特定港湾施設整備特別措置法
法令番号: 法律第67号
公布年月日: 昭和34年3月30日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

輸出貿易の伸長と工業生産の拡大に対応するため、主要港湾の重要施設を緊急に整備し、経済基盤を強化することを目的とする法案である。具体的な特別措置として、①国が特別会計を設けて重要港湾施設を直轄整備すること、②工事費用の一部を資金運用部からの借入金で賄うこと、③民間資金を活用し、産業関連工事の申請事業者からの受益者負担金や施設利用者からの特別利用料を徴収することを定めている。対象は輸出港湾、石油港湾、鉄鋼港湾、石炭港湾の26港で、4カ年計画で整備する。また、国と港湾管理者の費用負担割合について特例を設けている。

参照した発言:
第31回国会 衆議院 運輸委員会 第7号

審議経過

第31回国会

衆議院
(昭和34年2月13日)
参議院
(昭和34年2月18日)
衆議院
(昭和34年3月3日)
(昭和34年3月5日)
(昭和34年3月6日)
参議院
(昭和34年3月12日)
(昭和34年3月17日)
(昭和34年3月19日)
(昭和34年3月20日)
衆議院
(昭和34年5月2日)
参議院
(昭和34年5月2日)
特定港湾施設整備特別措置法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十四年三月三十日
内閣総理大臣 岸信介
法律第六十七号
特定港湾施設整備特別措置法
(目的)
第一条 この法律は、輸出貿易の伸長及び工業生産の拡大に対応して、重要な港湾施設を緊急に整備することにより、経済基盤の強化に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律で「特定港湾施設工事」とは、次の工事をいう。
一 政令で定める港湾の水域施設、外郭施設又は係留施設で政令で定めるものの建設又は改良の工事であつて、港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第五十二条第一項又は北海道開発のためにする港湾工事に関する法律(昭和二十六年法律第七十三号)第三条第一項の規定により運輸大臣が施行するもの
二 政令で定める港湾区域外の航路の改良の工事であつて、運輸大臣が施行するもの
(借入金)
第三条 特定港湾施設工事を施行するため必要があるときは、特定港湾施設工事特別会計法(昭和三十四年法律第六十八号)の定めるところにより、その工事に要する費用の一部につき借入金をもつてその財源とすることができる。
(港湾管理者の負担割合の特例)
第四条 重要港湾(北海道の重要港湾を除く。以下この条において同じ。)において企業合理化促進法(昭和二十七年法律第五号)第八条第四項前段の規定による特定港湾施設工事を施行する場合において、同項後段の規定による負担金の額がその工事に要する費用の額の十分の五以上であるときは、港湾法第五十二条第二項において準用する同法第四十二条第一項本文の規定にかかわらず、港湾管理者は、その工事に要する費用について当該費用の額から当該負担金の額を控除した額の十分の五を負担する。
2 運輸大臣は、特定港湾施設工事(前項に規定するものを除く。)であつて政令で定めるものについては、港湾管理者との協議がととのつたときは、港湾法第五十二条第二項において準用する同法第四十二条第一項本文又は北海道開発のためにする港湾工事に関する法律第三条第二項において準用する同法第二条第一項の規定にかかわらず、その工事に要する費用について、次の各号の区分に従い、それぞれ当該各号に掲げる負担割合までを港湾管理者に負担させることができる。
一 重要港湾において施行する工事 十分の六
二 北海道の港湾の水域施設又は外郭施設に係る工事 十分の一
三 北海道の港湾の係留施設に係る工事 十分の三・二五
3 前項に規定する特定港湾施設工事については、港湾法第五十二条第二項において準用する同法第四十二条第二項中「十分の十」とあるのは「十分の八」と、「十分の七・五」とあるのは「十分の六」と読み替えるものとする。
4 港湾管理者は、特定港湾施設工事に要する費用について負担すべき負担金に係る政令で定める利息があるときは、当該負担金のほか、当該利息を負担する。
(強制徴収)
第五条 前条第一項に規定する特定港湾施設工事について、企業合理化促進法第八条第四項後段の規定による負担金を納付しない者があるときは、運輸大臣は、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。
2 前項の場合においては、運輸大臣は、運輸省令で定めるところにより、延滞金を徴収することができる。この場合において、延滞金は、百円につき一日四銭の割合で計算した額をこえない範囲内でなければならない。
3 第一項の規定による督促を受けた者が同項の期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、運輸大臣は、国税滞納処分の例により前二項に規定する負担金及び延滞金を徴収することができる。この場合における負担金及び延滞金の先取特権は、国税及び地方税に次ぐものとする。
4 延滞金は、負担金に先だつものとする。
(特別利用料)
第六条 港湾管理者は、第四条第二項の規定により同項に規定する特定港湾施設工事について負担する負担金のうち、当該工事に要する費用の額の十分の二(北海道の港湾については、十分の一)に相当する部分(その部分に係る政令で定める利息を含む。)の財源に充てるために特別利用料を徴収するものとする。
2 前項の特別利用料の種類及び料率の基準は、政令で定める。
3 第一項の特別利用料については、港湾法第四十四条第三項及び第四項の規定は、適用しない。
(通商産業大臣との協議)
第七条 運輸大臣は、第四条第一項に規定する特定港湾施設工事を施行しようとするときは、通商産業大臣に協議しなければならない。
