朕氣象臺官制ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正九年八月二十五日
內閣總理大臣 原敬
文部大臣 中橋德五郞
勅令第二百九十四號
氣象臺官制
第一條 氣象臺ハ文部大臣ノ管理ニ屬シ氣象ニ關スル事項ヲ攻究シ氣象事業ヲ掌ル
第二條 東京ニ中央氣象臺、神戶ニ海洋氣象臺、茨城縣下ニ高層氣象臺ヲ置ク
第三條 中央氣象臺ハ左ノ事務ヲ掌リ兼ネテ氣象事業ヲ統轄ス
一 全國氣象ノ調查及報告
二 全國ノ天氣豫報及暴風警報
三 全國地震調查
四 地磁氣及空中電氣ノ觀測及調查
五 津浪ノ調查及硏究
六 一般氣象ニ關スル事項ノ硏究
七 氣象器械及地震器械ノ硏究、調整及檢定
八 東京地方ノ氣象及地震ノ觀測
九 東京地方ノ天氣豫報及暴風警報
第四條 海洋氣象臺ハ左ノ事務ヲ掌ル
一 海洋氣象及地球磁力ノ觀測及調查竝之カ爲必要ナル天體現象ノ觀測
二 海流、潮汐其ノ他海洋ニ於ケル物理的諸現象ノ觀測及調查
三 天氣圖及磁氣偏角圖ノ發行
四 氣象器械及時辰儀、時計、羅針盤其ノ他ノ航海測器ノ硏究、調整及檢定
五 洋上船舶ニ對スル暴風雨警戒
第五條 高層氣象臺ハ高層氣象ノ觀測及調查ニ關スル事務ヲ掌ル
第六條 氣象臺ニ左ノ職員ヲ置ク
臺長
技師 專任十四人 奏任內二人ヲ勅任ト爲スコトヲ得
書記 專任八人 判任
技手 專任五十五人 判任
第七條 臺長ハ技師ノ中ヨリ文部大臣之ヲ補ス
臺長ハ文部大臣ノ命ヲ承ケ氣象臺ノ事務ヲ掌理シ所屬職員ヲ指揮監督ス
第八條 技師ハ臺長ノ命ヲ承ケ技術ヲ掌ル
第九條 書記ハ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ從事ス
技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ從事ス
第十條 中央氣象臺ニ附屬測候所及附屬地磁氣觀測所ヲ置ク其ノ位置及名稱ハ文部大臣之ヲ定ム
第十一條 附屬測候所及附屬地磁氣觀測所ニ所長ヲ置ク氣象臺技手ノ中ヨリ中央氣象臺長之ヲ命ス
附屬測候所長又ハ附屬地磁氣觀測所長ハ中央氣象臺長ノ指揮監督ヲ承ケ附屬測候所又ハ附屬地磁氣觀測所ノ事務ヲ掌ル
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
中央氣象臺官制及大正七年勅令第三百三十六號ハ之ヲ廢止ス
本令施行ノ際現ニ中央氣象臺ノ技師、技手又ハ書記ノ職ニ在ル者別ニ辭令書ヲ交付セラレサルトキハ各氣象臺ノ技師、技手又ハ書記ニ同官等俸給ヲ以テ任セラレタルモノトス
本令施行ノ際現ニ中央氣象臺技手ニシテ休職ノ者別ニ辭令書ヲ交付セラレサルトキハ休職ノ儘氣象臺技手ニ同俸給ヲ以テ任セラレタルモノトス
朕気象台官制ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正九年八月二十五日
内閣総理大臣 原敬
文部大臣 中橋徳五郎
勅令第二百九十四号
気象台官制
第一条 気象台ハ文部大臣ノ管理ニ属シ気象ニ関スル事項ヲ攻究シ気象事業ヲ掌ル
第二条 東京ニ中央気象台、神戸ニ海洋気象台、茨城県下ニ高層気象台ヲ置ク
第三条 中央気象台ハ左ノ事務ヲ掌リ兼ネテ気象事業ヲ統轄ス
一 全国気象ノ調査及報告
二 全国ノ天気予報及暴風警報
三 全国地震調査
四 地磁気及空中電気ノ観測及調査
五 津浪ノ調査及研究
六 一般気象ニ関スル事項ノ研究
七 気象器械及地震器械ノ研究、調整及検定
八 東京地方ノ気象及地震ノ観測
九 東京地方ノ天気予報及暴風警報
第四条 海洋気象台ハ左ノ事務ヲ掌ル
一 海洋気象及地球磁力ノ観測及調査並之カ為必要ナル天体現象ノ観測
二 海流、潮汐其ノ他海洋ニ於ケル物理的諸現象ノ観測及調査
三 天気図及磁気偏角図ノ発行
四 気象器械及時辰儀、時計、羅針盤其ノ他ノ航海測器ノ研究、調整及検定
五 洋上船舶ニ対スル暴風雨警戒
第五条 高層気象台ハ高層気象ノ観測及調査ニ関スル事務ヲ掌ル
第六条 気象台ニ左ノ職員ヲ置ク
台長
技師 専任十四人 奏任内二人ヲ勅任ト為スコトヲ得
書記 専任八人 判任
技手 専任五十五人 判任
第七条 台長ハ技師ノ中ヨリ文部大臣之ヲ補ス
台長ハ文部大臣ノ命ヲ承ケ気象台ノ事務ヲ掌理シ所属職員ヲ指揮監督ス
第八条 技師ハ台長ノ命ヲ承ケ技術ヲ掌ル
第九条 書記ハ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス
技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ従事ス
第十条 中央気象台ニ附属測候所及附属地磁気観測所ヲ置ク其ノ位置及名称ハ文部大臣之ヲ定ム
第十一条 附属測候所及附属地磁気観測所ニ所長ヲ置ク気象台技手ノ中ヨリ中央気象台長之ヲ命ス
附属測候所長又ハ附属地磁気観測所長ハ中央気象台長ノ指揮監督ヲ承ケ附属測候所又ハ附属地磁気観測所ノ事務ヲ掌ル
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
中央気象台官制及大正七年勅令第三百三十六号ハ之ヲ廃止ス
本令施行ノ際現ニ中央気象台ノ技師、技手又ハ書記ノ職ニ在ル者別ニ辞令書ヲ交付セラレサルトキハ各気象台ノ技師、技手又ハ書記ニ同官等俸給ヲ以テ任セラレタルモノトス
本令施行ノ際現ニ中央気象台技手ニシテ休職ノ者別ニ辞令書ヲ交付セラレサルトキハ休職ノ儘気象台技手ニ同俸給ヲ以テ任セラレタルモノトス