第二條 度量衡ノ原器ハ白金、「イリヂウム」合金製ノ棒及分銅トス其ノ棒ノ面ニ記シタル標線間ノ攝氏〇、一五度ニ於ケル長サ三十三分ノ十ヲ尺トシ分銅ノ質量四分ノ十五ヲ貫トス
第四條 「メートル」法度量衡ノ名稱命位及比較ヲ定ムルコト左ノ如シ
農商務大臣ハ度量衡ノ原器ニ依リ製作シタル副原器二組ヲ以テ原器ニ代用ス
副原器ノ一組ハ農商務大臣之ヲ保管シ他ノ一組ハ文部大臣之ヲ保管ス
第六條 度量衡器ノ製作、修覆又ハ販賣ノ業ヲ營マムトスル者ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ行政官廳ノ免許ヲ受クヘシ
第七條 度量衡器ヲ製作、輸入、移入又ハ修覆シタル者ハ命令ヲ以テ定ムルモノヲ除クノ外其ノ檢定ヲ受クヘシ
第八條 左ノ各號ノ一ニ該當スル度量衡器ハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外販賣シ若ハ販賣ノ爲所持シ又ハ取引上若ハ證明上ニ於ケル度量衡ノ計量ニ使用シ又ハ使用ニ供スル爲所持スルコトヲ得ス
二 修覆ヲ爲シタル後其ノ檢定ヲ受ケス又ハ檢定ニ合格セサルモノ
第九條 度量衡器ノ製作、修覆、取締及其ノ使用ノ制限ニ關シテハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十條 當該官吏度量衡器取締ノ爲必要アリト認ムルトキハ店舖、工場其ノ他ノ場所ニ臨檢スルコトヲ得
當該官吏臨檢ノ際度量衡ニ關スル犯罪アリト認ムルトキハ搜索ヲ爲シ又ハ犯罪ノ事實ヲ證明スヘキ物件ノ差押ヲ爲スコトヲ得
臨檢、搜索及差押ニ關シテハ間接國稅犯則者處分法ヲ準用ス
第十一條 當該官吏ハ第八條第二號乃至第五號ニ該當スル度量衡器ノ證印ヲ除去シ若ハ消印ヲ附シ又ハ其ノ度量衡器ヲ破毀シ其ノ他取締上必要ノ處分ヲ爲スコトヲ得
第十二條 度量衡器ノ製作、修覆又ハ販賣ノ免許ヲ受ケタル者本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シ又ハ當該官廳ノ命ニ從ハサルトキハ行政官廳ハ其ノ營業ヲ停止シ又ハ營業免許ヲ取消スコトヲ得
第十三條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ一年以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
二 度量衡ノ計量ヲ僞ルノ目的ヲ以テ不正ニ度量衡器ヲ使用シタル者
第十四條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一 免許ヲ受ケスシテ度量衡器ノ製作、修覆又ハ販賣ノ業ヲ營ミタル者
二 度量衡器ノ製作、修覆又ハ販賣營業ノ停止中其ノ營業ヲ爲シタル者
第十五條 當該官吏ノ訊問ニ對シ虛僞ノ答辯ヲ爲シ又ハ當該官吏ノ職務執行ヲ拒ミ之ヲ忌避シ若ハ之ニ支障ヲ加ヘタル者ハ百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
第十六條 度量衡器ノ製作、修覆若ハ販賣ノ免許ヲ受ケタル者又ハ業務上取引若ハ證明ノ爲度量衡器ヲ使用スル者ハ其ノ代理人、戶主、家族、雇人其ノ他ノ從業者ニシテ其ノ業務ニ關シ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出テサルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ス
第十七條 度量衡器ノ製作、修覆若ハ販賣ノ免許ヲ受ケタル者又ハ業務上取引若ハ證明ノ爲度量衡器ヲ使用スル者未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ依リ之ニ適用スヘキ罰則ハ之ヲ法定代理人ニ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第十八條 前二條ノ場合ニ於テハ懲役ノ刑ヲ科スルコトヲ得ス
第十九條 明治三十三年法律第五十二號ノ規定ハ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ依ル犯罪ニ之ヲ準用ス
第二十條 第三條及第四條ニ依ラサル度量衡器ニ關シテハ勅令ヲ以テ別段ノ規定ヲ設クルコトヲ得
第二十一條 本法中罰則ニ關スル規定ハ公務所ニ之ヲ適用セス