(市部会郡部会等ノ特例ニ関スル件)
法令番号: 勅令第二百八十五號
公布年月日: 明治32年6月21日
法令の形式: 勅令
朕市部會郡部會等ノ特例ニ關スル件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十二年六月二十日
內務大臣 侯爵 西鄕從道
勅令第二百八十五號
第一條 從來市部郡部ノ經濟ヲ分別シタル府縣ニ於テハ內務大臣ハ其ノ區域ニ依リ市部郡部ノ經濟ヲ分別シ市部會郡部會市部參事會郡部參事會ヲ設ケシムルコトヲ得
第二條 市部會郡部會ハ各市部郡部ニ於テ選出シタル府縣會議員ヲ以テ之ヲ組織ス
市部又ハ郡部ニ於テ選出スヘキ府縣會議員ノ數十二名ニ滿タサルトキハ府縣制第五條ノ定員ニ拘ラス之ヲ十二名トス
第三條 府縣會ノ權限ニ屬スル事件ニシテ府縣會ノ議決ヲ經ヘキ事件ト市部會郡部會ノ議決ヲ經ヘキ事件トノ分別ハ府縣會ノ議決ヲ經內務大臣ノ許可ヲ得テ府縣知事之ヲ定ム若許可スヘカラスト認ムルトキハ內務大臣之ヲ定ム
第四條 市部會郡部會ヲ設ケタル縣ニ於テハ名譽職參事會員ノ定員ヲ八名トス
市部會郡部會ヲ設ケタル府縣ノ名譽職參事會員ハ各會ニ於テ其ノ定員ノ半數ヲ選擧ス
市部參事會郡部參事會ハ府縣知事府縣高等官參事會員及各部會ニ於テ選擧シタル府縣名譽職參事會員ヲ以テ之ヲ組織ス
第五條 府縣費ニ關スル市部郡部ノ分擔及收入ノ割合ハ府縣會ノ議決ヲ經內務大臣ノ許可ヲ得テ府縣知事之ヲ定ム若許可スヘカラスト認ムルトキハ內務大臣之ヲ定ム
第六條 第三條第五條ノ事件ニ付テハ議員定員ノ五分ノ四以上出席スルニ非サレハ會議ヲ開クコトヲ得ス
第七條 本令ニ規定スルモノヲ除ク外總テ府縣制ノ規定ヲ準用ス
第八條 市部會又ハ郡部會解散ヲ命セラレタルトキハ其ノ議員ハ府縣會議員ノ職ヲ失フ
附 則
第九條 本令ニ依リ市部會郡部會ヲ設クル府縣ニ於テハ從來市部若ハ郡部ニ關スル事件及市郡部連帶ニ關スル事件ハ本令ニ於テモ亦其ノ效力ヲ有ス
第十條 本令ハ明治三十二年七月一日ヨリ施行ス
朕市部会郡部会等ノ特例ニ関スル件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十二年六月二十日
内務大臣 侯爵 西郷従道
勅令第二百八十五号
第一条 従来市部郡部ノ経済ヲ分別シタル府県ニ於テハ内務大臣ハ其ノ区域ニ依リ市部郡部ノ経済ヲ分別シ市部会郡部会市部参事会郡部参事会ヲ設ケシムルコトヲ得
第二条 市部会郡部会ハ各市部郡部ニ於テ選出シタル府県会議員ヲ以テ之ヲ組織ス
市部又ハ郡部ニ於テ選出スヘキ府県会議員ノ数十二名ニ満タサルトキハ府県制第五条ノ定員ニ拘ラス之ヲ十二名トス
第三条 府県会ノ権限ニ属スル事件ニシテ府県会ノ議決ヲ経ヘキ事件ト市部会郡部会ノ議決ヲ経ヘキ事件トノ分別ハ府県会ノ議決ヲ経内務大臣ノ許可ヲ得テ府県知事之ヲ定ム若許可スヘカラスト認ムルトキハ内務大臣之ヲ定ム
第四条 市部会郡部会ヲ設ケタル県ニ於テハ名誉職参事会員ノ定員ヲ八名トス
市部会郡部会ヲ設ケタル府県ノ名誉職参事会員ハ各会ニ於テ其ノ定員ノ半数ヲ選挙ス
市部参事会郡部参事会ハ府県知事府県高等官参事会員及各部会ニ於テ選挙シタル府県名誉職参事会員ヲ以テ之ヲ組織ス
第五条 府県費ニ関スル市部郡部ノ分担及収入ノ割合ハ府県会ノ議決ヲ経内務大臣ノ許可ヲ得テ府県知事之ヲ定ム若許可スヘカラスト認ムルトキハ内務大臣之ヲ定ム
第六条 第三条第五条ノ事件ニ付テハ議員定員ノ五分ノ四以上出席スルニ非サレハ会議ヲ開クコトヲ得ス
第七条 本令ニ規定スルモノヲ除ク外総テ府県制ノ規定ヲ準用ス
第八条 市部会又ハ郡部会解散ヲ命セラレタルトキハ其ノ議員ハ府県会議員ノ職ヲ失フ
附 則
第九条 本令ニ依リ市部会郡部会ヲ設クル府県ニ於テハ従来市部若ハ郡部ニ関スル事件及市郡部連帯ニ関スル事件ハ本令ニ於テモ亦其ノ効力ヲ有ス
第十条 本令ハ明治三十二年七月一日ヨリ施行ス