朕度量衡法施行令改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十二年六月二十四日
內閣總理大臣 侯爵 桂太郞
農商務大臣 男爵 大浦兼武
勅令第百六十九號
度量衡法施行令
第一條 度量衡法第三條及第四條ニ定ムルモノノ外度量衡ノ名稱命位及比較ヲ定ムルコト左ノ如シ
鯨尺
鯨尺 分 鯨尺尺ノ百分ノ一
鯨尺 寸 鯨尺尺ノ十分ノ一
鯨尺 尺 尺ノ四分ノ五
鯨尺 丈 十鯨尺尺
「ヤード、ポンド」法度量衡
「インチ」 「ヤード」ノ三十六分ノ一
「フート」 「ヤード」ノ三分ノ一
「ヤード」 尺ノ一萬二千五百分ノ三萬七千七百十九
「チェーン」 二十二「ヤード」
「マイル」 千七百六十「ヤード」
「ガロン」 升ノ五萬分ノ十萬四千九百二十三
「ゲレーン」 「ポンド」ノ七千分ノ一
「オンス」 「ポンド」ノ十六分ノ一
「ポンド」 貫ノ三千百二十五分ノ三百七十八
「トン」 二千二百四十「ポンド」
第二條 度量衡器ノ製作ノ業ヲ營マムトスル者ハ農商務大臣、修覆又ハ販賣ノ業ヲ營マムトスル者ハ其ノ營業所ノ所在地ヲ管轄スル地方長官ノ免許ヲ受クヘシ
前項ノ免許ハ製作ノ業ニ在リテハ度器量器又ハ衡器ニ付各別ニ營業所一箇所每ニ、修覆又ハ販賣ノ業ニ在リテハ營業所一箇所每ニ之ヲ受クヘシ
第三條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ度量衡器ノ製作、修覆又ハ販賣ノ免許ヲ受クルコトヲ得ス
一 禁錮以上ノ刑ニ處セラレタル者但シ其ノ執行ヲ終リ又ハ其ノ執行ノ免除ヲ得タル日ヨリ三年ヲ經タル者ハ此ノ限ニ在ラス
二 度量衡法第十四條ノ刑ニ處セラレタル者但シ其ノ執行ヲ終リ又ハ其ノ執行ノ免除ヲ得タル日ヨリ三年ヲ經タル者ハ此ノ限ニ在ラス
三 度量衡法ニ依リ營業免許ヲ取消サレタル後二年ヲ經サル者及營業停止中ノ者
四 前二號ニ揭ケタル者ノ同居者、雇人其ノ他ノ從業者
五 破產又ハ家資分散ノ宣吿ヲ受ケ復權セサル者及身代限ノ處分ヲ受ケ債務ノ辨償ヲ終ヘサル者
法定代理人ニ依リ免許ヲ出願シタル場合ニ於テ其ノ法定代理人カ前項各號ノ一ニ該當スルトキ亦前項ニ同シ
免許ヲ受ケタル者ニシテ第一項第一號、第二號又ハ第五號ニ該當スルニ至リタルトキハ免許ハ其ノ效力ヲ失フ
法定代理人カ第一項各號ノ一ニ該當スルニ至リタルトキハ免許ヲ受ケタル者ハ其ノ法定代理人ニ依リ業務ヲ營ムコトヲ得ス
第四條 度量衡器ノ製作又ハ修覆ノ免許ヲ受ケムトスル者ハ左ノ身元保證金ヲ供託スヘシ
度器又ハ量器ノ製作 五百圓
衡器ノ製作 千圓
度量衡器ノ修覆 二百圓
前項ノ身元保證金ハ國債證券又ハ農商務大臣ノ定ムル所ニ依リ有價證券ヲ以テ之ニ充ツルコトヲ得
第五條 度量衡器ノ製作、修覆又ハ販賣ノ免許ノ期間ハ十五年トス
第六條 度量衡器ノ製作ノ免許ヲ受ケタル者ハ其ノ免許ノ區別ニ從ヒ度器、量器又ハ衡器ノ修覆及販賣ノ業ヲ營ムコトヲ得
度量衡器ノ販賣ノ免許ヲ受ケタル者ハ取緖、皿紐、鉤紐及錘絲ニ付桿秤ノ修覆ノ業ヲ營ムコトヲ得但シ金屬ニ係ル修覆ハ此ノ限ニ在ラス
第七條 度量衡器ノ檢定ハ之ヲ分チテ甲種檢定及乙種檢定トス
左ノ各號ノ一ニ該當スル度量衡器ニ付行フ檢定ヲ甲種檢定トス
一 鋼鐵製卷尺、縮尺又ハ二厘以下若ハ二分ノ一「ミリメートル」以下ノ目盛アル度器但シ鯨尺ノミノ目盛アルモノハ此ノ限ニ在ラス
