林業労働力の確保の促進に関する法律
法令番号: 法律第45号
公布年月日: 平成8年5月24日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

我が国の林業及び木材産業は、林産物の供給や森林の公益的機能の発揮など重要な役割を果たしているが、近年は国産材価格の低迷や経営コストの増大、製品輸入の増加により厳しい状況にある。特に林業生産活動の停滞、森林整備水準の低下、林業労働者の減少、森林組合等の経営の脆弱化が課題となっている。このため、林業経営の安定と林業労働力の確保を図ることが急務である。充実しつつある国内森林資源を適切に供給できる体制を整備するため、林業経営基盤の強化、林業労働力の確保の促進、森林所有者等から木材製造業者への木材の安定供給確保に関する措置を総合的に講ずることとし、本法案を提出するものである。

参照した発言:
第136回国会 衆議院 本会議 第14号

審議経過

第136回国会

参議院
(平成8年1月22日)
衆議院
(平成8年4月5日)
(平成8年4月9日)
(平成8年4月11日)
(平成8年4月12日)
参議院
(平成8年4月22日)
(平成8年4月23日)
(平成8年4月26日)
(平成8年4月26日)
林業労働力の確保の促進に関する法律をここに公布する。
御名御璽
平成八年五月二十四日
内閣総理大臣 橋本龍太郎
法律第四十五号
林業労働力の確保の促進に関する法律
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
基本方針及び基本計画(第三条・第四条)
第三章
事業主の改善措置(第五条―第十条)
第四章
林業労働力確保支援センター(第十一条―第二十九条)
第五章
雇用管理者等(第三十条・第三十一条)
第六章
罰則(第三十二条―第三十五条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、林業労働力の確保を促進するため、事業主が一体的に行う雇用管理の改善及び事業の合理化を促進するための措置並びに新たに林業に就業しようとする者の就業の円滑化のための措置を講じ、もって林業の健全な発展と林業労働者の雇用の安定に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「林業労働者」とは、造林、保育、伐採その他の森林における施業(以下「森林施業」という。)に従事する労働者をいう。
2 この法律において「事業主」とは、林業労働者を雇用して森林施業を行う者であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一 森林組合、森林組合連合会又はその他の森林所有者(森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第二条第二項に規定する森林所有者をいう。)の組織する団体
二 造林業、育林業又は素材生産業を営む者
三 前号に掲げる者の組織する団体
四 前三号に掲げる者のほか、これらの者に準ずる者として政令で定めるもの
第二章 基本方針及び基本計画
(基本方針)
第三条 農林水産大臣及び労働大臣は、林業労働力の確保の促進に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
2 基本方針においては、次に掲げる事項につき、次条第一項の基本計画の指針となるべきものを定めるものとする。
一 林業における経営及び雇用の動向に関する事項
二 林業労働力の確保の促進に関する基本的な方向
三 事業主が一体的に行う雇用管理の改善及び事業の合理化を促進するための措置並びに新たに林業に就業しようとする者の就業の円滑化のための措置に関する事項
四 その他林業労働力の確保の促進に関する重要事項
3 農林水産大臣及び労働大臣は、情勢の推移により必要が生じたときは、基本方針を変更するものとする。
4 農林水産大臣及び労働大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、農林水産大臣にあっては林政審議会の意見を、労働大臣にあっては中央職業安定審議会の意見をそれぞれ聴かなければならない。
5 農林水産大臣及び労働大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
(基本計画)
第四条 都道府県知事は、基本方針に即して、当該都道府県における林業労働力の確保の促進に関する基本計画(以下「基本計画」という。)を定めることができる。
2 基本計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 林業における経営及び雇用の動向に関する事項
二 林業労働力の確保の促進に関する方針
三 事業主が一体的に行う労働環境の改善その他の雇用管理の改善及び森林施業の機械化その他の事業の合理化を促進するための措置に関する事項
四 新たに林業に就業しようとする者の林業技術の習得その他の就業の円滑化のための措置に関する事項
