朕藥事法施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年十月五日
內閣總理大臣 東條英機
厚生大臣 小泉親彥
商工大臣 岸信介
內務大臣 安藤紀三郞
文部大臣 子爵 岡部長景
勅令第七百六十三號
藥事法施行令
第一條 藥事法第三條ノ規定ニ依ル藥劑師ノ免許ハ左ノ各號ノ一ニ該當スル者ニ之ヲ與フ
一 大學令ニ依ル大學ニ於テ藥學ヲ修メ學士ト稱スルコトヲ得ル者、官立若ハ公立ノ藥學專門學校若ハ醫學專門學校藥學科ヲ卒業シタル者又ハ文部大臣ニ於テ之ト同等以上ト認メ指定シタル學校ヲ卒業シタル者
二 藥劑師試驗ニ合格シタル者
三 外國藥學校ヲ卒業シ又ハ外國ニ於テ藥劑師免許ヲ得タル帝國臣民ニシテ厚生大臣ニ於テ第一號ノ藥學專門學校ノ卒業者ト同等以上ノ學力ヲ有シ且適當ト認定シタルモノ
四 厚生大臣ノ指定シタル外國ノ國籍ヲ有シ其ノ國ニ於テ藥劑師免許ヲ得タル者ニシテ厚生大臣ニ於テ適當ト認定シタルモノ
前項第四號ノ規定ニ依リ指定ヲ爲スハ帝國ノ藥劑師ニ對シ試驗ヲ要セズ藥劑師免許ヲ與フル國タルコトヲ要ス
第二條 藥劑師試驗ハ左ニ揭グル者ニ非ザレバ之ヲ受クルコトヲ得ズ
一 前條第一項第一號ニ該當セザル私立ノ藥學專門學校若ハ醫學專門學校藥學科又ハ文部大臣ニ於テ之ト同等以上ト認メ指定シタル學校ヲ卒業シタル者
二 外國藥學校ヲ卒業シ又ハ外國ニ於テ藥劑師免許ヲ得タル者ノ中前條第一項第三號又ハ第四號ニ該當セザル者ニシテ厚生大臣ニ於テ適當ト認定シタルモノ
第三條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ藥劑師試驗ヲ受クルコトヲ得ズ
一 六年ノ懲役又ハ禁錮以上ノ刑ニ處セラレタル者
二 瘖啞者又ハ盲者
第四條 六年未滿ノ懲役若ハ禁錮ニ處セラレタル者、藥事ニ關シ罰金ニ處セラレタル者又ハ藥事ニ關シ不正ノ行爲アリタル者ニハ藥劑師試驗ヲ受クルコトヲ許サザルコトアルベシ
第五條 前四條ニ規定スルモノノ外藥劑師ノ免許ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第六條 厚生大臣ハ藥局開設者ヲシテ其ノ受領シ得ベキ調劑報酬ニ關シ藥劑師會ノ定ニ依ラシムル命令ヲ發スルコトヲ得
第七條 厚生大臣ハ適正ナラザル調劑報酬ノ變更ニ關シ地方長官ニ於テ必要ナル處分ヲ爲シ得ル命令ヲ發スルコトヲ得
第八條 藥事法第十八條及第四十七條ノ規定ノ適用ニ付テハ樺太廳長官ノ假免許ヲ受ケタル醫師、齒科醫師又ハ獸醫ハ之ヲ醫師、齒科醫師又ハ獸醫師ト看做ス
附 則
第九條 本令ハ藥事法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第十條 大正三年勅令第二百號及大正十五年勅令第十六號ハ之ヲ廢止ス
第十一條 藥劑師法第二條第二項第一號ノ規定ニ依リ文部大臣ノ指定シタル學校ハ第一條第一項第一號ノ規定ニ依リ文部大臣ノ指定シタル學校ト看做ス
第十二條 本令施行ノ際從前ノ規定ニ依リ藥劑師試驗ノ受驗資格ヲ有スル者ハ第二條ノ規定ニ拘ハラズ昭和二十八年十二月三十一日迄仍藥劑師試驗ノ受驗資格ヲ有ス
第十三條 本令ノ適用ニ付テハ明治十三年第三十六號布吿刑法ノ重罪ノ刑ニ處セラレタル者ハ六年ノ懲役又ハ禁錮以上ノ刑ニ、同法ノ禁錮ニ處セラレタル者ハ六年未滿ノ懲役又ハ禁錮ニ處セラレタルモノト看做ス
第十四條 大正三年勅令第二百號又ハ之ニ其キテ爲ス處分ニ違反シタル者ノ處罰ニ付テハ仍舊令ニ依ル
第十五條 度量衡法施行令中左ノ通改正ス
第六條ノ二中「藥劑師法」ヲ「藥事法」ニ改ム
第十六條 道府縣手數料令中左ノ通改正ス
第一條第一號中「賣藥部外品」ヲ「醫藥部外品」ニ改メ同條第五號及第六號ヲ削ル
第十七條 樺太施行法律特例中左ノ通改正ス
第十二條 削除
第二十八條 削除
第三十一條 削除
第十八條 醫療關係者職業能力申吿令中左ノ通改正ス
第二條第一項中「藥劑師法」ヲ「藥事法」ニ、「樺太廳長官ノ免許又ハ假免許ヲ受ケタル醫師、齒科醫師及藥劑師」ヲ「樺太廳長官ノ假免許ヲ受ケタル醫師及齒科醫師」ニ改ム
第十九條 醫療關係者徵用令中左ノ通改正ス
第二條第一項中「藥劑師法」ヲ「藥事法」ニ、「樺太廳長官ノ免許又ハ假免許ヲ受ケタル醫師、齒科醫師及藥劑師」ヲ「樺太廳長官ノ假免許ヲ受ケタル醫師及齒科醫師」ニ改ム