(工事の委託)
第八条 運輸大臣は、特定港湾施設工事の一部を港湾管理者に委託することができる。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、昭和三十四年四月一日から施行する。
(企業合理化促進法の一部改正)
2 企業合理化促進法の一部を次のように改正する。
第八条第四項中「港湾法」の下に「若しくは北海道開発のためにする港湾工事に関する法律(昭和二十六年法律第七十三号)」を加える。
内閣総理大臣 岸信介
大蔵大臣 佐藤榮作
通商産業大臣 高碕達之助
運輸大臣 永野護
特定港湾施設整備特別措置法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十四年三月三十日
内閣総理大臣 岸信介
法律第六十七号
特定港湾施設整備特別措置法
(目的)
第一条 この法律は、輸出貿易の伸長及び工業生産の拡大に対応して、重要な港湾施設を緊急に整備することにより、経済基盤の強化に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律で「特定港湾施設工事」とは、次の工事をいう。
一 政令で定める港湾の水域施設、外郭施設又は係留施設で政令で定めるものの建設又は改良の工事であつて、港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第五十二条第一項又は北海道開発のためにする港湾工事に関する法律(昭和二十六年法律第七十三号)第三条第一項の規定により運輸大臣が施行するもの
二 政令で定める港湾区域外の航路の改良の工事であつて、運輸大臣が施行するもの
(借入金)
第三条 特定港湾施設工事を施行するため必要があるときは、特定港湾施設工事特別会計法(昭和三十四年法律第六十八号)の定めるところにより、その工事に要する費用の一部につき借入金をもつてその財源とすることができる。
(港湾管理者の負担割合の特例)
第四条 重要港湾(北海道の重要港湾を除く。以下この条において同じ。)において企業合理化促進法(昭和二十七年法律第五号)第八条第四項前段の規定による特定港湾施設工事を施行する場合において、同項後段の規定による負担金の額がその工事に要する費用の額の十分の五以上であるときは、港湾法第五十二条第二項において準用する同法第四十二条第一項本文の規定にかかわらず、港湾管理者は、その工事に要する費用について当該費用の額から当該負担金の額を控除した額の十分の五を負担する。
2 運輸大臣は、特定港湾施設工事(前項に規定するものを除く。)であつて政令で定めるものについては、港湾管理者との協議がととのつたときは、港湾法第五十二条第二項において準用する同法第四十二条第一項本文又は北海道開発のためにする港湾工事に関する法律第三条第二項において準用する同法第二条第一項の規定にかかわらず、その工事に要する費用について、次の各号の区分に従い、それぞれ当該各号に掲げる負担割合までを港湾管理者に負担させることができる。
一 重要港湾において施行する工事 十分の六
二 北海道の港湾の水域施設又は外郭施設に係る工事 十分の一
三 北海道の港湾の係留施設に係る工事 十分の三・二五
3 前項に規定する特定港湾施設工事については、港湾法第五十二条第二項において準用する同法第四十二条第二項中「十分の十」とあるのは「十分の八」と、「十分の七・五」とあるのは「十分の六」と読み替えるものとする。
4 港湾管理者は、特定港湾施設工事に要する費用について負担すべき負担金に係る政令で定める利息があるときは、当該負担金のほか、当該利息を負担する。
(強制徴収)
第五条 前条第一項に規定する特定港湾施設工事について、企業合理化促進法第八条第四項後段の規定による負担金を納付しない者があるときは、運輸大臣は、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。
2 前項の場合においては、運輸大臣は、運輸省令で定めるところにより、延滞金を徴収することができる。この場合において、延滞金は、百円につき一日四銭の割合で計算した額をこえない範囲内でなければならない。
3 第一項の規定による督促を受けた者が同項の期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、運輸大臣は、国税滞納処分の例により前二項に規定する負担金及び延滞金を徴収することができる。この場合における負担金及び延滞金の先取特権は、国税及び地方税に次ぐものとする。
4 延滞金は、負担金に先だつものとする。
(特別利用料)
第六条 港湾管理者は、第四条第二項の規定により同項に規定する特定港湾施設工事について負担する負担金のうち、当該工事に要する費用の額の十分の二(北海道の港湾については、十分の一)に相当する部分(その部分に係る政令で定める利息を含む。)の財源に充てるために特別利用料を徴収するものとする。
2 前項の特別利用料の種類及び料率の基準は、政令で定める。
3 第一項の特別利用料については、港湾法第四十四条第三項及び第四項の規定は、適用しない。
(通商産業大臣との協議)
第七条 運輸大臣は、第四条第一項に規定する特定港湾施設工事を施行しようとするときは、通商産業大臣に協議しなければならない。
(工事の委託)
第八条 運輸大臣は、特定港湾施設工事の一部を港湾管理者に委託することができる。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、昭和三十四年四月一日から施行する。
(企業合理化促進法の一部改正)
2 企業合理化促進法の一部を次のように改正する。
第八条第四項中「港湾法」の下に「若しくは北海道開発のためにする港湾工事に関する法律(昭和二十六年法律第七十三号)」を加える。
内閣総理大臣 岸信介
大蔵大臣 佐藤栄作
通商産業大臣 高碕達之助
運輸大臣 永野護