二 目盛アル玻璃製枡及化學用量器
三 秤量ニ於テ其ノ一萬分ノ一以下ノ重量ヲ感スル天秤
四 重量一厘未滿又ハ一「センチグラム」未滿ノ分銅及之ヲ含メル組分銅
五 「ヤード、ポンド」法度量衡ノ名稱ニ依ル目盛其ノ他ノ表示アル度器及衡器
前項以外ノ檢定ヲ乙種檢定トス
第八條 度量衡器ノ甲種檢定ハ農商務大臣之ヲ行ヒ乙種檢定ハ地方長官之ヲ行フ
第九條 左ノ場合ニ於テハ度量衡器ノ檢定ヲ受クルコトヲ要セス但シ第一號ノ場合ニ於テハ豫メ農商務大臣ノ許可ヲ受クヘシ
一 度量衡器ノ製作、修覆又ハ販賣ノ免許ヲ受ケタル者輸出若ハ移出シ又ハ取引若ハ證明以外ノ用ニ供スヘキ度量衡器ヲ製作、輸入、移入又ハ修覆シタルトキ
二 度量衡器ノ製作、修覆又ハ販賣ノ免許ヲ受ケタル者ニ非スシテ取引若ハ證明以外ノ用ニ供スヘキ度量衡器ヲ製作、輸入、移入又ハ修覆シタルトキ
三 度量衡器ノ製作、修覆又ハ販賣ノ免許ヲ受ケタル者ノ爲シタル桿秤ノ修覆ニシテ其ノ取緖、皿紐、鉤紐又ハ錘絲ノ金屬ニ係ラサルトキ
四 瓦斯「メートル」又ハ水量「メートル」ヲ製作、輸入、移入又ハ修覆シタルトキ
第十條 檢定ヲ行ヒタル度量衡器ハ第一表又ハ第二表ノ種類ニ屬シ農商務大臣ノ定ムル構造ニ關スル規定ニ適合シ且其ノ器差第三表又ハ第四表ノ公差ヲ超エサルモノニ限リ之ヲ合格トス
第十一條 檢定證印アル度量衡器ニシテ檢定ニ合格セサルトキハ其ノ檢定證印ヲ除去シ又ハ之ニ消印ヲ附ス
第十二條 農商務大臣必要ト認ムルトキハ度量衡器ノ製作、修覆ノ方法若ハ材料ヲ指定シ又ハ其ノ變更ヲ命スルコトヲ得
第十三條 度量衡器ノ取締ハ之ヲ分チテ第一種取締及第二種取締トス
業務上取引若ハ證明ノ爲使用シ又ハ使用ニ供スル爲所持スル度量衡器ニ付檢査ヲ行フヲ第一種取締トス
前項以外ノ取締ヲ第二種取締トス
第十四條 度量衡器ノ取締ハ地方長官之ヲ行フ
地方長官ハ市町村長又ハ之ニ準スヘキ者ヲシテ取締ノ執行ヲ補助セシメ又ハ第二種取締ヲ執行セシムルコトヲ得
農商務大臣必要ト認ムルトキハ官吏ヲシテ第二種取締ヲ執行セシムルコトヲ得
第十五條 第一種取締ニ於テハ度量衡法第八條各號ニ該當セサル度量衡器ニ檢査濟印ヲ附ス
第十六條 度量衡法第八條第四號ノ公差ハ第三表又ハ第四表ノ公差ノ二分ノ三トス但シ陶器枡、磁器枡及琺瑯塗リ枡ニ在リテハ第三表ノ公差ノ四分ノ五、木製枡ノ雜用ノモノ及自働秤ニ在リテハ第三表又ハ第四表ノ公差ノ二倍、瓦斯「メートル」及水量「メートル」ニ在リテハ其ノ表ハス量ノ百分ノ三トス
第十七條 第九條第一號ノ場合ニ該當スル度量衡器ハ檢定證印ナキモノト雖同條但書ノ規定ニ依ル許可ノ條件ニ從ヒ之ヲ販賣シ又ハ販賣ノ爲所持スルコトヲ得
第九條第三號ノ場合ニ該當スル桿秤ハ其ノ修覆ヲ爲シタル後檢定ヲ受ケサルモノト雖之ヲ販賣シ若ハ販賣ノ爲所持シ又ハ取引上若ハ證明上ニ於ケル度量衡ノ計量ニ使用シ又ハ使用ニ供スル爲所持スルコトヲ得瓦斯「メートル」又ハ水量「メートル」ニシテ檢定證印ナキモノ亦同シ
附 則
第十八條 本令ハ度量衡法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第十九條 本令施行前ニ於ケル度量衡器ノ製作、修覆又ハ販賣ノ免許ハ其ノ免許ノ區別ニ從ヒ效力ヲ有ス但シ本令施行後更ニ免許ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第六條第二項ノ規定ハ本令施行前度器又ハ量器ノミノ販賣ノ免許ヲ受ケタル者ニ之ヲ適用セス
