(議員の任期、定数に関する特例)
第九条 町村合併の際合併関係町村の議会の議員で当該合併町村の議会の議員の被選挙権を有することとなるものは、合併関係町村の協議により、左の各号に掲げる期限に限り、引き続き合併町村の議会の議員として在任することができる。この場合において町村合併の際に当該合併町村の議会の議員である者の数が地方自治法第九十一条の規定による定数をこえるときは、同条の規定にかかわらず、当該数をもつて当該合併町村の議会の議員の定数とし、議員に欠員が生じ、又は議員がすべてなくなつたときは、これに応じて、その定数は、同条の規定による定数に至るまで減少するものとする。
一 新たに設置された合併町村にあつては、町村合併後一箇年をこえない範囲で当該協議で定める期間
二 他の町村の区域の全部又は一部を編入した合併町村にあつては、その編入をする合併関係町村の議会の議員の残任期間に相当する期間
2 合併町村においては、地方自治法第九十一条第一項の規定にかかわらず、合併関係町村の協議により、左の各号に掲げる期間に限り、同項に規定する定数の二倍に相当する数をこえない範囲でその議会の議員の定数を増加することができる。但し、議員がすべてなくなつたときは、その定数は、同項の規定による定数に復帰するものとする。
一 新たに設置された合併町村にあつては、町村合併後最初に行われる選挙により選出される議会の議員の任期に相当する期間
二 他の町村の区域の全部又は一部を編入した合併町村にあつては、その編入をする合併関係町村の議会の議員の残任期間に相当する期間
3 前項の規定は、第一項の協議が成立した場合には適用しない。
4 第一項又は第二項の協議については、当該合併関係町村の議会の議決を経るものとし、その協議が成立したときは、合併関係町村は、直ちにその内容を告示しなければならない。
(市町村の境界変更に関する特例)
第十条 地方自治法第八条の二第二項の規定により、都道府県知事が関係町村に対し、町村合併に関する同条第一項の計画について意見を求めたときは、当該町村の長は、直ちにその旨を告示し、且つ、公衆の見やすい方法により公表しなければならない。
2 前項の告示があつたときは、当該町村の議会の議員及び長の選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、当該町村の区域内の町、字その他政令で定める基準に基く地域に属するその総数の五分の三以上の者の連署をもつて、その代表者(以下「代表者」という。)によつて町村長に対し当該地域に係る市町村の境界変更に関する意見を提出することができる。
3 前項の意見の提出があつたときは、町村長は、直ちにその要旨を公表しなければならない。
4 町村長は、第二項の意見を受理した日から六十日以内に、その意見に当該町村の意見を附して都道府県知事に提出するとともに、あわせてその旨を代表者に通知しなければならない。
5 前項の期間内に同項の通知がないときは、代表者は、第二項の意見を都道府県知事に提出することができる。
6 地方自治法第七十四条第四項の規定は、第二項の議会の議員及び長の選挙権を有する者につき準用する。
第十一条 地方自治法第八条の二第一項の規定による町村合併に関する都道府県知事の勧告が前条第二項の意見を採用している場合において、当該地域に係る市町村の境界変更に関し当該町村の議会が当該勧告と異なる議決をしたときは、町村長は、直ちにその要旨を告示し、且つ、公衆の見やすい方法により公表しなければならない。
2 前項の告示があつたときは、代表者は、政令の定めるところにより、当該町村の選挙管理委員会に対し、告示のあつた日から三十日以内に、当該地域に係る市町村の境界変更に関し、これを当該地域内の選挙人の投票に付することを請求することができる。
3 選挙管理委員会は、前項の請求があつたときは、政令の定めるところにより、請求のあつた日から三十日以内に同項の投票に付さなければならない。
4 前項の投票において、選挙人の五分の四以上の賛成があつたときは、当該投票は、当該地域に係る市町村の境界変更に関する当該町村の議会の議決に代る効力を有する。