五 その他林業労働力の確保の促進に関する事項
3 都道府県知事は、基本計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、農林水産大臣及び労働大臣に協議しなければならない。
4 都道府県知事は、基本計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
第三章 事業主の改善措置
(計画の認定)
第五条 事業主は、単独で又は他の事業主若しくは第十一条第一項のセンターと共同して、労働環境の改善、募集方法の改善その他の雇用管理の改善及び森林施業の機械化その他の事業の合理化を一体的に図るために必要な措置(以下「改善措置」という。)についての計画を作成し、これを当該計画に係る事業所の所在地を管轄する都道府県知事に提出して、当該計画が適当である旨の認定を受けることができる。
2 前項の計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 改善措置の目標
二 改善措置の内容
三 改善措置の実施時期
四 改善措置を実施するために必要な資金の額及びその調達方法
五 第十一条第一項のセンターが第十三条第一項の規定により林業労働者の募集に従事しようとする場合にあっては、当該募集に係る労働条件その他の募集の内容
3 都道府県知事は、第一項の認定の申請があった場合において、その計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。
一 前項第一号から第三号までに掲げる事項が基本計画に照らして適切なものであること。
二 前項第二号から第四号までに掲げる事項が同項第一号に掲げる目標を確実に達成するために適切なものであること。
三 第十一条第一項のセンターが第十三条第一項の規定により林業労働者の募集に従事しようとする場合にあっては、前項第五号に掲げる事項が適切であり、かつ、林業労働者の利益に反しないものであること。
四 その他政令で定める基準に適合するものであると認められること。
(計画の変更等)
第六条 前条第一項の認定を受けた者は、当該認定に係る計画を変更しようとするときは、当該計画に係る事業所の所在地を管轄する都道府県知事の認定を受けなければならない。
2 都道府県知事は、前条第一項の認定を受けた者が当該認定に係る計画(前項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。以下「認定計画」という。)に従って改善措置を実施していないと認めるときは、その認定を取り消すことができる。
3 前条第三項の規定は、第一項の認定について準用する。
(林業改善資金助成法の特例)
第七条 林業改善資金助成法(昭和五十一年法律第四十二号)第二条第二項の林業労働福祉施設資金のうち政令で定める種類の資金であって、第五条第一項の認定を受けた事業主(以下「認定事業主」という。)が認定計画に従って改善措置を行うのに必要なものの償還期間(据置期間を含む。)は、同法第五条第一項の規定にかかわらず、十五年を超えない範囲内で、その種類ごとに、政令で定める期間とする。
2 前項の資金の一認定事業主ごとの限度額は、林業改善資金助成法第四条の規定にかかわらず、その種類ごとに、農林水産省令で定める。
(課税の特例)
第八条 他の事業主及び第十一条第一項のセンターとの共同の申請に基づき第五条第一項の認定を受けた素材生産業を営む者(森林組合を含む。)又はその組織する団体(森林組合連合会を含む。)は、租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)で定めるところにより、その有する固定資産について特別償却をすることができる。
(国有林野事業における配慮)
第九条 国は、国有林野事業(国有林野事業特別会計法(昭和二十二年法律第三十八号)第一条第二項の国有林野事業をいう。)に係る森林施業を他に委託して行う場合には、認定事業主に委託するよう配慮するものとする。
(指導及び助言)
第十条 国及び都道府県は、第五条第一項の認定を受けた者に対し、認定計画に係る改善措置の的確な実施に必要な指導及び助言を行うものとする。
第四章 林業労働力確保支援センター
(指定等)
第十一条 都道府県知事は、事業主が一体的に行う雇用管理の改善及び事業の合理化並びに新たに林業に就業しようとする者の就業を支援することにより林業労働力の確保を図ることを目的として設立された民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の法人であって、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、都道府県ごとに一個に限り、林業労働力確保支援センター(以下「センター」という。)として指定することができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による指定をしたときは、当該センターの名称、住所及び事務所の所在地を公示しなければならない。