第二十條 本令施行前ヨリ「ヤード、ポンド」法度量衡器ノ販賣ノ業ヲ營ム者ニハ明治四十二年九月三十日迄度量衡法第十四條第一號ノ規定ヲ適用セス
第二十一條 本令施行前檢定ヲ受ケタル度量衡器ニ附シタル證書ハ之ヲ檢定證印ト看做ス
第二十二條 明治三十年勅令第百十六號ニ依ル檢定證印ニシテ左ノ度量衡器ニ附シタルモノ及效力ヲ失ヒタル檢定ニ係ルモノハ其ノ證印ナキモノト看做ス
五厘未滿又ハ一「ミリメートル」未滿ノ目盛アル度器
全量ノ十分ノ一未滿ノ目盛アル量器
五毛以下又ハ五「ミリグラム」以下ノ分銅
第二十三條 本令施行前製作、輸入又ハ移入シタル度量衡器ニシテ化學用量器瓦斯「メートル」又ハ水量「メートル」ニ在リテハ明治四十三年十二月三十一日迄、「ヤード、ポンド」法度量衡器ニ在リテハ明治四十四年六月三十日迄度量衡法第八條ノ規定ヲ適用セス但シ檢定ヲ受ケタルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラス
地方長官ハ農商務大臣ノ定ムル所ニ依リ官吏ヲシテ明治四十四年六月三十日迄ニ前項ノ「ヤード、ポンド」法度量衡器ヲ檢査シ之ニ合格シタルモノニハ證印ヲ附セシムヘシ但シ瓦斯「メートル」及水量「メートル」ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ檢査ハ之ヲ檢定ト看做ス
【表】
朕度量衡法施行令改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十二年六月二十四日
内閣総理大臣 侯爵 桂太郎
農商務大臣 男爵 大浦兼武
勅令第百六十九号
度量衡法施行令
第一条 度量衡法第三条及第四条ニ定ムルモノノ外度量衡ノ名称命位及比較ヲ定ムルコト左ノ如シ
鯨尺
鯨尺 分 鯨尺尺ノ百分ノ一
鯨尺 寸 鯨尺尺ノ十分ノ一
鯨尺 尺 尺ノ四分ノ五
鯨尺 丈 十鯨尺尺
「ヤード、ポンド」法度量衡
「インチ」 「ヤード」ノ三十六分ノ一
「フート」 「ヤード」ノ三分ノ一
「ヤード」 尺ノ一万二千五百分ノ三万七千七百十九
「チェーン」 二十二「ヤード」
「マイル」 千七百六十「ヤード」
「ガロン」 升ノ五万分ノ十万四千九百二十三
「ゲレーン」 「ポンド」ノ七千分ノ一
「オンス」 「ポンド」ノ十六分ノ一
「ポンド」 貫ノ三千百二十五分ノ三百七十八
「トン」 二千二百四十「ポンド」
第二条 度量衡器ノ製作ノ業ヲ営マムトスル者ハ農商務大臣、修覆又ハ販売ノ業ヲ営マムトスル者ハ其ノ営業所ノ所在地ヲ管轄スル地方長官ノ免許ヲ受クヘシ
前項ノ免許ハ製作ノ業ニ在リテハ度器量器又ハ衡器ニ付各別ニ営業所一箇所毎ニ、修覆又ハ販売ノ業ニ在リテハ営業所一箇所毎ニ之ヲ受クヘシ
第三条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ度量衡器ノ製作、修覆又ハ販売ノ免許ヲ受クルコトヲ得ス
一 禁錮以上ノ刑ニ処セラレタル者但シ其ノ執行ヲ終リ又ハ其ノ執行ノ免除ヲ得タル日ヨリ三年ヲ経タル者ハ此ノ限ニ在ラス
