五 社員ガ一人ト爲リタルコト
六 會社ノ破產
七 解散ヲ命ズル裁判
前項第二號ノ決議ハ第四十八條ノ規定ニ依ルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ
第七十條 前條第一項第一號又ハ第二號ノ場合ニ於テハ第四十八條ニ定ムル決議ニ依リテ會社ヲ繼續スルコトヲ得
前條第一項第五號ノ場合ニ於テハ新ニ社員ヲ加入セシメテ會社ヲ繼續スルコトヲ得
第七十一條 有限會社ハ本店ノ所在地ニ於テ解散ノ登記ヲ爲シタル後ト雖モ前條ノ規定ニ從ヒテ會社ヲ繼續スルコトヲ妨ゲズ此ノ場合ニ於テハ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間內ニ繼續ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第七十二條 有限會社ガ解散シタルトキハ合併及破產ノ場合ヲ除クノ外取締役其ノ淸算人ト爲ル但シ定款ニ別段ノ定アルトキ又ハ社員總會ニ於テ他人ヲ選任シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ニ依リテ淸算人タル者ナキトキハ裁判所ハ利害關係人ノ請求ニ依リ淸算人ヲ選任ス
第七十三條 殘餘財產ハ定款ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外出資ノ口數ニ應ジテ之ヲ社員ニ分配スルコトヲ要ス
第七十四條 淸算人ハ裁判所ノ選任シタルモノヲ除クノ外何時ニテモ社員總會ノ決議ニ依リ之ヲ解任スルコトヲ得
重要ナル事由アルトキハ裁判所ハ監査役又ハ社員ノ請求ニ依リ淸算人ヲ解任スルコトヲ得
第七十五條 商法第九十六條、第百十六條、第百二十二條乃至第百二十五條、第百二十八條、第百二十九條第二項第三項、第百三十一條、第百三十四條、第百四十條乃至第百四十二條、第四百十八條乃至第四百二十四條及第四百二十七條乃至第四百二十九條ノ規定ハ有限會社ニ之ヲ準用ス
第二十八條、第三十條、第三十一條、第三十五條及第四十條第一項第四號第二項竝ニ商法第二百三十六條乃至第二百三十八條、第二百四十四條第二項、第二百四十七條、第二百四十九條、第二百五十四條第二項、第二百五十八條、第二百六十一條、第二百六十六條、第二百六十七條、第二百六十八條第二項乃至第五項、第二百六十九條乃至第二百七十二條、第二百七十四條乃至第二百七十八條、第二百八十二條、第二百八十三條第一項及第二百八十四條ノ規定ハ淸算人ニ之ヲ準用ス
第八章 外國會社
第七十六條 商法第四百七十九條乃至第四百八十二條、第四百八十四條及第四百八十五條ノ規定ハ有限會社ト同種ノ又ハ之ニ類似スル外國會社ニ之ヲ準用ス
第九章 罰則
第七十七條 取締役、監査役又ハ第三十二條若ハ第三十四條ニ於テ準用スル商法第二百五十八條第二項、第二百七十條第一項若ハ第二百七十二條第一項ノ職務代行者若ハ支配人其ノ他營業ニ關スル或種類若ハ特定ノ事項ノ委任ヲ受ケタル使用人自己若ハ第三者ヲ利シ又ハ會社ヲ害センコトヲ圖リテ其ノ任務ニ背キ會社ニ財產上ノ損害ヲ加ヘタルトキハ五年以下ノ懲役又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第五十九條第三項若ハ第六十條第四項ノ設立委員、第六十條第一項ノ規定ニ依リ從フベキ商法第五十六條第三項ノ設立委員、淸算人又ハ第七十五條第二項ニ於テ準用スル商法第二百五十八條第二項、第二百七十條第一項若ハ第二百七十二條第一項ノ職務代行者前項ニ揭グル行爲ヲ爲シタルトキ亦前項ニ同ジ
前二項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第七十八條 前條第一項ニ揭グル者ハ左ノ場合ニ於テハ三年以下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 會社ノ設立又ハ資本增加ノ場合ニ於テ出資總口數ノ引受、出資ノ拂込若ハ現物出資ノ給付ニ付又ハ第七條第二號乃至第四號若ハ第四十九條第一號第二號ニ揭グル事項ニ付裁判所ニ對シ不實ノ申述ヲ爲シ又ハ事實ヲ隱蔽シタルトキ
二 何人ノ名義ヲ以テスルヲ問ハズ會社ノ計算ニ於テ不正ニ其ノ持分ヲ取得シ又ハ質權ノ目的トシテ之ヲ受ケタルトキ
三 法令又ハ定款ノ規定ニ違反シテ利益ノ配當ヲ爲シタルトキ
四 會社ノ營業ノ範圍外ニ於テ投機取引ノ爲ニ會社財產ヲ處分シタルトキ
有限會社ノ取締役、監査役若ハ第三十二條若ハ第三十四條ニ於テ準用スル商法第二百五十八條第二項、第二百七十條第一項若ハ第二百七十二條第一項ノ職務代行者又ハ株式會社ノ取締役、監査役若ハ商法第二百五十八條第二項、第二百七十條第一項、第二百七十二條第一項若ハ第二百八十條ノ職務代行者ガ第六十四條又ハ第六十七條ノ組織變更ノ場合ニ於テ第六十四條第二項又ハ第六十七條第二項ノ純財產額ニ付裁判所又ハ總會ニ對シ不實ノ申述ヲ爲シ又ハ事實ヲ隱蔽シタルトキ亦前項ニ同ジ
