特別調達庁設置法
法令番号: 法律第129号
公布年月日: 昭和24年5月31日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

特別調達庁は昭和22年9月に法人として発足したが、業務の性質上、官庁としての権限が必要なため、同年12月に政府機関として位置づけられた。今般、行政組織法の施行に伴い、総理府の外局として特別調達庁を設置することとした。従来の官房1部・8局11部の組織を、連合国軍側の調達方針変更と政府の行政整理方針に即応し、1官房5局に簡素化した。ただし、膨大な終戦処理費の適正支出と複雑な調達事務の迅速処理のため、多数の専門課を必要とすることから、内部部局を部ではなく局とし、局に複数の次長を置く体制とした。

参照した発言:
第5回国会 衆議院 内閣委員会 第21号

審議経過

第5回国会

衆議院
(昭和24年5月10日)
(昭和24年5月14日)
参議院
(昭和24年5月16日)
衆議院
(昭和24年5月18日)
(昭和24年5月19日)
参議院
(昭和24年5月22日)
(昭和24年5月23日)
衆議院
(昭和24年5月31日)
(昭和24年5月31日)
参議院
(昭和24年6月1日)
特別調達廳設置法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十四年五月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百二十九号
特別調達廳設置法
目次
第一章
総則(第一條―第四條)
第二章
内部部局(第五條―第十二條)
第三章
地方支分部局(第十三條―第十六條)
附則
第一章 総則
(この法律の目的)
第一條 この法律は、特別調達廳の事務の範囲及び権限を明確に定めるとともに、その所掌する行政事務を能率的に遂行するに足る組織を定めることを目的とする。
(設置)
第二條 國家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三條第二項の規定に基いて、総理府の外局として、特別調達廳を設置する。
2 特別調達廳の長は、特別調達廳長官とする。
(任務)
第三條 特別調達廳は、左の事務を行うことを主たる任務とする。
一 連合國の需要する建造物及び設備の営繕並びに物及び役務の調達。但し、他の行政機関の所掌に属するものを除く。
二 連合國の需要を解除された建造物、設備及び物の保管、返還及び処分。但し、他の行政機関の所掌に属するものを除く。
三 連合國占領軍の特に指示する事務
2 前項第三号の指示があつた場合においては、内閣総理大臣は、その旨告示するものとする。
(権限)
第四條 特別調達廳は、その所掌事務を遂行するため、左の権限を行使する。
一 予算の範囲内で、所掌事務の遂行に必要な支出負担行爲をすること。
二 收入金を徴收し、所掌事務の遂行に必要な支拂をすること。
三 所掌事務遂行に直接必要な事務所等の施設を設置し、これを管理すること。
四 所掌事務遂行に直接必要な業務資材、事務用品、研究用資材等を調達すること。
五 不用財産を処分すること。
六 職員の任免及び賞罰を行い、その他職員の人事を管理すること。
七 職員の厚生及び保健のため必要な施設をし、これを管理すること。
八 職員に貸與する宿舍を設置し、これを管理すること。
九 所掌事務に関する統計及び調査資料を頒布し、又は刊行すること。
十 所掌事務の監察を行い、法令の定めるところに從い、必要な措置をとること。
十一 所掌事務の周知宣傳を行うこと。
十二 特別調達廳の公印を制定すること。
第二章 内部部局
(内部部局)
第五條 特別調達廳に、長官官房及び左の五部を置く。
経理部
契約部
技術部
促進監督部
事業部
(特別な職)
第六條 特別調達廳に次長一人を置く。
2 次長は、長官を助け、廳務を整理する。
3 特別調達廳に顧問二人を置く。
4 顧問は、重要な廳務に参画する。
5 長官官房に官房長一人を置く。
6 官房長は、命を受けて長官官房の事務を掌理する。
7 各部に左の通り、次長を置く。
経理部 一人
契約部 二人
技術部 二人
促進監督部 二人
事業部 二人
8 次長は、部長を助け、部務を整理する。
(長官官房)
