(目的)
第一条 この法律は、適正かつ能率的な事業経営を行なうことができる農業協同組合を広範に育成して農民の協同組織の健全な発展に資するため、農業協同組合の合併についての援助、合併に係る農業協同組合の事業経営の基礎を確立するのに必要な助成等の措置を定めて、農業協同組合の合併の促進を図ることを目的とする。
(合併経営計画の樹立)
第二条 農業協同組合(以下「組合」という。)は、合併により、合併後の組合(合併後存続する組合又は合併によつて設立する組合をいう。以下同じ。)を適正かつ能率的な事業経営を行なうことができる組合とするため、共同して、合併及び合併後の組合の事業経営に関する計画(以下「合併経営計画」という。)をたて、これを都道府県知事に提出して、その計画が適当であるかどうかにつき認定を求めることができる。
2 前項の規定は、合併する組合が農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第一項第一号及び第二号の事業をあわせ行なう組合(以下「信用事業を行なう組合」という。)のみである場合並びに合併する組合のうちに二以上の信用事業を行なう組合が含まれている場合に限り、適用する。
第三条 合併経営計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 合併及び合併後の組合の事業経営についての基本方針に関する事項
三 合併後の組合の事業経営を適正かつ能率的に行なうことができるようにするため必要な施設の統合整備に関する事項
四 合併後の組合と組合員との間における利用及び協力を強化するための方策
五 合併後の組合に係る合併の日を含む事業年度以後三事業年度の事業計画
2 組合が前条第一項の規定により合併経営計画をたてるには、その組合員(准組合員を除く。)の半数以上が出席する総会において、その議決権の三分の二以上の多数による議決を経なければならない。
3 前条第一項の規定による合併経営計画の提出は、昭和四十年十二月三十一日までにするものとする。
(合併経営計画の適否の認定)
第四条 都道府県知事は、第二条第一項の認定をする場合には、政令で定めるところにより、都道府県農業協同組合中央会の意見及び組合に関し学識経験を有する者の意見を聞かなければならない。
2 都道府県知事は、合併経営計画に係る事項が次の各号の要件のすべてをみたす場合に限り、その合併経営計画が適当である旨の認定をするものとする。
一 合併後の組合の地区、組合員の数その他の構成が、その地域の自然的、経済的、社会的条件に照らし、適正かつ能率的な事業経営を行なうのに十分なものであると認められること。
二 合併後の組合の事業経営に関する計画がその組合の前号の構成その他経営条件からみて適当であり、かつ、その計画を確実に達成することができると認められること。
(助成措置)
第五条 政府は、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、都道府県に対し、次に掲げる経費につき、補助金を交付することができる。
一 合併経営計画に従い、その事業経営を適正かつ能率的なものにするため、施設の統合整備を行なう合併組合(前条第二項の認定に係る合併経営計画に従い当該認定に係る組合が昭和四十一年三月三十一日までに合併をした場合に、その合併後存続する組合又はその合併によつて設立する組合をいう。以下同じ。)に対しその統合整備のため必要な施設の改良、造成又は取得に要する経費を都道府県が補助する場合における当該補助に要する経費
二 合併組合に駐在指導員を派遣してその合併経営計画の実施につき指導を行なう都道府県農業協同組合中央会に対しその指導に要する経費を都道府県が補助する場合における当該補助に要する経費
三 都道府県が組合に対し合併経営計画の樹立及び実施につき指導を行なう場合におけるその指導に要する経費