第七十九條 第七十七條第一項ニ揭グル者出資ノ拂込ヲ假裝スル爲預合ヲ爲シタルトキハ三年以下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス預合ニ應ジタル者亦同ジ
第八十條 前三條ノ罪ヲ犯シタル者ニハ情狀ニ因リ懲役及罰金ヲ併科スルコトヲ得
第八十一條 第七十七條第一項若ハ第二項ニ揭グル者又ハ檢査役其ノ職務ニ關シ不正ノ請託ヲ受ケ財產上ノ利益ヲ收受シ、要求シ又ハ約束シタルトキハ三年以下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ利益ヲ供與シ又ハ其ノ申込若ハ約束ヲ爲シタル者亦前項ニ同ジ
第八十二條 左ニ揭グル事項ニ關シ不正ノ請託ヲ受ケ財產上ノ利益ヲ收受シ、要求シ又ハ約束シタル者ハ一年以下ノ懲役又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 社員總會ニ於ケル發言若ハ議決權ノ行使、第四十二條第一項ノ規定ニ依ル議決權ノ行使又ハ同條第二項ノ規定ニ依ル同意ノ表示
二 本法ニ定ムル訴ノ提起又ハ資本ノ十分ノ一以上ニ當ル出資口數ヲ有スル社員ノ權利ノ行使
前項ノ利益ヲ供與シ又ハ其ノ申込若ハ約束ヲ爲シタル者亦前項ニ同ジ
第八十三條 第八十一條第一項又ハ前條第一項ノ場合ニ於テ犯人ノ收受シタル利益ハ之ヲ沒收ス其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追徵ス
第八十四條 第八十一條第二項又ハ第八十二條第二項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第八十五條 第七十七條第一項若ハ第二項ニ揭グル者、外國會社ノ代表者、檢査役又ハ支配人ハ左ノ場合ニ於テハ五千圓以下ノ過料ニ處ス但シ其ノ行爲ニ付刑ヲ科スベキトキハ此ノ限ニ在ラズ
一 本法ニ定ムル登記ヲ爲スコトヲ怠リタルトキ
二 本法ニ定ムル公吿若ハ通知ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公吿若ハ通知ヲ爲シタルトキ
三 本法ニ違反シ正當ノ事由ナクシテ書類ノ閱覽又ハ其ノ謄本若ハ抄本ノ交付ヲ拒ミタルトキ
四 本法ニ定ムル調査ヲ妨ゲタルトキ
五 官廳又ハ社員總會ニ對シ不實ノ申述ヲ爲シ又ハ事實ヲ隱蔽シタルトキ
六 第二十一條ノ規定ニ違反シテ持分ニ付指圖式又ハ無記名式ノ證券ヲ發行シタルトキ
七 第二十四條第一項ニ於テ準用スル商法第二百十一條ノ規定ニ違反シテ持分失效ノ手續又ハ持分若ハ質權ノ處分ヲ爲スコトヲ怠リタルトキ
八 第二十四條第一項ニ於テ準用スル商法第二百十二條第一項ノ規定ニ違反シテ出資ノ消却ヲ爲シタルトキ
九 定款ニ定ムル取締役又ハ監査役ノ員數ヲ缺クニ至リタル場合ニ於テ其ノ選任手續ヲ爲スコトヲ怠リタルトキ
十 定款、社員名簿、議事錄、財產目錄、貸借對照表、營業報吿書、事務報吿書、損益計算書、準備金及利益ノ配當ニ關スル議案、決算報吿書又ハ商法第三十二條第一項ノ帳簿ニ記載スベキ事項ヲ記載セズ又ハ不實ノ記載ヲ爲シタルトキ
十一 定款、社員名簿、議事錄、財產目錄、貸借對照表、營業報吿書、事務報吿書、損益計算書、準備金及利益ノ配當ニ關スル議案又ハ監査役ノ報吿書ヲ備置カザルトキ
十二 第四十一條ニ於テ準用スル商法第二百三十四條ノ規定又ハ第四十五條第三項ノ規定ニ依ル裁判所ノ命令ニ違反シテ社員總會ヲ招集セザルトキ
十三 第四十六條第一項ニ於テ準用スル商法第二百八十八條第一項又ハ第二百八十九條ノ規定ニ違反シテ準備金ヲ積立テズ又ハ之ヲ使用シタルトキ
十四 第五十二條第二項ノ規定ニ違反シテ出資ノ引受人ヲ公募シタルトキ
十五 第五十八條、第六十三條又ハ第六十八條ニ於テ準用スル商法第九十九條又ハ第百條ノ規定ニ違反シテ資本ノ減少、合併又ハ組織變更ヲ爲シタルトキ
十六 第七十五條第一項ニ於テ準用スル商法第百二十四條第三項ノ規定ニ違反シテ破產宣吿ノ請求ヲ爲スコトヲ怠リタルトキ
十七 第七十五條第一項ニ於テ準用スル商法第百三十一條ノ規定ニ違反シテ會社財產ヲ分配シタルトキ
十八 裁判所ノ選任シタル管理人又ハ淸算人ニ事務ノ引渡ヲ爲サザルトキ
十九 淸算ノ結了ヲ遲延セシムル目的ヲ以テ第七十五條第一項ニ於テ準用スル商法第四百二十一條第一項ノ期間ヲ不當ニ定メタルトキ
二十 第七十五條第一項ニ於テ準用スル商法第四百二十三條ノ規定ニ違反シテ債務ノ辨濟ヲ爲シタルトキ
二十一 第七十六條ニ於テ準用スル商法第四百八十四條第一項又ハ第二項ノ規定ニ依ル裁判所ノ命令ニ違反シタルトキ
株式會社ノ取締役、商法第二百五十八條第二項、第二百七十條第一項若ハ第二百七十二條第一項ノ職務代行者、淸算人又ハ同法第四百三十條第二項ニ於テ準用スル同法第二百五十八條第二項、第二百七十條第一項若ハ第二百七十二條第一項ノ職務代行者ガ第六十條第一項ノ規定ニ依リ從フベキ又ハ第六十八條ニ於テ準用スル商法第九十九條又ハ第百條ノ規定ニ違反シテ合併又ハ組織變更ヲ爲シタルトキ亦前項ニ同ジ
第八十六條 第三條第二項ノ規定ニ違反シタル者ハ千圓以下ノ過料ニ處ス