第七條 長官官房においては、左の事務をつかさどる。
一 機密に関すること。
二 職員の職階、任免、分限、懲戒、服務その他の人事並びに教養及び訓練に関すること。
三 長官の官印及び廳印を管守すること。
四 公文書類を接受、発送、編集、及び保存すること。
五 特別調達廳の常用の経費(以下「廳費」という。)及びこれに伴う收入の予算、決算及び会計並びに会計の監査に関すること。
六 行政財産及び物品を管理すること。但し、他部の所掌に属するものを除く。
七 職員の衞生、医療その他福利厚生に関すること。
八 特別調達廳の組織及び運営に関すること。
九 法令の立案その他特別調達廳の所掌事務に関し、一般的企画をし、及び各部の事務を調整すること。
十 文書を審査すること。
十一 渉外事務を行うこと。
十二 こう報に関すること。
十三 行政の考査を行うこと。
十四 調査及び統計に関すること。
十五 前各号に掲げるものの外、特別調達廳の所掌事務で各部の所掌に属さないものを行うこと。
(経理部)
第八條 経理部においては、特別調達廳の所掌事務遂行に必要な廳費以外の経費(以下「事業費」という。)及びこれに伴う收入の予算、決算及び会計並びに会計の監査に関することをつかさどる。
(契約部)
第九條 契約部においては、左の事務をつかさどる。
一 事業費による建造物及び設備の営繕の契約を締結すること。
二 事業費による需品(不動産及びこれに附属する動産以外の物をいう。以下同じ。)の調達の契約を締結すること。
三 事業費による役務の調達の契約を締結すること。
四 事業費による不動産及び之に附属する動産の調達並びにこれらの物の返還に伴う契約及び補償に関すること。
五 連合國の需要を解除された需品の処分の契約を締結すること。
(技術部)
第十條 技術部においては、左の事務をつかさどる。
一 需品、工事及び役務に要する資材の需給に関すること。
二 需品の設計図及び仕樣書に関すること。
三 需品に要する材料、労務及び諸役務並びに費用を積算すること。
四 需品の試驗、研究及び見本の審査を行うこと。
五 工事及び役務の設計図及び仕樣書に関すること。
六 工事及び役務に要する材料、労務及び諸役務並びに費用を積算すること。
七 不動産及びこれに附属する動産の調達及び返還に伴う評價に関すること。
(促進監督部)
第十一條 促進監督部においては、左の事務をつかさどる。
一 工事の実施及び役務の提供を促進監督すること。
二 需品の生産及び納入を促進すること。
三 工事の実施、役務の提供並びに需品の生産及び納入の実績を考査すること。
四 契約に関する補償の請求その他の苦情の申出を受理し、その解決を図ること。
五 資材及び需品の輸送計画を樹立し、輸送を促進すること。
六 不動産の記録に関すること。
(事業部)
第十二條 事業部においては、左の事務をつかさどる。
一 需品の管理、出納及び輸送に関すること。
二 連合國の要求する労務者に関すること。
第三章 地方支分部局
(特別調達局)
第十三條 特別調達廳の地方支分部局として、特別調達局を置く。
(所掌事務)
第十四條 特別調達局は、特別調達廳の所掌事務を分掌する。
(名称、位置及び管轄区域)
第十五條 特別調達局の名称及び位置は、左の通りとし、その管轄区域は、各特別調達局に対應する連合國占領軍の管轄区域によることを例とする。
名称
位置
札幌特別調達局
札幌市
仙台特別調達局
仙台市
横浜特別調達局
横浜市
名古屋特別調達局
名古屋市
京都特別調達局
京都市
大阪特別調達局
大阪市
呉特別調達局
呉市
福岡特別調達局
福岡市
(内部部局)
第十六條 特別調達局に、左の四部を置く。
経理部
契約部
技術部
促進監督部
2 前項に定めるものの外、特別調達局の組織の細目は、総理府令で定める。
附 則
1 この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。
2 特別調達廳法(昭和二十二年法律第七十八号。以下「旧法」という。)及び特別調達廳法施行令(昭和二十二年政令第六十六号。)は、廃止する。但し、法律(法律に基く命令を含む。)に別段の定めがある場合を除く外、從前の機関並びに役員及び職員は、この法律に基く相当の機関及び職員となるものとする。
