第七條 志願兵ノ現役ハ五年、豫備役ハ四年、後備兵役ハ五年トシ現役ヲ終リタル者ハ之ヲ豫備役ニ、豫備役ヲ終リタル者ハ之ヲ後備兵役ニ別ニ辭令ヲ用ヒズ服セシム
後備兵役ヲ終リタル者ニシテ年齡四十年未滿ノ者ハ之ヲ第一國民兵役ニ服セシム
第八條 現役期間ハ服役シタル月ノ一日ヨリ之ヲ起算ス
第九條 志願兵ノ現役定限年齡ハ三十五年トシ四十年ヲ以テ服役ノ終期トス
第十條 艦船部隊(要港部、學校、病院其ノ他之ニ準ズベキモノヲ含ム)ニ勤務ノ志願兵ハ各其ノ艦船部隊內ニ居住セシムルヲ例トス
第十一條 現役志願兵ハ第七條ニ規定スル現役期間滿ツルモ引續キ數次再現役ヲ志願スルコトヲ得
兵役法又ハ兵役法施行令第七條第一項ノ規定ニ依リ徵集又ハ採用セラレタル現役兵ハ兵役法第五條ニ規定スル現役期間滿ツルモ引續キ數次再現役ヲ志願スルコトヲ得
再現役ハ二年ヲ一期トシ海軍大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ許可ス但シ二年以內ニ現役定限年齡ニ達スル者ハ其ノ定限年齡ニ達スル日迄ヲ一期トス
海軍特修兵令ニ依リ服役ノ義務ヲ有スル者ハ兵役法第五條又ハ本令第七條ニ規定スル現役期間滿ツル日ノ翌日ヨリ其ノ義務ノ終ル日迄ヲ一期トシ當然再現役ニ入リタルモノト看做ス
第十二條 再現役ヲ許可セラレタル兵再現役ニ入ル前六年未滿ノ懲役若ハ禁錮ノ刑ニ處セラレ又ハ逃亡シタルトキハ其ノ許可ヲ無效トス
再現役ヲ許可セラレタル兵再現役中六年未滿ノ懲役若ハ禁錮ノ刑ニ處セラレ又ハ逃亡シタルトキハ再現役ノ許可ハ將來ニ向テ其ノ效力ヲ失フ
第十三條 再現役中ノ志願兵軍紀ヲ紊リ又ハ品行不正ニシテ下士官ニ任用ノ見込ナシト認ムルトキハ現役ヲ免ジ豫備役ニ服セシムルコトヲ得
第十四條 志願兵現役定限年齡ニ達シ又ハ服役期間滿ツト雖モ左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ其ノ服役期間ヲ延長スルコトヲ得
五 天災其ノ他避クベカラザル事故ニ因リ已ムヲ得ザルトキ
前項ノ規定ニ依リ延長シタル期間ハ次ノ服役期間ニ之ヲ通算ス
第一項ノ規定ニ依ル服役期間ノ延長及其ノ解止ニ關シテハ海軍大臣臨時之ヲ定ム但シ航海中又ハ外國ニ於テ勤務中ノ者ノ服役期間ノ延長及其ノ解止ハ鎭守府司令長官之ヲ爲スコトヲ得
時機切迫シ海軍大臣又ハ鎭守府司令長官ノ命ヲ待チ難キ場合ニ於テハ艦隊司令長官、艦隊司令官、鎭守府司令長官、要港部司令官、特命司令官又ハ分遣艦船部隊指揮官ハ其ノ部下ノ者ニ對シ必要ノ期間ヲ限リ服役期間ノ延長ヲ專行スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ事實ヲ具シ速ニ海軍大臣ニ報告スベシ
第十五條 後備兵役ノ志願兵ニシテ戰時又ハ事變ニ際シ召集ヲ令セラレタル者應召ノ日ニ於テ後備兵役ノ期間ヲ過グルニ至ルベキトキハ前條ニ規定スル命又ハ召集解除ノ命アル迄其ノ服役期間ヲ延長ス
第十七條 現役志願兵ニシテ海軍兵學校、海軍機關學校又ハ海軍經理學校ノ生徒ニ採用セラレタル者ハ其ノ入校ノ日ヲ以テ其ノ身分及服役ヲ免ズ
前項ノ規定ニ該當スル者生徒ヲ免ゼラレタルトキハ前ニ免ゼラレタル身分ニ復シ前ノ服役ヲ繼續セシム
第十八條 志願兵現役ニ服シタル期間二年以上ニシテ刑ニ處セラレ又ハ懲罰處分ヲ受ケ改悛ノ狀ナキトキハ其ノ現役ヲ免ジ之ヲ豫備役ニ服セシムルコトヲ得
第十九條 現役志願兵戰地ニ臨ミ、沈沒シタル艦船中ニ在リ又ハ其ノ他死亡ノ原因タルベキ危難ニ遭遇シ戰爭止ミタル後、艦船ノ沈沒シタル後又ハ其ノ他ノ危難ノ去リタル後三年ヲ經過スルモ尙所在不明ナルトキハ其ノ現役ヲ免ジ之ヲ豫備役ニ服セシムルコトヲ得
第二十條 掌電信兵タルコトヲ志願スル水兵ニシテ當該特修兵タルノ見込ナキ者ハ入團後當該練習生敎程修了迄ノ間ニ於テ志願兵ヲ免ズ
軍樂兵ニシテ技倆發達ノ見込ナキ者ハ入團後二月以內ニ志願兵ヲ免ズ
第二十一條 鎭守府司令長官ハ志願兵ニシテ一年以內ニ現役滿期ト爲ル者アルトキハ之ニ歸休ヲ命ズルコトヲ得
歸休ヲ命ゼラルル志願兵ニ關シテハ海軍大臣上裁ヲ經テ之ヲ定ム
第二十二條 兵役法第二十條、第二十一條第一項及兵役法施行令第三十八條ノ規定ハ志願兵ノ服役ニ之ヲ準用ス
第二十三條 前條ノ規定ニ依リ現役ヨリ豫備役ニ轉ジタル志願兵ノ豫備役期間ハ前ニ服シタル期間ヲ通算シ九年ニ滿ツル日迄トス