第十章 雜則
第八十七條 本法ニ依リ署名スベキ場合ニ於テハ記名捺印ヲ以テ署名ニ代フルコトヲ得
第八十八條 第五十八條、第六十三條若ハ第六十八條ニ於テ準用シ若ハ第六十條第一項ノ規定ニ依リ從フベキ商法第百條第一項ノ規定又ハ第七十五條第一項ニ於テ準用スル商法第四百二十一條第一項ノ規定ニ依リ爲スベキ公吿ハ裁判所ガ爲スベキ登記事項ノ公吿ト同一ノ方法ヲ以テ之ヲ爲スコトヲ要ス
第八十九條 有限會社ハ商法ヲ除クノ外他ノ法律ノ適用ニ付テハ之ヲ商法ノ會社ト看做ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル有限会社法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年四月四日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
司法大臣 塩野季彦
法律第七十四号
有限会社法目次
第一章
総則
第二章
設立
第三章
社員ノ権利義務
第四章
会社ノ管理
第五章
定款ノ変更
第六章
合併及組織変更
第七章
解散
第八章
外国会社
第九章
罰則
第十章
雑則
附 則
有限会社法
第一章 総則
第一条 本法ニ於テ有限会社トハ商行為其ノ他ノ営利行為ヲ為スヲ業トスル目的ヲ以テ本法ニ依リ設立シタル社団ヲ謂フ
有限会社ハ之ヲ法人トス
第二条 有限会社ハ商行為ヲ為スヲ業トセザルモ之ヲ商人ト看做ス
第三条 有限会社ノ商号中ニハ有限会社ナル文字ヲ用フルコトヲ要ス
有限会社ニ非ザル者ハ商号中ニ有限会社タルコトヲ示スベキ文字ヲ用フルコトヲ得ズ有限会社ノ営業ヲ譲受ケタルトキト雖モ亦同ジ
第四条 商法第五十四条第二項、第五十五条及第五十七条乃至第六十一条ノ規定ハ有限会社ニ之ヲ準用ス
第二章 設立
第五条 有限会社ヲ設立スルニハ定款ヲ作ルコトヲ要ス
商法第百六十七条ノ規定ハ有限会社ニ之ヲ準用ス
第六条 定款ニハ左ノ事項ヲ記載シ各社員之ニ署名スルコトヲ要ス
一 目的
二 商号
三 資本ノ総額
四 出資一口ノ金額
五 社員ノ氏名及住所
六 各社員ノ出資ノ口数
七 本店及支店ノ所在地
第七条 左ノ事項ハ之ヲ定款ニ記載スルニ非ザレバ其ノ効力ヲ有セズ
一 存立時期又ハ解散ノ事由
二 現物出資ヲ為ス者ノ氏名、出資ノ目的タル財産、其ノ価格及之ニ対シテ与フル出資口数
三 会社ノ成立後ニ譲受クルコトヲ約シタル財産、其ノ価格及譲渡人ノ氏名
四 会社ノ負担ニ帰スベキ設立費用
第八条 社員ノ総数ハ五十人ヲ超ユルコトヲ得ズ但シ特別ノ事情アル場合ニ於テ裁判所ノ認可ヲ得タルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ハ遺産相続又ハ遺贈ニ因リ社員ノ数ニ変更ヲ生ズル場合ニハ之ヲ適用セズ
第九条 資本ノ総額ハ一万円ヲ下ルコトヲ得ズ
第十条 出資一口ノ金額ハ均一トシ百円ヲ下ルコトヲ得ズ
第十一条 定款ヲ以テ取締役ヲ定メザルトキハ会社成立前社員総会ヲ開キ之ヲ選任スルコトヲ要ス
前項ノ社員総会ハ各社員之ヲ招集スルコトヲ得
第十二条 取締役ハ社員ヲシテ出資全額ノ払込又ハ現物出資ノ目的タル財産全部ノ給付ヲ為サシムルコトヲ要ス
商法第百七十二条但書ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第十三条 有限会社ノ設立ノ登記ハ前条ノ払込又ハ給付アリタル日ヨリ二週間内ニ之ヲ為スコトヲ要ス
前項ノ登記ニ在リテハ左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
一 第六条第一号乃至第四号ニ掲グル事項
二 本店及支店
三 存立時期又ハ解散ノ事由ヲ定メタルトキハ其ノ時期又ハ事由
四 取締役ノ氏名及住所
五 取締役ニシテ会社ヲ代表セザル者アルトキハ会社ヲ代表スベキ者ノ氏名
六 数人ノ取締役ガ共同シ又ハ取締役ガ支配人ト共同シテ会社ヲ代表スベキコトヲ定メタルトキハ其ノ規定
七 監査役アルトキハ其ノ氏名及住所
商法第九条乃至第十五条、第六十四条第二項及第六十五条乃至第六十七条ノ規定ハ有限会社ニ之ヲ準用ス
第十四条 第七条第二号及第三号ノ財産ノ会社成立当時ニ於ケル実価ガ定款ニ定メタル価格ニ著シク不足スルトキハ会社成立当時ノ社員ハ会社ニ対シ連帯シテ其ノ不足額ヲ支払フ義務ヲ負フ
第十五条 第十二条第一項ノ規定ニ依ル払込又ハ給付ノ未済ナル出資アルトキハ会社成立当時ノ取締役、監査役及社員ハ連帯シテ払込ヲ為シ又ハ給付未済財産ノ価額ノ支払ヲ為ス義務ヲ負フ
第十六条 前二条ニ定ムル義務ハ会社成立ノ日ヨリ五年ヲ経過シタル後ニ非ザレバ之ヲ免除スルコトヲ得ズ
第三章 社員ノ権利義務
第十七条 社員ノ責任ハ本法ニ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外其ノ出資ノ金額ヲ限度トス
第十八条 各社員ハ其ノ出資ノ口数ニ応ジテ持分ヲ有ス