3 前項但書の規定は、職員の定員に関する法律の適用に影響を及ぼすものではない。
4 旧法による特別調達廳の法人格は、この法律施行の日に消滅する。
5 この法律施行の日において特別調達廳の有する権利義務は、同日において、國が承継する。
6 第十六條の規定にかかわらず、当分の間、特別調達局の内部部局として管材部を置くことが出來る。
7 内閣総理大臣は、特別調達廳又は特別調達局の所掌事務の一部を分掌させるため、当分の間、所要の地に特別調達廳又は特別調達局の連絡事務所を設置することができる。その名称、位置、管轄区域、所掌事務の範囲及び内部組織は総理府令で定める。
内閣総理大臣 吉田茂
特別調達庁設置法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十四年五月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百二十九号
特別調達庁設置法
目次
第一章
総則(第一条―第四条)
第二章
内部部局(第五条―第十二条)
第三章
地方支分部局(第十三条―第十六条)
附則
第一章 総則
(この法律の目的)
第一条 この法律は、特別調達庁の事務の範囲及び権限を明確に定めるとともに、その所掌する行政事務を能率的に遂行するに足る組織を定めることを目的とする。
(設置)
第二条 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項の規定に基いて、総理府の外局として、特別調達庁を設置する。
2 特別調達庁の長は、特別調達庁長官とする。
(任務)
第三条 特別調達庁は、左の事務を行うことを主たる任務とする。
一 連合国の需要する建造物及び設備の営繕並びに物及び役務の調達。但し、他の行政機関の所掌に属するものを除く。
二 連合国の需要を解除された建造物、設備及び物の保管、返還及び処分。但し、他の行政機関の所掌に属するものを除く。
三 連合国占領軍の特に指示する事務
2 前項第三号の指示があつた場合においては、内閣総理大臣は、その旨告示するものとする。
(権限)
第四条 特別調達庁は、その所掌事務を遂行するため、左の権限を行使する。
一 予算の範囲内で、所掌事務の遂行に必要な支出負担行為をすること。
二 収入金を徴収し、所掌事務の遂行に必要な支払をすること。
三 所掌事務遂行に直接必要な事務所等の施設を設置し、これを管理すること。
四 所掌事務遂行に直接必要な業務資材、事務用品、研究用資材等を調達すること。
五 不用財産を処分すること。
六 職員の任免及び賞罰を行い、その他職員の人事を管理すること。
七 職員の厚生及び保健のため必要な施設をし、これを管理すること。
八 職員に貸与する宿舎を設置し、これを管理すること。
九 所掌事務に関する統計及び調査資料を頒布し、又は刊行すること。
十 所掌事務の監察を行い、法令の定めるところに従い、必要な措置をとること。
十一 所掌事務の周知宣伝を行うこと。
十二 特別調達庁の公印を制定すること。
第二章 内部部局
(内部部局)
第五条 特別調達庁に、長官官房及び左の五部を置く。
経理部
契約部
技術部
促進監督部
事業部
(特別な職)
第六条 特別調達庁に次長一人を置く。
2 次長は、長官を助け、庁務を整理する。
3 特別調達庁に顧問二人を置く。
4 顧問は、重要な庁務に参画する。
5 長官官房に官房長一人を置く。
6 官房長は、命を受けて長官官房の事務を掌理する。
7 各部に左の通り、次長を置く。
経理部 一人
契約部 二人
技術部 二人
促進監督部 二人
事業部 二人
8 次長は、部長を助け、部務を整理する。
(長官官房)
第七条 長官官房においては、左の事務をつかさどる。
一 機密に関すること。
二 職員の職階、任免、分限、懲戒、服務その他の人事並びに教養及び訓練に関すること。
三 長官の官印及び庁印を管守すること。
四 公文書類を接受、発送、編集、及び保存すること。
五 特別調達庁の常用の経費(以下「庁費」という。)及びこれに伴う収入の予算、決算及び会計並びに会計の監査に関すること。
六 行政財産及び物品を管理すること。但し、他部の所掌に属するものを除く。
七 職員の衛生、医療その他福利厚生に関すること。
八 特別調達庁の組織及び運営に関すること。
