特定工場における公害防止組織の整備に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十六年六月十日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第百七号
特定工場における公害防止組織の整備に関する法律
(目的)
第一条 この法律は、公害防止統括者等の制度を設けることにより、特定工場における公害防止組織の整備を図り、もつて公害の防止に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「特定工場」とは、製造業その他の政令で定める業種に属する事業の用に供する工場のうち、次に掲げるものをいう。
一 ばい煙(大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)第二条第一項に規定するばい煙をいう。以下同じ。)を発生し、及び排出する施設のうちその施設から排出されるばい煙が大気の汚染の原因となるもので政令で定めるもの(以下「ばい煙発生施設」という。)が設置されている工場のうち、政令で定めるもの
二 汚水又は廃液(水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第二条第二項各号の要件のいずれかを備える汚水又は廃液をいう。以下同じ。)を排出する施設で政令で定めるもの(以下「汚水等排出施設」という。)が設置されている工場のうち、政令で定めるもの
三 著しい騒音を発生する施設で政令で定めるもの(以下「騒音発生施設」という。)が設置されている工場のうち、騒音規制法(昭和四十三年法律第九十八号)第三条第一項の規定により指定された地域内にあるもの
四 粉じん(大気汚染防止法第二条第四項に規定する粉じんをいう。以下同じ。)を発生し、及び排出し、又は飛散させる施設のうちその施設から排出され、又は飛散する粉じんが大気の汚染の原因となるもので政令で定めるもの(以下「粉じん発生施設」という。)が設置されている工場(第一号に掲げるものを除く。)
(公害防止統括者の選任)
第三条 特定工場を設置している者(以下「特定事業者」という。)は、主務省令で定めるところにより、当該特定工場に係る公害防止に関する次に掲げる業務を統括管理する者(以下「公害防止統括者」という。)を選任しなければならない。ただし、特定事業者が政令で定める要件に該当する小規模の事業者であるときは、この限りでない。
一 前条第一号の特定工場にあつては、次に掲げる業務
イ ばい煙発生施設の使用の方法の監視並びにばい煙発生施設において発生するばい煙を処理するための施設及びこれに附属する施設の維持及び使用に関すること。
ロ ばい煙発生施設において発生し、大気中に排出されるばい煙の量の測定及び記録に関すること。
ハ その他大気の汚染の防止に必要な業務で主務省令で定めるもの
二 前条第二号の特定工場にあつては、次に掲げる業務
イ 汚水等排出施設の使用の方法の監視並びに汚水等排出施設から排出される汚水又は廃液を処理するための施設及びこれに附属する施設の維持及び使用に関すること。
ロ 特定工場から水質汚濁防止法第二条第一項に規定する公共用水域に排出される水(以下「排出水」という。)の汚染状態の測定及び記録に関すること。
ハ その他水質の汚濁の防止に必要な業務で主務省令で定めるもの
三 前条第三号の特定工場にあつては、騒音発生施設の使用の方法及び配置その他騒音の防止の措置に関すること。
四 前条第四号の特定工場にあつては、粉じん発生施設の使用の方法の監視並びに粉じん発生施設から排出され、又は飛散する粉じんを処理するための施設及びこれに附属する施設の維持及び使用に関すること。
2 公害防止統括者は、当該特定工場においてその事業の実施を統括管理する者をもつて充てなければならない。
3 特定事業者は、公害防止統括者を選任したときは、その日から三十日以内に、主務省令で定めるところにより、その旨を当該特定工場の所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。公害防止統括者が死亡し、又はこれを解任したときも、同様とする。
(公害防止管理者の選任)
第四条 特定事業者は、主務省令で定めるところにより、特定工場において次に掲げる業務を管理する者(以下「公害防止管理者」という。)を選任しなければならない。この場合において、第二条第一号又は第二号の特定工場にあつては、政令で定めるばい煙発生施設又は汚水等排出施設の区分ごとに、それぞれ公害防止管理者を選任しなければならない。
一 第二条第一号の特定工場にあつては、前条第一項第一号に掲げる業務のうち、使用する燃料又は原材料の検査、ばい煙の量の測定の実施その他の主務省令で定める技術的事項
二 第二条第二号の特定工場にあつては、前条第一項第二号に掲げる業務のうち、使用する原材料の検査、排出水の汚染状態の測定の実施その他の主務省令で定める技術的事項
三 第二条第三号の特定工場にあつては、前条第一項第三号に掲げる業務のうち、騒音発生施設の配置の改善その他の主務省令で定める技術的事項
四 第二条第四号の特定工場にあつては、前条第一項第四号に掲げる業務のうち、使用する原材料の検査その他の主務省令で定める技術的事項
2 公害防止管理者は、政令で定めるところにより、第七条第一項第一号の資格を有する者のうちから選任しなければならない。
3 前条第三項の規定は、公害防止管理者について準用する。
(公害防止主任管理者の選任)
第五条 特定事業者は、当該特定工場が政令で定める要件に該当するものであるときは、主務省令で定めるところにより、前条第一項第一号及び第二号に規定する技術的事項について、公害防止統括者を補佐し、公害防止管理者を指揮する者(以下「公害防止主任管理者」という。)を選任しなければならない。
2 公害防止主任管理者は、第七条第一項第二号の資格を有する者をもつて充てなければならない。
3 第三条第三項の規定は、公害防止主任管理者について準用する。
(代理者の選任)
第六条 特定事業者は、主務省令で定めるところにより、公害防止統括者、公害防止管理者又は公害防止主任管理者が旅行、疾病その他の事故によつてその職務を行なうことができない場合にその職務を行なう者(以下「代理者」という。)を選任しなければならない。
2 第三条第三項及び第四条第二項の規定は公害防止管理者の代理者について準用し、第三条第三項及び前条第二項の規定は公害防止主任管理者の代理者について準用する。
(公害防止管理者等の資格)
第七条 公害防止管理者及び公害防止主任管理者並びにこれらの代理者の資格は、次に掲げるとおりとする。
一 公害防止管理者及びその代理者 政令で定める区分ごとに行なう公害防止管理者試験に合格した者その他当該区分ごとに政令で定める資格を有する者
二 公害防止主任管理者及びその代理者 公害防止主任管理者試験に合格した者その他政令で定める資格を有する者
2 第十条第一項の規定による命令により解任され、その解任の日から二年を経過しない者は、公害防止統括者、公害防止管理者及び公害防止主任管理者並びにこれらの代理者になることができない。
(国家試験)
第八条 公害防止管理者試験及び公害防止主任管理者試験(以下「国家試験」という。)は、大気の汚染、水質の汚濁又は騒音の防止に関して必要な知識及び技能について行なう。
2 国家試験は、毎年少なくとも一回、通商産業大臣が行なう。
3 国家試験を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の受験手数料を納付しなければならない。
4 国家試験の試験科目、受験手続その他国家試験の実施細目は、主務省令で定める。
(公害防止統括者の義務等)
第九条 公害防止統括者、公害防止管理者及び公害防止主任管理者並びにこれらの代理者は、その職務を誠実に行なわなければならない。
2 特定工場の従業員は、公害防止統括者、公害防止管理者及び公害防止主任管理者並びにこれらの代理者がその職務を行なううえで必要であると認めてする指示に従わなければならない。
(公害防止統括者等の解任命令)
第十条 都道府県知事は、公害防止統括者、公害防止管理者若しくは公害防止主任管理者又はこれらの代理者が、この法律、大気汚染防止法、水質汚濁防止法、騒音規制法又はこれらの法律に基づく命令の規定その他政令で定める法令の規定に違反したときは、特定事業者に対し、公害防止統括者、公害防止管理者若しくは公害防止主任管理者又はこれらの代理者の解任を命ずることができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による命令をしようとするときは、あらかじめ、特定事業者にその理由を通知し、弁明及び証拠の提出の機会を与えなければならない。
(報告及び検査)
第十一条 都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、特定事業者に対し、公害防止統括者、公害防止管理者若しくは公害防止主任管理者又はこれらの代理者の職務の実施状況の報告を求め、又はその職員に、特定工場に立ち入り、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(国の指導等)
第十二条 国及び地方公共団体は、公害防止管理者又は公害防止主任管理者として必要な知識及び技能を習得させるため必要な指導その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
(経過措置)
第十三条 この法律の規定に基づき、政令を制定し、又は改廃する場合においては、その政令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
(事務の委任)
第十四条 この法律の規定により都道府県知事の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、政令で定める市の長(第二条各号の政令で定める施設のうち騒音発生施設のみが設置されている特定工場に係る事務については、市町村長)に委任することができる。
(主務省令)
第十五条 この法律において主務省令は、第二条の政令で定める業種に属する事業を所管する大臣の発する命令とする。
(罰則)
第十六条 次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第三条第一項、第四条第一項、第五条第一項又は第六条第一項の規定に違反した者
二 第十条第一項の規定による命令に違反した者
第十七条 次の各号の一に該当する者は、五万円以下の罰金に処する。
一 第三条第三項(第四条第三項、第五条第三項又は第六条第二項において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第十一条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第十八条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の刑を科する。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。ただし、第三条から第六条までの規定は、公布の日から起算して一年三月を経過した日から施行する。
大蔵大臣 福田赳夫
厚生大臣 内田常雄
農林大臣 倉石忠雄
通商産業大臣 宮澤喜一
運輸大臣 橋本登美三郎
内閣総理大臣 佐藤栄作
特定工場における公害防止組織の整備に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十六年六月十日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第百七号
特定工場における公害防止組織の整備に関する法律
(目的)
第一条 この法律は、公害防止統括者等の制度を設けることにより、特定工場における公害防止組織の整備を図り、もつて公害の防止に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「特定工場」とは、製造業その他の政令で定める業種に属する事業の用に供する工場のうち、次に掲げるものをいう。
一 ばい煙(大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)第二条第一項に規定するばい煙をいう。以下同じ。)を発生し、及び排出する施設のうちその施設から排出されるばい煙が大気の汚染の原因となるもので政令で定めるもの(以下「ばい煙発生施設」という。)が設置されている工場のうち、政令で定めるもの
二 汚水又は廃液(水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第二条第二項各号の要件のいずれかを備える汚水又は廃液をいう。以下同じ。)を排出する施設で政令で定めるもの(以下「汚水等排出施設」という。)が設置されている工場のうち、政令で定めるもの
三 著しい騒音を発生する施設で政令で定めるもの(以下「騒音発生施設」という。)が設置されている工場のうち、騒音規制法(昭和四十三年法律第九十八号)第三条第一項の規定により指定された地域内にあるもの
四 粉じん(大気汚染防止法第二条第四項に規定する粉じんをいう。以下同じ。)を発生し、及び排出し、又は飛散させる施設のうちその施設から排出され、又は飛散する粉じんが大気の汚染の原因となるもので政令で定めるもの(以下「粉じん発生施設」という。)が設置されている工場(第一号に掲げるものを除く。)
(公害防止統括者の選任)
第三条 特定工場を設置している者(以下「特定事業者」という。)は、主務省令で定めるところにより、当該特定工場に係る公害防止に関する次に掲げる業務を統括管理する者(以下「公害防止統括者」という。)を選任しなければならない。ただし、特定事業者が政令で定める要件に該当する小規模の事業者であるときは、この限りでない。
一 前条第一号の特定工場にあつては、次に掲げる業務
イ ばい煙発生施設の使用の方法の監視並びにばい煙発生施設において発生するばい煙を処理するための施設及びこれに附属する施設の維持及び使用に関すること。
ロ ばい煙発生施設において発生し、大気中に排出されるばい煙の量の測定及び記録に関すること。
ハ その他大気の汚染の防止に必要な業務で主務省令で定めるもの
二 前条第二号の特定工場にあつては、次に掲げる業務
イ 汚水等排出施設の使用の方法の監視並びに汚水等排出施設から排出される汚水又は廃液を処理するための施設及びこれに附属する施設の維持及び使用に関すること。
ロ 特定工場から水質汚濁防止法第二条第一項に規定する公共用水域に排出される水(以下「排出水」という。)の汚染状態の測定及び記録に関すること。
ハ その他水質の汚濁の防止に必要な業務で主務省令で定めるもの
三 前条第三号の特定工場にあつては、騒音発生施設の使用の方法及び配置その他騒音の防止の措置に関すること。
四 前条第四号の特定工場にあつては、粉じん発生施設の使用の方法の監視並びに粉じん発生施設から排出され、又は飛散する粉じんを処理するための施設及びこれに附属する施設の維持及び使用に関すること。
2 公害防止統括者は、当該特定工場においてその事業の実施を統括管理する者をもつて充てなければならない。
3 特定事業者は、公害防止統括者を選任したときは、その日から三十日以内に、主務省令で定めるところにより、その旨を当該特定工場の所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。公害防止統括者が死亡し、又はこれを解任したときも、同様とする。
(公害防止管理者の選任)
第四条 特定事業者は、主務省令で定めるところにより、特定工場において次に掲げる業務を管理する者(以下「公害防止管理者」という。)を選任しなければならない。この場合において、第二条第一号又は第二号の特定工場にあつては、政令で定めるばい煙発生施設又は汚水等排出施設の区分ごとに、それぞれ公害防止管理者を選任しなければならない。
一 第二条第一号の特定工場にあつては、前条第一項第一号に掲げる業務のうち、使用する燃料又は原材料の検査、ばい煙の量の測定の実施その他の主務省令で定める技術的事項
二 第二条第二号の特定工場にあつては、前条第一項第二号に掲げる業務のうち、使用する原材料の検査、排出水の汚染状態の測定の実施その他の主務省令で定める技術的事項
三 第二条第三号の特定工場にあつては、前条第一項第三号に掲げる業務のうち、騒音発生施設の配置の改善その他の主務省令で定める技術的事項
四 第二条第四号の特定工場にあつては、前条第一項第四号に掲げる業務のうち、使用する原材料の検査その他の主務省令で定める技術的事項
2 公害防止管理者は、政令で定めるところにより、第七条第一項第一号の資格を有する者のうちから選任しなければならない。
3 前条第三項の規定は、公害防止管理者について準用する。
(公害防止主任管理者の選任)
第五条 特定事業者は、当該特定工場が政令で定める要件に該当するものであるときは、主務省令で定めるところにより、前条第一項第一号及び第二号に規定する技術的事項について、公害防止統括者を補佐し、公害防止管理者を指揮する者(以下「公害防止主任管理者」という。)を選任しなければならない。