第十九条 社員ハ第四十八条ニ定ムル社員総会ノ決議アルトキニ限リ其ノ持分ノ全部又ハ一部ヲ他人ニ譲渡スコトヲ得但シ定款ヲ以テ譲渡ノ制限ヲ加重スルコトヲ妨ゲズ
譲渡ニ因リ社員ノ総数ガ第八条第一項ノ規定ニ依ル制限ヲ超ユル場合ニ於テハ遺贈ノ場合ヲ除クノ外其ノ譲渡ヲ無効トス
社員相互間ノ持分ノ譲渡ニ付テハ第一項ノ規定ニ拘ラズ定款ヲ以テ別段ノ定ヲ為スコトヲ得
第二十条 持分ノ移転ハ取得者ノ氏名及住所並ニ移転スル出資口数ヲ社員名簿ニ記載スルニ非ザレバ之ヲ以テ会社其ノ他ノ第三者ニ対抗スルコトヲ得ズ
第二十一条 有限会社ハ持分ニ付指図式又ハ無記名式ノ証券ヲ発行スルコトヲ得ズ
第二十二条 商法第二百三条ノ規定ハ持分ガ数人ノ共有ニ属スル場合ニ之ヲ準用ス
第二十三条 持分ハ之ヲ以テ質権ノ目的ト為スコトヲ得
第十九条第一項及第二十条ノ規定ハ持分ノ質入ニ之ヲ準用ス
第二十四条 商法第二百八条第一項、第二百九条第一項第二項、第二百十条、第二百十一条及第二百十二条第一項ノ規定ハ社員ノ持分ニ之ヲ準用ス
商法第二百二十四条第一項及第二項ノ規定ハ社員ニ対スル通知又ハ催告ニ之ヲ準用ス
第四章 会社ノ管理
第二十五条 有限会社ニハ一人又ハ数人ノ取締役ヲ置クコトヲ要ス
第二十六条 取締役数人アル場合ニ於テ定款ニ別段ノ定ナキトキハ会社ノ業務執行ハ取締役ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス支配人ノ選任及解任亦同ジ
第二十七条 取締役ハ会社ヲ代表ス
第二十八条 取締役ハ定款及社員総会ノ議事録ヲ本店及支店ニ、社員名簿ヲ本店ニ備置クコトヲ要ス
社員名簿ニハ社員ノ氏名及住所並ニ其ノ出資ノ口数ヲ記載スルコトヲ要ス
社員及会社ノ債権者ハ営業時間内何時ニテモ第一項ニ掲グル書類ノ閲覧ヲ求ムルコトヲ得
第二十九条 取締役ハ社員総会ノ認許アルニ非ザレバ自己若ハ第三者ノ為ニ会社ノ営業ノ部類ニ属スル取引ヲ為シ又ハ同種ノ営業ヲ目的トスル他ノ会社ノ無限責任社員若ハ取締役ト為ルコトヲ得ズ
取締役ガ前項ノ規定ニ違反シテ自己ノ為ニ取引ヲ為シタルトキハ社員総会ハ之ヲ以テ会社ノ為ニ為シタルモノト看做スコトヲ得
前項ニ定ムル権利ハ監査役アルトキハ監査役ノ一人、監査役ナキトキハ他ノ取締役ノ一人ガ其ノ取引ヲ知リタル時ヨリ二月間之ヲ行使セザルトキハ消滅ス取引ノ時ヨリ一年ヲ経過シタルトキ亦同ジ
第三十条 取締役ハ監査役アルトキハ其ノ承認、監査役ナキトキハ社員総会ノ認許ヲ得タルトキニ限リ自己又ハ第三者ノ為ニ会社ト取引ヲ為スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ民法第百八条ノ規定ヲ適用セズ
第三十一条 社員総会ニ於テ取締役ニ対シテ訴ヲ提起スルコトヲ否決シタル場合ニ於テ資本ノ十分ノ一以上ニ当ル出資口数ヲ有スル社員ガ訴ノ提起ヲ会社ニ請求シタルトキハ会社ハ請求ノ日ヨリ一月内ニ之ヲ提起スルコトヲ要ス
前項ノ規定ハ定款ヲ以テ別段ノ定ヲ為スコトヲ妨ゲズ
第三十二条 商法第二百五十四条、第二百五十七条、第二百五十八条、第二百六十一条、第二百六十二条、第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十八条第二項乃至第五項及第二百六十九条乃至第二百七十二条ノ規定ハ取締役ニ之ヲ準用ス
第三十三条 有限会社ハ定款ニ依リ一人又ハ数人ノ監査役ヲ置クコトヲ得
第十一条ノ規定ハ定款ニ於テ監査役ヲ置クコトヲ定メタル場合ニ之ヲ準用ス
第三十四条 第三十一条並ニ商法第二百五十四条、第二百五十七条、第二百五十八条、第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十八条第二項乃至第五項、第二百六十九条、第二百七十条、第二百七十二条及第二百七十四条乃至第二百七十八条ノ規定ハ監査役ニ之ヲ準用ス
第三十五条 社員総会ハ本法ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外取締役之ヲ招集ス
第三十六条 総会ヲ招集スルニハ会日ヨリ一週間前ニ各社員ニ対シテ其ノ通知ヲ発スルコトヲ要ス但シ此ノ期間ハ定款ヲ以テ之ヲ短縮スルコトヲ妨ゲズ
第三十七条 資本ノ十分ノ一以上ニ当ル出資口数ヲ有スル社員ハ会議ノ目的タル事項及招集ノ理由ヲ記載シタル書面ヲ取締役ニ提出シテ総会ノ招集ヲ請求スルコトヲ得
第三十一条第二項及商法第二百三十七条第二項第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三十八条 総会ハ総社員ノ同意アルトキハ招集ノ手続ヲ経ズシテ之ヲ開クコトヲ得
第三十九条 各社員ハ出資一口ニ付一個ノ議決権ヲ有ス但シ定款ヲ以テ議決権ノ数ニ付別段ノ定ヲ為スコトヲ妨ゲズ
第四十条 有限会社ガ左ノ行為ヲ為スニハ第四十八条ニ定ムル決議ニ依ルコトヲ要ス
一 営業ノ全部又ハ一部ノ譲渡
二 営業全部ノ賃貸、其ノ経営ノ委任、他人ト営業上ノ損益全部ヲ共通ニスル契約其ノ他之ニ準ズル契約ノ締結、変更又ハ解約
三 他ノ会社ノ営業全部ノ譲受
四 取締役又ハ監査役ノ任務懈怠ニ因ル責任ノ免除