3 センターは、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
4 都道府県知事は、前項の規定による届出があったときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。
(業務)
第十二条 センターは、当該都道府県の区域内において、次に掲げる業務を行うものとする。
一 認定事業主の委託を受けて、林業労働者の募集を行うこと。
二 新たに林業に就業しようとする者に対し、その就業に必要な林業の技術又は経営方法を実地に習得するための研修その他の就業の準備に必要な資金であって政令で定めるものの貸付けを行うこと。
三 認定事業主に対し、認定計画に従って新たに雇い入れる林業労働者に対する前号の資金の支給に必要な資金であって政令で定めるものの貸付けを行うこと。
四 認定事業主に対し、森林施業の効率化又は森林施業における身体の負担の軽減に資する程度が著しく高く、かつ、事業主の事業の合理化に寄与する林業機械で農林水産大臣が定めるものの貸付けを行うこと。
五 林業労働者に対する前号の林業機械の利用に関する技術の研修及び雇用管理者に対する研修を行うこと。
六 林業労働力の確保の促進に関する情報の提供、相談その他の援助を行うこと。
七 林業労働力の確保の促進に関する調査研究及び啓発活動を行うこと。
八 前各号に掲げるもののほか、林業労働力の確保の促進を図るために必要な業務を行うこと。
(委託募集の特例等)
第十三条 認定事業主(他の事業主及びセンターとの共同の申請に基づき第五条第一項の認定を受けた者に限る。)がその認定に係るセンターをして林業労働者の募集を行わせようとする場合には、当該センターは、労働省令で定めるところにより、募集時期、募集人員、募集地域その他の林業労働者の募集に関する事項で労働省令で定めるものを労働大臣に届け出て、当該認定に係る認定計画に従って当該募集に従事することができる。この場合には、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第三十七条第一項の規定は、当該認定事業主については、適用しない。
2 前項に規定する場合において、当該センターが同項の規定による届出をせずに林業労働者の募集に従事したときは、職業安定法第六十四条(第三号に係る部分に限る。)の規定は、当該認定事業主については、適用しない。
3 職業安定法第三十八条第二項の規定は第一項の規定による届出があった場合について、同法第四十条及び第四十一条の規定は同項の規定により林業労働者の募集に従事する者について、同法第四十九条第一項及び第五十条第一項の規定は第一項の規定による届出をして林業労働者の募集に従事する者について、同法第四十九条第二項の規定は第一項の規定による業務の実施状況の調査について、同条第三項の規定はこの項において準用する同条第一項及び第二項に規定する職権を行う場合について準用する。この場合において、同法第三十八条第二項中「労働者の募集を行おうとする者」とあるのは「林業労働力の確保の促進に関する法律(以下「林業労働力確保法」という。)第十三条第一項の届出をして林業労働者の募集に従事しようとする者」と、同法第四十一条中「第三十六条又は第三十七条第一項」とあるのは「林業労働力確保法第十三条第一項」と、「同条第二項」とあるのは「第三十七条第二項」と読み替えるものとする。
第十四条 公共職業安定所は、前条第一項の規定により林業労働者の募集に従事するセンターに対して、雇用情報、職業に関する調査研究の成果等を提供し、かつ、これに基づき当該募集の内容又は方法について指導することにより、当該募集の効果的かつ適切な実施の促進に努めなければならない。
(林業就業促進資金の利率、償還期間等)
第十五条 林業就業促進資金(第十二条第二号及び第三号の貸付けに係る資金をいう。以下同じ。)は、無利子とする。
2 林業就業促進資金の償還期間(据置期間を含む。)は、二十年を超えない範囲内で、その種類ごとに、政令で定める期間とする。
3 林業就業促進資金の据置期間は、必要と認められる種類の資金につき四年を超えない範囲内で、その種類ごとに、政令で定める期間とする。
4 林業就業促進資金の一借主ごとの限度額は、その種類ごとに、農林水産省令で定める。
(一時償還)
第十六条 センターは、林業就業促進資金の貸付けを受けた者が次の各号のいずれかに該当する場合には、前条の規定にかかわらず、当該貸付けを受けた者に対し、農林水産省令で定めるところにより、林業就業促進資金の全部又は一部につき、一時償還を請求するものとする。
一 林業就業促進資金を貸付けの目的以外の目的に使用したとき。
二 償還金の支払を怠ったとき。
三 前二号に掲げる場合のほか、正当な理由がなくて貸付けの条件に違反したとき。
(違約金)
