特別とん税法
法令番号: 法律第38号
公布年月日: 昭和32年3月31日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

外国貿易船の開港への入港について、開港所在の市町村等に財源を譲与するため、新たに特別とん税を課すことを目的としている。税率は純トン数1トンまでごとに10円、1年分を一時納付の場合は30円とし、税関がとん税徴収時に併せて徴収する。納税義務者、納期、非課税範囲等はとん税と同様とする。昭和32年度において約5億8千万円の収入を見込み、これを開港所在の市町村等に譲与する。外航船舶の固定資産税引き下げ措置とも関連している。

参照した発言:
第26回国会 衆議院 大蔵委員会 第3号

審議経過

第26回国会

衆議院
(昭和32年2月13日)
参議院
(昭和32年2月14日)
(昭和32年2月21日)
衆議院
(昭和32年3月1日)
参議院
(昭和32年3月1日)
衆議院
(昭和32年3月5日)
(昭和32年3月6日)
(昭和32年3月8日)
(昭和32年3月12日)
参議院
(昭和32年3月13日)
衆議院
(昭和32年3月14日)
(昭和32年3月15日)
(昭和32年3月20日)
(昭和32年3月22日)
(昭和32年3月28日)
(昭和32年3月29日)
(昭和32年3月29日)
参議院
(昭和32年3月30日)
(昭和32年3月31日)
衆議院
(昭和32年5月19日)
参議院
(昭和32年5月19日)
特別とん税法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十二年三月三十一日
内閣総理大臣 岸信介
法律第三十八号
特別とん税法
(課税目的及び課税物件)
第一条 別に法律で定めるところにより地方公共団体に財源を譲与するため、外国貿易船の開港への入港には、この法律により、特別とん税を課する。
(定義)
第二条 この法律において「外国貿易船」、「開港」又は「純トン数」とは、とん税法(昭和三十二年法律第三十七号)第二条(定義)に規定する外国貿易船、開港又は純トン数をいう。
(課税標準及び税率)
第三条 特別とん税は、外国貿易船の純トン数を課税標準とし、次の各号に掲げる場合について当該各号に掲げる税率により課する。
一 開港への入港ごとに納付する場合 純トン数一トンまでごとに十円
二 開港ごとに一年分を一時に納付する場合 純トン数一トンまでごとに三十円
(納税義務者)
第四条 特別とん税は、外国貿易船の船長(船長がその職務を行うことができない場合には、船長に代つてその職務を行う者。以下同じ。)が納付しなければならない。
2 外国貿易船の運航者が特別とん税の納付についての事務を当該外国貿易船の船長以外の者に行わせ、又は自ら行うことについて、税関長の承認を受けた場合においては、前項の規定にかかわらず、当該船長以外の者又は運航者が特別とん税を納付しなければならない。
(徴収)
第五条 特別とん税は、とん税にあわせて徴収しなければならない。
2 特別とん税及びとん税の納付があつたときは、その納付に係る金額の十八分の十に相当する税額の特別とん税及び十八分の八に相当する税額のとん税の納付があつたものとする。
(とん税法の規定の準用)
第六条 とん税法第五条から第八条まで(納期及び納付の方法・納税の告知・非課税・積量の測度)、第十条(国税徴収法の不適用)及び第十一条(審査の請求及び訴願)の規定は、特別とん税について準用する。
(担保)
第七条 とん税法第九条第一項(担保の提供)の規定による担保を提供する者は、特別とん税の額に相当する担保をあわせて提供しなければならない。
2 とん税法第九条第二項(担保についての準用規定)の規定は、前項の規定により提供された担保について準用する。
(国税徴収の例による場合の措置)
第八条 とん税法第九条第二項(担保を提供した場合の徴収等)(前条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第十二条第三項(罰則の適用があつた場合の徴収)又は第十条第三項においてその例によることとされる国税徴収法(明治三十年法律第二十一号。以下第三項において「国税徴収法」という。)第九条第三項から第十項までの規定によりとん税及び特別とん税に係る延滞加算税額を徴収すべき場合においては、同条第三項から第十項までの規定にかかわらず、滞納に係るとん税額及び特別とん税額の合算額について、同条第三項から第十項までの規定による延滞加算税額の計算に準じて計算した金額の十八分の八に相当する金額及び十八分の十に相当する金額を、それぞれ同条第三項から第十項までの規定により徴収すべきとん税に係る延滞加算税額及び特別とん税に係る延滞加算税額とする。