第三十一条ノ規定ハ前項第四号ノ決議アリタル場合ニ之ヲ準用ス
第一項ノ規定ハ有限会社ガ其ノ成立後二年内ニ其ノ成立前ヨリ存在スル財産ニシテ営業ノ為ニ継続シテ使用スベキモノヲ資本ノ二十分ノ一以上ニ当ル対価ヲ以テ取得スル契約ヲ為ス場合ニ之ヲ準用ス
第四十一条 商法第二百三十四条乃至第二百三十六条、第二百三十八条、第二百三十九条第一項第三項第四項、第二百四十条、第二百四十一条第二項、第二百四十三条、第二百四十四条及第二百四十七条乃至第二百五十三条ノ規定ハ社員総会ニ之ヲ準用ス
第四十二条 総会ノ決議ヲ為スベキ場合ニ於テ総社員ノ同意アルトキハ書面ニ依ル決議ヲ為スコトヲ得
決議ノ目的タル事項ニ付総社員ガ書面ヲ以テ同意ヲ表シタルトキハ書面ニ依ル決議アリタルモノト看做ス
書面ニ依ル決議ハ総会ノ決議ト同一ノ効力ヲ有ス
総会ニ関スル規定ハ書面ニ依ル決議ニ之ヲ準用ス
第四十三条 取締役ハ毎決算期ニ左ノ書類ヲ作ルコトヲ要ス
一 財産目録
二 貸借対照表
三 営業報告書
四 損益計算書
五 準備金及利益ノ配当ニ関スル議案
監査役アルトキハ取締役ハ定時総会ノ会日ヨリ二週間前ニ前項ノ書類ヲ監査役ニ提出スルコトヲ要ス
第四十四条 利益ノ配当ハ定款ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外出資ノ口数ニ応ジテ之ヲ為ス
第四十五条 有限会社ノ業務ノ執行ニ関シ不正ノ行為又ハ法令若ハ定款ニ違反スル重大ナル事実アルコトヲ疑フベキ事由アルトキハ資本ノ十分ノ一以上ニ当ル出資口数ヲ有スル社員ハ会社ノ業務及財産ノ状況ヲ調査セシムル為裁判所ニ検査役ノ選任ヲ請求スルコトヲ得
検査役ハ其ノ調査ノ結果ヲ裁判所ニ報告スルコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ裁判所ハ監査役アルトキハ監査役、監査役ナキトキハ取締役ヲシテ社員総会ヲ招集セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ商法第百八十一条第二項及第百八十四条第二項ノ規定ヲ準用ス
第四十六条 商法第二百八十二条、第二百八十三条第一項、第二百八十四条乃至第二百八十六条、第二百八十八条第一項、第二百八十九条及第二百九十条ノ規定ハ有限会社ノ計算ニ之ヲ準用ス
商法第二百九十五条ノ規定ハ有限会社ト使用人トノ間ノ雇傭関係ニ基キ生ジタル債権ニ之ヲ準用ス
第五章 定款ノ変更
第四十七条 定款ノ変更ヲ為スニハ社員総会ノ決議アルコトヲ要ス
第四十八条 前条ノ決議ハ総社員ノ半数以上ニシテ総社員ノ議決権ノ四分ノ三以上ヲ有スル者ノ同意ヲ以テ之ヲ為ス
前項ノ規定ノ適用ニ付テハ議決権ヲ行使スルコトヲ得ザル社員ハ之ヲ総社員ノ数ニ、其ノ行使スルコトヲ得ザル議決権ハ之ヲ議決権ノ数ニ算入セズ
第四十九条 左ノ事項ハ定款ニ別段ノ定ナキトキト雖モ資本増加ノ決議ニ於テ之ヲ定ムルコトヲ得
一 現物出資ヲ為ス者ノ氏名、出資ノ目的タル財産、其ノ価格及之ニ対シテ与フル出資口数
二 資本ノ増加後ニ譲受クルコトヲ約シタル財産、其ノ価格及譲渡人ノ氏名
三 増加スル資本ニ付出資ノ引受ヲ為ス権利ヲ与フベキ者及其ノ権利ノ内容
第五十条 有限会社ガ特定ノ者ニ対シ将来其ノ資本ヲ増加スル場合ニ於テ出資ノ引受ヲ為ス権利ヲ与フベキコトヲ約スルニハ第四十八条ニ定ムル決議ニ依ルコトヲ要ス
第五十一条 社員ハ増加スル資本ニ付其ノ持分ニ応ジテ出資ノ引受ヲ為ス権利ヲ有ス但シ前二条ノ決議ニ依リ別段ノ定ヲ為シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第五十二条 資本増加ノ場合ニ於テ出資ノ引受ヲ為サントスル者ハ引受ヲ証スル書面ニ其ノ引受クベキ出資ノ口数及住所ヲ記載シ之ニ署名スルコトヲ要ス
有限会社ハ広告其ノ他ノ方法ニ依リ引受人ヲ公募スルコトヲ得ズ
第五十三条 有限会社ハ出資全額ノ払込又ハ現物出資ノ目的タル財産ノ給付アリタル日ヨリ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間内ニ資本増加ノ登記ヲ為スコトヲ要ス
前項ノ登記ニ在リテハ左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
一 増加シタル資本ノ額
二 資本増加ノ決議ノ年月日
第五十四条 第四十九条第一号及第二号ノ財産ノ資本増加当時ニ於ケル実価ガ資本増加ノ決議ニ依リ定メタル価格ニ著シク不足スルトキハ其ノ決議ニ同意シタル社員ハ会社ニ対シ連帯シテ其ノ不足額ヲ支払フ義務ヲ負フ
第五十五条 引受ナキ出資又ハ出資全額ノ払込若ハ現物出資ノ目的タル財産ノ給付ノ未済ナル出資アルトキハ取締役及監査役ハ連帯シテ其ノ引受ヲ為シ又ハ払込若ハ給付未済財産ノ価額ノ支払ヲ為ス義務ヲ負フ
第五十六条 第十六条ノ規定ハ前二条ノ場合ニ之ヲ準用ス
第五十七条 第十二条及第四十条第三項並ニ商法第二百条第二項、第三百五十二条、第三百五十八条第一項、第三百七十一条、第三百七十二条、第三百七十三条第一項及第三百七十四条ノ規定ハ資本増加ノ場合ニ之ヲ準用ス