第十七条 センターは、林業就業促進資金の貸付けを受けた者が支払期日に償還金又は前条の規定により一時償還をすべき金額を支払わなかった場合には、延滞金額につき年十二・二五パーセントの割合をもって支払期日の翌日から支払当日までの日数により計算した違約金を徴収するものとする。
(事務の委託)
第十八条 センターは、政令で定めるところにより、その行う第十二条第二号及び第三号に掲げる業務(以下「資金貸付業務」という。)に係る事務の一部(貸付けの決定を除く。)を森林組合法(昭和五十三年法律第三十六号)第百一条第一項第三号の事業を行う森林組合連合会その他第二条第二項第三号に掲げる団体で政令で定めるものに委託することができる。
2 前項の森林組合連合会その他第二条第二項第三号に掲げる団体で政令で定めるものは、他の法律の規定にかかわらず、前項の規定による事務の委託を受け、当該事務を行うことができる。
(業務規程)
第十九条 センターは、資金貸付業務を行うときは、当該業務の開始前に、当該業務の実施に関する規程(次項において「業務規程」という。)を作成し、都道府県知事の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 業務規程に記載すべき事項は、農林水産省令で定める。
(事業計画等)
第二十条 センターは、毎事業年度、農林水産省令・労働省令で定めるところにより、事業計画書及び収支予算書を作成し、都道府県知事の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 センターは、農林水産省令・労働省令で定めるところにより、毎事業年度終了後、事業報告書、貸借対照表、収支決算書及び財産目録を作成し、都道府県知事に提出しなければならない。
(区分経理)
第二十一条 センターは、資金貸付業務に係る経理とその他の業務に係る経理とを区分して整理しなければならない。
(報告)
第二十二条 都道府県知事は、第十二条各号に掲げる業務の適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、センターに対し、その業務に関し必要な報告をさせることができる。
(監督命令)
第二十三条 都道府県知事は、この章の規定を施行するために必要な限度において、センターに対し、第十二条各号に掲げる業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(指定の取消し等)
第二十四条 都道府県知事は、センターが次の各号のいずれかに該当するときは、第十一条第一項の規定による指定(以下この条において「指定」という。)を取り消すことができる。
一 第十二条各号に掲げる業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。
二 指定に関し不正の行為があったとき。
三 この章の規定又は当該規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
2 都道府県知事は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。
3 第一項の規定により指定を取り消した場合における資金貸付業務に関する所要の経過措置は、合理的に必要と判断される範囲内において、政令で定めることができる。
(都道府県の貸付け)
第二十五条 都道府県は、センターが資金貸付業務を行うときは、センターに対し、当該業務に必要な資金を貸し付けることができる。
2 都道府県が前項の規定により貸し付ける資金は、無利子とし、その償還方法は、政令で定める。
(政府の助成)
第二十六条 政府は、都道府県が前条第一項に規定する資金を貸し付ける事業(以下「貸付事業」という。)を行うときは、当該都道府県に対し、予算の範囲内において、貸付事業に必要な資金の一部に充てるため補助金を交付することができる。ただし、貸付事業に係る資金の額が当該貸付事業を行うのに必要かつ適当と認められる一定額に達した都道府県については、この限りでない。
2 前項ただし書の一定額は、都道府県別に、農林水産大臣が大蔵大臣と協議して定める。
(都道府県の特別会計)
第二十七条 前条第一項の規定により政府から補助金の交付を受けて貸付事業を行う都道府県は、その経理を林業改善資金助成法第十二条第一項の規定により設置する特別会計において併せて行うことができる。この場合においては、当該都道府県は、当該経理を他の経理と区分して行うものとする。
(補助金の額)
第二十八条 政府が第二十六条第一項の規定により交付する補助金の額は、都道府県が貸付事業の財源に充てるため一般会計から特別会計に繰り入れる金額の二倍に相当する金額又は都道府県ごとに農林水産大臣が定める金額のいずれか低い額以内とする。
(納付金)
第二十九条 都道府県は、貸付事業を廃止したときは、政令で定めるところにより、その廃止の際における当該貸付事業に係る資金の未貸付額及びその後において支払を受けた当該貸付事業に係る資金の償還金の額の合計額の一部を政府から補助を受けた割合に応じて政府に納付しなければならない。
第五章 雇用管理者等
(雇用管理者)
第三十条 事業主は、常時労働省令で定める数以上の林業労働者を雇用する森林施業を行う事業所ごとに、労働省令で定めるところにより、次に掲げる事項を管理させるため、雇用管理者を選任するように努めなければならない。
一 林業労働者の募集、雇入れ及び配置に関する事項
二 林業労働者の教育訓練に関する事項
三 その他林業労働者の雇用管理に関する事項で労働省令で定めるもの
2 事業主は、雇用管理者について、必要な研修を受けさせる等前項各号に掲げる事項を管理するための知識の習得及び向上を図るように努めなければならない。
(雇用に関する文書の交付)
第三十一条 事業主は、林業労働者を雇い入れたときは、速やかに、当該林業労働者に対して、当該事業主の氏名又は名称、その雇入れに係る事業所の名称及び所在地、雇用期間、従事すべき業務の内容その他労働省令で定める事項を明らかにした文書を交付するように努めなければならない。
第六章 罰則
(罰則)
第三十二条 第十三条第三項において準用する職業安定法第五十条第一項の規定による業務の停止の命令に違反して、林業労働者の募集に従事した者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
第三十三条 次の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
一 第十三条第一項の規定による届出をしないで、林業労働者の募集に従事した者
二 第十三条第三項において準用する職業安定法第三十八条第二項の規定による指示に従わなかった者
三 第十三条第三項において準用する職業安定法第四十条又は第四十一条の規定に違反した者
第三十四条 次の各号の一に該当する者は、十万円以下の罰金に処する。
一 第十三条第三項において準用する職業安定法第四十九条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による臨検若しくは検査若しくは第十三条第三項において準用する同法第四十九条第二項の規定による調査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
二 第二十二条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第三十五条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(職業安定法の一部改正)
第二条 職業安定法の一部を次のように改正する。
第十二条第三項中「及び看護婦等の人材確保の促進に関する法律(平成四年法律第八十六号)」を「、看護婦等の人材確保の促進に関する法律(平成四年法律第八十六号)及び林業労働力の確保の促進に関する法律(平成八年法律第四十五号)」に改める。
(社会保険労務士法の一部改正)
第三条 社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。
別表第一中第二十号の十九の次に次の一号を加える。
二十の二十 林業労働力の確保の促進に関する法律(平成八年法律第四十五号。第十三条の規定に限る。)
(林業改善資金助成法の一部改正)
第四条 林業改善資金助成法の一部を次のように改正する。
第二条第三項中「必要な資金」の下に「(林業労働力の確保の促進に関する法律(平成八年法律第四十五号)第十五条第一項の林業就業促進資金を除く。)」を加える。
(農林水産省設置法の一部改正)
第五条 農林水産省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。
第四条第百七号の次に次の一号を加える。
百七の二 林業労働力の確保の促進に関する法律(平成八年法律第四十五号)の施行に関する事務で所掌に属するものを処理すること。
(労働省設置法の一部改正)
第六条 労働省設置法(昭和二十四年法律第百六十二号)の一部を次のように改正する。
第四条第四十三号の七の次に次の一号を加える。
四十三の八 林業労働力の確保の促進に関する基本方針の策定に関すること。
第四条第五十一号中「及び阪神・淡路大震災を受けた地域における被災失業者の公共事業への就労促進に関する特別措置法(平成七年法律第二十号)」を「、阪神・淡路大震災を受けた地域における被災失業者の公共事業への就労促進に関する特別措置法(平成七年法律第二十号)及び林業労働力の確保の促進に関する法律(平成八年法律第四十五号)」に改める。
第五条第五十三号の五の次に次の一号を加える。
五十三の六 林業労働力の確保の促進に関する法律に基づいて、基本方針を策定すること。
第十条第一項中「及び育児休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」を「、育児休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び林業労働力の確保の促進に関する法律」に改める。
大蔵大臣 久保亘
厚生大臣 菅直人
農林水産大臣 大原一三
労働大臣 永井孝信
内閣総理大臣 橋本龍太郎