2 第五条第一項の規定は、前項に規定する延滞加算税額を徴収する場合について準用する。
3 国税徴収法の規定の適用がある場合において、とん税及び特別とん税に係る過誤納金があるときは、国税徴収法第三十一条ノ五の規定にかかわらず、未納のとん税及び特別とん税以外の国税又は滞納処分費に充当してはならない。
(端数計算)
第九条 特別とん税及びとん税は、国庫出納金等端数計算法(昭和二十五年法律第六十一号)の規定の適用については、一の税目の国税とみなす。
(罰則)
第十条 偽りその他不正の行為により、特別とん税を免がれ、又は納付すべき特別とん税を納付しなかつた者は、三年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の犯罪の実行に着手してこれを遂げない者についても、同項の例による。
3 前二項の場合においては、特別とん税を納付すべき者から、国税徴収法(同法第三十一条ノ二から第三十一条ノ四まで及び第三十一条ノ六を除く。)の例により、直ちにその特別とん税を徴収する。
(両罰規定)
第十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前条第一項又は第二項の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほかその法人又は人に対してこれらの項の罰金刑を科する。
(犯則事件の調査及び処分)
第十二条 関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第十一章(犯則事件の調査及び処分)の規定は、特別とん税に係る犯則事件の調査及び処分について準用する。この場合において、同法第百三十九条(通告処分の不履行と告発)の規定中「二十日」とあるのは、「四十八時間」と読み替えるものとする。
附 則
1 この法律は、昭和三十二年四月一日から施行する。
2 証券を以てする歳入納付に関する法律(大正五年法律第十号)の一部を次のように改正する。
第二条第二項中「又ハ噸税」を「、トン税又ハ特別トン税」に改める。
3 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
第四条第二十四号中「及びとん税」を「、とん税及び特別とん税」に改める。
第九条第一項第四号及び第二項中「及びとん税」を「、とん税及び特別とん税」に改める。
第十七条第一項の表の関税訴願審査会の項中「及びとん税」を「、とん税及び特別とん税」に改める。
第二十三条中「及びとん税」を「、とん税及び特別とん税」に改める。
第四十条第二項中「及びとん税」を「、とん税及び特別とん税」に改める。
4 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律(昭和二十七年法律第百十二号)の一部を次のように改正する。
第一条中「とん税法(昭和三十二年法律第三十七号)」の下に「、特別とん税法(昭和三十二年法律第三十八号)」を加える。
第三条の見出しを「(とん税等の免除)」に改め、同条中「とん税」を「とん税及び特別とん税」に改め、「とん税法第三条第一号」の下に「及び特別とん税法第三条第一号」を加える。
第四条の見出しを「(とん税等の免除手続)」に改め、同条中「とん税」を「とん税及び特別とん税」に改める。
第十三条中「とん税及び」を「とん税及び特別とん税並びに」に改める。
5 関税法の一部を次のように改正する。
第十七条第二項中「とん税法(昭和三十二年法律第三十七号)」の下に「及び特別とん税法(昭和三十二年法律第三十八号)」を加え、「とん税の額」を「とん税及び特別とん税の額」に改め、「(担保)」の下に「及び特別とん税法第七条第一項(担保)」を加える。
第九十五条第一項中「とん税法第十一条」の下に「(特別とん税法第六条において準用する場合を含む。)」を加える。
6 日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律(昭和二十九年法律第百四十九号)の一部を次のように改正する。
第一条中「とん税法(昭和三十二年法律第三十七号)」の下に「、特別とん税法(昭和三十二年法律第三十八号)」を加える。
第四条中「又はとん税法」を「、とん税法又は特別とん税法」に改める。
第五条中「とん税法」の下に「、特別とん税法」を加える。
内閣総理大臣 岸信介
大蔵大臣 池田勇人