第五十八条 商法第三百七十六条第一項第二項、第三百七十九条第一項第二項及第三百八十条ノ規定ハ資本減少ノ場合ニ之ヲ準用ス
第六章 合併及組織変更
第五十九条 有限会社ハ他ノ有限会社ト合併ヲ為スコトヲ得但シ合併後存続スル会社又ハ合併ニ因リテ設立スル会社ハ有限会社ナルコトヲ要ス
会社ガ前項ノ規定ニ依リ合併ヲ為スニハ第四十八条ニ定ムル決議アルコトヲ要ス
合併ニ因リテ会社ヲ設立スル場合ニ於テハ定款ノ作成其ノ他設立ニ関スル行為ハ各会社ニ於テ選任シタル設立委員共同シテ之ヲ為スコトヲ要ス
第四十八条ノ規定ハ前項ノ選任ニ之ヲ準用ス
第六十条 有限会社ハ株式会社ト合併ヲ為スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ合併ヲ為ス株式会社又ハ合併ニ因リテ設立スル株式会社ニ関シテハ商法ノ規定ニ従フコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テ合併後存続スル会社又ハ合併ニ因リテ設立スル会社ガ株式会社ナルトキハ合併ハ裁判所ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ有セズ
合併ヲ為ス会社ノ一方ガ社債ノ償還ヲ完了セザル株式会社ナルトキハ合併後存続スル会社又ハ合併ニ因リテ設立スル会社ハ有限会社タルコトヲ得ズ
前条第二項乃至第四項ノ規定ハ第一項ノ規定ニ依ル合併ノ場合ニ之ヲ準用ス
第六十一条 前条第一項ノ場合ニ於テ合併後存続スル会社又ハ合併ニ因リテ設立スル会社ガ有限会社ナルトキハ商法第二百八条第一項ノ規定ハ従前ノ株式ヲ目的トスル質権ニ之ヲ準用ス
前項ノ場合ニ於テハ質権ノ目的タル持分ニ付出資口数並ニ質権者ノ氏名及住所ヲ社員名簿ニ記載スルニ非ザレバ其ノ質権ヲ以テ会社其ノ他ノ第三者ニ対抗スルコトヲ得ズ
第六十二条 有限会社ガ合併ヲ為シタルトキハ第六十三条ニ於テ準用スル商法第四百十二条又ハ第四百十三条ノ規定ニ依ル社員総会ノ終結ノ日ヨリ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間内ニ合併後存続スル有限会社ニ付テハ変更ノ登記、合併ニ因リテ消滅スル有限会社ニ付テハ解散ノ登記、合併ニ因リテ設立シタル有限会社ニ付テハ第十三条第二項ニ定ムル登記ヲ為スコトヲ要ス
第六十三条 商法第九十八条第二項、第九十九条、第百条、第百二条乃至第百十一条、第三百七十九条第一項第二項、第四百八条乃至第四百十条、第四百十二条、第四百十三条及第四百十五条ノ規定ハ有限会社ニ之ヲ準用ス
第六十四条 株式会社ハ総株主ノ一致ニ依ル総会ノ決議ヲ以テ其ノ組織ヲ変更シテ之ヲ有限会社ト為スコトヲ得但シ社債ノ償還ヲ完了セザル場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ組織変更ノ場合ニ於テハ会社ニ現存スル純財産額ヨリ多キ金額ヲ以テ資本ノ総額ト為スコトヲ得ズ
第一項ノ決議ニ於テハ定款其ノ他組織ノ変更ニ必要ナル事項ヲ定ムルコトヲ要ス
第六十一条ノ規定ハ第一項ノ組織変更ノ場合ニ之ヲ準用ス
第六十五条 前条ノ組織変更ノ場合ニ於テ会社ニ現存スル純財産額ガ資本ノ総額ニ不足スルトキハ前条第一項ノ決議当時ノ取締役、監査役及株主ハ会社ニ対シ連帯シテ其ノ不足額ヲ支払フ義務ヲ負フ
第十六条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第六十六条 株式会社ガ第六十四条ノ規定ニ依リ其ノ組織ヲ変更シタルトキハ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間内ニ株式会社ニ付テハ解散ノ登記、有限会社ニ付テハ第十三条第二項ニ定ムル登記ヲ為スコトヲ要ス
第六十七条 有限会社ハ総社員ノ一致ニ依ル総会ノ決議ヲ以テ其ノ組織ヲ変更シテ之ヲ株式会社ト為スコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ会社ニ現存スル純財産額ヨリ多キ金額ヲ以テ払込ミタル株金額ト為スコトヲ得ズ
第一項ノ組織変更ハ裁判所ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ有セズ
第六十一条第一項、第六十四条第三項、第六十五条及前条並ニ商法第二百九条第三項ノ規定ハ第一項ノ組織変更ノ場合ニ之ヲ準用ス
第六十八条 商法第九十九条及第百条ノ規定ハ第六十四条及前条ノ組織変更ノ場合ニ之ヲ準用ス
第七章 解散
第六十九条 有限会社ハ左ノ事由ニ因リテ解散ス
一 存立時期ノ満了其ノ他定款ニ定メタル事由ノ発生
二 社員総会ノ決議
三 会社ノ合併
四 営業全部ノ譲渡
五 社員ガ一人ト為リタルコト
六 会社ノ破産
七 解散ヲ命ズル裁判
前項第二号ノ決議ハ第四十八条ノ規定ニ依ルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ
第七十条 前条第一項第一号又ハ第二号ノ場合ニ於テハ第四十八条ニ定ムル決議ニ依リテ会社ヲ継続スルコトヲ得
前条第一項第五号ノ場合ニ於テハ新ニ社員ヲ加入セシメテ会社ヲ継続スルコトヲ得
第七十一条 有限会社ハ本店ノ所在地ニ於テ解散ノ登記ヲ為シタル後ト雖モ前条ノ規定ニ従ヒテ会社ヲ継続スルコトヲ妨ゲズ此ノ場合ニ於テハ本店ノ所在地ニ於テハ二週間、支店ノ所在地ニ於テハ三週間内ニ継続ノ登記ヲ為スコトヲ要ス
第七十二条 有限会社ガ解散シタルトキハ合併及破産ノ場合ヲ除クノ外取締役其ノ清算人ト為ル但シ定款ニ別段ノ定アルトキ又ハ社員総会ニ於テ他人ヲ選任シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ニ依リテ清算人タル者ナキトキハ裁判所ハ利害関係人ノ請求ニ依リ清算人ヲ選任ス
第七十三条 残余財産ハ定款ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外出資ノ口数ニ応ジテ之ヲ社員ニ分配スルコトヲ要ス
第七十四条 清算人ハ裁判所ノ選任シタルモノヲ除クノ外何時ニテモ社員総会ノ決議ニ依リ之ヲ解任スルコトヲ得
重要ナル事由アルトキハ裁判所ハ監査役又ハ社員ノ請求ニ依リ清算人ヲ解任スルコトヲ得
第七十五条 商法第九十六条、第百十六条、第百二十二条乃至第百二十五条、第百二十八条、第百二十九条第二項第三項、第百三十一条、第百三十四条、第百四十条乃至第百四十二条、第四百十八条乃至第四百二十四条及第四百二十七条乃至第四百二十九条ノ規定ハ有限会社ニ之ヲ準用ス
第二十八条、第三十条、第三十一条、第三十五条及第四十条第一項第四号第二項並ニ商法第二百三十六条乃至第二百三十八条、第二百四十四条第二項、第二百四十七条、第二百四十九条、第二百五十四条第二項、第二百五十八条、第二百六十一条、第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十八条第二項乃至第五項、第二百六十九条乃至第二百七十二条、第二百七十四条乃至第二百七十八条、第二百八十二条、第二百八十三条第一項及第二百八十四条ノ規定ハ清算人ニ之ヲ準用ス
第八章 外国会社
第七十六条 商法第四百七十九条乃至第四百八十二条、第四百八十四条及第四百八十五条ノ規定ハ有限会社ト同種ノ又ハ之ニ類似スル外国会社ニ之ヲ準用ス
第九章 罰則
第七十七条 取締役、監査役又ハ第三十二条若ハ第三十四条ニ於テ準用スル商法第二百五十八条第二項、第二百七十条第一項若ハ第二百七十二条第一項ノ職務代行者若ハ支配人其ノ他営業ニ関スル或種類若ハ特定ノ事項ノ委任ヲ受ケタル使用人自己若ハ第三者ヲ利シ又ハ会社ヲ害センコトヲ図リテ其ノ任務ニ背キ会社ニ財産上ノ損害ヲ加ヘタルトキハ五年以下ノ懲役又ハ五千円以下ノ罰金ニ処ス
第五十九条第三項若ハ第六十条第四項ノ設立委員、第六十条第一項ノ規定ニ依リ従フベキ商法第五十六条第三項ノ設立委員、清算人又ハ第七十五条第二項ニ於テ準用スル商法第二百五十八条第二項、第二百七十条第一項若ハ第二百七十二条第一項ノ職務代行者前項ニ掲グル行為ヲ為シタルトキ亦前項ニ同ジ
前二項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第七十八条 前条第一項ニ掲グル者ハ左ノ場合ニ於テハ三年以下ノ懲役又ハ三千円以下ノ罰金ニ処ス
一 会社ノ設立又ハ資本増加ノ場合ニ於テ出資総口数ノ引受、出資ノ払込若ハ現物出資ノ給付ニ付又ハ第七条第二号乃至第四号若ハ第四十九条第一号第二号ニ掲グル事項ニ付裁判所ニ対シ不実ノ申述ヲ為シ又ハ事実ヲ隠蔽シタルトキ
二 何人ノ名義ヲ以テスルヲ問ハズ会社ノ計算ニ於テ不正ニ其ノ持分ヲ取得シ又ハ質権ノ目的トシテ之ヲ受ケタルトキ
三 法令又ハ定款ノ規定ニ違反シテ利益ノ配当ヲ為シタルトキ
四 会社ノ営業ノ範囲外ニ於テ投機取引ノ為ニ会社財産ヲ処分シタルトキ
有限会社ノ取締役、監査役若ハ第三十二条若ハ第三十四条ニ於テ準用スル商法第二百五十八条第二項、第二百七十条第一項若ハ第二百七十二条第一項ノ職務代行者又ハ株式会社ノ取締役、監査役若ハ商法第二百五十八条第二項、第二百七十条第一項、第二百七十二条第一項若ハ第二百八十条ノ職務代行者ガ第六十四条又ハ第六十七条ノ組織変更ノ場合ニ於テ第六十四条第二項又ハ第六十七条第二項ノ純財産額ニ付裁判所又ハ総会ニ対シ不実ノ申述ヲ為シ又ハ事実ヲ隠蔽シタルトキ亦前項ニ同ジ
第七十九条 第七十七条第一項ニ掲グル者出資ノ払込ヲ仮装スル為預合ヲ為シタルトキハ三年以下ノ懲役又ハ三千円以下ノ罰金ニ処ス預合ニ応ジタル者亦同ジ
第八十条 前三条ノ罪ヲ犯シタル者ニハ情状ニ因リ懲役及罰金ヲ併科スルコトヲ得
第八十一条 第七十七条第一項若ハ第二項ニ掲グル者又ハ検査役其ノ職務ニ関シ不正ノ請託ヲ受ケ財産上ノ利益ヲ収受シ、要求シ又ハ約束シタルトキハ三年以下ノ懲役又ハ三千円以下ノ罰金ニ処ス
前項ノ利益ヲ供与シ又ハ其ノ申込若ハ約束ヲ為シタル者亦前項ニ同ジ