2 公害防止主任管理者は、第七条第一項第二号の資格を有する者をもつて充てなければならない。
3 第三条第三項の規定は、公害防止主任管理者について準用する。
(代理者の選任)
第六条 特定事業者は、主務省令で定めるところにより、公害防止統括者、公害防止管理者又は公害防止主任管理者が旅行、疾病その他の事故によつてその職務を行なうことができない場合にその職務を行なう者(以下「代理者」という。)を選任しなければならない。
2 第三条第三項及び第四条第二項の規定は公害防止管理者の代理者について準用し、第三条第三項及び前条第二項の規定は公害防止主任管理者の代理者について準用する。
(公害防止管理者等の資格)
第七条 公害防止管理者及び公害防止主任管理者並びにこれらの代理者の資格は、次に掲げるとおりとする。
一 公害防止管理者及びその代理者 政令で定める区分ごとに行なう公害防止管理者試験に合格した者その他当該区分ごとに政令で定める資格を有する者
二 公害防止主任管理者及びその代理者 公害防止主任管理者試験に合格した者その他政令で定める資格を有する者
2 第十条第一項の規定による命令により解任され、その解任の日から二年を経過しない者は、公害防止統括者、公害防止管理者及び公害防止主任管理者並びにこれらの代理者になることができない。
(国家試験)
第八条 公害防止管理者試験及び公害防止主任管理者試験(以下「国家試験」という。)は、大気の汚染、水質の汚濁又は騒音の防止に関して必要な知識及び技能について行なう。
2 国家試験は、毎年少なくとも一回、通商産業大臣が行なう。
3 国家試験を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の受験手数料を納付しなければならない。
4 国家試験の試験科目、受験手続その他国家試験の実施細目は、主務省令で定める。
(公害防止統括者の義務等)
第九条 公害防止統括者、公害防止管理者及び公害防止主任管理者並びにこれらの代理者は、その職務を誠実に行なわなければならない。
2 特定工場の従業員は、公害防止統括者、公害防止管理者及び公害防止主任管理者並びにこれらの代理者がその職務を行なううえで必要であると認めてする指示に従わなければならない。
(公害防止統括者等の解任命令)
第十条 都道府県知事は、公害防止統括者、公害防止管理者若しくは公害防止主任管理者又はこれらの代理者が、この法律、大気汚染防止法、水質汚濁防止法、騒音規制法又はこれらの法律に基づく命令の規定その他政令で定める法令の規定に違反したときは、特定事業者に対し、公害防止統括者、公害防止管理者若しくは公害防止主任管理者又はこれらの代理者の解任を命ずることができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による命令をしようとするときは、あらかじめ、特定事業者にその理由を通知し、弁明及び証拠の提出の機会を与えなければならない。
(報告及び検査)
第十一条 都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、特定事業者に対し、公害防止統括者、公害防止管理者若しくは公害防止主任管理者又はこれらの代理者の職務の実施状況の報告を求め、又はその職員に、特定工場に立ち入り、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(国の指導等)
第十二条 国及び地方公共団体は、公害防止管理者又は公害防止主任管理者として必要な知識及び技能を習得させるため必要な指導その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
(経過措置)
第十三条 この法律の規定に基づき、政令を制定し、又は改廃する場合においては、その政令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
(事務の委任)
第十四条 この法律の規定により都道府県知事の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、政令で定める市の長(第二条各号の政令で定める施設のうち騒音発生施設のみが設置されている特定工場に係る事務については、市町村長)に委任することができる。
(主務省令)
第十五条 この法律において主務省令は、第二条の政令で定める業種に属する事業を所管する大臣の発する命令とする。
(罰則)
第十六条 次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第三条第一項、第四条第一項、第五条第一項又は第六条第一項の規定に違反した者
二 第十条第一項の規定による命令に違反した者
第十七条 次の各号の一に該当する者は、五万円以下の罰金に処する。
一 第三条第三項(第四条第三項、第五条第三項又は第六条第二項において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第十一条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第十八条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の刑を科する。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。ただし、第三条から第六条までの規定は、公布の日から起算して一年三月を経過した日から施行する。
大蔵大臣 福田赳夫
厚生大臣 内田常雄
農林大臣 倉石忠雄
通商産業大臣 宮沢喜一
運輸大臣 橋本登美三郎
内閣総理大臣 佐藤栄作