二 度量衡法第十四条ノ刑ニ処セラレタル者但シ其ノ執行ヲ終リ又ハ其ノ執行ノ免除ヲ得タル日ヨリ三年ヲ経タル者ハ此ノ限ニ在ラス
三 度量衡法ニ依リ営業免許ヲ取消サレタル後二年ヲ経サル者及営業停止中ノ者
四 前二号ニ掲ケタル者ノ同居者、雇人其ノ他ノ従業者
五 破産又ハ家資分散ノ宣告ヲ受ケ復権セサル者及身代限ノ処分ヲ受ケ債務ノ弁償ヲ終ヘサル者
法定代理人ニ依リ免許ヲ出願シタル場合ニ於テ其ノ法定代理人カ前項各号ノ一ニ該当スルトキ亦前項ニ同シ
免許ヲ受ケタル者ニシテ第一項第一号、第二号又ハ第五号ニ該当スルニ至リタルトキハ免許ハ其ノ効力ヲ失フ
法定代理人カ第一項各号ノ一ニ該当スルニ至リタルトキハ免許ヲ受ケタル者ハ其ノ法定代理人ニ依リ業務ヲ営ムコトヲ得ス
第四条 度量衡器ノ製作又ハ修覆ノ免許ヲ受ケムトスル者ハ左ノ身元保証金ヲ供託スヘシ
度器又ハ量器ノ製作 五百円
衡器ノ製作 千円
度量衡器ノ修覆 二百円
前項ノ身元保証金ハ国債証券又ハ農商務大臣ノ定ムル所ニ依リ有価証券ヲ以テ之ニ充ツルコトヲ得
第五条 度量衡器ノ製作、修覆又ハ販売ノ免許ノ期間ハ十五年トス
第六条 度量衡器ノ製作ノ免許ヲ受ケタル者ハ其ノ免許ノ区別ニ従ヒ度器、量器又ハ衡器ノ修覆及販売ノ業ヲ営ムコトヲ得
度量衡器ノ販売ノ免許ヲ受ケタル者ハ取緒、皿紐、鉤紐及錘糸ニ付桿秤ノ修覆ノ業ヲ営ムコトヲ得但シ金属ニ係ル修覆ハ此ノ限ニ在ラス
第七条 度量衡器ノ検定ハ之ヲ分チテ甲種検定及乙種検定トス
左ノ各号ノ一ニ該当スル度量衡器ニ付行フ検定ヲ甲種検定トス
一 鋼鉄製巻尺、縮尺又ハ二厘以下若ハ二分ノ一「ミリメートル」以下ノ目盛アル度器但シ鯨尺ノミノ目盛アルモノハ此ノ限ニ在ラス
二 目盛アル玻璃製枡及化学用量器
三 秤量ニ於テ其ノ一万分ノ一以下ノ重量ヲ感スル天秤
四 重量一厘未満又ハ一「センチグラム」未満ノ分銅及之ヲ含メル組分銅
五 「ヤード、ポンド」法度量衡ノ名称ニ依ル目盛其ノ他ノ表示アル度器及衡器
前項以外ノ検定ヲ乙種検定トス
第八条 度量衡器ノ甲種検定ハ農商務大臣之ヲ行ヒ乙種検定ハ地方長官之ヲ行フ
第九条 左ノ場合ニ於テハ度量衡器ノ検定ヲ受クルコトヲ要セス但シ第一号ノ場合ニ於テハ予メ農商務大臣ノ許可ヲ受クヘシ
一 度量衡器ノ製作、修覆又ハ販売ノ免許ヲ受ケタル者輸出若ハ移出シ又ハ取引若ハ証明以外ノ用ニ供スヘキ度量衡器ヲ製作、輸入、移入又ハ修覆シタルトキ
二 度量衡器ノ製作、修覆又ハ販売ノ免許ヲ受ケタル者ニ非スシテ取引若ハ証明以外ノ用ニ供スヘキ度量衡器ヲ製作、輸入、移入又ハ修覆シタルトキ
三 度量衡器ノ製作、修覆又ハ販売ノ免許ヲ受ケタル者ノ為シタル桿秤ノ修覆ニシテ其ノ取緒、皿紐、鉤紐又ハ錘糸ノ金属ニ係ラサルトキ
四 瓦斯「メートル」又ハ水量「メートル」ヲ製作、輸入、移入又ハ修覆シタルトキ
第十条 検定ヲ行ヒタル度量衡器ハ第一表又ハ第二表ノ種類ニ属シ農商務大臣ノ定ムル構造ニ関スル規定ニ適合シ且其ノ器差第三表又ハ第四表ノ公差ヲ超エサルモノニ限リ之ヲ合格トス
第十一条 検定証印アル度量衡器ニシテ検定ニ合格セサルトキハ其ノ検定証印ヲ除去シ又ハ之ニ消印ヲ附ス
第十二条 農商務大臣必要ト認ムルトキハ度量衡器ノ製作、修覆ノ方法若ハ材料ヲ指定シ又ハ其ノ変更ヲ命スルコトヲ得
第十三条 度量衡器ノ取締ハ之ヲ分チテ第一種取締及第二種取締トス
業務上取引若ハ証明ノ為使用シ又ハ使用ニ供スル為所持スル度量衡器ニ付検査ヲ行フヲ第一種取締トス
前項以外ノ取締ヲ第二種取締トス
第十四条 度量衡器ノ取締ハ地方長官之ヲ行フ
地方長官ハ市町村長又ハ之ニ準スヘキ者ヲシテ取締ノ執行ヲ補助セシメ又ハ第二種取締ヲ執行セシムルコトヲ得
農商務大臣必要ト認ムルトキハ官吏ヲシテ第二種取締ヲ執行セシムルコトヲ得
第十五条 第一種取締ニ於テハ度量衡法第八条各号ニ該当セサル度量衡器ニ検査済印ヲ附ス
第十六条 度量衡法第八条第四号ノ公差ハ第三表又ハ第四表ノ公差ノ二分ノ三トス但シ陶器枡、磁器枡及琺瑯塗リ枡ニ在リテハ第三表ノ公差ノ四分ノ五、木製枡ノ雑用ノモノ及自働秤ニ在リテハ第三表又ハ第四表ノ公差ノ二倍、瓦斯「メートル」及水量「メートル」ニ在リテハ其ノ表ハス量ノ百分ノ三トス
第十七条 第九条第一号ノ場合ニ該当スル度量衡器ハ検定証印ナキモノト雖同条但書ノ規定ニ依ル許可ノ条件ニ従ヒ之ヲ販売シ又ハ販売ノ為所持スルコトヲ得
第九条第三号ノ場合ニ該当スル桿秤ハ其ノ修覆ヲ為シタル後検定ヲ受ケサルモノト雖之ヲ販売シ若ハ販売ノ為所持シ又ハ取引上若ハ証明上ニ於ケル度量衡ノ計量ニ使用シ又ハ使用ニ供スル為所持スルコトヲ得瓦斯「メートル」又ハ水量「メートル」ニシテ検定証印ナキモノ亦同シ
附 則
第十八条 本令ハ度量衡法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第十九条 本令施行前ニ於ケル度量衡器ノ製作、修覆又ハ販売ノ免許ハ其ノ免許ノ区別ニ従ヒ効力ヲ有ス但シ本令施行後更ニ免許ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第六条第二項ノ規定ハ本令施行前度器又ハ量器ノミノ販売ノ免許ヲ受ケタル者ニ之ヲ適用セス
第二十条 本令施行前ヨリ「ヤード、ポンド」法度量衡器ノ販売ノ業ヲ営ム者ニハ明治四十二年九月三十日迄度量衡法第十四条第一号ノ規定ヲ適用セス
第二十一条 本令施行前検定ヲ受ケタル度量衡器ニ附シタル証書ハ之ヲ検定証印ト看做ス
第二十二条 明治三十年勅令第百十六号ニ依ル検定証印ニシテ左ノ度量衡器ニ附シタルモノ及効力ヲ失ヒタル検定ニ係ルモノハ其ノ証印ナキモノト看做ス
五厘未満又ハ一「ミリメートル」未満ノ目盛アル度器
全量ノ十分ノ一未満ノ目盛アル量器
五毛以下又ハ五「ミリグラム」以下ノ分銅
第二十三条 本令施行前製作、輸入又ハ移入シタル度量衡器ニシテ化学用量器瓦斯「メートル」又ハ水量「メートル」ニ在リテハ明治四十三年十二月三十一日迄、「ヤード、ポンド」法度量衡器ニ在リテハ明治四十四年六月三十日迄度量衡法第八条ノ規定ヲ適用セス但シ検定ヲ受ケタルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラス
地方長官ハ農商務大臣ノ定ムル所ニ依リ官吏ヲシテ明治四十四年六月三十日迄ニ前項ノ「ヤード、ポンド」法度量衡器ヲ検査シ之ニ合格シタルモノニハ証印ヲ附セシムヘシ但シ瓦斯「メートル」及水量「メートル」ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ検査ハ之ヲ検定ト看做ス
【表】