第八十二条 左ニ掲グル事項ニ関シ不正ノ請託ヲ受ケ財産上ノ利益ヲ収受シ、要求シ又ハ約束シタル者ハ一年以下ノ懲役又ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
一 社員総会ニ於ケル発言若ハ議決権ノ行使、第四十二条第一項ノ規定ニ依ル議決権ノ行使又ハ同条第二項ノ規定ニ依ル同意ノ表示
二 本法ニ定ムル訴ノ提起又ハ資本ノ十分ノ一以上ニ当ル出資口数ヲ有スル社員ノ権利ノ行使
前項ノ利益ヲ供与シ又ハ其ノ申込若ハ約束ヲ為シタル者亦前項ニ同ジ
第八十三条 第八十一条第一項又ハ前条第一項ノ場合ニ於テ犯人ノ収受シタル利益ハ之ヲ没収ス其ノ全部又ハ一部ヲ没収スルコト能ハザルトキハ其ノ価額ヲ追徴ス
第八十四条 第八十一条第二項又ハ第八十二条第二項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減軽又ハ免除スルコトヲ得
第八十五条 第七十七条第一項若ハ第二項ニ掲グル者、外国会社ノ代表者、検査役又ハ支配人ハ左ノ場合ニ於テハ五千円以下ノ過料ニ処ス但シ其ノ行為ニ付刑ヲ科スベキトキハ此ノ限ニ在ラズ
一 本法ニ定ムル登記ヲ為スコトヲ怠リタルトキ
二 本法ニ定ムル公告若ハ通知ヲ為スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公告若ハ通知ヲ為シタルトキ
三 本法ニ違反シ正当ノ事由ナクシテ書類ノ閲覧又ハ其ノ謄本若ハ抄本ノ交付ヲ拒ミタルトキ
四 本法ニ定ムル調査ヲ妨ゲタルトキ
五 官庁又ハ社員総会ニ対シ不実ノ申述ヲ為シ又ハ事実ヲ隠蔽シタルトキ
六 第二十一条ノ規定ニ違反シテ持分ニ付指図式又ハ無記名式ノ証券ヲ発行シタルトキ
七 第二十四条第一項ニ於テ準用スル商法第二百十一条ノ規定ニ違反シテ持分失効ノ手続又ハ持分若ハ質権ノ処分ヲ為スコトヲ怠リタルトキ
八 第二十四条第一項ニ於テ準用スル商法第二百十二条第一項ノ規定ニ違反シテ出資ノ消却ヲ為シタルトキ
九 定款ニ定ムル取締役又ハ監査役ノ員数ヲ欠クニ至リタル場合ニ於テ其ノ選任手続ヲ為スコトヲ怠リタルトキ
十 定款、社員名簿、議事録、財産目録、貸借対照表、営業報告書、事務報告書、損益計算書、準備金及利益ノ配当ニ関スル議案、決算報告書又ハ商法第三十二条第一項ノ帳簿ニ記載スベキ事項ヲ記載セズ又ハ不実ノ記載ヲ為シタルトキ
十一 定款、社員名簿、議事録、財産目録、貸借対照表、営業報告書、事務報告書、損益計算書、準備金及利益ノ配当ニ関スル議案又ハ監査役ノ報告書ヲ備置カザルトキ
十二 第四十一条ニ於テ準用スル商法第二百三十四条ノ規定又ハ第四十五条第三項ノ規定ニ依ル裁判所ノ命令ニ違反シテ社員総会ヲ招集セザルトキ
十三 第四十六条第一項ニ於テ準用スル商法第二百八十八条第一項又ハ第二百八十九条ノ規定ニ違反シテ準備金ヲ積立テズ又ハ之ヲ使用シタルトキ
十四 第五十二条第二項ノ規定ニ違反シテ出資ノ引受人ヲ公募シタルトキ
十五 第五十八条、第六十三条又ハ第六十八条ニ於テ準用スル商法第九十九条又ハ第百条ノ規定ニ違反シテ資本ノ減少、合併又ハ組織変更ヲ為シタルトキ
十六 第七十五条第一項ニ於テ準用スル商法第百二十四条第三項ノ規定ニ違反シテ破産宣告ノ請求ヲ為スコトヲ怠リタルトキ
十七 第七十五条第一項ニ於テ準用スル商法第百三十一条ノ規定ニ違反シテ会社財産ヲ分配シタルトキ
十八 裁判所ノ選任シタル管理人又ハ清算人ニ事務ノ引渡ヲ為サザルトキ
十九 清算ノ結了ヲ遅延セシムル目的ヲ以テ第七十五条第一項ニ於テ準用スル商法第四百二十一条第一項ノ期間ヲ不当ニ定メタルトキ
二十 第七十五条第一項ニ於テ準用スル商法第四百二十三条ノ規定ニ違反シテ債務ノ弁済ヲ為シタルトキ
二十一 第七十六条ニ於テ準用スル商法第四百八十四条第一項又ハ第二項ノ規定ニ依ル裁判所ノ命令ニ違反シタルトキ
株式会社ノ取締役、商法第二百五十八条第二項、第二百七十条第一項若ハ第二百七十二条第一項ノ職務代行者、清算人又ハ同法第四百三十条第二項ニ於テ準用スル同法第二百五十八条第二項、第二百七十条第一項若ハ第二百七十二条第一項ノ職務代行者ガ第六十条第一項ノ規定ニ依リ従フベキ又ハ第六十八条ニ於テ準用スル商法第九十九条又ハ第百条ノ規定ニ違反シテ合併又ハ組織変更ヲ為シタルトキ亦前項ニ同ジ
第八十六条 第三条第二項ノ規定ニ違反シタル者ハ千円以下ノ過料ニ処ス
第十章 雑則
第八十七条 本法ニ依リ署名スベキ場合ニ於テハ記名捺印ヲ以テ署名ニ代フルコトヲ得
第八十八条 第五十八条、第六十三条若ハ第六十八条ニ於テ準用シ若ハ第六十条第一項ノ規定ニ依リ従フベキ商法第百条第一項ノ規定又ハ第七十五条第一項ニ於テ準用スル商法第四百二十一条第一項ノ規定ニ依リ為スベキ公告ハ裁判所ガ為スベキ登記事項ノ公告ト同一ノ方法ヲ以テ之ヲ為スコトヲ要ス
第八十九条 有限会社ハ商法ヲ除クノ外他ノ法律ノ適用ニ付テハ之ヲ商法ノ会社ト看做ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム