日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律
法令番号: 法律第243号
公布年月日: 昭和27年7月22日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

安全保障条約に基づき駐留する米軍の訓練等のため、日米合同委員会で協定された水面使用において、漁船の操業が訓練の支障とならないよう規制する一方、損害を被った漁業者への補償を行うことを目的とする。操業制限は内閣総理大臣が農林大臣の意見を聞いて行い、合同委員会では漁業被害を最小限に抑えるよう配慮する。補償対象は、制限水域で適法に漁業を営み、制限により損失を被った者とし、漁業権・入漁権者は別途特別措置法による補償とする。補償額は内閣総理大臣が決定し、異議申立や増額請求の訴えも認める。本法は漁業者への適正な補償を制度化し、漁業経営の安定を図るものである。

参照した発言:
第13回国会 衆議院 水産委員会 第34号

審議経過

第13回国会

衆議院
(昭和27年5月13日)
参議院
(昭和27年5月14日)
衆議院
(昭和27年5月15日)
(昭和27年5月17日)
参議院
(昭和27年5月19日)
(昭和27年5月28日)
衆議院
(昭和27年5月31日)
(昭和27年6月5日)
参議院
(昭和27年6月9日)
(昭和27年6月11日)
(昭和27年6月18日)
(昭和27年6月20日)
(昭和27年7月7日)
衆議院
(昭和27年7月31日)
日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年七月二十二日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百四十三号
日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律
(漁船の操業の制限又は禁止)
第一條 内閣総理大臣は、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約に基き日本国内及びその附近に配備されたアメリカ合衆国の陸軍、海軍又は空軍の使用に供する水面を提供するため必要があるときは、農林大臣の意見をきき、一定の区域及び期間を定めて、漁船の操業を制限し、又は禁止することができる。
(損失の補償)
第二條 国は、前條の規定による制限又は禁止により、当該区域において従来適法に漁業を営んでいた者が漁業経営上こうむつた損失を補償する。
2 前項の規定により補償する損失は、通常生ずべき損失とする。
(損失補償の申請)
第三條 前條の規定による損失の補償を受けようとする者は、総理府令の定めるところにより、その者の住所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して、損失補償申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の申請書を受理したときは、その意見を記載した書面を当該申請書に添えて、これを内閣総理大臣に送付しなければならない。
3 内閣総理大臣は、前項の書類を受理したときは、補償すべき損失の有無及び損失を補償すべき場合には補償の額を決定し、遅滞なくこれを都道府県知事を経由して当該申請者に通知しなければならない。
(異議の申立)
第四條 前條第三項の規定による決定に不服がある者は、同項の通知を受けた日から三十日以内に、総理府令で定める手続に従い、内閣総理大臣に対して異議の申立をすることができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による申立があつたときは、その申立のあつた日から三十日以内にこれについて決定し、これを申立人に通知しなければならない。
(補償金の交付)
第五條 政府は、前條第一項の規定による異議の申立がないときは、同項の期間の満了の日から三十日以内に、同項の規定による異議の申立があつた場合において同條第二項の規定による決定があつたときは、同項の通知の日から三十日以内に、補償を受けるべき者に対し、当該補償金を交付する。
(増額請求の訴)
第六條 この法律により決定された補償金の額に不服がある者は、訴をもつてその増額を請求することができる。
2 前項の訴においては、国を被告とする。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 調達庁設置法(昭和二十四年法律第百二十九号)の一部を次のように改正する。
第十條に次の一号を加える。
八 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律(昭和二十七年法律第二百四十三号)の施行に関すること。
内閣総理大臣 吉田茂
大蔵大臣 池田勇人
農林大臣 広川弘禅
日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年七月二十二日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百四十三号
日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律
(漁船の操業の制限又は禁止)
第一条 内閣総理大臣は、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き日本国内及びその附近に配備されたアメリカ合衆国の陸軍、海軍又は空軍の使用に供する水面を提供するため必要があるときは、農林大臣の意見をきき、一定の区域及び期間を定めて、漁船の操業を制限し、又は禁止することができる。
(損失の補償)
第二条 国は、前条の規定による制限又は禁止により、当該区域において従来適法に漁業を営んでいた者が漁業経営上こうむつた損失を補償する。
2 前項の規定により補償する損失は、通常生ずべき損失とする。
(損失補償の申請)
第三条 前条の規定による損失の補償を受けようとする者は、総理府令の定めるところにより、その者の住所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して、損失補償申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の申請書を受理したときは、その意見を記載した書面を当該申請書に添えて、これを内閣総理大臣に送付しなければならない。
3 内閣総理大臣は、前項の書類を受理したときは、補償すべき損失の有無及び損失を補償すべき場合には補償の額を決定し、遅滞なくこれを都道府県知事を経由して当該申請者に通知しなければならない。
(異議の申立)
第四条 前条第三項の規定による決定に不服がある者は、同項の通知を受けた日から三十日以内に、総理府令で定める手続に従い、内閣総理大臣に対して異議の申立をすることができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による申立があつたときは、その申立のあつた日から三十日以内にこれについて決定し、これを申立人に通知しなければならない。
(補償金の交付)
第五条 政府は、前条第一項の規定による異議の申立がないときは、同項の期間の満了の日から三十日以内に、同項の規定による異議の申立があつた場合において同条第二項の規定による決定があつたときは、同項の通知の日から三十日以内に、補償を受けるべき者に対し、当該補償金を交付する。
(増額請求の訴)
第六条 この法律により決定された補償金の額に不服がある者は、訴をもつてその増額を請求することができる。
2 前項の訴においては、国を被告とする。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 調達庁設置法(昭和二十四年法律第百二十九号)の一部を次のように改正する。
第十条に次の一号を加える。
八 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律(昭和二十七年法律第二百四十三号)の施行に関すること。
内閣総理大臣 吉田茂
大蔵大臣 池田勇人
農林大臣 広川弘禅