5 選挙管理委員会は、第三項の投票の結果が判明したときは、直ちにこれを告示するとともに、都道府県知事に届け出なければならない。その結果が確定したときも、また、同様とする。
6 第四項の規定により市町村の境界変更に関する議会の議決に代る効力を有する投票の結果が確定したときは、当該地域に係る市町村の境界変更に関し地方自治法第七条第一項の規定による当該町村の申請があつたものとみなす。
7 政令で特別の定をするものを除く外、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)中普通地方公共団体の選挙に関する規定及び地方自治法第二百五十五条の二の規定は、第三項の規定による投票につき準用する。
(警察法の特例)
第十二条 合併関係町村のうちに町村合併の際警察法(昭和二十二年法律第百九十六号)の規定により警察を維持していたものと維持していなかつたものとがある場合において、合併町村が同法の規定により警察を維持すべきものであるときは、同法第四十条第一項の規定にかかわらず、合併関係町村の協議により、町村合併後三箇年以内の期間に限り、当該合併町村の警察の管轄区域を、当該合併町村の区域のうち従前警察を維持していた合併関係町村の警察の管轄区域に限ることができる。
2 前項の協議については、当該合併関係町村の議会の議決を経なければならない。
3 合併関係町村は、第一項の協議が成立したときは、直ちにその内容を告示しなければならない。
4 警察法第四十条の三第六項及び第七項の規定は、第一項の協議が成立した場合につき準用する。
5 第一項の規定によりその管轄区域が限定されている警察に関する警察法の適用については、同法第五十五条中「当該市町村の区域」とあるのは「当該町村警察の管轄区域」と、第五十五条二第二項中「その市町村の区域外」とあるのは「その町村警察の管轄区域外」と、第五十九条中「市町村の区域内」とあるのは「町村警察の管轄区域内」と、「その区域外」とあるのは「その町村警察の管轄区域外」と、第六十四条第三項中「市町村の区域外」とあるのは「町村警察の管轄区域外」と読み替えるものとする。
(地方財政法の特例)
第十三条 合併町村が行う第六条第三項第二号から第十一号までに掲げる事業で当該合併町村の永久の利益となるべきものについては、町村合併の行われた日の属する年度及びこれに続く五箇年度に限り、地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)第五条第一項の規定にかかわらず、地方債をもつてその財源とすることができる。
(地方税法の特例)
第十四条 合併町村は、合併関係町村の相互の間に地方税の賦課に関し著しい不均衡があり、その全区域にわたつて均一の課税をすることが著しく困難と認められる特別の事情がある場合においては、町村合併の行われた日の属する年度及びこれに続く三箇年度に限り、その不均衡の程度を限度として、不均一の課税をすることができる。
(地方財政平衡交付金法の特例)
第十五条 国が地方財政平衡交付金法(昭和二十五年法律第二百十一号)の定めるところにより毎年度交付する地方財政平衡交付金の額は、合併町村については、町村合併の行われた日の属する年度及びこれに続く五箇年度に限り、同法及びこれに基く命令の定めるところにより、合併関係町村が当該年度の四月一日においてなお町村合併前の区域をもつて存続した場合に算定される額の合算額を下らないように算定した額とする。
(国有財産特別措置法の特例)
第十六条 国は、国有財産特別措置法(昭和二十七年法律第二百十九号)第三条第一項各号に掲げる場合の外、合併町村が新町村建設計画の実施上当該合併町村の永久の利益となるべき施設の用に供する場合においては、同法に規定する普通財産を当該合併町村に対し、譲渡し、又は貸し付けることができる。
2 前項の規定による譲渡又は貸付に関しては、同項に規定する場合を国有財産特別措置法第三条第一項の各号に掲げる場合に該当するものとみなして同法の規定を適用する。
(国有林野整備臨時措置法の特例等)
第十七条 国は、新町村建設計画による基本財産の造成上必要があると認められる場合においては、町村合併後五箇年間に限り、合併町村の区域に係る国有林野(国有林野法(昭和二十六年法律第二百四十六号)第二条に規定する国有林野をいう。以下同じ。)を、国土の保安上及び国有林野の経営上必要なものを除く外、当該合併町村に対し、国有林野整備臨時措置法(昭和二十六年法律第二百四十七号)の例により、売り払い、又はその所有する林野と交換することができる。この場合において売払代金の支払は、売払後五箇年間はすえ置き、その後十五箇年の年賦償還とするものとする。
2 合併町村は、前項の規定により売払を受けた林野の経営については、あらかじめ国の承認を受けて定めた施業計画によらなければならない。
3 合併町村は、第一項の規定により売払を受けた林野の立木の伐採若しくは売払又は当該林野の売払をするには、あらかじめ国の承認を受けなければならない。
4 合併町村は、第一項の規定により売払又は交換を受けた林野の管理については、なるべくその住民の生業に資するように配慮しなければならない。
(国民健康保険法の特例)
第十八条 合併町村は、合併関係町村のうちに町村合併の際国民健康保険法(昭和十三年法律第六十号)の規定による国民健康保険を行つていたものと行つていなかつたものとがある場合においては、同法第八条ノ十三第一項及び第八条ノ十五第一項本文の規定にかかわらず、合併関係町村の協議による規約の定めるところにより、町村合併後五箇年以内の期間に限り、当該合併町村の区域のうち国民健康保険を行つていた合併関係町村に属していた区域内の世帯主及びその世帯に属する者を引き続き被保険者として、同法の規定による国民健康保険を行うことができる。
2 前項の協議については、当該合併関係町村の議会の議決を経なければならない。
3 第一項の規約を定めるについては、都道府県知事の認可を受けなければならない。
4 合併関係町村は、第一項の規約を定めたときは、直ちにこれを告示しなければならない。
5 国民健康保険法の適用については、第一項の規約は同法第八条ノ十三第一項の規定により合併町村が制定する条例とみなす。
6 合併関係町村の関係区域をその地区に包含する普通国民健康保険組合がある場合において第一項の規定により合併町村が国民健康保険を行うこととなるときは、合併町村が同項の規定により国民健康保険を行う間、当該普通国民健康保険組合は、国民健康保険法第二条ノ二第一項並びに同法第五十四条第一項及び第二項の規定にかかわらず、従前の地区において国民健康保険を行うことができる。
(水産業協同組合法の特例)
第十九条 水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第十八条第二項の規定により組合員たる資格を有する漁民を特定の種類の漁業を営む者又はこれに従事する者に限つている漁業協同組合の地区の全部が町村合併により同一町村の区域に包含されることとなる場合においては、当該漁業協同組合は、同条の規定にかかわらず、引き続き組合員たる資格に関する当該制限を存置することができる。
2 水産業協同組合法第七条の規定の適用については、前項の規定により組合員の資格に関する制限を存置する漁業協同組合は、同法第十八条第二項の規定により組合員の資格を限つている漁業協同組合とみなす。
(農地法の特例)
第二十条 町村合併に伴う町村の区域の変動により小作地又は小作採草放牧地(農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第六条第五項の規定により小作地又は小作採草放牧地とみなされるものを含む。以下同じ。)がこれを所有する者の住所のある町村(同条第三項又は第四項に該当するときはこれらの規定により住所があるとみなされる町村以下同じ。)の区域(小作採草放牧地にあつては、これに隣接する市町村の区域を含む。以下同じ。)の外にあることとなるときは、その者は、当該小作地又は小作採草放牧地のうち同条第一項第二号に規定する面積からそれぞれその住所のある町村の区域内において所有する小作地又は小作採草放牧地(同条第二項の規定によりその者が所有するものとみなされる小作地又は小作採草放牧地を含む。)の面積を差し引いた面積をこえないものを、同条第一項第一号の規定にかかわらず、なお所有することができる。