九 法令の立案その他特別調達庁の所掌事務に関し、一般的企画をし、及び各部の事務を調整すること。
十 文書を審査すること。
十一 渉外事務を行うこと。
十二 こう報に関すること。
十三 行政の考査を行うこと。
十四 調査及び統計に関すること。
十五 前各号に掲げるものの外、特別調達庁の所掌事務で各部の所掌に属さないものを行うこと。
(経理部)
第八条 経理部においては、特別調達庁の所掌事務遂行に必要な庁費以外の経費(以下「事業費」という。)及びこれに伴う収入の予算、決算及び会計並びに会計の監査に関することをつかさどる。
(契約部)
第九条 契約部においては、左の事務をつかさどる。
一 事業費による建造物及び設備の営繕の契約を締結すること。
二 事業費による需品(不動産及びこれに附属する動産以外の物をいう。以下同じ。)の調達の契約を締結すること。
三 事業費による役務の調達の契約を締結すること。
四 事業費による不動産及び之に附属する動産の調達並びにこれらの物の返還に伴う契約及び補償に関すること。
五 連合国の需要を解除された需品の処分の契約を締結すること。
(技術部)
第十条 技術部においては、左の事務をつかさどる。
一 需品、工事及び役務に要する資材の需給に関すること。
二 需品の設計図及び仕様書に関すること。
三 需品に要する材料、労務及び諸役務並びに費用を積算すること。
四 需品の試験、研究及び見本の審査を行うこと。
五 工事及び役務の設計図及び仕様書に関すること。
六 工事及び役務に要する材料、労務及び諸役務並びに費用を積算すること。
七 不動産及びこれに附属する動産の調達及び返還に伴う評価に関すること。
(促進監督部)
第十一条 促進監督部においては、左の事務をつかさどる。
一 工事の実施及び役務の提供を促進監督すること。
二 需品の生産及び納入を促進すること。
三 工事の実施、役務の提供並びに需品の生産及び納入の実績を考査すること。
四 契約に関する補償の請求その他の苦情の申出を受理し、その解決を図ること。
五 資材及び需品の輸送計画を樹立し、輸送を促進すること。
六 不動産の記録に関すること。
(事業部)
第十二条 事業部においては、左の事務をつかさどる。
一 需品の管理、出納及び輸送に関すること。
二 連合国の要求する労務者に関すること。
第三章 地方支分部局
(特別調達局)
第十三条 特別調達庁の地方支分部局として、特別調達局を置く。
(所掌事務)
第十四条 特別調達局は、特別調達庁の所掌事務を分掌する。
(名称、位置及び管轄区域)
第十五条 特別調達局の名称及び位置は、左の通りとし、その管轄区域は、各特別調達局に対応する連合国占領軍の管轄区域によることを例とする。
名称
位置
札幌特別調達局
札幌市
仙台特別調達局
仙台市
横浜特別調達局
横浜市
名古屋特別調達局
名古屋市
京都特別調達局
京都市
大阪特別調達局
大阪市
呉特別調達局
呉市
福岡特別調達局
福岡市
(内部部局)
第十六条 特別調達局に、左の四部を置く。
経理部
契約部
技術部
促進監督部
2 前項に定めるものの外、特別調達局の組織の細目は、総理府令で定める。
附 則
1 この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。
2 特別調達庁法(昭和二十二年法律第七十八号。以下「旧法」という。)及び特別調達庁法施行令(昭和二十二年政令第六十六号。)は、廃止する。但し、法律(法律に基く命令を含む。)に別段の定めがある場合を除く外、従前の機関並びに役員及び職員は、この法律に基く相当の機関及び職員となるものとする。
3 前項但書の規定は、職員の定員に関する法律の適用に影響を及ぼすものではない。
4 旧法による特別調達庁の法人格は、この法律施行の日に消滅する。
5 この法律施行の日において特別調達庁の有する権利義務は、同日において、国が承継する。
6 第十六条の規定にかかわらず、当分の間、特別調達局の内部部局として管材部を置くことが出来る。
7 内閣総理大臣は、特別調達庁又は特別調達局の所掌事務の一部を分掌させるため、当分の間、所要の地に特別調達庁又は特別調達局の連絡事務所を設置することができる。その名称、位置、管轄区域、所掌事務の範囲及び内部組織は総理府令で定める。
内閣総理大臣 吉田茂