(この法律の目的)
第一條 この法律は、家畜商について免許制度を実施することにより家畜の取引の公正を確保することを目的とする。
(定義)
第二條 この法律において「家畜」とは、牛、馬、豚、めん羊及び山羊をいい、「家畜商」とは、次條の規定による免許を受けて、家畜の賣買若しくは交換又はそのあつ旋(以下「家畜の取引」と総称する。)の業務を営む者をいう。
(免許)
第三條 家畜商になろうとする者は、千円をこえない範囲内で省令で定める手数料を納めて、その住所地を管轄する都道府縣知事の免許を受けなければならない。
2 都道府縣知事は、前項の免許の申請があつたときは、その者が次條各号の一に該当する場合を除き、遅滯なく免許を與えなければならない。
(免許を與えない場合)
第四條 左の各号の一に該当する者には、前條の免許を與えない。
二 この法律又は家畜傳染病予防法(大正十一年法律第二十九号)に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終つた日又は執行を受けないことが確定した日から一年を経過しない者
三 第七條第一項又は第二項の規定による免許の取消(家畜商からの申請によるものを除く。)があつた日から二年を経過しない者。但し、本條第一号に該当するため取り消された者であつて同号に該当しなくなつたものを除く。
(家畜商名簿)
第五條 都道府縣に家畜商名簿を備え、家畜商の免許に関する事項を登録する。
(登録及び免許証の交付)
第六條 第三條の免許は、家畜商名簿に登録することによつて與えられる。
2 都道府縣知事は、第三條の免許を與えたときは、家畜商免許証を交付する。
(免許の取消及び業務の停止)
第七條 家畜商が第四條第一号若しくは第二号に該当するとき、又は家畜商から申請があつたときは、都道府縣知事は、その免許を取り消さなければならない。
2 家畜商が左の各号の一に該当するときは、都道府縣知事は、その免許を取り消し、又は期間を定めてその業務の停止を命ずることができる。
二 正当な事由がなくて引き続き一年以上家畜の取引をしないとき。
3 都道府縣知事は、前項の規定による処分をしようとするときは、当該家畜商に対し、あらかじめ期日及び場所を通知して、聽聞をしなければならない。当該家畜商は、聽聞の場所において意見を述べ、及び証拠を提出することができる。
(免許等の効力)
第八條 第三條の免許及び前條の免許の取消又は業務の停止の効力は、全都道府縣に及ぶ。
(免許の申請手続等)
第九條 第三條から前條までに規定するものの外、免許の申請、家畜商名簿の登録、訂正及びまつ消並びに免許証の交付、書換交付、再交付及び返納については、省令で定める。
(家畜の取引業務の制限)
第十條 家畜商でなければ、家畜の取引の業務を営んではならない。
(免許証の呈示)
第十一條 家畜商は、家畜の取引をするときには、家畜商免許証を携帶し、且つ、取引の相手方の要求があるときは、これを呈示しなければならない。
(罰則)
第十二條 左の各号の一に該当する者は、二年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第十條の規定に違反して、家畜商でなくて家畜の取引の業務を営んだ者
二 虚僞又は不正の事実に基いて、家畜商の免許を受けた者
第十三條 第七條第二項の規定による義務の停止の命令に違反した者は、一年以下の懲役若しくは五万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第十四條 第十一條の規定に違反した者は、三万円以下の罰金に処する。
第十五條 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の從業者が、その法人又は人の業務に関して前三條の違反行爲をしたときは、行爲者を罰する外、その法人又は人に対しても各本條の罰金刑を科する。