(島嶼ノ府県会議員選挙ニ関スル件)
法令番号: 勅令第二百二十七號
公布年月日: 明治32年6月7日
法令の形式: 勅令
朕島嶼ノ府縣會議員選擧ニ關スル件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十二年六月六日
內務大臣 侯爵 西鄕從道
勅令第二百二十七號
第一條 町村制ヲ施行セサル島嶼ハ府縣會議員ノ一選擧區トス
第二條 左ノ要件ヲ具備スル者ハ府縣會議員ノ選擧權ヲ有ス
一 帝國臣民ニシテ公權ヲ有スル滿二十五歲以上ノ男子
二 一戶ヲ構ヘ二年以來町村內ニ住所ヲ有シ其ノ町村ノ負擔ヲ分任シ及其ノ町村內ニ於テ地租ヲ納メ若ハ直接國稅年額二圓以上ヲ納ムル者
三 其ノ府縣內ニ於テ一年以來直接國稅年額三圓以上ヲ納ムル者
左ニ揭クル者ハ府縣會議員ノ選擧權ヲ有セス
一 治產ノ禁ヲ受ケタル者
一 公權停止中ノ者
一 租稅滯納處分中ノ者
一 公費ヲ以テ貧民救助ヲ受ケタル後二年ヲ經サル者
一 家資分㪚若ハ破產ノ宣吿ヲ受ケタルトキヨリ復權ノ決定アルマテノ者
一 公權剝奪若ハ停止ヲ附加スヘキ重罪輕罪ノ爲公判ニ付セラレタルトキヨリ其ノ裁判ノ確定ニ至ルマテノ者
一 陸海軍ノ現役ニ服スル者又ハ現役以外ノ兵役ニ在ル者ニシテ戰時若ハ事變ニ際シ召集中ノ者
第三條 府縣會議員ノ選擧權ヲ有シ且其ノ府縣內ニ於テ一年以來直接國稅年額十圓以上ヲ納ムル者ハ府縣會議員ノ被選擧權ヲ有ス
第四條 府縣會議員ハ他ノ町村ニ其ノ住所ヲ移スモ其ノ住所同府縣內ニ在ルトキハ之カ爲其ノ職ヲ失フコトナシ
第五條 島嶼ノ府縣會議員ノ選擧ニ關シテハ一戶長役場管轄區域ヲ以テ一町村ト看做ス
第六條 本令ニ定ムルモノヲ除ク外島嶼ヨリ選出スル府縣會議員ノ選擧ニ關シテハ總テ府縣制ノ規定ニ依ル
附 則
本令ハ明治三十二年七月一日ヨリ施行ス
朕島嶼ノ府県会議員選挙ニ関スル件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十二年六月六日
内務大臣 侯爵 西郷従道
勅令第二百二十七号
第一条 町村制ヲ施行セサル島嶼ハ府県会議員ノ一選挙区トス
第二条 左ノ要件ヲ具備スル者ハ府県会議員ノ選挙権ヲ有ス
一 帝国臣民ニシテ公権ヲ有スル満二十五歳以上ノ男子
二 一戸ヲ構ヘ二年以来町村内ニ住所ヲ有シ其ノ町村ノ負担ヲ分任シ及其ノ町村内ニ於テ地租ヲ納メ若ハ直接国税年額二円以上ヲ納ムル者
三 其ノ府県内ニ於テ一年以来直接国税年額三円以上ヲ納ムル者
左ニ掲クル者ハ府県会議員ノ選挙権ヲ有セス
一 治産ノ禁ヲ受ケタル者
一 公権停止中ノ者
一 租税滞納処分中ノ者
一 公費ヲ以テ貧民救助ヲ受ケタル後二年ヲ経サル者
一 家資分散若ハ破産ノ宣告ヲ受ケタルトキヨリ復権ノ決定アルマテノ者
一 公権剥奪若ハ停止ヲ附加スヘキ重罪軽罪ノ為公判ニ付セラレタルトキヨリ其ノ裁判ノ確定ニ至ルマテノ者
一 陸海軍ノ現役ニ服スル者又ハ現役以外ノ兵役ニ在ル者ニシテ戦時若ハ事変ニ際シ召集中ノ者
第三条 府県会議員ノ選挙権ヲ有シ且其ノ府県内ニ於テ一年以来直接国税年額十円以上ヲ納ムル者ハ府県会議員ノ被選挙権ヲ有ス
第四条 府県会議員ハ他ノ町村ニ其ノ住所ヲ移スモ其ノ住所同府県内ニ在ルトキハ之カ為其ノ職ヲ失フコトナシ
第五条 島嶼ノ府県会議員ノ選挙ニ関シテハ一戸長役場管轄区域ヲ以テ一町村ト看做ス
第六条 本令ニ定ムルモノヲ除ク外島嶼ヨリ選出スル府県会議員ノ選挙ニ関シテハ総テ府県制ノ規定ニ依ル
附 則
本令ハ明治三十二年七月一日ヨリ施行ス