朕薬事法施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年十月五日
内閣総理大臣 東条英機
厚生大臣 小泉親彦
商工大臣 岸信介
内務大臣 安藤紀三郎
文部大臣 子爵 岡部長景
勅令第七百六十三号
薬事法施行令
第一条 薬事法第三条ノ規定ニ依ル薬剤師ノ免許ハ左ノ各号ノ一ニ該当スル者ニ之ヲ与フ
一 大学令ニ依ル大学ニ於テ薬学ヲ修メ学士ト称スルコトヲ得ル者、官立若ハ公立ノ薬学専門学校若ハ医学専門学校薬学科ヲ卒業シタル者又ハ文部大臣ニ於テ之ト同等以上ト認メ指定シタル学校ヲ卒業シタル者
二 薬剤師試験ニ合格シタル者
三 外国薬学校ヲ卒業シ又ハ外国ニ於テ薬剤師免許ヲ得タル帝国臣民ニシテ厚生大臣ニ於テ第一号ノ薬学専門学校ノ卒業者ト同等以上ノ学力ヲ有シ且適当ト認定シタルモノ
四 厚生大臣ノ指定シタル外国ノ国籍ヲ有シ其ノ国ニ於テ薬剤師免許ヲ得タル者ニシテ厚生大臣ニ於テ適当ト認定シタルモノ
前項第四号ノ規定ニ依リ指定ヲ為スハ帝国ノ薬剤師ニ対シ試験ヲ要セズ薬剤師免許ヲ与フル国タルコトヲ要ス
第二条 薬剤師試験ハ左ニ掲グル者ニ非ザレバ之ヲ受クルコトヲ得ズ
一 前条第一項第一号ニ該当セザル私立ノ薬学専門学校若ハ医学専門学校薬学科又ハ文部大臣ニ於テ之ト同等以上ト認メ指定シタル学校ヲ卒業シタル者
二 外国薬学校ヲ卒業シ又ハ外国ニ於テ薬剤師免許ヲ得タル者ノ中前条第一項第三号又ハ第四号ニ該当セザル者ニシテ厚生大臣ニ於テ適当ト認定シタルモノ
第三条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ薬剤師試験ヲ受クルコトヲ得ズ
一 六年ノ懲役又ハ禁錮以上ノ刑ニ処セラレタル者
二 瘖唖者又ハ盲者
第四条 六年未満ノ懲役若ハ禁錮ニ処セラレタル者、薬事ニ関シ罰金ニ処セラレタル者又ハ薬事ニ関シ不正ノ行為アリタル者ニハ薬剤師試験ヲ受クルコトヲ許サザルコトアルベシ
第五条 前四条ニ規定スルモノノ外薬剤師ノ免許ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第六条 厚生大臣ハ薬局開設者ヲシテ其ノ受領シ得ベキ調剤報酬ニ関シ薬剤師会ノ定ニ依ラシムル命令ヲ発スルコトヲ得
第七条 厚生大臣ハ適正ナラザル調剤報酬ノ変更ニ関シ地方長官ニ於テ必要ナル処分ヲ為シ得ル命令ヲ発スルコトヲ得
第八条 薬事法第十八条及第四十七条ノ規定ノ適用ニ付テハ樺太庁長官ノ仮免許ヲ受ケタル医師、歯科医師又ハ獣医ハ之ヲ医師、歯科医師又ハ獣医師ト看做ス
附 則
第九条 本令ハ薬事法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第十条 大正三年勅令第二百号及大正十五年勅令第十六号ハ之ヲ廃止ス
第十一条 薬剤師法第二条第二項第一号ノ規定ニ依リ文部大臣ノ指定シタル学校ハ第一条第一項第一号ノ規定ニ依リ文部大臣ノ指定シタル学校ト看做ス
第十二条 本令施行ノ際従前ノ規定ニ依リ薬剤師試験ノ受験資格ヲ有スル者ハ第二条ノ規定ニ拘ハラズ昭和二十八年十二月三十一日迄仍薬剤師試験ノ受験資格ヲ有ス
第十三条 本令ノ適用ニ付テハ明治十三年第三十六号布告刑法ノ重罪ノ刑ニ処セラレタル者ハ六年ノ懲役又ハ禁錮以上ノ刑ニ、同法ノ禁錮ニ処セラレタル者ハ六年未満ノ懲役又ハ禁錮ニ処セラレタルモノト看做ス
第十四条 大正三年勅令第二百号又ハ之ニ其キテ為ス処分ニ違反シタル者ノ処罰ニ付テハ仍旧令ニ依ル
第十五条 度量衡法施行令中左ノ通改正ス
第六条ノ二中「薬剤師法」ヲ「薬事法」ニ改ム
第十六条 道府県手数料令中左ノ通改正ス
第一条第一号中「売薬部外品」ヲ「医薬部外品」ニ改メ同条第五号及第六号ヲ削ル
第十七条 樺太施行法律特例中左ノ通改正ス
第十二条 削除
第二十八条 削除
第三十一条 削除
第十八条 医療関係者職業能力申告令中左ノ通改正ス
第二条第一項中「薬剤師法」ヲ「薬事法」ニ、「樺太庁長官ノ免許又ハ仮免許ヲ受ケタル医師、歯科医師及薬剤師」ヲ「樺太庁長官ノ仮免許ヲ受ケタル医師及歯科医師」ニ改ム
第十九条 医療関係者徴用令中左ノ通改正ス
第二条第一項中「薬剤師法」ヲ「薬事法」ニ、「樺太庁長官ノ免許又ハ仮免許ヲ受ケタル医師、歯科医師及薬剤師」ヲ「樺太庁長官ノ仮免許ヲ受ケタル医師及歯科医師」ニ改ム