第三十條 府縣ノ內外ニ涉リ營業所ヲ定メテ爲ス營業ニ付營業收益稅ヲ分別シテ納メザル者ニ對スル營業收益稅附加稅ノ賦課ニ關シテハ府縣制第百八條第一項ノ例ニ依ル
第三十一條 市町村ハ其ノ市町村內ノ府縣稅ヲ徵收シ之ヲ府縣ニ納入スルノ義務ヲ負フ
府縣ハ前項徵收ノ費用トシテ地租附加稅及特別地稅ニ對シテハ其ノ徵收金額ノ千分ノ七、其ノ他ノ府縣稅ニ對シテハ其ノ徵收金額ノ百分ノ四ヲ其ノ市町村ニ交付スベシ
第三十二條 市町村ハ避クベカラザル災害ニ因リ旣收ノ稅金ヲ失ヒタルトキハ其ノ稅金納入義務ノ免除ヲ府縣知事ニ申請スルコトヲ得
府縣知事前項ノ申請ヲ受ケタルトキハ七日以內ニ之ヲ府縣參事會ノ決定ニ付スベシ、府縣參事會ハ其ノ送付ヲ受ケタル日ヨリ三月以內ニ之ヲ決定スベシ
前項ノ決定ニ不服アル者ハ內務大臣ニ訴願スルコトヲ得
第二項ノ決定ニ付テハ府縣知事ヨリモ訴願ヲ提起スルコトヲ得
府縣制第三十八條及第百二十八條ノ規定ハ本條ノ規定ノ適用ニ付之ヲ準用ス
第三十三條 府縣稅ヲ徵收セントスルトキハ府縣知事又ハ其ノ委任ヲ受ケタル官吏吏員ハ市町村ニ對シ徵稅令書ヲ發シ市町村長ハ徵稅令書ニ依リ徵稅傳令書ヲ調製シ之ヲ納稅人ニ交付スベシ
府縣知事又ハ其ノ委任ヲ受ケタル官吏吏員ハ直ニ納稅人ニ對シ徵稅令書ヲ發スルコトヲ得
府縣ハ內務大臣及大藏大臣ノ許可ヲ得タル場合ニ限リ前二項ノ規定ニ依ラズ其ノ府縣ニ於テ發行スル證紙ヲ以テ府縣稅ヲ納入セシムルコトヲ得
第三十四條 徵稅傳令書ヲ受ケタル納稅人ハ其ノ稅金ヲ市町村ニ拂込ミ其ノ領收證ヲ得テ納稅ノ義務ヲ了ス
徵稅令書ヲ受ケタル納稅人ハ其ノ稅金ヲ府縣金庫ニ拂込ミ其ノ領收證ヲ得テ納稅ノ義務ヲ了ス但シ府縣知事ハ市町村吏員ヲシテ納稅人ニ對シ徵稅令書ヲ發セシムル場合ニ於テハ前項ノ例ニ依ラシムルコトヲ得
市町村ハ其ノ徵收シタル府縣稅ヲ府縣金庫ニ拂込ミ其ノ領收證ヲ得テ稅金納入ノ義務ヲ了ス
稅金ノ拂込又ハ其ノ拂込金ノ納入ニ付郵便振替貯金ノ方法ニ依リタル場合ニ於テハ納稅人又ハ市町村ハ稅金ヲ郵便官署ニ拂込ミ又ハ納入スルニ依リテ其ノ義務ヲ了ス
第三十五條 第三十三條第二項ノ規定ニ依リ市町村吏員ヲシテ徵稅令書ヲ發セシメタル場合ニ於テハ府縣知事ノ定ムル所ニ依リ其ノ市町村ニ對シ取扱費ヲ交付スルコトヲ得
第三十六條 徵稅令書又ハ徵稅傳令書ヲ受ケタル納稅人期限內ニ稅金ヲ完納セザルトキハ府縣知事又ハ其ノ委任ヲ受ケタル官吏吏員ハ直ニ督促狀ヲ發スベシ
督促狀ニハ府縣知事ノ定メタル期間內ニ於テ相當ノ期限ヲ指定スベシ
市町村吏員ヲシテ督促狀ヲ發セシメタル場合ニ於ケル手數料ハ其ノ市町村ノ收入トス
第三十八條 市制町村制施行令第四十五條乃至第五十二條ノ規定ハ府縣稅ノ賦課徵收ニ之ヲ準用ス
第三十九條 府縣ハ內務大臣及大藏大臣ノ指定シタル府縣稅ニ付テハ第三十一條第一項ノ規定ニ拘ラズ其ノ徵收ノ便宜ヲ有スル者ヲシテ之ヲ徵收セシムルコトヲ得
前項ノ府縣稅ノ徵收ニ付テハ第三十三條ノ規定ニ依ラザルコトヲ得
第四十條 前條第一項ノ規定ニ依リ府縣稅ヲ徵收セシムル場合ニ於テハ納稅人ハ其ノ稅金ヲ徵收義務者ニ拂込ムニ依リテ納稅ノ義務ヲ了ス
第四十一條 第三十九條第一項ノ規定ニ依ル徵收義務者ハ徵收スベキ府縣稅ヲ府縣知事ノ指定シタル期日迄ニ府縣金庫又ハ郵便官署ニ拂込ムベシ其ノ期日迄ニ拂込マザルトキハ府縣知事ハ相當ノ期限ヲ指定シ督促狀ヲ發スベシ
第四十二條 第三十一條第二項、第三十二條及第三十四條第三項、第四項竝ニ市制町村制施行令第四十五條乃至第四十八條ノ規定ハ第三十九條第一項ノ規定ニ依リ府縣稅ヲ徵收セシムル場合ノ拂込金ニ之ヲ準用ス
第四十四條 府縣稅ノ徵收ニ關スル細則ハ府縣知事之ヲ定ム
第四十五條 町村制ヲ施行セザル地ニ於ケル府縣稅ノ徵收ニ關シテハ本章ノ規定ヲ準用ス、其ノ準用シ難キ事項ハ府縣知事之ヲ定ム